シャワーのお湯は普通に出るのに、追い焚きを押すと「112」が出て動かない。
あるいは床暖房を入れたら「113」が表示されて温まらない。
この2つのコードは、給湯以外の系統で火がつかなかったことを示しています。
給湯が正常に使えているという事実は、原因を絞り込むうえで大きな手がかりになります。
この記事では、112・113が示す内容、111との違い、給湯が使えるときに除外できること、そして点検を依頼する目安までを整理します。
112・113は「給湯以外の系統の点火不良」
パロマの3桁のエラーコードは、末尾の数字が系統を示しています。
| 末尾 | 系統 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 1 | 給湯 | 台所・洗面所・シャワー |
| 2 | ふろ | 自動湯はり・追い焚き・保温 |
| 3 | ふろ・暖房 | 床暖房・浴室暖房乾燥機 |
点火不良のグループでは、111が給湯側、112がふろ側、113がふろ・暖房側にあたります。
パロマがこれらに与えている内容は「点火不良」で、確認先としてイグナイタ、フレームロッド、ガス電磁弁、ガス比例弁が挙げられています。
112はふろ給湯器(FHシリーズ)、113は給湯暖房機(DHシリーズ)で表示されます。
給湯専用タイプ(PHシリーズ)にはふろ・暖房の系統がないため、これらのコードは出ません。
111との違い
| コード | 症状の出方 |
|---|---|
| 11・111 | 蛇口をひねってもお湯が出ない。生活全体に影響する |
| 112 | シャワーは使えるが、湯はり・追い焚きができない |
| 113 | お湯は使えるが、床暖房・浴室暖房が動かない |
111の詳しい内容はパロマ給湯器のエラー11・111|点火不良の原因と自分で確認できることで解説しています。
本記事は、その中でも給湯だけは使えているという状況に絞って整理します。
給湯が使えるなら、いったん除外できること
点火不良の記事では、まずガスの供給を確認するよう案内されるのが一般的です。
ただし112・113で給湯が正常に使えているのであれば、次の項目はすでにクリアしていると考えられます。
- ガスの元栓が閉まっている
- ガスメーターの安全装置が働いてガスが遮断されている
- 都市ガスの供給が止まっている
- 電源プラグが抜けている、ブレーカーが落ちている
給湯で火がついているということは、ガスも電気も機器まで届いているという意味です。
つまり原因は、ふろ側・暖房側の燃焼に関わる部分に限られてくると考えられます。
この切り分けができると、業者に依頼する際の説明も的確になります。
「シャワーは使えるが追い焚きだけできない」と伝えるだけで、点検の範囲が絞られます。
それでも確認しておきたいこと
除外できるとはいえ、いくつか例外があります。
| 確認したいこと | 理由 |
|---|---|
| LPガスの残量 | ボンベの残量が少ないと、ガス消費量の大きい暖房から先に不調が出ることがあります |
| ガス機器の同時使用 | 複数の機器を同時に使うと、ガスメーターの流量制限が働くことがあります |
| 冬季の凍結 | ふろ配管や暖房配管が凍結していると、点火しても運転が続きません |
| 浴槽の湯量 | 循環アダプターの上端から5cm以上ないと、追い焚き自体が始まりません |
| 暖房の運転条件 | 機種によっては、外気温や設定によって運転を開始しないことがあります |
とくにLPガスの家庭では、残量が少ない状態で床暖房を入れたときにだけ症状が出る、というパターンがあります。
契約しているガス会社に残量を確認してもらうと切り分けが進みます。
また、112が出る前に浴槽の湯量が足りていない場合、点火不良ではなく別のコードが表示されることもあります。
追い焚きが始まらないという症状であれば、湯量と循環アダプターのフィルターもあわせて確認してください。
112が出やすい場面
- 自動湯はりのあと、保温運転に入ったところで停止した
- 追い焚きボタンを押した直後にコードが出た
- 湯はりの途中で止まり、ぬるいままになった
- 冬場の夜だけ症状が出る
ふろ側のバーナーは、追い焚きや保温のときにしか使われません。
そのため夏場は症状に気づかず、寒くなって追い焚きを使い始めてから発覚することがよくあります。
「去年までは問題なかった」という場合でも、使っていなかっただけというケースは珍しくありません。
113が出やすい場面
- 秋になって初めて床暖房を入れたら動かなかった
- 浴室暖房乾燥機の暖房だけ効かず、換気は動く
- 暖房は動くが、しばらくすると止まってコードが出る
- 給湯と暖房を同時に使ったときだけ出る
暖房系統も、シーズンの初めに不具合が発覚しやすい部分です。
半年以上使っていなかった機能は、いきなり本番で使うより、寒くなる前に一度試運転しておくと慌てずに済みます。
なお、113ではなく763が表示されている場合は、点火ではなく浴室暖房・床暖房との通信の問題です。
番号を確認して切り分けてください。
機器内部で疑われる部位
| 部位 | 役割 | 起きていること |
|---|---|---|
| イグナイタ | 火花を飛ばして点火する | 放電しない、火花が弱い |
| フレームロッド | 炎を検知する電極 | すすの付着で炎を検知できない |
| ガス電磁弁 | 系統ごとにガスを開閉する | 開かない、動作が不安定 |
| ガス比例弁 | ガスの量を調整する | 必要な量を供給できない |
| ファンモーター | 燃焼用の空気を送る | 回転数の低下(612・613として出ることもあります) |
このうちフレームロッドのすす付着は、経年の機器で比較的よく見られます。
点火はしているのに「火がついていない」と判断されて安全停止する、という動きになります。
いずれも機器内部の部品で、確認するには前面カバーを外す必要があります。
