リモコンを押しても、エアコンの吹き出し口から風が出てこない。
運転ランプは点いているように見えるのに部屋の空気が動かず、「壊れてしまったのだろうか」と不安になっていませんか。
実はこの症状、室内機から音がしているかどうかを確かめるだけで、原因の候補が大きく2つに分かれます。
音がしているなら、エアコンは動いていて風だけを止めている状態。
音がまったくしないなら、そもそも運転が始まっていない状態です。
この記事では、まず30秒でできる切り分けの手順を示したうえで、待てば直る仕様上の一時停止、部品の不具合が疑われるケース、電源まわりの確認手順を順に整理します。
どこまで自分で試してよいのか、どの症状が出たら修理を依頼すべきなのかまで、判断できる基準をまとめました。
風が出ないときは「音がするか」で原因が2系統に分かれる
結論から言うと、エアコンの風が出ないときにまず確かめるべきは、故障かどうかではなく室内機から動作音が聞こえるかです。
ここを先に切り分けると、その後に確認すべき場所がまったく変わります。
| 状態 | 考えられる原因の系統 | 最初にやること |
|---|---|---|
| 「ブーン」「カチッ」など音がする/ランプが点いている | 仕様上の一時停止(予熱・霜取り・サーモオフ)、送風ファンやルーバーの不具合 | まず3〜15分待つ |
| 音がまったくしない/ランプも消えている | リモコン・ブレーカー・コンセントなど電源系統、制御基板の不具合 | 電源が来ているかを確認する |
| 弱いながら風は出ているが冷えない・暖まらない | 風量ではなく冷媒や熱交換器側の問題 | 別系統の原因として切り分ける |
音がしているということは、少なくとも電気は届いていて、制御基板も動いているということです。
この場合、実は半分以上は故障ではなく、エアコンがわざと風を止めている「仕様どおりの動作」にあたります。
逆に音がまったくしない場合は、機器の内部を疑う前に、電源が届いているかどうかを上流から順に見ていくほうが早く解決します。
なお「風は出ているのに部屋が冷えない」という症状は、この記事で扱う原因とは切り分けが異なります。
その場合はダイキンのエアコンが冷えない原因|自分でできる確認と業者依頼の目安で解説している手順のほうが当てはまります。
⚠️ 先に確認してください 焦げくさいにおいがする、煙が出ている、吹き出し口から異臭がする、専用ブレーカーが何度も落ちるといった症状をともなう場合は、この記事の手順を試す前に運転を停止し、電源プラグを抜いてください。
そのまま通電を続けると、発煙・発火や感電につながるおそれがあります。
30秒でできる切り分け|音・ランプ・ルーバーの3点を見る
原因を絞り込むために、次の3点だけを順に確認します。
道具は不要で、脚立に乗って室内機を開ける必要もありません。
室内機に近づいてファンの回転音を確かめる
まず室内機の真下に立ち、テレビや換気扇を止めた状態で耳を澄ませます。
確認したいのは次の3種類の音です。
- 「ブーン」という連続した低い音:送風ファンまたは基板が通電して動いている音
- 「カチッ」「カチカチ」という断続音:ルーバー(風向板)のモーターやリレーが動作している音
- 屋外から聞こえる室外機の運転音:圧縮機が動いている音
いずれかが聞こえれば「音がする」側です。
判断に迷うときは、リモコンで運転を停止したときに音が変わるかどうかを比べると分かりやすくなります。
停止操作で音が消えるなら、その音はエアコンが出しているものです。
運転ランプの状態を「点灯・点滅・消灯」で見分ける
次に室内機のランプを見ます。
ここは3つの状態で意味がはっきり分かれます。
| ランプの状態 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| 点灯している | 運転指令は届いており、機器は動作中 | 仕様上の一時停止か、送風系の不具合を疑う |
| 点滅している | 一時的な運転(予熱・霜取り)か、異常検知の通知 | 数分待ち、それでも点滅が続くならコードを確認 |
| 消灯している | 運転指令が届いていない、または通電していない | リモコン・ブレーカー・コンセントを確認 |
メーカーによっては、点滅が異常の通知を兼ねています。
