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エアコンのドレンホースとは?役割と詰まり・音・虫のトラブル対策

エアコンの室外機から伸びたドレンホースと、ホース先端から排水される水滴を示したイメージ画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

エアコンの室外機のそばに、灰色や白の細い蛇腹(じゃばら)ホースが垂れ下がっているのを見たことはないでしょうか。

これが「ドレンホース」で、冷房中のエアコンが室内から取り除いた水分を屋外へ捨てるための、いわば排水口にあたる部品です。
普段は意識されることのない地味な部品ですが、エアコンの水漏れ・ポコポコという音・虫の侵入・カビ臭といったトラブルは、その多くがこのドレンホース周辺で起きています。

この記事では、ドレンホースの役割と仕組みを整理したうえで、詰まりのサインの見分け方、自分でできる掃除の手順とやってはいけない方法、音や虫への対策、そして業者に依頼すべき境目までをまとめて解説します。

目次

ドレンホースはエアコンが取り除いた結露水を屋外へ捨てる排水専用のホース

ドレンホースとは、エアコンの室内機で発生した結露水を屋外へ流すための排水ホースです。
冷媒(ガス)が通る配管とはまったく別物で、中を流れているのはただの水だと考えて差し支えありません。
一般的には室内機の裏から冷媒配管・電線と一緒に束ねられて壁の穴を通り、屋外に出たあと室外機の脇まで下りてきて、先端が地面付近で開いています。
素材は塩化ビニルなどの樹脂で、曲げやすいように蛇腹状になっているものが主流です。

冷房・除湿中に水が出るのは故障ではなく設計どおりの動作

エアコンは、部屋の空気を熱交換器(アルミフィン)で急激に冷やすことで温度を下げています。
このとき、冷たいコップの表面に水滴がつくのと同じ原理で、空気中の水蒸気が熱交換器の表面で水に変わります。
この水が結露水(ドレン水)です。

結露水は、熱交換器の真下にあるドレンパンという受け皿に落ち、そこからドレンホースへ流れ込み、高低差(重力)だけで屋外へ排出されます。
ポンプで押し出しているわけではないため、ホースが上向きになっていたり、たるんで水が溜まっていたりすると、それだけで排水が滞ります。
この「重力任せ」という構造が、後述するトラブルの根っこになっています。

ダイキン工業も、ドレンホースから出る水は冷房・除湿運転時に室内機へ吸い込んだ空気が熱交換器で冷やされ、空気中の水分が結露したものだと説明しています。
そのうえで、部屋が冷えていればドレンホースから水が出ない(少ない)状態でも故障ではないとしています。

📎 出典:ダイキン工業「ドレンホースから水がでない(少ない)(ルームエアコン)」

排水量は「湿度」と「冷やす力」で大きく変わる

「今年はやたら水が出る」「去年より少ない気がする」と感じることがありますが、排水量そのものは季節や住まいの条件で大きく変動します。

条件ドレン水の量理由
梅雨〜真夏の高温多湿多い空気中に含まれる水分量が多く、結露しやすい
初夏や秋口の乾いた日少ない・ほぼ出ないもともと空気が乾いており、結露する水分が少ない
設定温度を大きく下げた直後多い熱交換器が強く冷え、結露量が増える
暖房運転中(室内機側)基本的に出ない室内機は冷えないため結露しない。冬に水が出るのは室外機側

そのため、「水が出ない=詰まり」と即断するのは早計です。
判断の軸になるのは水の量ではなく、部屋がきちんと冷えているかどうかと、室内機側から水が漏れていないかどうかの2点になります。

「室外機の下の水たまり」はドレンホースとは別の話

室外機の周りが濡れているのを見て、水漏れではないかと心配する方がいます。
ここは季節によって水の出どころが変わるため、混同しないよう整理しておきます。

  • 夏(冷房・除湿中):ドレンホースの先端から出た水が地面を濡らします。これは正常です
  • 冬(暖房中):室外機の熱交換器についた霜を溶かす「霜取り運転」により、室外機の底から水が出ます。これも正常です

つまり、屋外が濡れているのは基本的に正常、室内が濡れているのが異常という切り分けになります。
逆に、真夏に冷房を長時間使っているのに屋外がまったく濡れないときは、詰まりを疑う手がかりになります。

