蛇口をひねってもお湯にならず、リモコンに「113」が点滅している。
昨日まで普通に使えていたのに、今朝になって急にこの状態になった——。
113や112は、給湯器が点火しようとしたのに火がつかなかったことを示すコードです。
ここで大切なのは、原因が給湯器の中にあるとは限らないという点です。
ガスそのものが届いていないだけ、というケースが一定の割合で含まれます。
この記事では、113と112の違い、最初にやるべき切り分け、ガスメーターが遮断されているときの考え方、台風や豪雨のあとに出る場合の扱い、そして修理費用の目安までを整理します。
113・112が示しているのは「点火不良」
リンナイの公式Q&Aでは、113について給湯器が点火不良を起こしたことを表していると説明されています。
そのうえで、シャワーや他のガス機器も使えない場合は、ガスの供給が止まっている可能性があるとされ、ガスメーターが遮断されていないかを確認するよう案内されています。
つまり113は、機器の故障を確定させる表示ではありません。
「ガスに火をつけようとしたが、つかなかった」という結果だけを伝えているコードです。
その原因がガス側にあるのか機器側にあるのかは、これから切り分けることになります。
111・112・113の違い
点火不良を示すコードは複数あり、どの回路で起きたかによって数字が変わります。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 11・111 | 給湯側の点火不良 |
| 112 | ふろ回路の点火不良 |
| 113 | 給湯器の点火不良 |
| 110 | ガスが供給されていない場合、または点火不良 |
112については、給湯器のふろ回路が点火不良を起こしたことを表していると説明されています。
おいだきや自動湯はりを操作したときに出る、という現れ方が典型です。
シャワーは使えるのにおいだきだけできない、という状況であれば112の可能性が高くなります。
給湯そのものが使えない場合は111や113として表示されます。
点火不良の11・111についてはリンナイ給湯器のエラー11・111とは?点火不良の原因と正しい対処法で詳しく解説しています。
「113は暖房の点火不良」という説明は正確ではない
インターネット上のエラーコード一覧表では、113を「暖房点火不良」と記載しているものが見られます。
しかしリンナイ公式の記載は「給湯器が点火不良を起こしたことを表しています」であり、暖房に限定した説明はされていません。
暖房を使っていないのに113が出た、という状況は珍しくありません。
一覧表の記載を見て「うちは暖房機能がないのにおかしい」と混乱する必要はないということです。
表示された数字と、そのとき何を操作していたかを整理しておけば十分です。
最初にやること:他のガス機器が使えるか確認する
リンナイの案内も、この確認から始まっています。
ここで結果が分かれ、その後にやるべきことがまったく変わります。
| 確認結果 | 考えられる原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| コンロなど他のガス機器も使えない | ガスの供給が止まっている | ガスメーターの状態を確認 |
| 他のガス機器は使える | 給湯器側の問題 | ガス栓と再操作を確認 |
台所のガスコンロに火がつくかどうかを見るだけで判断できます。
この1分の確認をするかどうかで、修理を呼ぶべきかガス会社に連絡すべきかが決まります。
他のガス機器も使えない場合
家中のガス機器が使えないのであれば、給湯器は正常で、ガスが届いていないだけという状態です。
もっとも多いのはガスメーターの安全装置が働いて供給を遮断しているケースです。
遮断される主な条件は次のとおりです。
- 震度5以上の地震があった
- 長時間ガスを使い続けた
- 大量のガスが一度に流れた
- ガス漏れを検知した
- 料金未納などによる供給停止
ガスのにおいがする場合は、メーターの復帰操作をせず、火を使わずに窓を開けて換気し、ただちにガス会社へ連絡してください。
においがある状態での復帰操作は危険です。
においがなく、地震や長時間使用が思い当たる場合は、メーターの復帰操作で解決することがあります。
復帰の手順はメーターの種類によって異なるため、メーター本体に貼られている説明ラベルを確認してください。
