長府製の石油給湯器に150や160が表示され、運転スイッチを切り替えても消えない。
何度か試すうちに、いつの間にか消えて普通に使えるようになった。
そんな経験をされた方が多いのが、この150系のエラーです。
これらは過熱防止装置が働いて運転を止めた状態を示しています。
機器内部の温度が下がれば解除できるため、時間を置けば復旧します。
ただし、ここに落とし穴があります。
戻ってしまうがゆえに「直った」と受け取られやすく、温度が上がった理由がそのまま残るのです。
この記事では、150・151・160・590が作動したタイミングから原因を絞る方法、缶体の高温を示す4とE4、そして設定温度より熱いお湯が出てしまう161・HC・H8までを扱います。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 解除方法 |
|---|---|---|
| 150 | 非燃焼時の過熱防止装置作動 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 151 | 燃焼時の過熱防止装置(ハイカットサーミスタ)作動 | 缶体温度低下後にOFF/ON |
| 160 | 燃焼時の過熱防止装置作動 | 缶体温度低下後にOFF/ON |
| 590 | 燃焼停止後の過熱防止装置作動 | 温度低下後にOFF/ON |
| 4 | 缶体(熱交換器)高温検知。浴室リモコンはE4を表示 | 缶体温度低下後にOFF/ON |
| E4 | 機種により過熱防止装置回路遮断、または制御基板作動不良 | 表示により異なる |
| HC | 機種により設定温度+15℃以上の検出、または缶体出口95℃以上の検知 | 缶体温度低下後にOFF/ON |
| 161 | 給湯設定温度+15℃の高温出湯を検知 | 運転スイッチのOFF/ON |
| H8 | ASE-K13・K33では給湯サーミスタの設定温度+15℃以上を検知 | 運転スイッチのOFF/ON |
すぐリセットしても消えないのは正常な動作
多くの方がつまずくのがここです。
150系のうち151・160・590・4・HCは、警報解除の条件に「缶体温度低下後」または「温度低下後」という前提が付いています。
つまり表示が出た直後にリモコンを操作しても解除されません。
機器の内部が冷えるまでの時間が必要で、その間は何度押しても状況は変わりません。
操作に失敗しているわけではなく、条件を満たしていないだけです。
一方、150と161は温度低下の条件が付いておらず、運転スイッチのOFF/ONで解除できるとされています。
同じ過熱系でも、この違いを知っておくと無駄な操作を減らせます。
「戻るから大丈夫」がいちばん危ない
過熱防止装置は、温度が下がれば復帰します。
これは機器を守るための一次的な保護であり、故障そのものではありません。
問題は、復帰してしまうことで原因が放置されやすい点です。
温度が異常に上がった理由は解決していないため、条件が揃えばまた同じことが起こります。
そしてこの段階を超えると、戻らない領域に入ります。
長府には140という、熱交換器の異常高温によって温度ヒューズが遮断されるコードがあります。
こちらは部品交換をしないと解除できません。
150や160が繰り返し出ていた機器が、あるとき140に切り替わるという経過は珍しくありません。
150系は、その手前で気づくための表示だと捉えてください。
作動したタイミングから原因を絞る
150・151・160・590は、意味としてはどれも過熱防止装置の作動です。
違いは、どの局面で作動したかにあります。
| 表示 | 作動した局面 | そこから読めること |
|---|---|---|
| 150 | 燃焼していないとき | 燃えていないのに温度が高い。残熱がこもっている、または温度検知側の異常 |
| 151 | 燃焼中(ハイカットサーミスタ) | 燃焼で生じた熱を運び出せていない |
| 160 | 燃焼中 | 同上 |
| 590 | 燃焼を止めた直後 | 停止後も熱が抜けきらず、缶体に残っている |
150は「燃えていないのに熱い」状態
燃焼していないのに過熱防止装置が働くのは、少し不思議に感じるかもしれません。
考えられるのは、直前の燃焼で生じた熱が缶体にこもっていて抜けないケース、あるいは温度を検知する側が正しい値を返していないケースです。
いずれにせよ自分で確認できる範囲は限られます。
590は150に移行することがある
590は処置の書き方が他と違います。
長府は590について、復帰しない場合、再発する場合、そして「150になる」場合に点検・修理を依頼するよう案内しています。
つまりメーカー自身が、590から150へ移行するパターンを想定しているということです。
590が出たあとに150が出たなら、それは偶然に別のエラーが出たのではなく、同じ問題が進行していると考えるのが自然です。
この経過は業者に伝える価値があります。
151はハイカットサーミスタが関わる
151だけは、作動した部品名が明示されています。
ハイカットサーミスタという温度センサーです。
このセンサー自体に断線やショートが起きた場合は、151ではなく360が表示されます。
151が出ているなら、センサーは正常に働いたうえで高温を検知したという読み方になります。
4とE4は缶体そのものの高温検知
4は缶体、つまり熱交換器の高温を検知した状態です。
浴室リモコンではE4と表示されます。
ここで注意が必要なのが、E4は機種によって意味がまったく変わるという点です。
| 対象機種 | E4の意味 |
|---|---|
| JIB-10SAG、KIB-312(AF・AG)、382AJ、384(EAG・SAG)、322SAG、32AUG | 制御基板作動不良 |