ドレンホースのトラブルは水漏れ・ポコポコ音・虫・悪臭の4つに集約される

ドレンホースに起因する不具合は多岐にわたるように見えて、実際には次の4パターンに整理できます。
症状ごとに原因も対処法も異なるため、まず自分がどれに当てはまるかを見極めることが解決への近道です。

症状主な原因自分で対処できるか
室内機から水がポタポタ落ちるホース内のゴミ・カビ・藻による詰まり/たるみ/逆勾配詰まりなら可能性あり。施工不良は業者
ポコポコ・ポンポンという音室内外の気圧差、または強風による外気の逆流可能(換気口を開ける・逆止弁)
室内に小さな虫が出るホース先端からの侵入、配管穴のパテ劣化可能(先端処理・パテ補修)
送風時に酸っぱい・カビ臭いにおいドレンパンやホース内の汚れの滞留軽度は可能。内部洗浄は業者

とくに水漏れは放置すると被害が広がります。
壁紙のシミ、フローリングの反り、階下への漏水など、エアコン本体より修繕費が高くつくことも珍しくありません。
パナソニックも、吹出口から相当な量の水が漏れている場合は、ドレンホースに水が通りにくい状態になっているか、エアフィルターや本体内部の汚れによって結露水がうまく排出できていない可能性を挙げています。

📎 出典:パナソニック「エアコン本体から水が漏れる・水滴が落ちるときは」

エアコンから水が垂れている状況全般については、エアコンから水が垂れる原因とは?今すぐ確認すべきポイントと正しい対処判断でも切り分けの手順を解説しています。

詰まりのサインは「先端から水が出ない」と「室内機からの水漏れ」がそろうこと

ドレンホースが詰まっているかどうかは、冷房を30分ほど運転した状態で屋外の先端を確認するのが最も確実です。
このとき、次の3点を順番にチェックしてください。

  • 先端が濡れているか、ぽたぽたと水が落ちているか
  • 先端が土や落ち葉に埋まっていないか、地面や水たまりに浸かっていないか
  • 途中でホースがとぐろを巻いていたり、上向きに立ち上がっていたりしないか

部屋は冷えているのに先端から水がまったく出ず、同時に室内機の吹出口から水が垂れてくる。
この2つがそろったときは、ホース内部の詰まりを強く疑ってよい状態です。

詰まりの中身はホコリ・カビ・藻・虫の死骸が混ざったヘドロ状の汚れ

ドレンホースの内径は一般的に14〜16mm程度と細く、内部は常に湿っています。
そこへ室内機が吸い込んだホコリが結露水と一緒に流れ込み、カビや藻が繁殖して、粘り気のある汚れとして少しずつ堆積していきます。
さらに屋外側からは砂ぼこりや落ち葉、虫が入り込むため、両側から詰まりが進行する構造になっています。

目安として、設置から数年以上が経過し、一度も掃除していないエアコンは詰まりのリスクが高まります。
とくに次の条件に当てはまる住まいでは、汚れが溜まりやすい傾向があります。

  • キッチンと同じ空間にエアコンがあり、油分を含んだ空気を吸っている
  • ペットを飼っている、または喫煙者がいる
  • ホースの先端が花壇や砂利の上にあり、土や落ち葉が入りやすい
  • 1階設置で、ホースの先端が地面に接している

ホースは無事でも詰まりに見える3つの例外

先端から水が出ないからといって、必ずしもホース内部が原因とは限りません。
次のような場合は、ホースを掃除しても改善しません。

  • フィルター・熱交換器の目詰まり:ホコリで空気の流れが妨げられ、結露水が正常な経路をたどらずに吹出口側へ回り込むことがあります
  • ドレンパンの割れ・ひび:受け皿そのものが破損していると、ホースへ流れる前に漏れます。経年劣化した機種で起こりやすい症状です
  • 室内機の傾き・逆勾配:設置直後や再設置後から水漏れしている場合、施工時の水平出しや勾配に問題がある可能性があります

とくに取り付け直後から水が漏れているケースは、掃除ではなく施工業者への連絡が正解です。
自分でホースを触る前に、いつから症状が出たのかを思い出してください。

詰まり取りはサクションポンプが基本、掃除機で吸うのは避ける

ドレンホースの詰まりは、専用のサクションポンプ(ドレンホースクリーナー)を使えば自分で解消できる場合があります。
ホームセンターやネット通販で入手でき、構造は自転車の空気入れに似た手動ポンプです。