点滅の意味とコードの読み方はパナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で詳しく整理しています。
ルーバー(風向板)が開いているかを見る
最後に吹き出し口の風向板を見ます。
閉じたままなら、ファンが回っていても風は部屋に出てきません。
- 完全に閉じている:運転が始まっていないか、ルーバーモーターが動いていない
- 開いているのに風を感じない:送風ファンが回っていない、または風量が最小になっている
- 半開きで止まっている:ルーバーの駆動部にホコリが噛んでいる、または部品の不具合
風向板を手で無理に開こうとするのは避けてください。
樹脂のツメが折れると、そこから交換が必要になります。
音がするのに風が出ないときは仕様上の一時停止が最も多い
ここからは「音はする」側の原因です。
このパターンで最初に疑うべきは故障ではなく、エアコンが意図的に風を止めている状態です。
該当するものが多いので、心当たりのある項目から確認してください。
暖房の運転開始直後は3〜10分ほど風が出ない
冬にもっとも多いのがこれです。
暖房を入れた直後に風を出すと、まだ温まっていない冷たい空気が体に当たってしまうため、エアコンは室内機の熱交換器が温まるまで送風を待ちます。
ダイキンは、運転開始直後に風が出ない場合は3〜10分ほど待って風が出れば正常だと案内しており、暖房時は冷風が出ないよう室内機を暖めてから風を出す仕組みだと説明しています。
また、冷房・除湿の運転開始時も、室内機にこもったにおいが出るのを抑える機能が働くため、すぐには風が出ないことがあります。
パナソニックも同様に、暖房の運転開始時は吹き出す風が暖まるまで運転ランプが点滅し、その間は風が出ないと説明しています。
つまり「暖房をつけた直後にランプが点滅していて風が出ない」のは、ほぼすべての機種で正常な動作ということです。
霜取り運転中は暖房が止まり最長12分ほど風が出ない
暖房シーズンに「さっきまで暖かかったのに、急に風が出なくなった」という場合は、霜取り運転を疑ってください。
暖房中の室外機は屋外の熱を取り込むために冷たくなっており、外気温が低く湿度が高いと熱交換器に霜が付きます。
霜が付いたままでは暖房能力が落ちるため、一時的に暖房を止めて霜を溶かす運転に切り替わります。
パナソニックは、霜取り運転中はルーバーが開いたまま運転ランプが点滅して暖房が止まり、最長で12分程度かかることがあるものの故障ではないと案内しています。
見分け方は屋外です。
霜取り中は室外機のファンが止まり、代わりに機器の下から湯気のような白い蒸気が上がったり、水が流れ落ちたりします。
みぞれや雪の日、明け方の冷え込む時間帯に頻発しやすく、外気温が低いほど間隔が短くなります。
- 発生しやすい条件:外気温が概ね5℃以下で湿度が高いとき、降雪時
- 継続時間の目安:おおむね3〜12分(機種と着霜量による)
- 終わったサイン:ランプが点滅から点灯に戻り、暖かい風が再開する
30分以上経っても暖房に戻らない、あるいは1時間に何度も霜取りに入って暖房がほとんど効かない場合は、室外機の設置環境や機器側の不具合を疑う段階です。
設定温度に到達してサーモオフしている
室温が設定温度に達すると、エアコンは圧縮機を止めて待機します。
このとき機種によっては送風も最小まで絞られ、風がほとんど感じられなくなります。
ダイキンは、暖房運転の途中で暖かい風が出なくなる理由として、室温が設定温度に到達しているケースを挙げ、設定温度を上げて暖かい風が出れば正常だと案内しています。
あわせて、暖房時は暖かい空気が上にたまるため、風向を下向きにしたりサーキュレーターで空気を循環させると効率よく暖められるとしています。
判別は簡単で、設定温度を冷房なら2℃下げる、暖房なら2℃上げてみてください。
数分以内に風が戻れば、サーモオフによる正常動作です。
内部クリーン運転はセットしただけでは始まらない
「内部クリーンにしたのに何も動かない」という相談も少なくありません。
三菱電機は、内部クリーン/内部乾燥運転は冷房や除湿の運転を停止したあとにエアコン内部を乾かすためのもので、リモコンでセットしただけでは運転を開始せず、室内機のランプも点灯しないと説明しています。
つまり、冷房を使わずに内部クリーンだけを単独で動かすことはできない設計です。