| 上記以外 | 過熱防止装置回路遮断 |
制御基板作動不良であれば、電源プラグを3秒以上抜いてから差し直すことで解除します。
過熱防止装置回路遮断であれば、缶体温度が下がってから運転スイッチをOFF/ONします。
対処が異なるため、機器前パネルの銘板で型名を確認してください。
なお長府は、高圧力型給湯器でE4が出た場合の確認事項として、断水・給水栓の閉止・ストレーナーのゴミ詰まりといった給水不良を挙げています。
もう一群:出てくるお湯が熱すぎる
161・HC・H8は、缶体の温度ではなく実際に出てくるお湯の温度を見ています。
- 161:給湯中に、リモコンの給湯設定温度+15℃の高温のお湯が出ていることを検知
- HC:KIBF-4510MAでは設定温度+15℃以上の検出、それ以外の機種では缶体出口の95℃以上を検知
- H8:ASE-K13・K33では、給湯サーミスタが設定温度+15℃以上を検知
やけどにつながる温度域
設定温度+15℃という条件は、実際の温度に置き換えると危険な領域に入ります。
たとえば設定が45℃なら60℃、設定が50℃なら65℃のお湯が出ている可能性があるということです。
消費者庁は、44℃では3〜4時間、46℃では30分〜1時間、50℃では2〜3分で皮膚が損傷を受けるとしています。
60℃前後の湯が肌に直接かかれば、避ける間もなくやけどに至ります。
これらのコードが表示されたということは、機器が危険な出湯を検知して運転を止めたということです。
日常的に温度が変動する場面もある
一方で、エラーには至らない範囲で一時的に熱いお湯が出る場面もあります。
長府は取扱説明書で、お湯を止めたあとに再使用するとき、お湯の量を急に少なくしたとき、他の場所で大量に水を使用したときに、一時的に熱いお湯が出ることがあると案内しています。
そのうえで、入浴時やシャワー使用時は必ず手でお湯の温度を確かめること、やけど防止のためサーモスタット付混合水栓の使用を推奨しています。
また、水温が高いときに低温のお湯を少量出そうとすると、お湯の温度が高くなるとも記載されています。
給湯栓をもう少し開けて水と混ぜて使うのが正しい使い方です。
水栓の種類による違いは水栓とは?種類・選び方・交換費用まで住宅設備のプロがわかりやすく解説で整理しています。
共通する原因は「熱を運び出せていない」
過熱系のエラーは、突き詰めると同じ構図に行き着きます。
熱交換器は水が通ることで冷やされているため、水の流れが弱ければ温度は上がります。
給水側で起きていること
- 給水元栓が全開になっていない:わずかに閉まっているだけで流量は落ちます
- 水フィルタの詰まり:ゴミが溜まるとお湯の出が悪くなります
- 断水や給水工事:水が来ていない状態での燃焼はもっとも危険です
- 配管の凍結:冬季に流量が確保できなくなります
長府は、水フィルタにゴミが溜まるとお湯が出にくくなるとして、定期的な掃除を求めています。
給水元栓を閉め、屋内の給湯栓を1か所開けてから水フィルタを外して歯ブラシなどで掃除する手順です。
なお、この部品は一部の機種には搭載されていません。
湯あかの堆積
見落とされがちなのが、給湯熱交換器の内部に溜まる湯あかです。
長府は、湯あかが溜まるとお湯の沸き上げに時間がかかるとして、定期的な掃除を推奨しています。
熱の伝わりが悪くなるということは、同じ温度のお湯を作るのにより多くの熱が必要になるということです。
結果として缶体側の温度が上がりやすくなります。
なお、お湯が出なくなる現象には給湯器以外の原因もあります。
症状の切り分けにはシャワーを出しっぱなしにしたらガスが止まった|原因と正しい復帰手順の考え方も参考になります。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 表示直後にリセットしても消えない | 温度低下待ち。しばらく置いてから操作する |
| 時間を置いたら解除できて、その後は正常 | 一過性の可能性。ただし再発の有無を記録する |
| 断水や工事の直後に出た | 給水不良が原因。復旧後に水が出ることを確認してから運転 |
| 週に何度も150や160が出る | 給水側または熱交換器の問題。点検を依頼 |
| 590が出たあとに150が出た | メーカーが点検を求めているパターン。点検を依頼 |
| 161・HC・H8が出た | 高温出湯の検知。使用を控え点検を依頼 |
| E4が出た | まず銘板で型名を確認し、意味を特定する |
| 140に切り替わった | 温度ヒューズ遮断。部品交換が必要 |
長府の他のエラー表示との関係は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
再発を防ぐために
過熱系は、日常の使い方と設備の状態の両方から遠ざけられます。
- 給水元栓は全開にしておく:中途半端な開き方が流量不足を招きます
- 水フィルタを定期的に掃除する:機器に搭載されている場合
- 給湯熱交換器の掃除を年に一度は行う:湯あかの堆積を防ぎます
- 設定温度を必要以上に高くしない:高温設定は過熱側の余裕を削ります
- 少量出湯を避ける:ちょろちょろとお湯を出す使い方は温度が上がりやすくなります
- 断水の連絡があったら運転を止める:復旧後は水が出ることを確認してから使用します
- エラーが出た日付を記録する:頻度が分かると、点検時の判断材料になります
とくに記録は有効です。
「たまに出る」という説明よりも、「先月2回、今月3回」という情報のほうが、業者にとってはるかに役立ちます。
よくある質問
Q1. 150が出てリセットしても消えません。故障ですか?