自分でできる掃除の手順

  • 1. エアコンの運転を止め、コンセントを抜く:作業中に水が流れてくるのを防ぎます
  • 2. 屋外の先端を清潔にする:泥や葉を取り除き、必要なら先端を数センチだけ切って断面をきれいにします
  • 3. ポンプの口をホース先端に密着させる:隙間があると吸引力が逃げます
  • 4. ゆっくり引いて吸い出す:勢いよく何度も引かず、3〜5秒かけて静かに引くのがコツです
  • 5. 汚水を受ける:ヘドロ状の水がまとまって出てくることがあるため、バケツや古タオルを用意しておきます
  • 6. 冷房を30分運転して確認する:先端から水が出て、室内機からの漏れが止まれば解消です

やってはいけない4つの方法

手軽そうに見えて、かえって状況を悪化させる方法があります。
以下は避けてください。

やりがちな方法避けるべき理由
掃除機で吸い出す汚水を吸い込むと本体の故障につながり、水と電気が触れることで感電や発火の危険があります
ホースで水を流し込む汚れを奥へ押し込むうえ、室内機側へ逆流して水漏れを招きます
針金や割り箸を突っ込むホース内壁を傷つけ、破れると壁内で漏水します
塩素系洗剤を注ぐ樹脂やドレンパンを傷めるおそれがあり、成分が室内機側に残ります

また、掃除機タイプのクリーナーとして市販されている製品もありますが、家庭用の乾湿兼用でない掃除機を流用するのは避けるのが無難です。

ポコポコという音は詰まりではなく気圧差による空気の逆流が主な原因

エアコンから聞こえる「ポコポコ」「ポンポン」という音は、多くの場合ドレンホースを通って屋外の空気が室内側へ逆流していることで発生します。
気密性の高い住宅で換気扇やレンジフードを回すと、室内の気圧が屋外より低くなります。
すると外気が最も抵抗の少ない経路から入り込もうとし、その入口のひとつがドレンホースになるのです。
逆流した空気がドレンパンに溜まった水を通り抜けるとき、水泡がはじけて音になります。

ダイキン工業も、気密性の高い部屋で換気扇を使用するとドレンホースから屋外の空気が入り、結露水がスムーズに流れずポコポコと音がすることがあると説明しています。
対処として、部屋の換気口を開ける、少し窓を開ける、換気扇を止める、ホース先端の向きを変えるといった方法を挙げています。

📎 出典:ダイキン工業「室内機からポコポコと音がする(ルームエアコン)」

三菱電機も同様に、室外の空気がドレンホース内の水を通過して出てくることで発生する音であり故障ではないとしたうえで、対策部品として「ドレンエア逆流防止部品」(別売部品)を用意していると案内しています。

📎 出典:三菱電機「エアコンの室内機から、”ポコポコ”という音がするのですが」

つまり、音そのものは異常ではありません。
恒久的に止めたい場合は、ドレンホース用の逆止弁(エアカットバルブ)を先端付近に取り付けるのが定番の対策です。
水は下へ流すが空気は逆流させない、という一方通行の弁を挟むことで音を抑えられます。

ただし、窓を開けても換気扇を止めても音が止まらない場合は、気圧差ではなく詰まりが原因と考えられます。
この場合は逆止弁を付けても解決しないため、先に詰まりを解消してください。
音の原因の切り分けはエアコンのポコポコ音の原因と止め方とは?自分でできる対処法を解説で詳しく整理しています。

なお、ポコポコ以外の音、たとえばカタカタ・カラカラといった音はドレンホースとは無関係で、部品の緩みや異物が原因であることがほとんどです。
メーカー別の見分け方はダイキン エアコンのカタカタ音の正体|自分で直せる音と業者依頼の判断とは?を参考にしてください。

虫の侵入は先端の高さと防虫キャップで減らせるが目詰まりに注意

「窓を閉め切っているのに小さな虫が出る」という悩みの侵入経路として、ドレンホースはよく名前が挙がります。
先端が屋外で開いており、内部は湿っていて暗く、室内につながっているため、条件としては虫にとって好都合です。

ただし、冷房を使っている時期は水が流れ続けているため、虫が長いホースを逆走してくる可能性はそれほど高くありません。
問題になりやすいのは、春や秋など、エアコンを使わず排水が止まっている期間です。
乾いたホースは虫にとって通りやすい道になります。

