お湯を使おうとしたらまったく出ず、リモコンに「991」や「99」が点滅している。
このコードは、燃焼に必要な空気が足りず、機器が安全のために運転を止めた状態を示しています。
リセットを繰り返して使い続けるものではなく、空気の通り道を確保しない限り同じ状態に戻ります。
一方で、原因が給排気口を塞いでいた荷物だったというケースも少なくありません。
この記事では、991・99が示す内容、近い番号との違い、家庭で確認できる範囲、そして点検を依頼する目安までを整理します。
991・99は「空気不足で止まった」状態
給湯器の中にはシロッコファンという送風機が入っていて、燃焼室へ空気を送り込み、燃えたあとの排気を外へ押し出しています。
この風量が必要な水準を下回ると、機器は不完全燃焼を避けるために燃焼を停止します。
パロマがこのコードに与えている内容は「給湯ファン送風量低下(機器停止)」で、対応として給湯側のファン・熱交換器を掃除したうえでの解除操作が挙げられています。
桁数の違いは機種によるもので、給湯専用タイプ(PHシリーズ)は2桁の「99」、ふろ給湯器や給湯暖房機は3桁の「991」と表示されます。
101(警告)との関係
991の前段階として、101・10という警告が用意されています。
| コード | 状態 | お湯の使用 |
|---|---|---|
| 10・101 | 給湯ファン送風量低下(警告) | 使えることが多い |
| 99・991 | 給湯ファン送風量低下(機器停止) | 停止する |
つまり991は、101の段階を越えて限界に達した状態です。
以前から101が出ていたのに放置していた場合、突然お湯が使えなくなったように見えても、機器は前もって知らせていたことになります。
992・993との違い
末尾の数字は系統を示します。
| コード | 停止した系統 | 症状の出方 |
|---|---|---|
| 991 | 給湯 | 台所・洗面所・シャワーのお湯が出ない |
| 992 | ふろ | 湯はり・追い焚きができない |
| 993 | 暖房 | 床暖房・浴室暖房が動かない |
「シャワーは使えるのに追い焚きだけできない」という場合は992、「お湯は出るが床暖房だけ効かない」なら993というように、症状から系統を絞り込めます。
90・901・900・903との違い
同じ給排気に関わるコードでも、内容が分かれます。
| コード | パロマでの内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 991・992・993 | ファン送風量低下(機器停止) | ファン、熱交換器、給気口の清掃 |
| 90・901 | 給排気閉塞異常 | 熱交換器(内胴)、ファンシロッコ、給気口の清掃 |
| 900・903 | 燃焼異常 | 給排気まわりの確認と点検 |
| 336 | 燃焼異常(991と併記される機種があります) | 給排気まわりの確認と点検 |
901は「風量が足りない」ではなく「通り道が塞がっている」という表現の違いですが、確認する場所は重なります。
どのコードが出ていても、まず給排気口まわりを見るという流れは共通です。
表示が出たらまず確認すること
空気不足の状態で燃焼が続いていた可能性があるため、安全確認から入ります。
- 給湯栓(蛇口)をすべて閉め、リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 屋内設置の機器なら、窓を開けて換気する
- 家族に頭痛・吐き気・めまいが出ていないか確認する
- 焦げたにおい、煙、いつもと違う音がないか確認する
焦げくさいにおいや煙がある場合、ガス栓を閉めて機器から離れ、その場でガス会社またはパロマへ連絡してください。
体調に変化が出ている場合も、機器を使わずに連絡を優先してください。
一酸化炭素は無色・無臭で、初期症状は前頭部の軽い頭痛など風邪と区別しにくいものです。
991は不完全燃焼の一歩手前で機器が止まった状態でもあるため、体調のほうを先に確認する意味があります。
家庭で確認できる範囲
安全確認を終えたうえで、屋外から見える範囲を確認します。
- 給気口・排気口の前に洗濯物・段ボール・収納ケース・すのこなどが置かれていないか
- 本体に毛布やビニールが巻かれていないか
- 給気口の網目に落ち葉・綿ぼこり・クモの巣が溜まっていないか
- 積雪で給排気口が埋まっていないか
- パイプシャフト設置なら、扉の前に荷物や板が立てかけられていないか
- 外壁塗装や修繕の養生シート・テープが残っていないか
- 排気口の周囲に植木やフェンスが迫っていないか
