給湯器のリモコンに「32」「42」「55」「7」「8」「H5」といった表示が出て、使ってよいのか分からず困っていませんか。
この6つには、他のエラーコードとは少し違う共通点があります。
いずれも安全装置が作動して、機器が自ら運転を止めたことを示す表示なのです。
つまり、部品が壊れて動かなくなったのではなく、危険な状態を検知して意図的に停止したという意味になります。
ただし、安全装置が働いた以上は必ず理由があります。
この記事では、6つの表示の違いから、温度が上がりすぎる仕組み、そして表示が出たときにやってはいけないことまでを解説します。
32・42・55・7・8・H5が示す内容
メーカーが公開しているエラーサイン一覧では、次のように記載されています。
| 表示 | 機種区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 32 | アビーナGシリーズ | 給湯異常停止装置が作動 |
| 42 | アビーナGシリーズ | 風呂異常停止装置が作動 |
| 55 | アビーナGシリーズ | 器具内の異常過熱を検知 |
| 7 | その他の給湯機 | 過熱防止装置が作動 |
| 8 | その他の給湯機 | 異常停止装置が作動 |
| H5 | その他の給湯機 | 器具内の異常過熱を検知 |
整理すると、3つの系統に分かれます。
給湯側の異常停止、風呂側の異常停止、そして器具そのものの過熱です。
55とH5は、機種の区分が違うだけで同じ内容を指しています。
処置方法については、6つとも「点検または修理が必要です」と記載されています。
他のコードもあわせて調べたい場合は、コロナ石油給湯器のエラーコード一覧|自分で確認できる表示の見分け方にコード別の一覧をまとめています。
「安全装置が働いた」表示の読み方
給湯器には、想定を超える温度になったときに運転を止める仕組みが組み込まれています。
温度を監視しているセンサーとは別に、最後の砦として働く装置です。
これが作動したということは、通常の制御では抑えきれない状態に至っていたことを意味します。
言い換えれば、機器は正しく仕事をしたということです。
問題はそのあとです。
安全装置が働いた原因そのものは、表示が消えても消えません。
電源を入れ直せば一時的に使えるように見えても、同じ条件がそろえばまた同じことが起こります。
安全装置が作動した表示を、リセットして使い続けるのは最も避けたい対応です。原因が残ったまま運転を重ねることになり、機器や配管の損傷、やけどにつながるおそれがあります。
なぜ温度が上がりすぎるのか
過熱は、生み出される熱と持ち去られる熱のつり合いが崩れたときに起こります。
石油給湯器の場合、熱を持ち去っているのは流れている水やお湯です。
| 起きていること | 具体的な状況 |
|---|---|
| 流れが止まる、細くなる | 配管の詰まり、フィルタの目詰まり、弁の不具合 |
| 循環できていない | 浴槽の水位不足、循環口の汚れ、ポンプの不調 |
| 燃焼が止まらない | 火力を調整する部分の不具合 |
| 熱が逃げない | 給排気の閉塞、機器周囲の物や雪 |
このうち、利用者が確認できるのは下の2つに関わる部分です。
公的機関も、燃焼機器の給排気が妨げられることの危険性に注意を呼びかけています。
給排気口が塞がれると未燃のガスが燃焼室に滞留し、点火時の火花で異常着火を起こして製品の破損や発火につながる危険があるとされています。
また、冬の凍結対策として本体に布や毛布、ビニールを巻き付ける行為は禁止とされており、機器の周囲を囲ったり、給排気口付近に荷物を置いたりしないことも注意点として挙げられています。
熱がこもる状況をつくらないことは、過熱を防ぐうえで基本になります。
給湯側(32・8)と風呂側(42)の違い
同じ異常停止でも、どちらの回路で起きたかによって見る場所が変わります。
給湯側
蛇口やシャワーへ送るお湯の回路です。
流量が足りない、あるいは温度制御が働いていない状態で燃焼が続くと、想定を超える温度になります。
給湯栓を極端に絞る使い方が続いている場合は、その点も振り返ってみてください。
風呂側
浴槽のお湯を吸い込んで温め、戻す回路です。
循環がうまくいっていないと、機器の中で局所的に温度が上がります。
浴槽の水位が足りない、循環口のフィルタが目詰まりしているといった状況が引き金になり得ます。
風呂に関する別の表示との違い
風呂まわりには、もうひとつ似た内容の表示があります。
そちらは処置方法として循環口の掃除が案内されており、利用者が自分で対応できる可能性がある表示として区別されています。
一方、42は点検・修理と案内されています。
同じ「風呂の異常停止」でも、掃除で解消が見込まれるものと、点検が必要なものとで扱いが分かれているということです。
表示された番号や記号を正確に読み取ってから対応してください。
やけどへの注意
過熱に関わる表示が出ている状態では、給湯栓から想定より熱いお湯が出るおそれがあります。手や体を直接当てる前に、必ず温度を確かめてください。
小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、この点をあらかじめ共有しておくことをおすすめします。
表示が出ているあいだは、浴槽への湯はりも含めて使用を控えるのが安全です。
確認してよい範囲と、避けるべきこと
見てよいところ
- 表示されている番号や記号を正確に読み取る
- 給排気口の周囲に荷物、洗濯物、雪などがないか
- 本体に布やカバーを巻き付けていないか
- 浴槽の水位が循環口より十分に上にあるか
- 循環口のフィルタに髪の毛や湯あかがたまっていないか
- 機器の下や配管の継ぎ目が濡れていないか