また内部クリーン中は送風や弱暖房で内部を乾かす動作になるため、体感としては「ほとんど風が出ていない」と感じることがあります。
これも異常ではありません。
停止直後の再運転は保護のため3分ほど動かない
運転を止めてすぐに入れ直すと、圧縮機を保護するために数分間動作しないことがあります。
リモコンを何度も押し直したあとに「まったく反応しない」と感じるのは、この保護動作であることがよくあります。
一度リモコンから手を離し、3分ほど置いてから運転し直してください。
冷房で風が止まるときは室外機が動いているかも見る
冷房中に風が弱まった、あるいは止まったように感じる場合は、屋外の室外機に手をかざして確認してください。
室外機のファンが回っていて温風が出ていれば、冷房そのものは動いています。
室外機が止まっているのに室内機だけ音がしている場合は、設定温度に到達して圧縮機が停止している(サーモオフ)か、室外機側の保護停止が考えられます。
- 室外機が回っている:冷房は動作中。風量設定や吹き出し口の向きを確認する
- 室外機が止まり、数分後に再開する:サーモオフによる通常の断続運転
- 室外機がまったく回らず、室内機も冷えない:冷媒不足や室外機側の不具合の可能性
夏場は室外機の周囲温度が上がりすぎることで保護停止に入ることもあります。
直射日光が長時間当たる設置場所では、吹き出し口をふさがない範囲で日除けを設けると負荷が下がります。
自動お掃除機能の動作中や途中停止
自動フィルター掃除機能を搭載した機種では、運転停止後に掃除動作が行われます。
この間は送風されないほか、掃除ユニットがホコリで途中停止すると、そのままエラー扱いになって運転を受け付けなくなることがあります。
パナソニックのH51・H52など、掃除機能に対応したコードが表示される機種もあります。
表示されたコードの意味はパナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説で確認できます。
待っても風が出ないなら送風ファンかルーバーの不具合を疑う
ここまでの仕様上の一時停止に当てはまらず、15分以上待っても風が出ない場合は、部品側の不具合を疑う段階に入ります。
フィルター・熱交換器の目詰まりで風量が落ちている
ファンは回っているのに風を感じないときは、まずフィルターを外して光にかざしてください。
向こう側が透けて見えないほどホコリが詰まっていれば、風量はかなり落ちます。
- フィルター:掃除機でホコリを吸い、ひどい場合は水洗いして完全に乾かしてから戻す
- 吹き出し口の奥(送風ファン):黒い斑点状のカビやホコリの層が見えたら、内部洗浄が必要な状態
- 室内機の吸込口:カーテンや家具でふさがれていないかを確認
フィルター清掃だけで改善することも多く、費用もかかりません。
一方で、送風ファンの羽根1枚1枚にホコリが固着している状態は、家庭用の掃除では取り切れません。
市販の洗浄スプレーを内部に噴射すると、電装部にかかって不具合の原因になることがあるため、分解洗浄は専門業者に依頼するのが安全です。
送風ファンモーター・ルーバーモーターの不具合
「ブーン」と唸るだけでファンが回らない、あるいは回り始めてすぐ止まる場合は、送風ファンモーターやその制御基板の不具合が疑われます。
ルーバーが閉じたまま「カチカチ」と鳴り続ける場合は、ルーバーモーターや駆動ギアの不具合です。
こうした症状は部品交換が前提で、冷媒配管や電装部を扱うため自分で直すことはできません。
異音が出ている状態で運転を続けると、モーターの焼損につながることもあるため、運転を止めて点検を依頼してください。
判定に迷ったらエラーコードで裏を取る
多くの機種は、内部で異常を検知するとランプの点滅やコード表示で知らせます。
機種によっては風量に関わる熱交換器の汚れやショートサーキットが原因でコードが出ることもあります。
コードの読み方と系統別の意味はダイキン エアコンのエラーコード一覧|番号と意味を系統別に解説にまとめています。
なお、ダイキンは運転ランプが点灯していても冷たい(暖かい)風が出ない場合は不具合の可能性があるとして、販売店またはメーカーへの点検依頼を案内しています。
音もランプも無反応なら電源系統を上流から順に確認する
