長府(CHOFU)のガス暖房ボイラに31、あるいは32と表示されて運転が止まった。
どちらも温水サーミスタに関わるコードですが、31は機種によって指している部品が変わります。
さらに、31のうちひとつだけは解除の条件も特殊です。通常のリモコン操作では解除できません。
この記事では、型式ごとの意味の違いを整理したうえで、温度差異常を示す15・35との違い、そして往き側と戻り側で症状がどう変わるかを解説します。
まず型式で意味を確認する
| コード | 内容 | 対象機種の目安 |
|---|---|---|
| 31 | 温水サーミスタの断線またはショート | GDB-751K・752K |
| 31 | 戻り温水サーミスタの断線 | GDB-1700K |
| 32 | 往き温水サーミスタの断線 | GDB-500K・1700K |
同じ31でも、751K・752Kと1700Kでは対象が異なります。
また1700Kでは、31が戻り側、32が往き側と役割が分かれています。
本体の銘板に記載された型式を確認してから読み進めてください。
機種系統ごとの解除操作の違いは長府ガス暖房ボイラのエラーコード一覧|表示の意味と解除の目安にまとめています。
15・35との違い|「読めない」か「関係がおかしい」か
同じ温水サーミスタに関わるコードとして、15と35もあります。
違いは、値そのものが取れているかどうかです。
| コード | 状態 | 機器から見た値 |
|---|---|---|
| 31・32 | 断線・ショート | 値が取れない。あり得ない数値として読める |
| 15 | 往き・戻りの温度差異常 | 値は取れているが、差が想定を超えている |
| 35 | 往き・戻りの逆接続 | 値は取れているが、関係が逆になっている |
31・32はセンサーそのものの異常、15・35は測った結果の異常と整理すると分かりやすくなります。
温度差異常の考え方は長府ガス暖房ボイラのエラー15・35|往き戻りの温度差が示すものを参照してください。
なお、断線とショートで機器が受け取る値がどう変わるかは長府ガス暖房ボイラのエラー303|雰囲気サーミスタの断線検知で詳しく整理しています。
解除操作は3通りに分かれる
| コード・機種 | 解除操作 |
|---|---|
| 31(GDB-751K・752K) | 正常な温度が検出される状態になったうえで、リモコンの運転スイッチをOFF→ON |
| 31(GDB-1700K) | 熱源機リモコン・床暖房用リモコン・E-CON接続放熱機の運転スイッチをすべてOFF→5分待機→いずれかをON |
| 32(GDB-500K・1700K) | 同上 |
ここで注目したいのが1行目です。
751K・752Kの31は、正常な温度が検出されていることが解除の前提とされています。
つまり、サーミスタが断線したままでは何度リモコンを操作しても解除できません。
センサーが正常な値を返せる状態、すなわち交換されて初めて解除できるということになります。
「操作しても解除できない」と感じたとき、それは操作の失敗ではなく、部品の状態が変わっていないことを示しています。
繰り返し操作しても結果は変わらないため、点検を依頼してください。
一方、1700Kの31と500K・1700Kの32は、他の多くのコードと同じくリモコンの運転スイッチによる解除です。
このとき見落とされやすいのが、床暖房用リモコンやE-CON接続の放熱機の切り忘れです。
接続されているもののうち一つでも運転状態が残っていると、システム全体としてはリセットされません。
「解除できない」の原因が、機器の異常ではなく操作の抜けであることもあるため、まず接続機器を漏れなくOFFにしたか見直してください。
往きと戻りで、症状の出方が違う
1700Kでは31が戻り側、32が往き側を指します。
どちらのセンサーが読めなくなるかで、機器が失う情報は変わります。
| 対象 | 測っているもの | 読めなくなると |
|---|---|---|
| 往き温水サーミスタ | 熱源機から送り出す湯の温度 | 温度制御の主軸を失う。加熱の加減が判断できない |
| 戻り温水サーミスタ | 放熱器などから戻ってきた湯の温度 | 循環の状態が判断できない。温度差も算出できない |
往き側が読めない状態は、燃焼の強さを決める基準がない状態です。
戻り側が読めない状態は、熱がどれだけ使われたかが分からない状態になります。
いずれの場合も、機器は制御の前提を失うため運転を止めます。
燃焼やガス供給に問題がなくても停止するのは、このためです。
断線が起きやすい状況
温水サーミスタは、配管や熱交換器の近くに取り付けられています。
そのため、周囲の環境が状態に影響します。
| 状況 | 起こりやすい理由 |
|---|---|
| 設置から年数が経っている | 高温と常温を繰り返すことで被覆や端子が劣化する |
| 湿気や結露の多い環境 | 端子部が腐食し、接触が不安定になる |