資格のない方が給湯器を分解すると、ガス漏れや感電につながります。
点検と修理は業者に依頼してください。
業者に連絡するときに伝えること
- 機器の型番(本体前面の銀色の銘板に記載。FH-/DH-で始まります)
- 設置してからの年数
- 表示されたコード(112か113か)
- 給湯(シャワー・台所)は問題なく使えるか
- 湯はり・追い焚き・床暖房・浴室暖房のうち、どれが使えないか
- 症状が毎回出るのか、たまに出るのか
- 都市ガスかLPガスか
「給湯は正常」という情報は必ず伝えてください。
点検の範囲が絞られ、原因の特定が早くなります。
修理で足りるか、交換を考えるか
パロマは給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、使用開始から9〜11年が経過した時点で点検を受けることをすすめています。
修理用の部品は製造終了から7年間(BL認定部品は10年間)保有されるとされています。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 設置から7年未満 | イグナイタやフレームロッドの交換で復旧することが多い |
| 設置から7〜10年 | 修理費と残りの使用年数を比べる |
| ガス比例弁や電装基板が原因 | 部品代が高くなりやすい。本体交換と比較する |
| 設置から10年以上 | 給湯側も同時期に劣化している。交換を含めて検討する |
| 対応部品の供給が終了している | 本体交換になる |
判断で迷いやすいのが「給湯は使えているのに交換する必要があるのか」という点です。
ふろ側や暖房側の部品が寿命を迎えているということは、同じ年数を経た給湯側の部品も同様に劣化しています。
設置から10年以上であれば、ふろ側だけ直しても遠くない時期に給湯側の不具合が出る可能性を織り込んで判断してください。
実際の費用は機種・設置条件・地域で変わるため、点検時に修理費と本体交換費の両方を出してもらうと比較しやすくなります。
10年前後で表示される点検時期のお知らせについては、パロマ給湯器のエラー888(88)で解説しています。
シーズン前に試しておく
- 秋の初めに床暖房・浴室暖房を一度動かしてみる
- 寒くなる前に追い焚きを試しておく
- 循環アダプターのフィルターを月1回程度掃除する
- LPガスの家庭では、暖房シーズン前に残量を確認しておく
- 冬季は浴槽に水を残し、凍結予防運転が働く状態にしておく
半年使っていなかった機能が本番で動かないと、修理の手配に時間がかかり、寒い時期に不便が続きます。
使い始める2〜3週間前に一度試運転しておくだけで、慌てずに手配できます。
パロマのコード全体の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. シャワーは使えるのに追い焚きだけできません。給湯器の故障ですか?
給湯とふろは別の燃焼系統で動いているため、片方だけ不調になることは珍しくありません。
112はふろ側で点火できなかったことを示すコードで、イグナイタやフレームロッド、ふろ側のガス電磁弁などが疑われます。
給湯が使えている時点でガスと電気は機器まで届いているため、原因はふろ側の部品に絞られます。
機器内部の部品なので、点検を依頼してください。
Q2. 秋に初めて床暖房を入れたら113が出ました。夏の間に壊れたのでしょうか?
夏の間に急に壊れたというより、使っていなかったために気づかなかった可能性が高い状態です。
暖房系統のバーナーは寒い時期にしか使われないため、不具合があってもシーズン初めまで表面化しません。
毎年、寒くなる2〜3週間前に一度試運転しておくと、こうした事態を避けられます。
表示が出た場合は点検を依頼してください。
Q3. LPガスですが、残量が関係することはありますか?
あります。
ボンベの残量が少なくなると、ガスの供給圧力が下がり、消費量の大きい機能から先に不調が出ることがあります。
給湯は使えるのに暖房だけ動かないという状況では、残量の確認をしてみる価値があります。
契約しているガス会社に連絡すれば、残量の確認と必要に応じた配送を手配してもらえます。
Q4. 112が出ますが、浴槽のお湯は少なめです。関係しますか?
関係する可能性があります。
循環アダプターの上端から5cm以上お湯がないと、追い焚き自体が正常に始まりません。
まず湯量を足したうえで、循環アダプターのフィルターに髪の毛やぬめりが溜まっていないかを確認してください。
それでも112が出る場合は、点火側の不具合が疑われるため点検を依頼してください。
Q5. 給湯は使えるので、修理せずこのまま使い続けても問題ありませんか?
安全上の緊急性は高くありませんが、放置は勧められません。
点火不良を繰り返す状態では、点火時に未燃ガスが滞留する可能性が完全には否定できません。
また、ふろ側や暖房側の部品が寿命を迎えているということは、同じ年数を経た給湯側も同様に劣化しています。
生活に支障が出る前に点検を受け、修理か交換かを判断しておくほうが結果的に負担は小さくなります。
まとめ
パロマの給湯器で112・113が出たときの要点です。
- 112はふろ側、113はふろ・暖房側の点火不良。3桁の末尾が系統を示す
- 給湯(シャワー・台所)が使えているなら、ガス供給と電源はクリアしていると考えられる
- 例外としてLPガスの残量不足、同時使用、凍結は確認しておく
- 112は追い焚き・保温、113は床暖房・浴室暖房を使い始めたときに発覚しやすい
- 疑われるのはイグナイタ、フレームロッド、系統ごとのガス電磁弁・比例弁
- 内部部品のため、分解せず点検を依頼する
- 設置から10年以上なら、給湯側の劣化も含めて交換を検討する
「給湯は使える」という情報は原因を絞る材料になります。
連絡するときは、使える機能と使えない機能をあわせて伝えてください。

