おいだきの途中で運転が止まり、リモコンに「722」が点滅していた。
運転スイッチを入れ直したら普通に使えるようになったけれど、また出るのではないかと落ち着かない——。
722や721は、そんな出方をすることが多いコードです。
これは炎そのものの異常ではなく、「炎がついているかどうかを見張っている回路」の側で異常が検知されたことを示しています。
リンナイは、再操作で改善した場合はそのまま使用してよいと案内している一方、改善しない場合は電装基板やフレームロッドの故障が考えられるとしています。
この記事では、721・722・723・72の違い、この回路が何をしている部分なのか、リセットで直ったときの扱い、そして修理費用と交換判断の目安までを整理します。
722・721が示しているのは「炎を検出する回路の異常」
リンナイの公式Q&Aでは、722について、ふろ側の炎を検出する部品の不具合が考えられると説明されています。
利用者側の対処方法としてはリモコンの運転スイッチを一旦切り、再操作することが案内されています。
改善しない場合は、機器内部の電装基板やフレームロッドなどの部品の故障が考えられるとされています。
ここで重要なのは、722が「火がつかない」エラーではないという点です。
点火不良や途中失火は、燃焼そのものが成立しなかった状態を指します。
一方の722・721は、燃焼を監視するセンサー側の信号がおかしいという意味で、系統がまったく違います。
721・722・723・72は検出する系統が違う
同じ炎検出の異常でも、どの回路で起きたかによってコードが分かれています。
| 表示 | 内容 | 対象系統 |
|---|---|---|
| 721 | 給湯側の炎を検出する部品の不具合 | 給湯 |
| 722 | ふろ側の炎を検出する部品の不具合 | おいだき(ふろ) |
| 723 | 暖房側の炎検出回路異常 | 暖房 |
| 72 | 炎検出回路異常(2桁表示) | 給湯専用機など |
リンナイは721について、再操作で改善した場合はそのまま安心して使用してよいとしたうえで、改善しない場合は電装基板やフレームロッドなどの部品の故障が考えられると案内しています。
723は暖房側の炎検出回路異常とされており、給湯暖房機や床暖房を使っている住宅で表示されるコードです。
2桁表示の72についても、炎検出回路異常として同じ説明がされています。
末尾の数字が、どの機能で起きたかを表していると考えると整理しやすくなります。
シャワーを使っているときに出れば721、おいだき中なら722、暖房運転中なら723という対応関係になります。
「疑似炎検知」という呼び方について
インターネット上の一覧表では、721・722を「疑似炎検知」と記載しているものが多く見られます。
これは、実際には炎がないのに炎があるかのような信号が出てしまう現象を指した言い方です。
ただしリンナイ公式の記載は「炎を検出する部品の不具合」「炎検出回路異常」であり、疑似炎という表現は使われていません。
意味としては近いのですが、公式の表現のほうが実態に即しています。
検出する側の回路に不具合が起きているのであって、燃焼のしかたが異常だという意味ではないためです。
業者に連絡する際も、表示された数字をそのまま伝えれば十分です。
炎を検出する部品は何をしているのか
給湯器の内部には、フレームロッドと呼ばれる細い金属の棒が入っています。
これはバーナーの炎に差し込まれるように配置されており、炎が持つわずかな導電性を利用して「今、火がついている」ことを電気的に確認しています。
この仕組みがあるおかげで、機器は次のような判断ができます。
- 点火操作をしたのに火がつかなかった → ガスを止める
- 燃焼中に火が消えた → 直ちにガスを止める
- 炎の状態が正常に検出できない → 安全側に倒して停止する
つまりフレームロッドは、火がついていないのにガスが出続ける状態を防ぐための、燃焼機器で最も基本的な安全部品です。
722・721は、この安全確認の仕組み自体が正しく働いていない可能性を示しています。
そのため、エラーを無視して使い続けてよい種類の表示ではありません。
なお、火がつかないタイプの不調は別のコードで表示されます。
点火しない場合の111・11についてはリンナイ給湯器のエラー11・111とは?点火不良の原因と正しい対処法で、燃焼の途中で火が消える場合の12についてはリンナイ給湯器のエラー12|途中失火が起きたときの意味と対処で解説しています。
