給湯器のリモコンに「H7」「H8」「H9」といった表示が出て、意味が分からず不安になっていませんか。
この3つは、いずれも排気の温度に関わる表示です。
排気というと「燃えたあとの不要なもの」という印象があるかもしれませんが、機器にとっては燃焼の状態を知るための重要な情報源になっています。
そのため、排気の温度がおかしい、あるいは測れないという状況は、安全に直結する問題として扱われます。
この記事では、排気温度が何を映しているのかというところから、3つの表示の違い、排気口まわりで確認できることまでを解説します。
H7・H8・H9が示す内容
メーカーが公開しているエラーサイン一覧では、次のように記載されています。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| H7 | 排気温度の温度異常を検知 |
| H8 | 排気サーミスタの断線を検知 |
| H9 | 排気サーミスタの短絡を検知 |
この3つは、いずれもアビーナGシリーズ以外の給湯機の一覧に記載されているものです。
H7が温度そのものの異常、H8とH9はその温度を測る部品の異常という関係になります。
処置方法については、3つとも「点検または修理が必要です」と記載されています。
他のコードもあわせて調べたい場合は、コロナ石油給湯器のエラーコード一覧|自分で確認できる表示の見分け方にコード別の一覧をまとめています。
排気温度は燃焼状態を映している
給湯器は、燃焼で生まれた熱を熱交換器で水に移し、残りを排気として外へ出しています。
言い換えれば、排気の温度は「回収しきれなかった熱」の量を表しています。
ここから、ひとつの見方が導けます。
排気が本来より熱いということは、熱が水にうまく移っていない可能性があるということです。
熱が移らなくなる代表的な状況としては、次のようなものが考えられます。
- 熱交換器の表面にすすや汚れが付着している
- 給排気の流れが妨げられている
- 燃焼の状態そのものが乱れている
つまりH7は、単に「排気が熱い」という話ではありません。
燃焼や熱交換のどこかに変化が起きていることを、排気温度という形で知らせている表示だと考えられます。
H7が示す状態と危険性
| 考えられる要因 | 起きやすい状況 |
|---|---|
| 熱交換器の汚れ、すすの付着 | 長期間の使用、燃焼不良の継続 |
| 給排気口の閉塞 | 積雪、荷物、洗濯物、外壁工事の養生 |
| 燃焼状態の乱れ | 空気量の不足、劣化した灯油の使用 |
| 排気経路の詰まり | 落ち葉、虫の巣、鳥の巣 |
高温の排気は、周囲にも影響します。
排気口の近くに燃えやすい物がある状態は避けなければなりません。
公的機関も、燃焼機器の給排気が妨げられることの危険性に注意を呼びかけています。
給排気口が塞がれると未燃のガスが燃焼室に滞留し、点火時の火花で異常着火を起こして製品の破損や発火につながる危険があるとされています。
また、冬の凍結対策として本体に布や毛布、ビニールを巻き付ける行為は禁止とされており、機器の周囲を囲ったり、給排気口付近に荷物を置いたりしないことも注意点として挙げられています。
排気口の周囲に段ボール、木材、灯油のポリタンクなど燃えやすい物を置かないでください。
H8・H9の断線と短絡
| 表示 | 状態 | 機器から見た状況 |
|---|---|---|
| H8(断線) | 信号の経路が途切れている | 電気が流れず、値が読めない |
| H9(短絡) | 経路を飛ばしてつながっている | ありえない値が返ってきている |
どちらの場合も、機器は排気の温度を把握できません。
ここが他のサーミスタと少し違うのは、排気温度の監視が安全のための仕組みだという点です。
給湯温度が分からなければ湯温が合わないだけで済みますが、排気温度が分からなければ、燃焼の異常や熱交換の不調に気づく手段がひとつ失われることになります。
そのため、H8やH9が出ている状態で運転を続けるのは避けてください。
排気サーミスタは、屋外環境の影響を受けやすい位置にあることも、劣化しやすい理由として考えられます。
排気口まわりで確認できること
3つの表示のなかで、H7については設置環境が関係している可能性があります。
点検を依頼する前に、次の点を見ておく価値があります。
見てよいところ
- 排気口の周囲に荷物、洗濯物、植木、自転車などがないか
- 積雪期であれば、雪が吹き寄せて塞いでいないか
- 外壁工事などの養生シートやテープが残っていないか
- 排気口のまわりにすすや黒い汚れが付いていないか
- 排気口の付近に燃えやすい物が置かれていないか
- 本体に布やカバーを巻き付けていないか
排気口まわりのすすや変色は、燃焼の状態が良くない時期があったことを示す手がかりになります。
気づいたら写真を撮っておくと、点検時の説明に役立ちます。
避けるべきこと
- 表示が消えないまま運転を繰り返す
- 本体のカバーを外して内部を確認する
- 熱交換器やバーナーを自分で清掃する
- 排気口に手やものを差し入れる
- 煙やにおいが出ているのに使用を続ける
