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長府 暖房ボイラーのエラー520・E34・E9・ECとは?|気化器ヒータの不良

長府の暖房ボイラーのエラー520・E34・E9・ECと、気化器ヒータの不良を示す文字のみのサムネイル。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

暖房のスイッチを入れても点火まで進まず、しばらくして520やE34が表示される。
火がつく前の段階で止まっているため、燃料切れとも違う様子に戸惑う場面です。
このグループは、運転前に気化器を温める工程が、決められた時間内に完了しなかったことを知らせる表示です。
この記事では、520・530・E34・E9・ECが示している状態、予熱という工程の役割、E9とECで型番の確認が欠かせない理由、家庭で確認できる電源まわり、そして解除の手順と依頼の判断基準までを解説します。

目次

5つのコードが示しているもの

いずれも気化器ヒータの許容通電時間を経過しても規定温度に到達しないことによる運転停止です。

スクロールできます
表示対象解除の方法
520機種により表示機器の温度が下がるのを待って、リモコンの運転スイッチを「切」→「入」
530機種により表示同上
E34機種により表示同上
E9DB-641・642(Y)、DBF-643(Y)・644(Y)・645(Y)・670(Y)が対象同上(リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ、または熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す)
ECDB-641・642(Y)、DBF-643(Y)・644(Y)・645(Y)・670(Y)が対象リモコンの運転スイッチを「切」→「入」。リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ

なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なります。
お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。

📎 出典:長府製作所 製品エラーコード

予熱という工程で何が起きているか

気化式の石油機器は、灯油を加熱して気体に変えてから燃やします。
そのため運転を始めるとき、まず気化器ヒータに通電して気化器を規定の温度まで温める工程があります。
これが予熱で、点火はその後に行われます。

このとき機器は、通電できる時間に上限を設けています。
温まらないまま通電し続けることは安全上も好ましくないためです。
上限の時間を過ぎても規定温度に届かなければ、点火に進まず運転を止めるという判断になります。
つまりこの表示は、火がつかなかったのではなく、火をつける準備が整わなかった段階での停止を意味します。

E9とECは型番の確認が欠かせない

このグループで特に注意したいのが、E9とECです。
どちらも機種によってまったく別の内容を指します。

スクロールできます
表示対象機種内容
E9DB-641・642(Y)、DBF-643〜645(Y)・670(Y)気化器ヒータが規定温度に到達しない
E9DBF-2900外気温(凍結防止)サーミスタの断線またはショートによる警告表示。正常値に戻ると自動復帰
ECDB-641・642(Y)、DBF-643〜645(Y)・670(Y)気化器ヒータが規定温度に到達しない
EC上記以外統合基板の機種設定切替スイッチが設定外による運転停止。点検・修理を依頼

同じE9でも、対象機種であれば運転を止める異常、DBF-2900であれば自動復帰する警告という違いがあります。
ECも同様で、機種設定に関する内容であれば所有者の操作では解決しません。
調べる前に、まず機器の型番を確認することが遠回りを避ける近道です。
型番は本体側面や前面の銘板に記載されています。
写真に撮っておくと、点検を依頼するときにもそのまま使えます。

温まらない要因として考えられること

要因内容
気化器ヒータの劣化・断線発熱が不足している、または通電していない
気化器サーミスタの不良温まっていても低い値として検知している
電源電圧の不足十分な電力が供給されず、規定時間内に昇温できない
配線・接続部の不良通電が安定しない
極端な低外気温設置環境によって昇温の条件が厳しくなる
堆積物の影響熱の伝わり方が変わっている

家庭で確認できるのは、このうち電源まわりに限られます。
気化器ヒータは運転開始時に電力を使う部分のため、供給が不安定だと規定時間内に温まりきらないことがあります。

  • 電源プラグがコンセントにしっかり差し込まれているか
  • 延長コードやタコ足配線を経由していないか
  • 同じ回路で消費電力の大きい機器を同時に使っていないか
  • 停電や瞬間的な電圧低下があった直後ではないか

プラグの緩みは、除雪や物の出し入れで機器のまわりを動いたときに起こりがちです。
差し直したうえで解除操作を行い、正常に立ち上がるかを確認してみてください。

解除(リセット)の手順

  1. 機器の周囲に焦げたにおいや煙がないことを確認する
  2. 電源プラグの差し込み状態を確認する
  3. 機器の温度が下がるのを待つ(機種によって指定が異なります)
  4. リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
  5. リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う(機種によっては熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法が指定されています)

操作は2回程度までにとどめてください。
ヒータが劣化している場合、何度試しても規定時間内に温まることはありません。
繰り返すことで解決する表示ではない、という点は意識しておいてください。

機器から焦げたにおいがする、煙が出ている、運転のたびにブレーカーが落ちるといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。

