長府(CHOFU)のガス暖房ボイラに71、あるいは713と表示されて運転が止まった。
「ガス電磁弁」という言葉から、弁そのものが壊れたと考えたかもしれません。
ただしこの2つのコードが指しているのは、弁ではなく、弁を動かすための電気回路です。
そして713については、単に動かないのではなく「入ったまま切れない」状態を示しています。
この記事では、その違いを整理したうえで、なぜどちらも点検が前提となるのかを解説します。
71・713が指しているもの
| コード | 内容 | 対象機種の目安 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 71 | 電装基板内部におけるガス電磁弁回路の異常 | GDB-500K・1700K | 電装基板の交換 |
| 713 | ガス電磁弁駆動回路のON故障 | GDB-700K-3H・1200K-6H | コントローラの故障(駆動回路)、駆動系統の地絡 |
処置はどちらも、復帰の可否にかかわらず点検・修理の依頼とされています。
解除操作は、71がリモコンの運転スイッチをすべてOFFにして5分待つ方法、713が電源プラグを差し直す方法です。
ガス電磁弁は、電気の力でガスの通り道を開閉する部品です。
その弁へ指令を送る回路が、今回のコードの対象になります。
つまり弁が正常でも、指令が正しく出せなければ運転は成立しません。
機種系統ごとの解除操作の違いは長府ガス暖房ボイラのエラーコード一覧|表示の意味と解除の目安にまとめています。
51・80・81との違い
ガスの弁に関わるコードとしては、51・80・81もあります。
違いは、見ている対象です。
| コード | 対象 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 51・80・81 | ガスを確実に止められるかという遮断機能 | 弁の働きそのもの |
| 71・713 | 弁を動かす電気回路 | 指令を出す側 |
利用者から見た症状は、どちらも「運転が止まって数字が表示される」という形で変わりません。
しかし点検で確認する対象も、交換する部品も異なります。
遮断機能に関わるコードの考え方は長府ガス暖房ボイラのエラー51・80・81|ガス遮断機能の異常を参照してください。
713の「ON故障」が意味すること
713で使われているON故障という表現は、駆動回路が入ったままになっている状態を指します。
通常、機器は必要なときに回路をONにして弁を開き、燃焼を終えるときにOFFにして閉じます。
この切り替えができなくなり、ONの状態から戻らなくなっているのがON故障です。
つまり、開く指令が出せないのではなく、止める指令が出せない状態ということになります。
ガス機器において、止められないという状態は動かないことより重く扱われます。
713が復帰の可否にかかわらず点検・修理の依頼とされているのは、この性質によるものと考えられます。
安全に関する注意
ガス臭を感じるときは、火気を避けて窓を開け、ガスの元栓を閉めてガス会社に連絡してください。換気扇や照明のスイッチには触れないでください。
においがない場合も、これらのコードが表示されている間は運転を再開せず、点検を依頼してください。
71は基板の交換が前提
71の確認事項は、「電装基板を交換してください」という形で示されています。
原因を探る段階ではなく、対応がすでに示されている書きぶりです。
同じ扱いのコードとして、電装基板の異常を示す703があります。
基板交換を考えるときの判断材料は長府ガス暖房ボイラのエラー703・733|基板の故障と設定異常にまとめています。
使用年数、補修用性能部品の供給状況、他に出ているコード。
これらを踏まえて、基板交換で続けるか本体の入れ替えを考えるかの判断になります。
713に地絡が含まれる理由
713の確認事項には、ガス電磁弁駆動系統の地絡が挙げられています。
地絡とは、電気が本来の回路から外れて大地へ流れてしまう状態です。
駆動系統のどこかで地絡が起きていれば、回路が意図せず通電した状態になることがあります。
結果として、弁の制御が正常に行われなくなります。
| 確認の対象 | 何を見るか |
|---|---|
| コントローラの駆動回路 | 制御側の故障の有無 |
| 駆動系統の配線 | 被覆の損傷、端子の腐食、地絡の有無 |
地絡そのものを検知したコードとしては193があります。
仕組みは長府ガス暖房ボイラのエラー193|地絡表示と漏電ブレーカーで整理しています。
利用者ができること、できないこと
71・713では、確認できる範囲がほとんどありません。
弁も駆動回路も機器の内部にあり、状態の確認には分解と測定が必要です。