実践しやすい虫対策

  • 先端を地面から離す:地面に接していると虫や泥が入りやすくなります。一般的には地面から5〜10cm程度離した状態が推奨されます
  • 先端を水たまりや土に埋めない:排水が妨げられ、水漏れの原因にもなります
  • 防虫キャップを付ける:数百円で入手でき、差し込むだけで設置できます
  • 配管穴のパテを点検する:壁の貫通部のパテがひび割れていると、そこが主要な侵入口になります。エアコン用パテで埋め直せます

ここで注意したいのが、防虫キャップの副作用です。
メッシュが細かい製品ほど虫は防げますが、その分ホコリやヘドロが引っかかりやすくなり、結果としてドレンホースが詰まって水漏れを起こすことがあります。
虫を防ぐつもりが、より厄介なトラブルを招いてしまうわけです。

ポイント:防虫キャップは「付けたら終わり」ではありません。目の粗いタイプを選び、シーズンごとに外して汚れを洗い流すことをセットで考えてください。

キャップの目詰まりが不安な場合は、三角コーナー用のストッキングタイプの水切りネットを先端にゆるくかぶせ、結束バンドで留める方法もあります。
水の抜けを妨げにくく、汚れたら交換するだけで済みます。

冷房を入れた瞬間の酸っぱいにおいもドレンまわりの汚れが関係している

冷房を入れた直後だけ、雑巾のような酸っぱいにおいがする——という症状も、ドレンパンからドレンホースにかけての汚れと無関係ではありません。

ドレンパンには常に水が溜まっており、そこへ室内機が吸い込んだホコリや皮脂、キッチンからの油分が流れ込みます。
この状態が続くと、水と汚れが混ざった層にカビや細菌が繁殖し、においのもとになります。
ドレンホースが詰まって水が抜けきらない状態は、この「汚れた水が滞留し続ける環境」を作り出すため、においを悪化させる方向に働きます。

においを抑えるうえで効果が大きいのは、次の3つです。

  • 排水経路を詰まらせない:水がきちんと抜ければ、汚れが滞留する時間が短くなります
  • 運転停止後に内部を乾かす:内部クリーン機能、またはシーズン終わりの送風運転で湿った状態を長引かせません
  • フィルターを定期的に洗う:においの材料そのものを減らします

ただし、市販のエアコン洗浄スプレーを熱交換器へ大量に吹きかけるのは避けたほうが無難です。
洗い流しきれなかった洗浄成分と汚れがドレンパンに落ち、かえって排水経路を詰まらせる原因になり得ます。
においが強く、送風口の奥に黒い点状の汚れが見えるようであれば、分解を伴う内部洗浄を業者に依頼するのが確実です。

マンションや隠蔽配管では自分で触れる範囲が大きく変わる

ここまでの対処法は、ドレンホースの先端が屋外に露出していることが前提です。
住まいの構造によっては、そもそも先端を見つけられない、触れないというケースがあります。

設置形態ドレンホースの状態自分でできること
戸建て・露出配管室外機の脇に先端がある先端の清掃・向きの調整・ポンプでの吸引
マンションのバルコニー設置先端がバルコニーの排水溝付近にある同上。ただし排水溝の詰まりもあわせて確認する
隠蔽配管壁・天井の中を通り、外から見えない基本的に触れない。点検は業者へ
ドレンアップキット(ポンプ)付きポンプで水を持ち上げて排水している触れない。ポンプ故障は業者対応

とくに注意したいのが隠蔽配管です。
壁の中でドレンホースが詰まったり破損したりすると、水が壁内部にしみ出し、気づいたときには壁紙の裏側にカビが広がっていることがあります。
隠蔽配管で水漏れの兆候(壁のシミ・湿り・カビ臭)が見られる場合は、自分で対処せず速やかに専門業者へ相談してください

また、マンションでバルコニーの排水溝が落ち葉や砂で詰まっていると、ドレン水が流れず溜まってしまうことがあります。
エアコン側に問題がないのに水が引かない場合は、ホースではなく排水溝側を確認してみてください。

ドレンホースの向き・勾配・長さが排水トラブルの土台になっている

ドレンホースは重力だけで水を流すため、設置状態そのものが排水性能を決めます。
掃除をしても水漏れが再発する場合、原因はホースの中ではなく形にあることが少なくありません。

