ガスファンヒーターは、プロパンガス(LPガス)でも使えますが、LPガス用として作られた機種を選ぶ必要があります。
都市ガス用の機種をLPガスで使うことは、できません。
ガスの種類によって、熱の強さも、供給される圧力も違い、燃焼の仕組みが合わなくなるからです。
この記事では、ガスファンヒーターのガス種の考え方、都市ガスとLPガスの違い、買うときと引っ越すときの確認ポイントを整理します。
ガス種を間違えると危険なので、確認の手順もあわせて書きます。
結論:ガス種は機種ごとに決まっている。表示を確認して選ぶ
ガス種の基本は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使えるガス | 機種ごとに決まっている(都市ガス用、LPガス用) |
| 都市ガス用をLPガスで使う | できない。不完全燃焼や火災の危険がある |
| LPガス用を都市ガスで使う | できない。同じく危険 |
| 同じシリーズでも | ガス種ごとに、別の品番になっている |
| ガス種の確認場所 | 本体の銘板、箱の表示、取扱説明書 |
| 引っ越したとき | ガス種が変わるなら、機種の確認や買い替えが必要 |
購入前に、いまの住まいのガス種を確認し、同じガス種に対応した機種を選んでください。
都市ガスとLPガスの違い
ガスファンヒーターを選ぶ前に、2つのガスの違いを整理します。
| 項目 | 都市ガス | LPガス(プロパンガス) |
|---|---|---|
| 主成分 | メタンが中心 | プロパン・ブタンが中心 |
| 供給方法 | 地下の導管で供給 | ボンベやバルクタンクで供給 |
| 1㎥あたりの熱量 | 小さい | 都市ガスの約2倍 |
| 空気より | 軽い | 重い |
| 区分の例 | 12A、13Aなど | LPG |
LPガスは、1㎥あたりの熱量が、都市ガスの約2倍あります。
同じ量のガスを燃やしても、出てくる熱の強さが違います。
そのため、ガス機器は、ガスの種類に合わせて、ガスを出す口の大きさや、空気との混ぜ方を設計しています。
この設計が合わないと、炎が正しく作れません。
なぜガス種が違うと使えないのか
ガス種が合わない場合に、何が起きるかを整理します。
| ケース | 起きること |
|---|---|
| 都市ガス用をLPガスで使う | ガスが多く出すぎ、空気が足りなくなり、不完全燃焼になる |
| LPガス用を都市ガスで使う | 熱量が足りず、炎が不安定になる、立ち消えが起きる |
| 供給圧力が合わない | 炎の大きさが変わり、安全装置が働く |
特に、都市ガス用をLPガスで使うと、不完全燃焼から一酸化炭素が発生するおそれがあります。
見た目が似ていても、ガス種の違うガス機器は、使ってはいけません。
ガス種の違う機器を、つないで使ったり、自分で改造したりしないでください。
ガス種の確認のしかた
自分の家のガス種と、機種の対応を確認する方法です。
| 確認すること | 方法 |
|---|---|
| 家のガス種 | ガスの検針票や請求書、ガス会社の連絡先で確認する |
| 都市ガスの区分 | 12A、13Aなどの表示を、検針票や契約書で確認する |
| 機種のガス種 | 本体の銘板、箱の表示で確認する |
| 品番の違い | 同じシリーズでも、ガス種ごとに品番の末尾などが違う |
家のガス種が分からない場合は、ガス会社に聞くのが確実です。
都市ガスの地域でも、LPガスの地域でも、ガス栓の見た目は似ています。
見た目だけで判断せず、必ず表示を確認してください。
ガスファンヒーターの仕組みは、ガスファンヒーターの仕組みの記事で整理しています。
LPガスで使うときの注意点
LPガスの家でガスファンヒーターを使うときは、次の点に気をつけます。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| LPガス用の機種を選ぶ | 表示に「LPG」とあるものを選ぶ |
| 専用のガスコードを使う | ゴム管ではなく、ガス用のコードで接続する |
| 換気をする | 開放式のため、定期的な換気が欠かせない |
| ガスが漏れたら | ガス栓を閉め、窓を開け、火気や電気のスイッチに触れず、ガス会社に連絡する |
| ボンベの交換時期 | ガスの残量に注意し、使用中に切れないようにする |
LPガスは、空気より重いため、漏れたときに床にたまりやすい性質があります。
ガスのにおいを感じたら、すぐに使用を中止してください。
ガスコードの選び方は、ガスコードの選び方の記事で詳しく整理しています。
LPガスの家でのガス代の考え方
LPガスは、ガス会社ごとに料金が決められる、自由料金です。
同じ量を使っても、地域や会社で、請求額が変わります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 基本料金 | 契約で決まる固定費 |
| 従量料金 | 使った量に応じてかかる費用 |
| 料金の違い | 地域やガス会社ごとに異なる |
暖房で使うガスの量は、機種の消費量と、運転時間で決まります。
ガスファンヒーターは、暖まりが早い一方、ガスを多く使う機器です。
暖房費の目安は、使う前に、ガス会社に料金を確認すると、安心です。
引っ越しのときの確認
引っ越しで、ガス種が変わるときは、手持ちのガスファンヒーターが使えなくなる場合があります。
| 引っ越し先のガス種 | 手持ちの機種 | 対応 |