塞いでいたものを取り除いたあと、運転スイッチを一度「切」にしてから入れ直し、表示が消えるか確認してください。
これで復旧するなら、原因は環境側にあったと考えられます。
長期間使用した機器では、送風ファンにほこりが堆積して空気不足になった事例が公的機関から報告されています。
外側を片づけても改善しない場合は、内部に原因があると考えるのが妥当です。
「掃除した上で解除操作」の意味
パロマの対応内容には、ファンと熱交換器を掃除したうえで器具停止の解除操作を行う、と記載されています。
ここでいう掃除は機器内部の作業で、前面カバーを外してファンや熱交換器に手を入れることを指します。
資格のない方が給湯器を分解すると、ガス漏れや感電につながります。
内部の清掃と解除操作は業者に依頼してください。
掃除をせずに電源プラグの抜き差しだけで表示を消しても、風量が回復したわけではありません。
その状態で使い続ければ、空気が不足したまま燃焼することになり、一酸化炭素が発生するおそれがあります。
991はリセットで乗り切る種類のエラーではないと考えてください。
屋内設置・排気筒がある機種の注意点
屋内に設置されている機種や、排気筒(煙突)が付いている機種では、確認する箇所が増えます。
- 排気筒が外れていないか、傾いていないか
- 接続部にすき間や外れがないか
- 排気筒の出口が塞がれていないか(鳥の巣、落ち葉など)
- 同じ部屋で強い換気扇を回していないか(排気が引き戻されることがあります)
排気筒に不具合があると、排気が室内に漏れる可能性があります。
外れや傾きが見つかった場合は、自分で押し込んで戻さず、その状態のまま業者へ連絡してください。
業者に連絡するときに伝えること
- 機器の型番(本体前面の銀色の銘板に記載。PH-/FH-/DH-で始まります)
- 設置してからの年数
- 表示されたコード(991か99か、992・993・901ではないか)
- 給排気口まわりを片づけて改善したかどうか
- 以前から101・10が出ていたか
- 使用中に体調の変化やにおいがあったか
体調の変化があった場合は、必ずその旨を伝えてください。
点検の優先度が変わります。
お湯が出ない症状は点火不良でも起こります。
表示された番号を確認したうえで、パロマ給湯器のエラー11・111|点火不良の原因と自分で確認できることもあわせてご覧ください。
修理で足りるか、本体交換を考えるか
パロマは給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、使用開始から9〜11年が経過した時点で点検を受けることをすすめています。
修理用の部品は製造終了から7年間(BL認定部品は10年間)保有されるとされています。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 給排気口を塞いでいたものが原因で、年数も浅い | 取り除いて点検を受ければ継続使用できる |
| 内部の汚れが原因で、設置から7年未満 | 清掃・部品交換で使い続けられる |
| ファンモーターの劣化 | 部品交換。年数次第で本体交換も検討 |
| 熱交換器の目詰まりが原因 | 高価な部品のため、本体交換と比較する |
| 設置から10年以上 | 交換を含めて検討する |
| 清掃しても短期間で再発する | 部品の寿命。交換寄りの判断になる |
991は機器が止まる段階まで進んだエラーなので、101の段階よりも交換寄りに判断されやすくなります。
実際の費用は機種・設置条件・地域で変わるため、点検時に修理費と本体交換費の両方を出してもらい、残りの使用年数と併せて判断してください。
10年前後で表示される点検時期のお知らせについては、パロマ給湯器のエラー888(88)で解説しています。
888が先に出ていた機器で991が出たのであれば、経年劣化が進んでいる前提で考えたほうが現実的です。
再発を防ぐために
- 給湯器の周囲30cm程度には物を置かない
- 排気口の正面に洗濯物を干さない
- 給気口の網目のほこりを、年に2回程度は外側から吸い取る
- 植木やフェンスが給排気口に迫っていないか、季節ごとに見ておく
- 積雪地では、雪で給排気口が埋まっていないか確認する
- 凍結対策で本体を覆わない
- 101・10が出た時点で対応する(991まで進ませない)
最後の項目がもっとも効果的です。
警告段階で手を打てば、突然お湯が使えなくなる事態は避けられます。
パロマのコード全体の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. 電源プラグを抜き差ししたら991が消えました。このまま使っていいですか?