再操作で直った場合の扱い
722・721で特徴的なのは、リンナイが「改善した場合はそのまま安心して使用してください」と明記している点です。
多くのエラーコードでは、こうした踏み込んだ案内はされません。
手順は次のとおりです。
- お湯の使用を止め、蛇口やシャワーを閉じる
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 数十秒ほど置く
- 運転スイッチを「入」にする
- お湯を出す、またはおいだきを操作して動作を確認する
これで正常に戻り、その後まったく再発しないのであれば、一時的な検出の乱れだった可能性が高い状態です。
ただし「繰り返す」場合は意味が変わる
問題になるのは、再操作で消えてもすぐにまた表示されるケースです。
判断の目安を整理すると次のようになります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 1回だけ出て、その後1か月以上再発しない | 経過観察でよい |
| 週に1回程度出るようになった | 部品の劣化が始まっている可能性 |
| 1日に何度も出る、毎回のおいだきで出る | 点検を依頼する段階 |
| 再操作しても表示が消えない | 修理が必要 |
頻度が上がってきた状態でリセットを繰り返して使い続けるのは避けてください。
炎の検出が不安定なまま燃焼を続けさせることになり、安全装置が本来の役割を果たせない状況を招きかねません。
また、次の症状を伴う場合は再操作を試さず、使用を中止してガス栓を閉め、換気したうえでガス会社またはリンナイへ連絡してください。
- ガスのにおいがする
- 燃焼音が普段と明らかに違う
- 本体から煙が出ている
改善しない場合に疑われる箇所
再操作で復帰しないときは、機器内部の部品側に原因があります。
| 疑われる箇所 | 起きていること |
|---|---|
| フレームロッド | 先端の劣化・煤の付着で炎を正しく検出できない |
| フレームロッドの配線・コネクタ | 接触不良や断線で信号が届かない |
| 電装基板(電装ユニット) | 信号を受け取る回路側の不具合 |
| アース不良 | 検出に必要な電気回路が成立しない |
フレームロッドは炎の中に置かれる部品のため、長期間の使用で表面に酸化被膜や煤が付き、検出感度が落ちていきます。
これは消耗というより経年変化に近い現象で、使用年数が長い機器ほど起こりやすくなります。
いずれの箇所も、点検には機器の分解が必要です。
ガス機器の分解や部品交換には資格が求められるため、利用者が自分で対応できる範囲ではありません。
修理費用の目安
リンナイは、保証期間終了後の出張修理料金の目安を公開しています。
炎検出回路に関するコードでは、次の金額が示されています。
| 表示 | 修理料金の目安(税込) |
|---|---|
| 721 | 31,600円〜56,900円 |
| 722 | 31,600円〜56,900円 |
| 723 | 27,500円〜49,500円 |
| 72 | 31,600円〜56,900円 |
上限が5万円を超える水準は、給湯器の修理としては高い部類に入ります。
電装基板の交換にまで及ぶと、本体交換の費用との差が小さくなっていきます。
あわせて、次の点も費用に影響します。
- 訪問した結果、修理を行わなかった場合でも出張費や故障診断料が発生する
- 高所や狭所など設置状況によって追加費用が生じることがある
- 故障箇所が複数にわたる場合、目安金額を超えることがある
修理と交換の判断基準
判断の軸になるのは使用年数です。
給湯器は設計上の標準使用期間が10年に設定されており、部品の保有期間も製造終了からおおむね10年です。
| 使用年数 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 5年未満 | 修理を優先。保証が残っていれば無償対応の可能性もある |
| 5〜8年 | 修理が現実的。ただし電装基板交換なら費用を確認する |
| 8〜10年 | 修理費が3万円を超えるなら、本体交換と比較する |
| 10年以上 | 交換を軸に検討。部品の在庫がない場合もある |
とくに10年を超えた機器では、フレームロッドを交換しても、その後に熱交換器やファンモーターの劣化が続けて表面化することが少なくありません。
