リモコンに420が表示されているものの、暖房そのものは動いている。
使えているのだから急がなくてもよいのか、それともすぐ対応すべきなのか、判断に迷う場面です。
420は不凍液の水位が基準の位置から下がったことを知らせる警告表示で、運転を止める種類のものではありません。
ただし、そのまま使い続けてよいという意味でもありません。
この記事では、420が示している状態、補充すると自動で復帰する仕組み、どのくらい猶予があるのか、放置した場合に起こること、そして繰り返す場合に疑うべき点までを解説します。
420は「止まる前」の段階を知らせている
420は、不凍液の水位が基準水位の水位電極(上)から離れたことを検出した警告表示です。
運転を停止させるコードではなく、表示が出た状態でも使用できます。
メーカーの案内でも、420の表示のまま使用できるとしたうえで、早急に循環水(不凍液)を補充するよう示されています。
| 表示 | 区分 | 運転 | 復帰の方法 |
|---|---|---|---|
| 420 | 警告表示 | 表示のまま使用できる | 補充すると自動復帰 |
| 260・430・EL・P7 | 運転停止 | 使用できない | 補充後に運転スイッチの入切が必要 |
注目したいのは、復帰の方法にも違いがある点です。
420は補充すれば自動的に表示が消えるため、解除操作を探す必要はありません。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
なぜ2段階に分かれているのか
420の説明にある「水位電極(上)」という言葉が、この仕組みを理解する手がかりになります。
水位を見る部分には高さの違う検知点があり、上側から液面が離れた時点で警告、さらに下限を下回った時点で運転停止という段階が設けられています。
- 上側から離れた → 420(警告表示・運転継続可)
- 下限を下回った → 260・430・EL・P7(運転停止)
段階を分けているのは、暖房が止まる前に所有者が対応できる時間を確保するためです。
真冬に突然止まるのではなく、その前に知らせる仕組みだと考えると分かりやすくなります。
つまり420は不具合の表示というより、対応を促す案内に近い位置づけといえます。
どのくらい猶予があるのか
「あとどれくらい使えるのか」は最も気になる点ですが、日数で示すことはできません。
液が減る速さは、減っている原因によってまったく異なるためです。
| 減り方の背景 | 進み方の傾向 |
|---|---|
| 長期間かけた自然な減少 | 数か月単位でゆっくり進む |
| 接続部のわずかなにじみ | 使用状況によって変わる |
| 配管の穴あきなど明確な漏れ | 数日で下限に達することもある |
このため、420を見た時点で「まだ使える」ではなく「補充の準備をする」に切り替えるのが現実的な対応になります。
指定の補充液が手元になければ、まず入手の手配から始めてください。
暖房シーズン中は店頭で品薄になることもあり、真冬の週末に慌てて探す事態は避けたいところです。
放置するとどうなるか
420のまま使い続けた場合、次のような流れが考えられます。
- 水位がさらに下がり、260・430・EL・P7として運転停止になる
- 循環量が不足し、過熱側の表示(150・160・E4・E22)が出ることがある
- 循環水がない状態を検知して、空焚防止装置が働く(E81)
- 濃度が下がった状態では、寒冷時に配管が凍結するおそれがある
特に注意したいのが最後の項目です。
不凍液は熱を運ぶだけでなく、配管内が凍らないようにする役割も担っています。
量が減った状態や、水で薄まって濃度が落ちた状態では、その性能が十分に働きません。
配管が凍結すると、解けたあとに漏れが見つかるという二次的な被害につながることもあります。
補充の基本と注意したいこと
補充口の位置、使用できる液の種類、規定の水位は機種によって異なります。
必ず自分の機器の取扱説明書に従ってください。
共通する流れは次のとおりです。
- 運転を止め、機器が冷えている状態で作業する
- 補充口を開け、規定の水位まで不凍液または補充液を入れる
- こぼれた分をふき取り、ふたを確実に閉める
- 表示が消えることを確認する(420は補充で自動復帰します)
避けたいのは、取扱説明書で指定されていない液を入れること、規定を超えて入れること、濃度を確認せずに水だけを足し続けることの3点です。
不凍液の主成分は種類によって異なりますが、誤って飲み込むと健康を害するおそれがあるものが含まれます。
補充作業中は小さなお子さんやペットを近づけず、こぼれた液はすぐにふき取り、容器は子どもの手の届かない場所に保管してください。
補充しても表示が消えないとき
補充したのに420が残る場合、次のような可能性があります。
- 規定の水位まで入っていない
- 補充した液がすぐに抜けている
- 水位を検知する部分(電極)に汚れが付着している
- 検知部や配線に不具合がある
420は自動復帰する表示のため、正しく補充されて液面が回復すれば消えるはずです。
消えないということは、水位が戻っていないか、検知側に問題があるかのどちらかと考えられます。