| 修理や部品交換の直後 | コネクタの差し込みが不十分なまま戻された |
| 小動物が機器内部に侵入した | 配線をかじられる |
| 振動を受けやすい設置場所 | 端子が徐々に緩む |
温水側のサーミスタは、温度変化の幅が大きい場所に置かれています。
そのぶん、経年による劣化が進みやすい部品でもあります。
安全に関する注意
抵抗値を測るためにカバーを開ける、コネクタを抜き差しするといった作業は行わないでください。通電部や高温部に触れるおそれがあり、取り付け位置がずれると温度の検知そのものが正しく働かなくなります。
判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 31(751K・752K)で解除できない | 部品の状態が変わっていない。点検を依頼する |
| 解除でき、その後まったく出ない | 一時的な接触不良の可能性。記録を残して経過を見る |
| 解除できるが、数日から数週間で再発する | 接触が不安定な状態。点検を依頼する |
| 解除操作をしてもすぐ再表示される | 断線・ショートが固定的に起きている。点検を依頼する |
| 修理や部品交換の直後に出た | 作業を行った業者へ連絡する |
| 15や35も併せて出ている | 温水側の検知全体に問題がある。点検を依頼する |
点検を依頼するときに伝えたいこと
- 本体の型式:GDB-1700Kのように、銘板の表記をそのまま伝える
- 表示されたコード:31か32か。型式とセットで伝えることで対象部品が特定できる
- 解除できたかどうか:できなかった場合、その事実が重要な情報になる
- 再表示までの間隔:復帰した場合、どのくらいで再び出たか
- 直近の工事・修理の有無:内容と時期
型式とコードの組み合わせが分かれば、往き側か戻り側かまで絞り込めます。
部品の手配を含めた対応が早く進みます。
機種ごとの仕様は、取扱説明書でも確認できます。
各コードの正式な内容は、メーカーが製品別に公開しています。
📎 出典:長府製作所「製品エラーコード」
なお、同じ長府製でも石油給湯器はコード体系が別です。
石油タイプについては長府製 石油給湯器のエラーコード一覧を参照してください。
よくある質問
Q1. 31が出ましたが、リモコンを操作しても解除できません。
GDB-751K・752Kの31は、正常な温度が検出される状態になっていることが解除の前提とされています。サーミスタが断線したままでは、何度操作しても解除されません。操作の失敗ではなく、部品の状態が変わっていないことを示しています。繰り返さずに点検を依頼してください。
Q2. 31と32は何が違うのですか。
機種によって答えが変わります。GDB-1700Kでは、31が戻り温水サーミスタ、32が往き温水サーミスタを指します。一方GDB-751K・752Kの31は温水サーミスタの断線またはショートを示し、GDB-500Kでは32が往き側にあたります。型式とコードをセットで確認しないと対象部品を特定できません。
Q3. 15が出たことがありますが、今回は31です。関係はありますか。
関係している可能性があります。15は往きと戻りの温度差の異常、31・32はセンサー自体が値を返せない状態です。同じサーミスタが劣化していく過程で、まず検知の精度が落ちて温度差の異常として現れ、進行して断線に至るという流れは考えられます。以前どのコードが出ていたかは、点検の際に伝えてください。
Q4. 燃焼もガスも問題なさそうなのに、なぜ止まるのですか。
温度を測れない状態では、加熱の加減を判断できないためです。往き側が読めなければ送り出す湯の温度が分からず、戻り側が読めなければ熱がどれだけ使われたかが分かりません。制御の前提を失った状態で燃焼を続けると、過熱などにつながるおそれがあります。停止は機器が安全側に判断した結果です。
Q5. サーミスタの交換だけで直りますか。
センサー本体の断線やショートであれば、交換で解消することが多くなります。ただし原因がコネクタの接続不良や配線側にある場合、あるいは基板の入力回路にある場合は、対応が変わります。どこに原因があるかは抵抗値の測定で切り分けられるため、点検の際に確認してもらってください。
まとめ
長府のガス暖房ボイラに表示される31と32は、温水サーミスタの断線やショートを示す表示です。
ただし31は機種によって対象が変わり、GDB-751K・752Kでは温水サーミスタ全般、GDB-1700Kでは戻り側を指します。
32は往き側です。型式とセットで確認してください。
温度差の異常を示す15・35が「値は取れているが関係がおかしい」状態であるのに対し、31・32は「値そのものが取れない」状態です。
制御の前提を失うため、燃焼やガス供給に問題がなくても機器は停止します。
そしてGDB-751K・752Kの31は、正常な温度が検出されることが解除の前提とされています。
操作しても解除できないのは失敗ではなく、部品の状態が変わっていないことを示しています。
繰り返し操作せずに、点検を依頼してください。