状態起きること対応
途中でたるんで水が溜まっている溜まり水が汚れの温床になり、流れが悪化するたるみを伸ばし、下り勾配を確保する
先端が室内機より高い位置にあるそもそも水が流れず、室内機側へ逆流する施工のやり直しが必要
先端が地面や水たまりに浸かっている排水できず、泥や虫が入り込む先端を持ち上げるか、数センチ切って高さを確保する
ホースが硬化・ひび割れしている壁面や床面が濡れる。紫外線劣化で起こりやすいホース交換(市販の延長ホースで対応可能)

屋外に出ているドレンホースは、カッターやはさみで切れる程度の硬さです。
ただし、切りすぎると短くなって排水先が確保できなくなるため、切るのは数センチずつ、断面が斜めにならないようにしてください。
なお、隠蔽配管(壁や天井の中を通す方式)の場合はホースの状態を目視できないため、自分で判断せず専門業者に相談することをおすすめします。

予防の要はフィルター掃除と使用後の内部乾燥

ドレンホースが詰まる原因の多くは、室内機側から流れ込むホコリと、それを養分にするカビや藻です。
つまり、ホースの掃除より前に、そもそも汚れを流し込まないことが効きます。

  • フィルターを2週間に1度掃除する:ホコリの流入量を減らす最も基本的な対策です
  • 内部クリーン(内部乾燥)機能を使う:冷房停止後に送風で内部を乾かす機能で、カビの発生を抑えられます
  • シーズン終わりに送風運転をする:機能がない機種では、送風で1〜2時間運転してから使用を終えると乾燥が進みます
  • 年に1度は先端の状態を確認する:冷房開始前に、泥詰まりや潰れがないかを見るだけでも違います

数年に一度の内部洗浄を業者に依頼する場合、多くの事業者はドレンホースの高圧洗浄や貫通確認を作業に含めています。
料金体系は事業者・機種(お掃除機能付きかどうか)・台数で大きく変わるため、複数社の料金表を確認したうえで判断してください。

掃除は年1回、冷房を使い始める前のタイミングが最も効率的

ドレンホースの手入れは、頻度を上げるほど良いというものではありません。
汚れが溜まる速度を考えると、年に1回、冷房シーズンが本格化する前に点検・清掃するのが現実的です。
真夏に水漏れが起きてから慌てて対処するより、5月から6月のうちに済ませておくほうが負担は小さくなります。

時期やること目的
冷房シーズン前(5〜6月)ホース先端の泥・葉の除去、たるみと向きの確認、必要ならポンプで吸引真夏の水漏れを未然に防ぐ
冷房シーズン中先端から水が出ているかを時々目視詰まりの早期発見
冷房シーズン終わり(9〜10月)送風または内部クリーンで内部を乾燥、防虫キャップの洗浄カビ・においと虫の侵入対策
冬(暖房期)基本的に不要室内機側の結露が発生しないため

そろえておくと安心な道具

特別な工具は必要ありません。
次のものがあれば、先端まわりのトラブルはひととおり対応できます。

  • サクションポンプ(ドレンホースクリーナー):詰まりの吸引に使う中心的な道具です
  • バケツ・古タオル:吸い出した汚水を受けるために用意します
  • ゴム手袋:出てくるのはカビを含んだ汚水なので、直接触れないようにします
  • はさみまたはカッター:先端が潰れている、劣化しているときに数センチ切り落とすのに使います
  • エアコン用パテ:壁の配管穴のすき間を埋め直すのに使います。虫の侵入対策にも有効です

なお、サクションポンプは製品によって対応するホース径が異なります。
一般的な家庭用エアコンのドレンホースは内径14mmまたは16mmが主流のため、購入前に手元のホースのサイズを確認しておくと失敗がありません。

業者に依頼すべきかどうかは症状の再発性と使用年数で判断する

自分で対処してよい範囲と、専門業者に任せるべき範囲の線引きを整理します。

状況判断
先端の泥詰まり・たるみ・向きの問題自分で対処可能
サクションポンプで詰まりが取れ、再発しない自分で対処可能
掃除しても数週間で水漏れが再発する業者に点検を依頼
取り付け直後・再設置直後からの水漏れ施工した業者に連絡
隠蔽配管でホースを確認できない業者に点検を依頼
室内機の内部から異臭や黒い汚れが見える内部洗浄を業者に依頼
使用10年前後で水漏れが繰り返す修理か買い替えかを比較検討