音が一切せず、室内機のランプも消えている場合は、エアコン本体の故障と決めつける前に電源を確認します。
実際、この系統は費用をかけずに解決できる原因が上位に並びます。
次の順序で、簡単なものから確認してください。
1. リモコンの電池と信号を確認する
もっとも多いのが電池切れです。
表示が薄い、一部しか点かないといった症状が出ていれば、まず新品の乾電池に交換します。
2本まとめて同じ銘柄に替え、充電池と乾電池を混ぜないでください。
信号が出ているかは、スマートフォンのカメラで確認できます。
リモコンの送信部をカメラに向けてボタンを押し、画面上で発光が見えれば信号は出ています。
機種によっては赤外線がカットされて映らないこともあるため、映らない=故障とは限りません。
本体側の応急運転ボタン(室内機の側面やフタの内側にある小さなボタン)を押して運転が始まるなら、本体は正常でリモコン側の問題です。
2. 専用ブレーカーと分電盤を確認する
エアコンは専用回路で配線されているのが一般的です。
分電盤を開き、エアコン用のブレーカーが落ちていないかを確認します。
落ちていた場合は一度完全にOFFにしてからONに戻してください。
⚠️ 繰り返し落ちる場合は復帰させない ブレーカーを戻してもすぐに落ちる場合は、機器や配線の側に異常があります。
何度も入れ直す行為は、漏電や発火の危険を高めます。復帰操作は繰り返さず、点検を依頼してください。
3. コンセントとプラグを確認する
プラグが半差しになっていないか、ホコリがたまっていないかを見ます。
差し込み口が変色していたり、プラグが熱を持っていたりする場合は使用を中止してください。
延長コードやタコ足配線を経由している場合は、直接コンセントに差してください。
4. 本体リセットを試す
ここまでで復帰しない場合、制御基板の一時的な誤作動が原因のこともあります。
各メーカーが案内している手順は共通しており、次のとおりです。
- リモコンで運転を停止する
- 電源プラグを抜く、または専用ブレーカーをOFFにする
- 1分ほど待つ
- プラグを差し直す、またはブレーカーをONにする
- 3分ほど置いてから運転する
これで復帰すれば一時的な誤作動です。
同じ症状がすぐ再発する、あるいはリセット後もまったく反応しない場合は、制御基板や電源部の不具合が濃厚で、部品交換が必要になります。
症状別の原因早見表
ここまでの内容を、症状の出方から逆引きできる形に整理しました。
| 症状 | 疑われる原因 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 暖房開始直後で風が出ない・ランプ点滅 | 予熱運転 | 3〜10分待つ |
| 暖房中に突然止まり、室外機から湯気 | 霜取り運転 | 最長12分程度待つ |
| 設定温度付近で風が弱まる | サーモオフ | 設定温度を2℃動かす |
| 冷房開始直後に風が出ない | におい抑制の待機 | 数分待つ |
| 内部クリーンを設定したが無反応 | 冷房・除湿の停止後にのみ作動する仕様 | 冷房運転後に設定する |
| ブーンと唸るがファンが回らない | 送風ファンモーター・基板 | 運転を止めて点検依頼 |
| カチカチ鳴るがルーバーが開かない | ルーバーモーター・駆動部 | 点検依頼 |
| 風は出るが極端に弱い | フィルター・送風ファンの汚れ | 清掃、必要なら内部洗浄 |
| ランプ消灯・完全に無反応 | 電池・ブレーカー・コンセント・基板 | 電源系を上流から確認 |
| ブレーカーが繰り返し落ちる | 漏電・機器内部の異常 | 通電せず点検依頼 |
風量が下がっていないのに設定どおりに動かないと感じる場合は、風量制御そのものの挙動が関係していることもあります。
自動運転の風量が下がらないケースについてはエアコン自動運転がずっと強風…電気代は上がる?原因・故障の見分け方で扱っています。
季節と使い始めのタイミングで疑うべき原因は変わる
同じ「風が出ない」でも、いつ起きたかによって当たりを付けるべき原因は変わります。
時期から逆算すると、確認の順番を大きく短縮できます。
冬の使い始めに多いのは予熱と着霜
11月から12月にかけて、久しぶりに暖房を入れたタイミングで起きるケースの大半は予熱運転です。
