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長府ガス暖房ボイラのエラー72・723とは|燃焼前の残り火検知

長府ガス暖房ボイラのエラー72・723について、燃焼前の残り火検知を解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

長府(CHOFU)のガス暖房ボイラに72、あるいは723と表示されて運転が止まった。
「残り火」という言葉を見て、機器のなかで火が消えずに燃え続けているのかと不安になったかもしれません。
このコードが示しているのは、燃焼を始める前の段階で、本来ないはずの炎が検知されたという状態です。
ただし、実際に火が残っている場合と、残っていないのにそう見えている場合の両方があります。

この記事では、その2つの可能性を整理したうえで、確認事項に並ぶ部品の意味を解説します。

目次

72・723は「燃え始める前に炎が見えている」ことの検知

スクロールできます
コード対象機種の目安確認事項処置
72GDB-751K・752K・500K・1700Kフレームロッドの汚れ、ガイシの割れ、リード線の絶縁不良復帰しない、または再発する場合は点検・修理を依頼
723GDB-700K-3H・1200K-6H消火時の炎電流の測定復帰しない、または再発する場合は点検・修理を依頼

ガス暖房ボイラは、点火する前に燃焼室の状態を確認します。
このとき炎はまだ存在しないはずなので、炎を検知する部品からの信号もゼロに近い値になります。

その段階で炎があると判定されると、機器は点火に進みません。
残り火があるまま新たに点火すれば、異常な着火につながるおそれがあるためです。

機種系統ごとの解除操作の違いは長府ガス暖房ボイラのエラーコード一覧|表示の意味と解除の目安にまとめています。

2つの可能性|本当に残っているか、そう見えているか

可能性何が起きているか重さ
実際に炎が残っている消火したはずなのに燃焼が続いているガスの遮断に関わるため重い
炎はないが、そう検知されている検知側の汚れや絶縁不良で信号が出ている部品の清掃・交換で対応する

機器の側では、この2つを区別できません。
炎電流という電気的な信号として同じように見えるためです。
そのため、どちらであっても点火を中止して停止します。

確認事項に並ぶ部品を見ると、72では検知側に関わるものが挙げられています。
実務上は、後者にあたるケースが少なくないと考えられます。
ただし前者の可能性が残る以上、そのまま使い続ける判断はできません。

なぜ「炎がないのにそう見える」のか

炎の検知は、フレームロッドという部品で行われます。
炎のなかを微弱な電流が流れる性質を利用した仕組みです。

この検知が成立するには、フレームロッドが正しく絶縁され、炎のあるときだけ電流が流れる状態でなければなりません。

部品・状態起きること
フレームロッドの汚れ(すすなど)炎の有無を正しく判定できなくなる
ガイシの割れ絶縁が保てず、炎がなくても電流が流れる経路ができる
リード線の絶縁不良同様に、意図しない経路で電流が流れる

ガイシは、フレームロッドを支えながら電気的に絶縁するための部品です。
ここに割れが生じると、炎がなくても電流が流れ、炎があるように見えてしまいます。

723の確認事項にある「消火時の炎電流の測定」も、同じ考え方です。
消火したあとに炎電流が残っていないかを測ることで、検知側の状態を確かめます。

同じフレームロッドは、ガス遮断機能に関わる51・80・81の確認事項にも登場します。
考え方は長府ガス暖房ボイラのエラー51・80・81|ガス遮断機能の異常で整理しています。

723の解除操作は同系統の他コードと違う

GDB-700K-3H・1200K-6Hの系統では、多くのコードで電源プラグをOFFにする解除操作が指定されています。
しかし723については、熱源機リモコン・床暖房用リモコン・E-CON接続放熱機の運転スイッチをすべてOFFにし、5分待機してからいずれかをONにする方法です。

電源プラグを抜いても解除できないため、ここで戸惑うケースがあります。
接続されている機器のうち一つでも運転状態が残っていると、システム全体としてはリセットされません。
床暖房用リモコンやE-CON接続の放熱機の切り忘れに注意してください。

72の系統も同じくリモコン操作です。
どちらも5分の待機が指定されています。

実際に火が残っている場合の重さ

消火したはずの機器で燃焼が続いているとすれば、ガスが止まりきっていない可能性があります。
この状態は、機器が動かないことよりも重く扱われます。

安全に関する注意
ガス臭を感じるとき、点火時に「ボン」という音がするとき、排気口周辺がすすけているときは、解除操作を行わずに元栓を閉め、換気したうえで連絡してください。
換気扇や照明のスイッチには触れないでください。

失火のコードと併せて出ている場合は、燃焼が安定していない可能性があります。
運転中に火が消える症状については長府ガス暖房ボイラのエラー12・123|運転中に火が消える理由を参照してください。