|---|---|---|
| 同じガス種 | そのまま使える | ガスコードの長さや接続部を確認する |
| 都市ガス → LPガス | 使えない | 買い替え、または、メーカーへの相談 |
| LPガス → 都市ガス | 使えない | 買い替え、または、メーカーへの相談 |
| 都市ガスの区分が違う | 機種による | 12A・13A両方に対応しているか、確認する |
ガス種の変更が可能かどうかは、機種によって異なります。
自分で改造せず、必ずメーカーや、ガス会社に相談してください。
寿命の考え方は、ガスファンヒーターの寿命の記事で整理しています。
石油ファンヒーターとの違い
LPガスの家でも、石油ファンヒーターを選ぶ人は、少なくありません。
ガスと石油の違いを整理します。
| 項目 | ガスファンヒーター | 石油ファンヒーター |
|---|---|---|
| 燃料の補給 | 不要(ガス栓につなぐ) | 灯油を給油する |
| 立ち上がり | 速い機種が多い | ややゆっくり |
| においの出やすさ | 少ない | 給油時や点火時に出やすい |
| 設置場所の制約 | ガス栓の近くに限られる | コンセントがあればよい |
| 停電時 | ファンが止まるため使えない | 同じく使えない |
石油とガスの比較は、石油ファンヒーターとガスファンヒーターの違いの記事で整理しています。
買うときに確認したい項目
ガス種のほかに、購入時に確認する項目です。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| ガス種 | 都市ガスの区分またはLPG |
| 部屋の広さ | 木造・コンクリート別の畳数の目安 |
| ガス栓の種類 | 接続できる形状か |
| ガスコード | 機種指定のものが別売か |
| 安全装置 | 立ち消え、転倒、過熱、自動消火など |
| 設置場所 | ガス栓から、届く距離か |
畳数の目安は、木造とコンクリートで違います。
家の構造に合ったほうを、選んでください。
ガス漏れに備える習慣
LPガスは、空気より重く、漏れると床の近くにたまります。
ガス機器を使う家では、日ごろの備えが大切です。
| 備え | 内容 |
|---|---|
| ガス漏れ警報器の設置 | LPガスは、床に近い位置に付けるタイプが適している |
| 使わないときはガス栓を閉める | 外出時や就寝前に、ガス栓を閉める習慣をつける |
| 定期的なホース点検 | ガスコードのひび割れや、接続部のゆるみを確認する |
| 保安点検を受ける | ガス会社の定期点検に応じる |
ガス漏れ警報器は、ガスの種類に合ったものを選びます。
都市ガスとLPガスでは、取り付ける高さが違うため、設置の際は説明書を確認してください。
ガスのにおいがしたときは、火気を使わず、換気扇や電気のスイッチにも触れずに、窓を開けてガス会社に連絡します。
引っ越し先で石油ファンヒーターに切り替える選択肢
引っ越しでガス種が変わると、ガスファンヒーターを買い直す必要が出てきます。
その費用や、暖房の考え方を見直すきっかけにもなります。
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| 同じガス種のガスファンヒーターを買い直す | 暖まりが早く、給油の手間がない |
| 石油ファンヒーターに切り替える | ガス栓に縛られず、置き場所の自由度が高い |
| 電気の暖房に切り替える | 設置が簡単で、換気の負担が小さい |
どの暖房にも一長一短があります。
家のガス料金や、灯油の入手のしやすさ、部屋の広さなどを考えて決めてください。
よくある質問
Q1. 都市ガス用のガスファンヒーターを、プロパンガスで使えますか?
使えません。
ガスの熱量と供給圧力が違うため、不完全燃焼や火災の危険があります。
LPガス用の機種を選んでください。
Q2. ガス種は、どこを見れば分かりますか?
本体の銘板や、箱の表示に書かれています。
家のガス種は、ガスの検針票や、ガス会社への問い合わせで確認できます。
Q3. 引っ越し先のガス種が違います。手持ちの機種は使えますか?
ガス種が違えば、そのままでは使えません。
機種によっては、対応できる場合もあるため、メーカーに確認してください。
Q4. LPガスの家で、ガスファンヒーターは割高ですか?
LPガスは自由料金のため、会社ごとに料金が違います。
契約しているガス会社の料金を確認して、判断してください。
Q5. 12Aと13Aは、同じ機種で使えますか?
機種によって対応が違います。
両方に対応した機種もあるため、銘板や取扱説明書で確認してください。
まとめ
ガスファンヒーターは、家のガス種に対応した機種を選べば、LPガスでも使えます。
最後に、この記事のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 基本 | ガス種は機種ごとに決まっている |
| 都市ガス用とLPガス用 | 互いに使えない |
| 確認する場所 | 本体の銘板、箱の表示、検針票 |
| LPガスの注意点 | 専用のガスコード、換気、漏れたときの対応 |
| 引っ越し | ガス種が変わるなら、買い替えや相談が必要 |
| 買うとき | ガス種、畳数、ガス栓、ガスコードを確認する |
まずは、お住まいのガスの検針票を見て、都市ガスかLPガスか、そして区分を確認するところから始めてみてください。