できることとして残るのは、次の3点です。
- 運転を再開せず、表示された内容を控えておく
- ガス臭や異音、焦げたにおいがないか確認する
- 機器や配線が濡れていないか、周囲の状態を見る
3つ目は、713で地絡が確認事項に含まれることと関係します。
大雨や浸水、外構工事のあとであれば、その情報が確認の範囲を絞り込みます。
なお、解除操作を何度も繰り返すことは避けてください。
回路の状態が変わったわけではないため、結果は同じです。
操作を重ねるより、表示された内容とそのときの状況を控えておくほうが、結果的に対応は早くなります。
リモコンの表示を写真に残し、日付を記録しておくと確実です。
判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 71または713が出た | 解除できても点検を依頼する |
| 解除して動いている | 運転の継続は控える |
| 解除できない | 点検を依頼する |
| ガス臭がある | 元栓を閉め、換気して連絡する |
| 機器や配線が濡れている | 解除操作を行わず、電源プラグを抜いて連絡する |
| 大雨や工事の直後に出た | その履歴を伝えたうえで点検を依頼する |
点検を依頼するときに伝えたいこと
- 本体の型式:GDB-1700Kのように、銘板の表記をそのまま伝える
- 表示されたコード:71か713か。確認の対象が変わります
- 表示のタイミング:点火しようとしたときか、運転中か、消火のときか
- においや音の有無:ガス臭、点火時や消火時の異音
- 天候や工事の履歴:大雨、浸水、外構工事などの有無
5つ目は713で特に有効です。
地絡が疑われる場合、屋外の配線まで確認の範囲が広がります。
心当たりがあれば、時期と内容を伝えてください。
機種ごとの仕様は、取扱説明書でも確認できます。
各コードの正式な内容は、メーカーが製品別に公開しています。
📎 出典:長府製作所「製品エラーコード」
なお、同じ長府製でも石油給湯器はコード体系が別です。
石油タイプについては長府製 石油給湯器のエラーコード一覧を参照してください。
よくある質問
Q1. ガス電磁弁が壊れたということですか。
弁そのものではなく、弁を動かす電気回路の異常を示す表示です。71は電装基板内部の回路、713は駆動回路のON故障が対象です。弁が正常に動く状態であっても、指令を出す側に問題があれば運転は成立しません。ただし点検の結果、弁側にも問題が見つかることはあります。
Q2. ON故障とはどういう意味ですか。
駆動回路が入ったままになり、OFFに戻らない状態を指します。通常は必要なときに回路をONにして弁を開き、燃焼を終えるときにOFFにして閉じます。その切り替えができなくなっている状態です。開けないのではなく止められないという性質のため、ガス機器では重く扱われます。
Q3. 解除できたので使っています。問題ありますか。
メーカーの案内では、71・713はいずれも復帰の可否にかかわらず点検・修理を依頼するとされています。ガスの開閉を担う回路に関わる表示であるため、通常運転ができることは正常である証明になりません。運転の継続は控えて、点検を依頼してください。
Q4. 51や80とはどう違うのですか。
見ている対象が異なります。51・80・81はガスを確実に止められるかという遮断機能そのもの、71・713は弁を動かす電気回路が対象です。利用者から見た症状はほぼ同じですが、点検で確認する部品も交換対象も変わります。どのコードだったかを正確に伝えてください。
Q5. 大雨のあとに713が出ました。関係はありますか。
関係している可能性があります。713の確認事項には駆動系統の地絡が含まれており、配線に水がかかると地絡につながることがあります。浸水の可能性がある場合は、解除操作を試さずに連絡してください。乾いた後に通電することで別の不具合につながることもあるため、状況を伝えたうえで判断を仰いでください。
まとめ
長府のガス暖房ボイラに表示される71と713は、ガス電磁弁そのものではなく、弁を動かす駆動回路の異常を示す表示です。
71は電装基板内部の回路が対象で、確認事項も基板の交換という形で示されています。
713は駆動回路のON故障で、入ったままOFFに戻らない状態を指します。
止める指令が出せないという性質のため、713は特に重く扱われます。
どちらも復帰の可否にかかわらず点検・修理の依頼とされており、解除して運転を続ける段階ではありません。
713では駆動系統の地絡も確認事項に含まれます。
大雨や浸水、外構工事といった心当たりがあれば、その情報が確認の範囲を絞り込みます。
ガス臭がある場合は、迷わず元栓を閉めて換気し、連絡してください。