使わないでください。
991は空気が足りない状態を検知して機器が停止したもので、表示が消えたことと風量が回復したことは別です。
給排気口を塞いでいたものを取り除いた結果として消えたのであれば改善している可能性がありますが、心当たりがない場合は内部の汚れや部品の劣化が残っています。
その状態で燃焼を続けると一酸化炭素が発生するおそれがあるため、点検を受けてから使用してください。
Q2. 給湯器の前に置いていた荷物をどけたら直りました。点検は必要ですか?
原因が明確で、設置から年数が浅い機器であれば、それで解消していることもあります。
ただし塞がれていた期間に空気不足の燃焼が続いていた可能性があり、内部にすすが付着していることも考えられます。
その後も同じコードが出ないか注意して使い、少しでも異変(におい、異音、体調の変化)があれば点検を依頼してください。
設置から10年前後であれば、この機会に点検を受けておくと安心です。
Q3. 991と901はどう違うのですか?
表現の違いによる部分が大きく、確認する場所は重なります。
991はファンの送風量が必要な水準を下回って機器が停止した状態、901は給排気の通り道が塞がっているという内容です。
どちらも熱交換器、ファンシロッコ、給気口の清掃が対応として挙げられています。
利用者としては、どちらが出ていても給排気口まわりを確認し、改善しなければ点検を依頼するという流れで問題ありません。
Q4. 内部の掃除を自分でやってもいいですか?
行わないでください。
ファンや熱交換器の清掃は前面カバーを外す作業で、ガス配管や電装部に触れることになります。
分解によるガス漏れや感電のおそれがあるほか、メーカー保証の対象外になる可能性もあります。
家庭で行えるのは、屋外から見える給排気口の周囲を片づけることと、網目のほこりを外側から吸い取ることまでです。
Q5. お湯が出ないので困っています。復旧までどのくらいかかりますか?
原因によって変わります。
給排気口を塞いでいたものが原因であれば、取り除いた時点で復旧することがあります。
内部の清掃や部品交換が必要な場合は、点検の日程調整と部品の手配で数日から1週間程度かかることもあります。
お湯が使えない期間の見通しを早く立てるためにも、症状と型番を控えたうえで早めに連絡してください。
まとめ
パロマの給湯器で991・99が出たときの要点です。
- 991・99は燃焼に必要な空気が足りず、機器が安全のために停止した状態
- 101・10は同じ内容の警告段階。991はそれを越えて限界に達したもの
- 992はふろ側、993は暖房側の停止。901・900・903は給排気閉塞や燃焼異常を示す
- まず給湯栓を閉めて運転を止め、屋内設置なら換気し、家族の体調を確認する
- 家庭で確認できるのは給排気口まわりの片づけと網目のほこり取りまで
- 「掃除した上で解除操作」の掃除は内部作業。分解はせず業者に依頼する
- リセットで消えても風量が回復したわけではない。使い続けない
止まってしまうと不便ですが、空気の通り道を確保しないまま使うほうが危険です。
まずは給湯器の周りを見渡して、置きっぱなしのものがないか確認してみてください。

