暖房が動かず、リモコンにE81が表示されている。
「空焚(からだ)き」という言葉が出てくると、何か重大なことが起きたのではないかと不安になります。
E81は、水検知(空焚防止)装置が循環水なしを検出したことによる運転停止です。
不凍液が減ったことを知らせる表示よりも、さらに進んだ段階にあたります。
この記事では、E81が示している状態、空焚きが避けられる理由、循環水がなくなる原因、解除の前に確認しておきたいこと、そして凍結による破損の可能性までを解説します。
E81が示しているもの
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| E81 | 水検知(空焚防止)装置が循環水なしを検出したことによる運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
メーカーの案内では、復帰しない場合や再発する場合に点検・修理を依頼するよう示されています。
解除操作そのものは他のコードと同じですが、この表示に限っては、操作の前に原因を確認することが特に重要になります。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
なぜ空焚きを避ける必要があるのか
温水暖房では、熱交換器の中を通る不凍液が燃焼の熱を受け取り、その熱を放熱器へ運びます。
液が入っていない状態で燃焼させると、受け取った熱を運び出す相手がいないため、熱交換器そのものが急激に加熱されます。
金属は急な温度変化に弱く、変形や損傷につながるおそれがあります。
そのため石油暖房機器には、空焚防止装置が安全装置として組み込まれています。
E81はその装置が働いた結果であり、機器を守るために燃焼を止めた状態と理解しておくとよいでしょう。
表示が出たこと自体は、安全装置が正しく機能したことを意味します。
水位に関する表示との段階の違い
不凍液に関する表示は、状態によって段階が分かれています。
| 段階 | 表示 | 状態 |
|---|---|---|
| 警告 | 420 | 水位が基準の位置から下がった。運転は継続できる |
| 運転停止 | 260・430・EL・P7 | 水位が下限を下回った。補充すれば復帰 |
| 循環の異常 | P0 | 液はあるが流れておらず、高温を検知した |
| 空焚きの検知 | E81 | 循環水がない状態を検出した |
E81は、このなかで最も進んだ段階にあたります。
420や260の表示を見過ごしたまま使い続けた結果としてE81に至るケースもあれば、大きな漏れによって一気にこの段階まで進むケースもあります。
前段の表示に心当たりがない場合ほど、短時間で液が失われた可能性を考える必要があります。
循環水がなくなる原因
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 配管や接続部からの漏れ | 経年劣化、パッキンの劣化、ナットの緩み |
| 配管の腐食による穴あき | 少しずつ、あるいは一気に抜ける |
| 凍結による配管や部品の破損 | 解けたあとに大量に漏れる |
| 補充を長期間していない | 少しずつ減った状態が続いていた |
| 工事や修理の後の抜け | 作業後に液が戻されていない、空気が残っている |
| 検知部の不具合 | 液はあるが検出できていない |
温水暖房の配管は、防錆剤入りの不凍液を使っていても腐食が進む場合があります。
北海道立工業試験場の調査報告では、防錆剤入りの不凍液を使用していても1〜2年で配管の穴あきによる漏洩が発生した事例がある一方、水道水のみで10年以上正常に稼働しているケースもあると報告されています。
配管や施工の条件によって差が出るため、「まだ新しいから漏れない」とは限らないという前提で確認したほうが確実です。
解除の前に確認したいこと
E81は解除操作ができる表示ですが、原因を確認せずに運転を再開することは避けてください。
循環水がないまま燃焼させれば、防止装置が再び働くだけでなく、機器に負担がかかります。
先に見ておきたいのは次の点です。
- 熱源機の下や周囲が濡れていないか
- 配管の接続部やバルブのまわりににじみや水滴がないか
- 放熱器(パネルヒーター)の足元に跡がないか
- 床や壁沿いに湿った箇所、しみがないか
- 不凍液の水位が目視できる機種であれば、その状態
床が濡れている、配管から液が滴っている、機器の周囲に水たまりができているといった場合は、運転を再開せず、そのまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
漏れたまま運転を続けると、機器の損傷だけでなく、床材や下地への被害が広がるおそれがあります。
凍結による破損が疑われる場合
寒冷地では、不凍液の濃度が下がっていた状態で強い冷え込みに見舞われると、配管内が凍ることがあります。
凍結そのものでは症状が出なくても、解けたときに破損部分から一気に液が抜け、E81として現れることがあります。
心当たりとして考えられるのは次のような状況です。
- 水だけを足し続けて濃度が下がっていた