リンナイの案内でも、ガスメーターの復帰方法を確認したうえで、それでも改善しない場合はガス会社へ連絡するという流れが示されています。
給湯器だけが使えない場合
他のガス機器が問題なく使えるのであれば、原因は給湯器側にあります。
この場合、次の順序で確認します。
- 給湯器本体のガス栓が開いているか確認する
- 給水元栓が開いているか確認する
- 電源プラグが抜けていないか確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にして「入」に戻す
- お湯を出して点火するか確認する
給湯器のガス栓は、機器本体の下部にあります。
点検や工事のあとに閉じたままになっている、掃除の際に触れて動いてしまったといったケースがあります。
台風や豪雨のあとに出た場合
リンナイの案内には、見落とされがちな一文があります。
台風や豪雨時などは、風や雨、湿気の影響でエラーが出る場合があり、その場合は天候が落ち着いてから再度操作してほしいという内容です。
これは112・113の両方に記載されています。
荒天の最中や直後に出た点火不良は、機器の故障ではなく一時的な影響である可能性があるということです。
- 強風で炎が安定せず、点火に失敗した
- 吹き込んだ雨で給排気口が一時的に塞がれた
- 湿気で内部が結露し、点火動作に影響した
こうした場合、天候が回復してから再操作すると復帰することがあります。
台風の日に113が出たからといって、すぐに修理を手配する必要はありません。
ただし、天気が落ち着いても改善しないのであれば、機器側の問題として扱う段階です。
改善しない場合に疑われる箇所
ガスも届いていて、天候の影響でもない場合は、部品の不具合が考えられます。
リンナイは110の説明のなかで、改善しない場合に考えられる箇所を挙げています。
| 疑われる箇所 | 役割と起きていること |
|---|---|
| イグナイタ | 火花を飛ばす部品。放電しない、または弱い |
| ガス電磁弁 | ガスの通り道を開閉する弁。開かない |
| 電子ユニット | 点火の制御を行う基板。指示が正しく出ない |
イグナイタは点火のたびに放電する部品のため、使用年数が長い機器では劣化が進みます。
「点火時のカチカチという音が以前より弱い、または鳴らない」という変化があれば、この部分が疑われます。
いずれも点検には機器の分解が必要です。
ガス機器の分解や部品交換には資格が求められるため、利用者が自分で開けて確認することはできません。
修理費用の目安
リンナイは、保証期間終了後の出張修理料金の目安を公開しています。
点火不良に関する110の目安は次のとおりです。
| 表示 | 修理料金の目安(税込) |
|---|---|
| 110 | 12,600円〜56,900円 |
幅が大きいのは、イグナイタのような比較的安価な部品で済む場合と、電子ユニットの交換に及ぶ場合とで金額が変わるためです。
点火不良は、給湯器の不調のなかでは軽く済む可能性も残っている部類だといえます。
あわせて、次の点も費用に影響します。
- 訪問した結果、修理を行わなかった場合でも出張費や故障診断料が発生する
- 高所や狭所など設置状況によって追加費用が生じることがある
- 故障箇所が複数にわたる場合、目安金額を超えることがある
なお、ガスメーターの遮断が原因だった場合は、復帰操作だけで解決するため費用はかかりません。
修理を呼ぶ前に他のガス機器を確認しておく意味は、ここにあります。
修理と交換の判断基準
判断の軸になるのは使用年数です。
給湯器は設計上の標準使用期間が10年に設定されており、部品の保有期間も製造終了からおおむね10年です。
| 使用年数 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 5年未満 | 修理を優先。保証が残っていれば無償対応の可能性もある |
| 5〜8年 | 修理が現実的。イグナイタ交換なら比較的軽く済む |
| 8〜10年 | 電子ユニット交換が必要なら、交換と比較する |
| 10年以上 | 交換を軸に検討。点火系以外の劣化も進んでいる |
点火不良は、一度直っても間隔を空けて再発することがあります。
「たまに火がつかないが、何度か試すとつく」という状態は、部品の劣化が進んでいるサインです。