燃焼まわりの見方については、コロナ石油給湯器のエラー4とは?着火不良と灯油切れの見分け方もあわせて読むと、機器がどこを見ているのかが整理しやすくなります。
点検を依頼するときの判断基準
| 状況 | 考えられること | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 周囲を片付けても表示が消えない | 熱交換器の汚れや部品の不具合 | 販売店・サービス窓口へ点検を依頼 |
| 排気口まわりにすすが付いている | 燃焼状態の乱れ | 状況を伝えて点検を依頼 |
| 煙や異臭を伴う | 燃焼の異常 | 運転を止めて速やかに連絡 |
| 風の強い日や雪の日に出やすい | 給排気の環境要因 | 状況を伝えて相談 |
| H8・H9が出ている | 排気温度を監視できない状態 | 使用を控えて点検を依頼 |
連絡するときは、表示された記号、機種の型式、いつから出ているか、排気口の周囲を確認したか、すすや煙の有無を伝えてください。
「排気口のまわりが黒くなっている」という情報は、対応の優先度を判断する材料になります。
使用年数が長い機器では、部品の在庫状況によって修理が難しくなることもあります。
点検時期を知らせる表示が出ている場合の考え方はコロナ石油給湯器のエラー88とは?点検時期のお知らせと正しい対応で整理しています。
排気まわりを健全に保つために
排気口の前は常に空けておく
物置代わりに荷物を寄せる、植木を近づける、洗濯物を干すといった使い方は避けてください。
点検スペースも兼ねて、本体の前面と排気側は空けておくのが基本です。
燃えやすい物を近づけない
段ボール、木材、灯油のポリタンク、ビニール類などは、排気口から離して保管してください。
一時的に置いたつもりが、そのまま定位置になってしまうことがあります。
季節ごとに周囲を確認する
落葉期の終わり、初雪の前、外壁工事のあと。
このタイミングで機器のまわりを見る習慣をつけておくと、閉塞の多くは未然に防げます。
灯油の質を保つ
劣化した灯油は燃焼を不安定にし、すすの発生を増やします。
すすが熱交換器に付着すれば、熱が水に移りにくくなり、排気温度の上昇につながります。
シーズンの灯油はそのシーズンで使い切ってください。
よくある質問
Q1.H7が出るのはなぜですか?
排気の温度が想定を超えたことを機器が検知したためです。
排気の温度は、熱交換器で回収しきれなかった熱の量を表しています。
そのため、熱交換器にすすや汚れが付いて熱が水に移りにくくなっている、給排気の流れが妨げられている、燃焼の状態が乱れているといった状況が背景として考えられます。
まずは排気口の周囲に荷物や積雪、養生シートがないかを確認してください。
Q2.排気口のまわりが黒くなっています。大丈夫でしょうか?
燃焼の状態が良くない時期があったことを示す手がかりです。
すすは、燃え残りが生じているときに発生しやすくなります。
そのまま使い続けると、熱交換器への付着が進んで排気温度がさらに上がるおそれがあります。
点検を依頼する際に、この状況をあわせて伝えてください。写真を撮っておくと説明しやすくなります。
Q3.H8やH9が出ていますが、お湯は使えています。
使用を控えて点検を依頼してください。
H8とH9は、排気の温度を測る部品が正常に働いていない状態を示しています。
排気温度の監視は、燃焼の異常や熱交換の不調に気づくための安全の仕組みです。
この状態で運転を続けると、異常が起きても気づく手段がひとつ失われたまま使うことになります。
Q4.冬になると表示が出やすいのですが、関係ありますか?
設置環境が関係している可能性があります。
積雪が吹き寄せて排気口を塞ぐ、強風で排気の抜けが乱れるといった条件で、排気の状態が変わることがあります。
まずは降雪後に排気口の周囲を確認する習慣をつけてください。
なお、凍結対策として本体に布や毛布、ビニールを巻き付けることは禁止とされています。配管の保温とは分けて考えてください。
Q5.熱交換器の掃除は自分でできますか?
できません。
熱交換器は本体内部にある部品で、清掃には機器の分解を伴います。
無理に触れば変形や損傷を招き、燃焼や排気の状態をかえって悪化させることになります。
利用者ができるのは、屋外の排気口まわりの障害物を取り除くところまでです。それで改善しない場合は点検を依頼してください。
まとめ
コロナの石油給湯器に表示されるエラーH7・H8・H9は、排気温度に関わる表示です。
H7は排気温度そのものの異常、H8とH9はその温度を測る部品の断線と短絡を示しています。
排気の温度は燃焼と熱交換の状態を映すため、いずれも安全に関わる表示として扱ってください。
対応の順序を整理しておきます。
- 排気口の周囲に荷物、洗濯物、植木、雪がないかを見る
- 外壁工事などの養生が残っていないか確認する
- 排気口のまわりにすすや黒い汚れがないかを確かめる
- 燃えやすい物を排気口から離す
- 周囲を片付けても表示が消えない場合は、点検を依頼する
煙やにおいを伴う場合は、その場で運転を止めて連絡してください。
排気は普段意識しない部分ですが、機器が安全に燃えているかを教えてくれる大切な手がかりです。