夏の間まったく動かしていなかった機器は、内部が冷え切っているぶん温まるまでの時間も長くなり、体感では「かなり待たされた」と感じます。
この時期は同時に、シーズン中に付いたホコリが送風ファンに固着していることも多く、風量そのものが落ちている可能性もあります。
本格的な冷え込みが来る前に一度運転し、風量と異音を確かめておくと、ここでの切り分けが楽になります。
真冬の朝方に繰り返し止まるのは霜取りの頻発
外気温が下がるほど室外機に霜が付きやすく、霜取り運転の間隔は短くなります。
1時間に2〜3回入る程度であれば環境要因の範囲ですが、それ以上の頻度で暖房がほとんど効かない場合は、室外機の設置環境を確認してください。
- 室外機の背面や側面が壁・塀に近すぎる
- 前面の吹き出し口が雪や物でふさがれている
- 落ち葉や雑草が熱交換器に張り付いている
- 屋根からの落雪が直接かかる位置にある
いずれも放熱と吸気を妨げ、着霜を早めます。
物を移動するだけで改善することもあるため、修理を呼ぶ前に一度確認する価値があります。
夏の使い始めに多いのは汚れとリモコン設定
冷房の初日は、におい抑制のために風が遅れて出る仕様のほか、フィルターの目詰まりで風量が落ちているケースが目立ちます。
シーズンオフの数か月でホコリが層になっていることが多く、清掃だけで体感が変わることも珍しくありません。
またオフシーズンにリモコンの電池が消耗し、信号が届かないまま「本体が壊れた」と誤解されることもよくあります。
シーズン中盤に突然止まるのは部品側の不具合が上がる
順調に使えていた機器が突然無風になった場合、仕様上の一時停止に該当する条件(外気温・設定温度・運転切替)がなければ、部品の不具合を疑う優先度が上がります。
特に連続運転が続く真夏・真冬は送風ファンモーターや基板に負荷がかかりやすく、使用年数が10年に近い機器では劣化が表面化しやすい時期です。
自分で対処できる範囲と業者に依頼する判断基準
住宅設備のトラブル対応では、どこまでを自分で行い、どこから先を任せるかの線引きが重要です。
エアコンの送風トラブルは、次の基準で切り分けられます。
| 自分で対処してよい | 業者・メーカーに依頼する |
|---|---|
| リモコンの電池交換、設定モードの確認 | 室内機の分解をともなう作業 |
| ブレーカー・コンセントの目視確認 | ブレーカーが繰り返し落ちる状態 |
| フィルターの取り外し・清掃 | 送風ファン・熱交換器の分解洗浄 |
| 電源プラグを抜く本体リセット(1回) | リセットで復帰しない、または即再発する |
| 室外機まわりの障害物の除去 | 冷媒(フロンガス)に関わる作業 |
| エラーコードの読み取り | コードが繰り返し表示される |
依頼先を選ぶ際は、症状と型式、設置年、発生タイミング、表示されたコードを伝えるとやり取りがスムーズです。
修理費用は症状と部品によって幅があり、地域や業者によっても差が出ます。
1社だけで決めず、複数の見積もりを比較したうえで判断してください。
修理と買い替えを分ける目安
判断材料になるのは、経過年数と部品の入手性です。
一般に、家庭用エアコンの補修用性能部品は製造打ち切り後9年程度保有されるとされており、この期間を過ぎると部品が手に入らず修理できなくなる可能性があります。
保有期間はメーカー・機種で異なるため、実際の年数は取扱説明書や各メーカーの案内で確認してください。
- 使用10年未満で部品もある:修理を優先して検討しやすい
- 使用10年以上で基板やモーターの交換:買い替えとの比較検討に入る段階
- 同じ機器で複数箇所の不具合が続いている:買い替えを視野に入れる
賃貸住宅に備え付けられたエアコンの場合は、自分で業者を手配する前に管理会社や大家さんに連絡してください。
先に手配してしまうと、費用を自己負担することになるケースがあります。
風が出ないトラブルを減らす日常メンテナンス
送風まわりのトラブルは、日常の手入れである程度予防できます。
特別な道具は必要なく、次の3つを習慣にするだけで十分です。
- フィルター清掃を2週間〜1か月に1回:ホコリの層ができる前に取るのが最も効率的です
- 室内機の吸込口・吹き出し口の周辺を空ける:カーテンや家具で塞ぐと風量が落ちます
- シーズン前の試運転:本格的に使い始める前に運転し、風量と異音を確認しておくと、故障時に修理が混み合う時期を避けられます