交換時期の考え方については給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されやすいサインで整理しています。
リモコンに「88」や「888」が併せて表示されている機器は、すでに使用年数10年相当に達しているという合図です。
その意味はリンナイ給湯器のエラー88・888の解除方法|故障ではない?表示の意味と正しい対処で解説しています。
実際の費用は業者や工事条件によって変わるため、最終的には見積もりで確認してください。
再発を防ぐためにできること
点火不良そのものは部品の劣化によるところが大きいものの、条件を整えておくことはできます。
- 給湯器本体のガス栓を不用意に触らない
- 給湯器の周囲30cm程度には物を置かない
- 給気口まわりのホコリを季節の変わり目に払う
- 台風の前後は、天候が落ち着いてから操作する
- 点火音の変化に気づいたら、その時点で点検を検討する
- 長時間の連続使用を避ける
点火時の「カチカチ」という音は、機器の状態を知る手がかりになります。
以前より音が弱い、回数が増えた、鳴らずに止まるといった変化は、点火系の劣化を示していることがあります。
なお、点火はするのに燃焼の途中で火が消える場合は、別のコードで表示されます。
その場合はリンナイ給湯器のエラー12|途中失火が起きたときの意味と対処を確認してください。
よくある質問
Q1. 113が出ましたが、コンロも使えません。給湯器の故障ですか。
家中のガス機器が使えない場合、給湯器ではなくガスの供給側に原因がある可能性が高い状態です。
ガスメーターの安全装置が働いて供給を遮断していることが考えられます。
ガスのにおいがしないことを確認したうえで、メーター本体に貼られた説明ラベルに従って復帰操作を試してください。
においがある場合は復帰操作をせず、換気してガス会社へ連絡してください。
Q2. 台風の日に113が出ました。修理を呼んだほうがいいですか。
リンナイは、台風や豪雨時には風や雨、湿気の影響でエラーが出る場合があり、天候が落ち着いてから再度操作するよう案内しています。
そのため、荒天の最中や直後であれば、すぐに修理を手配する必要はありません。
天気が回復してから運転スイッチを入れ直し、点火するか確認してください。
それでも改善しない場合は、機器側の問題として点検を依頼する段階です。
Q3. シャワーは使えるのに、おいだきだけできず112が出ます。
112はふろ回路の点火不良を示すコードなので、その症状と一致しています。
給湯側は正常に動いているため、ガスの供給には問題がないと考えられます。
ふろ回路の点火系に問題がある可能性が高く、利用者側で解消できる範囲を超えています。
運転スイッチの入れ直しで改善しなければ、点検を依頼してください。
Q4. 何度か操作するとお湯が出ます。このまま使い続けても大丈夫ですか。
点火に失敗したり成功したりする状態は、点火系の部品が劣化している可能性を示しています。
現時点で使えていても、失敗する頻度は少しずつ上がっていく傾向があります。
とくに冬場に完全に点火しなくなると、お湯が使えない期間が生活に直結します。
使えているうちに点検を受けておくほうが、結果的に負担が少なくなります。
Q5. 修理を依頼するとき、何を伝えるとスムーズですか。
表示された数字(111・112・113の区別)、他のガス機器が使えるかどうか、どの操作をしたときに出たか、症状の頻度の4点が役立ちます。
「コンロは使える」という情報だけでも、ガス供給側の問題を除外できるため診断が早くなります。
点火音の有無や変化も、分かる範囲で伝えてください。
本体側面や下部に記載された型式と製造年も控えておくと、部品の在庫確認が短時間で済みます。
まとめ
リンナイ給湯器のエラー113・112は、点火しようとして火がつかなかったことを示すコードです。
機器の故障と決まったわけではなく、ガスが届いていないだけというケースも含まれます。
- まず他のガス機器が使えるか確認する
- 家中のガス機器が使えないなら、ガスメーターの遮断を疑う
- ガス臭がある場合は復帰操作をせず、換気してガス会社へ連絡する
- 台風や豪雨の影響で一時的に出ることがある
- 112はふろ回路の点火不良。おいだきだけできない症状で出る
コンロに火がつくかどうかを見る。
この最初の一手で、連絡先がガス会社なのか修理窓口なのかが決まります。