その場合は点検を依頼してください。
繰り返し表示されるときは漏れを疑う
補充で一度は消えても、また420が出るのであれば量が減り続けている状態です。
確認したいのは、熱源機の下、配管の接続部やバルブのまわり、放熱器の足元、床下や壁沿いの配管などです。
温水暖房の配管は、防錆剤入りの不凍液を使っていても腐食が進む場合があります。
北海道立工業試験場の調査報告では、防錆剤入りの不凍液を使用していても1〜2年で配管の穴あきによる漏洩が発生した事例がある一方、水道水のみで10年以上正常に稼働しているケースもあると報告されています。
液の種類だけで漏れの有無が決まるわけではなく、配管や施工の条件によって差が出るということです。
補充した日付と量を記録しておくと、点検を依頼するときの判断材料になります。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 補充して表示が消え、その後シーズン中に再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| 補充口の位置や使用する液が分からない | 無理をせず相談 |
| 補充しても420が消えない | 点検を依頼 |
| 数週間のうちに繰り返し表示される | 漏れの可能性として点検を依頼 |
| 機器や配管のまわりが濡れている、床にしみがある | 点検を依頼 |
| 過熱側の表示も出るようになった | 循環系としてまとめて点検を依頼 |
420は運転できてしまうぶん、後回しにされやすい表示です。
ただし本来は、止まる前に動くための猶予を知らせているものです。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも循環液に関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
シーズン前に見ておきたいこと
- 暖房を使い始める前に、不凍液の水位を目視で確認する
- 前シーズンに420が何回出たかを振り返る
- 指定の補充液を1本用意しておく
- 放熱器や配管まわりに古いしみがないか見ておく
420が出るのは、たいてい気温が下がって暖房をよく使う時期です。
寒くなる前に確認しておけば、夜間や休日に対応を迫られる場面を減らせます。
よくある質問
Q1. 420が出ていますが、暖房は普通に使えています。急ぐ必要はありますか。
420は警告表示のため、その状態でも運転できます。
ただし、水位がさらに下がれば運転停止の表示に変わり、暖房が使えなくなります。
どのくらいで下限に達するかは減っている原因によって変わり、漏れがある場合は数日で進むこともあります。
表示を見た時点で、補充液の手配など準備を始めておくのが安全です。
Q2. 補充すれば自動で消えますか。
420は、規定の水位まで補充すると自動的に復帰する表示として案内されています。
運転停止をともなう260・430・EL・P7とは異なり、解除操作を探す必要はありません。
補充しても消えない場合は、水位が十分に回復していないか、検知する部分に問題がある可能性があります。
その場合は点検を依頼してください。
Q3. 補充する液は何を使えばよいですか。
使用できる液は機種によって指定されているため、取扱説明書の記載に従ってください。
自動車用のクーラントなど、他の用途の製品を流用することは避けてください。
また、水だけを足し続けると濃度が下がり、凍結防止の性能が低下します。
寒冷地では、それが配管の凍結や漏れにつながることもあるため、指定の液を用意しておくのが確実です。
Q4. 毎年この時期に420が出ます。故障でしょうか。
年に一度、少量の補充で済んでいるのであれば、経過を見ながら使用している家庭もあります。
一方で、出る回数が年々増えている、補充する量が増えているという場合は、どこかから抜けている可能性があります。
床や配管まわりのしみを確認したうえで、記録をつけておくと判断しやすくなります。
シーズン中に繰り返すようであれば、点検を依頼する目安です。
Q5. 420を消さずに使い続けると、機器が壊れますか。
420そのものが直ちに機器を傷めるわけではありません。
問題は、その先に進んだ場合です。
循環量が不足すれば過熱側の表示につながることがあり、循環水がない状態になれば空焚防止装置が働きます。
また、凍結防止の性能が下がった状態は、配管の凍結という別の被害を招くおそれがあります。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される420は、不凍液の水位が基準の位置から下がったことを知らせる警告表示です。
表示が出た状態でも運転はできますが、そのまま使い続けてよいという意味ではありません。
水位を見る部分には段階が設けられており、420は運転停止に至る前に対応を促す案内にあたります。
補充すれば自動的に復帰するため、解除操作を探す必要はなく、取扱説明書に従って規定の水位まで足すだけです。
短期間で繰り返す場合は配管のどこかから抜けている可能性があるため、補充の記録を残したうえで点検を依頼してください。