判断の基準

72・723は、復帰しない、または再発する場合に点検・修理を依頼するとされています。
解除できて再発しなければ、ただちに点検が必須とされるコードではありません。

状況判断
解除でき、その後まったく出ない経過を見る余地がある。記録は残す
解除できるが、繰り返し出る検知側の劣化が疑われる。点検を依頼する
解除操作をしても復帰しない点検を依頼する
ガス臭、異音、すすがある解除操作を行わず連絡する
他の燃焼系のコードも出ている点検を依頼する
設置から年数が経っている汚れの蓄積が進みやすい。点検の機会に相談する

繰り返し出るようになった場合、フレームロッドの汚れやガイシの状態が進行していると考えられます。
清掃や部品交換で解消することが多い部分でもあるため、早めに相談しておくと対応の選択肢が残ります。

点検を依頼するときに伝えたいこと

  • 本体の型式:GDB-1700Kのように、銘板の表記をそのまま伝える
  • 表示されたコード:72か723か
  • 表示のタイミング:暖房を入れようとしたときか、運転の途中か
  • 解除できたかどうか:復帰した場合、どのくらいで再表示されたか
  • においや音の有無:ガス臭、点火時の異音、すすの付着

3つ目は特に有効です。
残り火の検知は点火前の段階で行われるため、暖房を入れようとした場面で出ているのであれば、その情報が確認の順序を決めます。

📎 出典:長府製作所「商品及び修理に関するお問い合わせ」

給排気口をふさいだ状態での使用は、燃焼の不安定さや不完全燃焼にもつながります。

📎 出典:日本ガス石油機器工業会「ガス給湯器・ガス給湯付ふろがま[屋外設置式]の安全な使い方」

各コードの正式な内容は、メーカーが製品別に公開しています。

📎 出典:長府製作所「製品エラーコード」

なお、同じ長府製でも石油給湯器はコード体系が別です。
石油タイプについては長府製 石油給湯器のエラーコード一覧を参照してください。

よくある質問

Q1. 本当に火が残っているのでしょうか。
どちらの可能性もあります。72の確認事項にはフレームロッドの汚れやガイシの割れが挙げられており、実際には炎がないのに検知されているケースが想定されています。ただし、消火したはずの機器で燃焼が続いている可能性も否定はできません。機器の側でこの2つを区別できないため、点火を中止して停止します。

Q2. フレームロッドの汚れは自分で掃除できますか。
利用者が行える作業ではありません。フレームロッドは燃焼室の内部にあり、取り付け位置がずれると炎の検知そのものが正しく働かなくなります。またガイシの割れやリード線の状態は、分解しなければ確認できません。汚れが疑われる場合も、点検を依頼してください。

Q3. ガイシとは何ですか。
フレームロッドを支えながら、電気的に絶縁するための部品です。炎の検知は微弱な電流を読み取る仕組みのため、絶縁が保たれていることが前提になります。ガイシに割れが生じると、炎がなくても電流が流れる経路ができ、炎があるように検知されることがあります。72の確認事項に挙げられているのは、このためです。

Q4. 電源プラグを抜いても723が解除できません。
723の解除は、電源プラグではなくリモコンの運転スイッチをすべてOFFにして5分待つ方法です。GDB-700K-3H・1200K-6Hの系統では他のコードで電源プラグの操作が指定されているものが多いため、混同しやすい部分です。熱源機だけでなく、床暖房用リモコンやE-CON接続の放熱機もOFFにしてください。

Q5. 解除できて普通に動いています。点検は必要ですか。
72・723は、復帰しない、または再発する場合に点検・修理を依頼するとされています。一度きりで再発しないのであれば、経過を見る余地があります。ただし表示が出たこと自体は記録として残しておいてください。繰り返し出るようになった場合は、検知側の劣化が進んでいる可能性があります。

まとめ

長府のガス暖房ボイラに表示される72と723は、燃焼を始める前の段階で炎が検知されたことを示す表示です。
本来ないはずの炎があると判定されたため、機器は点火に進まず停止します。

可能性は2つあります。
実際に炎が残っている場合と、フレームロッドの汚れやガイシの割れによって炎があるように見えている場合です。
機器の側ではこれを区別できないため、どちらであっても停止する仕組みになっています。

処置は、復帰しない、または再発する場合に点検・修理を依頼するとされています。
一度きりであれば経過を見る余地がありますが、繰り返すようであれば検知側の劣化が進んでいると考えられます。
ガス臭や点火時の異音がある場合は、解除操作を行わず元栓を閉めて連絡してください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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