まだ故障と決まったわけではありません。
151・160・590・4・HCは、警報解除の条件に「缶体温度低下後」という前提が付いており、機器内部が冷えるまでは操作しても解除されません。
表示が出た直後は時間を置いてから、あらためて運転スイッチをOFF/ONしてください。
それでも解除できない、あるいは解除できてもすぐに再発する場合は、給水側か熱交換器側に原因が残っているため点検を依頼してください。
Q2. 150と140はどう違うのですか?
保護の段階が違います。
150は過熱防止装置が作動した状態で、温度が下がれば運転スイッチのOFF/ONで解除できます。
一方の140は、さらに温度が上がって温度ヒューズが遮断された状態で、部品交換をしないと解除できません。
150や160が繰り返し出ていた機器が140に切り替わる経過もあるため、150系が頻発している段階で点検を受けることが、結果として費用を抑える判断になります。
Q3. 590が出たあとに150が出ました。関係がありますか?
関係している可能性が高いと考えられます。
長府は590の処置として、復帰しない場合、再発する場合、そして150になる場合に点検・修理を依頼するよう案内しています。
メーカー自身が590から150への移行を想定しているということです。
偶然別のエラーが出たと捉えず、同じ問題が進行しているものとして点検を依頼してください。
その際、590が先に出ていた経過も伝えると原因の特定が早まります。
Q4. 設定温度より熱いお湯が出ました。すぐ使えなくなりますか?
161やHC、H8が表示された場合は運転が停止します。
これらは設定温度+15℃以上の高温出湯や、缶体出口の95℃以上を検知したときに働くもので、やけどを防ぐための停止です。
なお、エラーに至らない範囲でも、お湯を止めたあとの再使用時や、お湯の量を急に少なくしたときに一時的に熱いお湯が出ることがあります。
入浴時やシャワー使用時は、必ず手で温度を確かめてから使ってください。
Q5. E4が出ましたが、電源プラグを抜けば直りますか?
機種によります。
JIB-10SAGやKIB-312(AF・AG)など特定の機種では、E4は制御基板作動不良を意味し、電源プラグを3秒以上抜いてから差し直すことで解除します。
それ以外の機種では過熱防止装置回路遮断を意味し、缶体温度が下がってから運転スイッチをOFF/ONする必要があります。
まず機器前パネルの銘板で型名を確認し、どちらに当たるかを特定してから操作してください。
まとめ
150・151・160・590は、過熱防止装置が働いて運転を止めた状態です。
温度が下がれば解除できるため、表示直後にリセットしても消えないのは正常な動作です。
作動した局面から原因の見当がつきます。
150は燃えていないのに温度が高い状態、151と160は燃焼中に熱を運び出せていない状態、590は停止後に熱が抜けきらない状態です。
とくに590は、長府自身が150への移行を想定した処置を記載しています。
161・HC・H8は缶体ではなく出てくるお湯の温度を見ており、設定温度+15℃以上の高温出湯を検知して止まります。
やけどにつながる温度域なので、表示されたら使用を控えて点検を依頼してください。
いずれも根にあるのは、熱を運び出せていないという同じ構図です。
給水元栓の開度、水フィルタの詰まり、湯あかの堆積を見直すことが、この一群を遠ざける近道になります。
そして繰り返す段階で手を打たなければ、部品交換が必要な140に進みます。