フィルターの掃除は、細かいホコリを舞い上げずに取れる道具があると格段に楽になります。
掃除機のノズルが入りにくい場所には、エアコン用の細いブラシが役立ちます。
シーズン前の試運転は、暖房なら11月、冷房なら6月上旬までに済ませておくと安心です。
このタイミングで異常が見つかれば、修理依頼が集中する真夏・真冬を避けて対応できます。
よくある質問
Q1. 暖房で風が出ないとき、どのくらい待てば正常かどうか判断できますか。
運転開始直後であれば3〜10分、暖房中に突然止まった場合は霜取り運転の可能性が高く、最長で12分程度が目安です。
これらの時間を過ぎても暖かい風が出てこない場合は、設定温度に達してサーモオフしている可能性があるため、設定温度を2℃ほど上げて反応を見てください。
それでも変化がなく、15分以上経過しても風が出ないようであれば、送風ファンや制御基板の不具合を疑う段階です。
運転を停止し、販売店またはメーカーの相談窓口に点検を依頼してください。
Q2. 音はするのに風がまったく出ません。故障でしょうか。
音がしているということは通電しており、制御は動いている状態です。
まず吹き出し口のルーバーが閉じたままになっていないかを確認してください。
ルーバーが閉じたままで「カチカチ」と音が続く場合は、風向板の駆動部の不具合が疑われます。
ルーバーは開いているのに風を感じない場合は、送風ファンが回っていない可能性があります。
どちらも部品交換が前提の症状で、自分で分解しての修理は避け、点検を依頼するのが安全です。
Q3. 内部クリーンを設定したのに何も動きません。壊れていますか。
故障ではない可能性が高いです。
内部クリーン(内部乾燥)は、冷房や除湿の運転を停止したあとに内部を乾かすための機能で、リモコンで設定しただけでは動作を始めない仕様の機種があります。
室内機のランプも点灯しないため、動いていないように見えます。
冷房または除湿をしばらく運転してから停止すると、そのあとに内部クリーンが始まります。
動作中も送風や弱暖房が中心のため、風はほとんど感じられないことが普通です。
Q4. リモコンが効かないとき、本体だけで運転できますか。
多くの機種には、室内機の側面やフタの内側に応急運転用のボタンが用意されています。
このボタンを押して運転が始まるなら、本体は正常でリモコン側に原因があると判断できます。
応急運転では温度や風量の細かい設定はできず、自動運転になるのが一般的です。
ボタンの位置と操作方法は機種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
リモコンは電池交換で直ることが多く、それでも改善しない場合は交換用リモコンを入手する方法もあります。
Q5. ブレーカーを上げても、またすぐ落ちてしまいます。どうすればよいですか。
その状態で通電を繰り返すのは避けてください。
ブレーカーが繰り返し落ちるのは、機器内部の短絡や漏電、あるいは配線側の異常を示している可能性があります。
無理に復帰させると、発熱や発火につながるおそれがあります。
エアコン用のブレーカーはOFFのままにし、電源プラグが抜ける機種であれば抜いたうえで、販売店・メーカー・電気工事店に点検を依頼してください。
賃貸住宅の場合は、まず管理会社や大家さんに連絡してください。
まとめ
エアコンの風が出ないとき、最初にすべきは修理の手配ではなく、室内機から音がしているかどうかの確認です。
- 音がする場合:暖房の予熱(3〜10分)、霜取り運転(最長12分程度)、サーモオフ、内部クリーンの仕様など、待てば戻る動作が多い
- 15分以上待っても戻らない場合:フィルターの目詰まりを確認し、それでも改善しなければ送風ファンやルーバーの不具合を疑う
- 音もランプも無反応な場合:リモコンの電池 → ブレーカー → コンセント → 本体リセットの順に、費用のかからないところから確認する
- 焦げくさい・煙が出る・ブレーカーが繰り返し落ちる場合:通電を続けず、ただちに停止して点検を依頼する
原因の系統さえ絞り込めれば、待つべきなのか、掃除で足りるのか、修理を呼ぶべきなのかを自分で判断できます。
特に冬場の霜取り運転は毎年多くの方が故障と勘違いするポイントですので、慌てずに数分待つことから始めてみてください。