給排気口の周囲を片付ける、循環口のフィルタを洗うといった対応は、原因の切り分けとしても有効です。
避けるべきこと
- 表示が消えないまま運転スイッチを入れ直して使い続ける
- 本体のカバーを外して内部の装置に触れる
- 安全装置を解除しようとする
- 熱いお湯が出る状態で入浴や湯はりを行う
燃焼まわりの見方については、コロナ石油給湯器のエラー4とは?着火不良と灯油切れの見分け方もあわせて読むと、機器がどこを見ているのかが整理しやすくなります。
点検を依頼するときの判断基準
| 状況 | 考えられること | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 表示が出たまま消えない | 安全装置の作動原因が残っている | 販売店・サービス窓口へ点検を依頼 |
| 入れ直すと使えるが再発する | 同じ条件で過熱が起きている | 使用を控えて点検を依頼 |
| 追いだきのときだけ出る | 風呂回路の循環不良 | 水位と循環口を確認のうえ連絡 |
| 給湯のときだけ出る | 給湯回路の流量や制御の問題 | 症状を伝えて点検を依頼 |
| 熱すぎるお湯が出る | 温度制御が働いていない可能性 | 使用を控えて速やかに連絡 |
| 焦げたにおいや異音を伴う | 過熱が進んでいる可能性 | 運転を止めて速やかに連絡 |
連絡するときは、表示された番号や記号、機種の型式、給湯と追いだきのどちらで出るか、給排気口や循環口を確認したか、湯温に異常があったかを伝えてください。
「どの操作をしたときに出るか」という情報は、給湯側か風呂側かを切り分ける決め手になります。
使用年数が長い機器では、部品の在庫状況によって修理が難しくなることもあります。
点検時期を知らせる表示が出ている場合の考え方はコロナ石油給湯器のエラー88とは?点検時期のお知らせと正しい対応で整理しています。
過熱を招かないための習慣
給排気口のまわりを空けておく
荷物や植木、洗濯物を近づけないことが基本です。
降雪後は、雪が吹き寄せて塞いでいないかを確認しておいてください。
凍結対策で本体を包まない
配管の保温は必要ですが、本体そのものを布やビニールで覆うのは危険です。
方法に迷う場合は、施工した業者に相談してください。
浴槽の水位と循環口を管理する
追いだきをする前に、浴槽の水位が循環口より十分に上にあるかを見る習慣をつけてください。
循環口のフィルタは、月に1回程度を目安に外して洗っておくと詰まりにくくなります。
給湯栓を極端に絞らない
ぬるいお湯が欲しいときは、栓を絞るのではなくリモコンの設定温度を下げるほうが安定します。
流量が細いまま燃焼が続く状態を避けられます。
よくある質問
Q1.安全装置が作動しただけなら、リセットして使ってもよいですか?
避けてください。
安全装置が作動したということは、通常の制御では抑えきれない状態に至っていたことを意味します。
表示を消しても、その原因そのものは残ったままです。
同じ条件がそろえばまた作動しますし、運転を重ねるうちに機器や配管の損傷、やけどにつながるおそれがあります。販売店またはメーカーのサービス窓口へ連絡してください。
Q2.55とH5は違うエラーですか?
意味は同じで、機種の区分によって表示が分かれているだけです。
アビーナGシリーズでは55、それ以外の給湯機ではH5として、どちらも器具内の異常過熱を検知したものと記載されています。
処置方法もいずれも点検・修理とされているため、対応の考え方は共通と考えて差し支えありません。
お使いの機種は、取扱説明書の表紙や本体の銘板に書かれた型式から確認できます。
Q3.追いだきのときだけ表示が出ます。
風呂回路の循環がうまくいっていない可能性があります。
浴槽の水位が循環口より十分に上にあるか、循環口のフィルタに髪の毛や湯あかがたまっていないかを確認してください。
水位不足やフィルタの目詰まりは、機器の中で局所的に温度が上がる原因になります。
確認しても改善しない場合は、どの操作で出るかを伝えて点検を依頼してください。
Q4.熱すぎるお湯が出ますが、使っても大丈夫ですか?
使用を控えてください。
温度を管理する仕組みが正しく働いていない可能性があり、やけどのおそれがあります。
手や体を直接当てる前に必ず温度を確かめ、浴槽への湯はりも含めて使用を見合わせてください。
小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、表示が出ていることを家族で共有しておくと安心です。
Q5.給排気口のまわりを片付ければ直りますか?
熱がこもっていたことが原因であれば、改善する可能性はあります。
荷物、洗濯物、植木、積雪などが給排気口を塞いでいないかを確認してください。
また、凍結対策として本体に布や毛布、ビニールを巻き付けることは禁止とされています。
周囲を片付けても表示が消えない場合は、内部に原因があると考えられるため、点検を依頼してください。
まとめ
コロナの石油給湯器に表示されるエラー32・42・55・7・8・H5は、安全装置が作動して運転を止めたことを示す表示です。
機器が壊れた合図ではなく、危険な状態を検知して自ら止まった結果にあたります。
ただし作動には必ず原因があり、それは表示を消しても残り続けます。
対応の順序を整理しておきます。
- 表示された番号や記号を正確に読み取る
- 給排気口の周囲と、本体に巻いた物がないかを確認する
- 浴槽の水位と循環口のフィルタを見る
- どの操作をしたときに出るかを控えておく
- 入れ直して使い続けず、点検を依頼する
熱すぎるお湯が出ている場合は、その時点で使用を止めてください。
機器が守ってくれた状態を、人の側で無理に押し戻さないことが何より大切です。