判断の軸として重要なのは、水漏れの量ではなく再発するかどうかです。
一度止まっても短期間で繰り返す場合は、ドレンパンの割れや勾配不良など、ホースの外側に原因が隠れている可能性が高くなります。

また、家庭用エアコンは設計上の標準使用期間が10年前後とされる機種が多く、これを超えると補修用部品の保有期間が終了していることもあります。

よくある質問

Q. ドレンホースから水が出ないのは必ず詰まりですか?

いいえ、必ずしも詰まりとは限りません。ドレンホースから出る水は空気中の水分が結露したものなので、外気や室内の湿度が低い時期には結露量が少なく、ほとんど水が出ないこともあります。判断の目安になるのは部屋がきちんと冷えているかどうかです。冷えていて室内機からの水漏れもなければ、正常に動作していると考えて差し支えありません。逆に、部屋は冷えているのに室内機から水がポタポタ落ちている場合は、ホース内部の詰まりを疑って先端の状態を確認してください。

Q. 掃除機でドレンホースの詰まりを吸い出してもよいですか?

家庭用の一般的な掃除機で吸い出すのは避けてください。ドレンホース内には水とヘドロ状の汚れが溜まっているため、これを吸い込むと掃除機本体の故障につながります。さらに、水分が電気部品に触れることで感電や発火につながるおそれもあります。詰まりを取りたい場合は、ドレンホース専用のサクションポンプ(ドレンホースクリーナー)を使うのが安全です。数百円から千円台で購入でき、繰り返し使えます。

Q. ポコポコ音は放置しても大丈夫でしょうか?

気圧差や風による外気の逆流が原因であれば、それ自体は故障ではなく、放置しても機器が壊れることはありません。ただし、外気が入る状態が続くと屋外のホコリや虫がホース内に入り込みやすくなり、長い目で見れば詰まりの遠因になります。音が気になる場合は、換気口を開ける、ホース先端の向きを変えるといった方法を試し、それでも続くようであればドレンホース用の逆止弁の取り付けを検討するとよいでしょう。

Q. 防虫キャップは付けたほうがよいですか?

虫の侵入が気になるなら有効ですが、目の細かすぎる製品はホコリやヘドロで目詰まりし、かえって水漏れを招くことがあります。選ぶときは目の粗いタイプにし、付けっぱなしにせず、冷房シーズンの前後に外して洗う運用をセットで考えてください。なお、虫の侵入経路はドレンホースだけではなく、壁の配管穴のパテのひび割れも代表的な入口です。キャップだけに頼らず、パテの状態もあわせて点検すると効果が高まります。

Q. ドレンホースは自分で交換や延長ができますか?

屋外に露出している部分であれば、市販の延長用ドレンホースと接続用のソケットを使って交換・延長することは可能です。ホースは内径14mmや16mmといった規格があるため、既存のホースに合うサイズを確認してから購入してください。ただし、壁の中を通る部分や隠蔽配管の場合は自分で交換できません。また、延長すると水が流れにくくなることがあるため、必ず先端に向かって下り勾配を保つように設置することが大切です。

まとめ

ドレンホースは、エアコンが取り除いた結露水を重力だけで屋外へ捨てるための細い排水ホースです。
ポンプで押し出しているわけではないため、詰まり・たるみ・逆勾配といった小さな要因が、そのまま水漏れという大きなトラブルに直結します。

覚えておきたい要点は次のとおりです。

  • 冷房中に水が出るのは正常。量が少ないだけでは詰まりと判断しない
  • 部屋は冷えているのに室内機から水漏れするなら、詰まりの可能性が高い
  • 詰まり取りは専用のサクションポンプで。掃除機や水の流し込みは行わない
  • ポコポコ音は気圧差による逆流が主因で、故障ではない
  • 虫対策は先端の高さ・防虫キャップ・配管穴のパテの3点セットで考える
  • 掃除しても再発する、隠蔽配管である、使用10年前後——このいずれかなら業者へ

年に一度、冷房を使い始める前にホースの先端を見ておくだけでも、真夏の突然の水漏れはかなり防げます。
地味な部品ですが、エアコンを安全に長く使ううえで確認する価値のある場所です。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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