交換時期の考え方については給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されやすいサインで整理しています。
リモコンに「88」や「888」が併せて表示されている機器は、すでに使用年数10年相当に達しているという合図です。
その意味はリンナイ給湯器のエラー88・888の解除方法|故障ではない?表示の意味と正しい対処で解説しています。
実際の費用は業者や工事条件によって変わるため、最終的には見積もりで確認してください。
発生しやすい条件
炎検出回路の不具合は部品側の問題が中心ですが、環境が影響することもあります。
- 給排気がふさがれ、不完全な燃焼状態が続いている
- 設置環境にホコリや油分が多く、内部に汚れがたまりやすい
- 塩害地域で、内部部品の腐食が進みやすい
- 使用年数が長く、フレームロッド表面の劣化が進んでいる
このうち利用者側で確認できるのは、給排気まわりの状態です。
給湯器の周囲に段ボールや荷物を置いていないか、給気口が落ち葉やホコリで塞がれていないかを見ておくと、余計な負担を避けられます。
なお、おいだき中に止まる症状は632など別のコードでも起こります。
リモコンに表示された数字を正確に控えておくことが、原因の切り分けにつながります。
よくある質問
Q1. 722が出ましたが、リセットしたら直りました。修理は必要ですか。
リンナイは、再操作で改善した場合はそのまま使用してよいと案内しています。
そのため、1回だけ表示されてその後再発しないのであれば、すぐに修理を手配する必要はありません。
ただし、同じ表示が週に何度も出るようになった場合は、部品の劣化が進んでいる可能性があります。
頻度が上がってきたら、点検を依頼する段階だと考えてください。
Q2. 721と722で、修理の内容や緊急度に違いはありますか。
異常の性質は同じで、違うのは検出している系統です。
721は給湯側、722はふろ(おいだき)側で炎の検出に問題が起きています。
公表されている修理料金の目安も同額で、緊急度に差はありません。
ただし722の場合はおいだきが使えない状態になるため、生活への影響という点では入浴に直結します。
Q3. フレームロッドを自分で掃除すれば直りますか。
利用者が行うことはできません。
フレームロッドは燃焼室の内部にあり、到達するには機器の分解が必要です。
ガス機器の分解には資格が求められ、無資格での作業は認められていません。
また、位置がわずかにずれるだけで炎を正しく検出できなくなるため、専門の担当者による作業が前提の部品です。
Q4. お湯は出ているのに722が表示されます。使い続けても問題ないですか。
給湯は使えていても、おいだき側の炎検出に問題が起きている状態です。
炎の検出は、火が消えたときにガスを止めるための基本的な安全機能に関わります。
そのため、表示が続いている状態を通常運転とみなして使い続けるのは避けてください。
再操作で消えないのであれば、点検を依頼する段階です。
Q5. 修理を依頼するとき、何を伝えるとスムーズですか。
表示された数字(721・722・723・72の区別)、どの操作をしたときに出たか、再操作で消えるかどうか、症状の頻度の4点が役立ちます。
「シャワー使用中」「おいだきボタンを押した直後」「床暖房を入れたとき」など、動作と結びつけて伝えると系統の絞り込みが早くなります。
本体側面や下部に記載された型式と製造年も控えておくと、部品の在庫確認が短時間で済みます。
まとめ
リンナイ給湯器のエラー722・721は、炎を検出する回路の異常を示すコードです。
火がつかないエラーではなく、燃焼を監視する側に問題が起きているという意味になります。
- 721は給湯側、722はふろ側、723は暖房側、72は2桁表示
- 再操作で改善すれば、そのまま使用してよいとメーカーが案内している
- 繰り返し表示される場合は、フレームロッドや電装基板の劣化を疑う
- 修理費用の目安は721・722で31,600円〜56,900円と高めの水準
- 使用年数10年前後なら、本体交換との比較が現実的
一度きりの表示なら過度に心配する必要はありません。
判断が変わるのは「頻度が上がってきたとき」です。その変化を見逃さないことが、安全に使い続けるうえでの分かれ目になります。