寒くなると出るようになった場合

シーズンの初めや、冷え込みが強まった時期から表示されるようになるケースがあります。
外気温が低いほど気化器の初期温度も低く、規定温度までの差が大きくなるためです。
ヒータの発熱がわずかに落ちていても、暖かい時期には時間内に到達し、寒い時期になると間に合わなくなるという現れ方をします。

つまり「寒い日にだけ出る」は、劣化が進み始めたサインとして読めることがあります。
真冬に完全に立ち上がらなくなる前の段階で点検を受けておくと、暖房が使えない期間を短くできます。

業者に依頼する判断基準

状況判断
プラグを差し直して解除し、その後は正常に立ち上がる様子を見て使用可
解除操作を2回試しても立ち上がらない点検を依頼
立ち上がる日と立ち上がらない日がある点検を依頼
冷え込んだ日にだけ出るようになった劣化の可能性として点検を依頼
ECが表示され、対象機種に該当しない機種設定に関する内容の可能性。点検を依頼
焦げたにおい、煙、ブレーカーが落ちる運転を止めて速やかに連絡

気化器ヒータは消耗する部品のため、使用年数が長いほど交換対象になりやすくなります。
設置から10年前後が経過している場合は、他の部品の劣化も同時期に進んでいることが多く、修理費と機器交換の費用を比較して検討する時期といえます。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、作業前に見積もりで確認してください。

点検までの間の暖房について

予熱が完了しない状態では、機器を運転させることができません。
暖房シーズン中は訪問までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも気化式の機種があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。

灯油の状態も整えておく

気化器ヒータの不良そのものは燃料と直接の関係がありませんが、気化器まわりの状態は燃料の質に影響を受けます。
変質した灯油は残留物を生じさせやすく、熱の伝わり方に影響することがあります。
シーズンをまたいだ灯油を使わないという基本は、この場面でも有効です。
判断の目安は灯油の使用期限はどれくらい?去年の灯油は使えるのか判断基準を解説にまとめています。

よくある質問

Q1. 520と530とE34は違うエラーですか。

いずれも気化器ヒータが許容通電時間を経過しても規定温度に到達しないことによる運転停止で、内容は共通しています。
表示が分かれているのは、機種やリモコンの世代の違いによるものです。
解除の方法も、機器の温度が下がるのを待って運転スイッチを入れ直すという点で共通しています。
どの表示が出ていたかは、点検を依頼するときに伝えておくと機種の特定に役立ちます。

Q2. E9が出ましたが、外気温サーミスタの異常だという情報も見かけます。

E9は機種によって内容が変わるコードです。
DB-641・642(Y)やDBF-643〜645(Y)・670(Y)では気化器ヒータに関する停止ですが、DBF-2900では外気温(凍結防止)サーミスタの断線またはショートによる警告表示として整理されています。
後者は正常な値に戻れば自動的に復帰します。
まず本体の銘板で型番を確認し、どちらに該当するかを見極めてください。

Q3. ECはどう判断すればよいですか。

ECも対象機種であれば気化器ヒータに関する停止を示しますが、それ以外では統合基板の機種設定切替スイッチが設定外であることを示します。
後者は所有者の操作では解決せず、点検・修理の依頼が必要です。
部品交換や基板の交換の直後に表示された場合は、設定に関する内容である可能性があります。
いつからその表示が出るようになったかを伝えると、判断の材料になります。

Q4. 気化器ヒータは自分で交換できますか。

機器内部の部品であり、分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者の作業範囲を超えます。
また、温まらない原因がヒータ本体ではなく、サーミスタや配線、電源側にある場合もあります。
部品を替えても改善しないという事態を避けるためにも、原因の確認とあわせて依頼してください。
点検の際は型番を伝えておくと、部品の手配が早く進みます。

Q5. 何度も運転スイッチを入れ直しても大丈夫ですか。

ヒータが劣化している場合、何度試しても規定時間内に温まることはありません。
そのため、繰り返すこと自体に解決の効果はほとんど期待できません。
2回程度試して立ち上がらないようであれば、原因が機器側にあると考えて依頼に切り替えるのが現実的です。
なお、運転のたびにブレーカーが落ちるような場合は操作を続けず、その症状もあわせて伝えてください。

まとめ

長府の暖房ボイラーに表示される520・530・E34・E9・ECは、気化器ヒータが許容通電時間内に規定温度へ到達しなかったことによる停止です。
火がつかなかったのではなく、火をつける準備である予熱が完了しなかった段階での停止にあたります。
E9とECは機種によって内容が変わるため、まず本体の銘板で型番を確認することが判断の出発点になります。
家庭で確認できるのは電源プラグの差し込みや配線の状態までで、それ以外は点検の領域です。
冷え込んだ日にだけ出るようになった場合は劣化が進み始めたサインとも読めるため、真冬に立ち上がらなくなる前に点検を受けておくと安心です。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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