- 長期間留守にして暖房を止めていた
- 例年にない冷え込みがあった
- 春先に暖房を再開したところ表示が出た
この場合、補充だけでは解決しません。
破損した箇所を修理しなければ、入れた液がまた抜けてしまいます。
無理に運転させず、状況を伝えて点検を依頼してください。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 漏れが見当たらず、補充して解除し、その後再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| 床や配管まわりが濡れている | 運転を再開せず連絡 |
| 補充してもすぐに同じ表示が出る | 点検を依頼 |
| 前段の水位低下の表示なしに、突然E81が出た | 大きな漏れの可能性として点検を依頼 |
| 長期の留守や強い冷え込みのあとに出た | 凍結による破損を含めて点検を依頼 |
| 工事や修理の直後から出るようになった | 施工業者に相談 |
このコードは、解除できるかどうかよりも、なぜ液がなくなったのかを突き止めるほうが重要です。
原因が残ったまま補充と解除を繰り返しても、同じ状況に戻ります。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも循環液に関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
点検までの間の暖房について
E81が出ている機器は、原因が分かるまで運転を控えるのが基本です。
暖房シーズン中は訪問までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
また、漏れが疑われる場合は、床材への影響を抑えるためにも早めに連絡しておくことが大切です。
この段階に至らないために
E81は、多くの場合その前に予兆があります。
- 420(警告表示)が出た時点で補充する
- 補充した日付と量を記録し、頻度が増えていないか確認する
- シーズン前に不凍液の水位と配管まわりのしみを見ておく
- 水だけを足し続けず、指定の液で濃度を保つ
- 長期の留守の前に、寒冷地では凍結対策を確認しておく
警告の段階で動いていれば、空焚防止装置が働くところまで進むことはほとんどありません。
よくある質問
Q1. 不凍液を補充すれば直りますか。
液が減っていただけであれば、補充して解除することで復帰する場合があります。
ただし、なぜ減ったのかを確認しないまま補充するのは避けてください。
漏れが原因であれば、入れた液もまた抜けてしまいます。
床や配管まわりに濡れた跡がないかを確認し、心当たりがない場合や短期間で再発する場合は点検を依頼してください。
Q2. 解除して運転してみてもよいですか。
原因の確認が先です。
循環水がない状態で燃焼させれば、空焚防止装置が再び働くだけでなく、熱交換器に負担がかかります。
特に床が濡れている、配管から液が滴っているという状況では、解除操作をせずに連絡してください。
安全装置が働いたのは機器を守るためであり、その判断を無理に打ち消す必要はありません。
Q3. 水位の警告は出ていなかったのに、いきなりE81になりました。
短時間で大量に液が失われた可能性があります。
配管の破損や接続部の外れ、凍結による損傷などが考えられます。
段階的に減っていれば420や260といった表示が先に出るため、それがなかったということは急激な変化を示しているといえます。
床や配管まわりを確認したうえで、点検を依頼してください。
Q4. 空焚防止装置が働いた機器は、もう使えないのですか。
装置が働いたこと自体は、機器が壊れたという意味ではありません。
むしろ、損傷に至る前に燃焼を止めた結果です。
原因となった漏れや循環の問題を解消すれば、引き続き使用できる場合が多くあります。
ただし、空焚きの状態が長く続いていた可能性がある場合は、熱交換器の状態もあわせて確認してもらうと安心です。
Q5. 春に暖房を使い始めたら表示が出ました。冬の間に何かあったのでしょうか。
冬季に配管が凍結し、解けたあとに破損部分から液が抜けたという経緯が考えられます。
凍結時には症状が出ず、暖かくなってから発覚するというのは珍しくありません。
長期間留守にしていた、水だけを足していて濃度が下がっていた、といった心当たりがあれば伝えてください。
この場合は補充だけでは解決せず、破損箇所の修理が必要になります。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示されるE81は、水検知(空焚防止)装置が循環水なしを検出したことによる停止です。
不凍液に関する表示のなかでは最も進んだ段階にあたり、機器を守るために燃焼を止めた状態を示しています。
解除操作は可能ですが、このコードに限っては、なぜ液がなくなったのかを確認するほうが先です。
床や配管まわりの濡れ、放熱器の足元の跡、水位の状態を見たうえで、心当たりがなければ点検を依頼してください。
そして、420の警告が出た段階で補充しておけば、この表示まで進むことはほとんどありません。

