長府製の石油給湯器に740や750と表示され、お湯が出なくなった。
リモコンのボタンを押しても反応が変わらない。
これらはリモコンと給湯器本体の制御基板とのあいだで、通信が途絶えたことを示すコードです。
機器そのものが燃焼に失敗したわけでも、部品が焼けたわけでもありません。
指示を伝える経路が切れている状態です。
そしてこのグループには、他のエラーとは違う特徴が2つあります。
ひとつは、解除の方法が運転スイッチではなく電源プラグの抜き差しであること。
もうひとつは、長府が原因として外部ノイズを明記していることです。
この記事では、番号ごとの違いから解除手順、そして繰り返す場合の見方までを整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 通信が途絶えた区間 | 異常を判断した側 |
|---|---|---|
| 74 | 台所リモコン〜制御基板 | 台所リモコン |
| 740 | 台所リモコン〜制御基板 | 台所リモコン |
| 75 | 浴室リモコン〜制御基板 | 浴室リモコン |
| 750 | 浴室リモコン〜制御基板 | 浴室リモコン |
| 76 | 台所・浴室リモコン〜制御基板 | 制御基板 |
| 760 | 台所・浴室リモコン〜制御基板 | 制御基板 |
| E8 | 台所・浴室リモコン〜制御基板 | 制御基板 |
| 8 | 浴室リモコンの表示。内容は2種類 | 表示により異なる |
番号の違いは「どこが気づいたか」
上の表を見ると、740も750も760も「通信が途絶えた」という点は同じです。
違うのは、その異常をどの機器が判断したかです。
長府はエラーコード一覧のなかで、この点をわざわざ書き分けています。
- 74・740:台所リモコンが判断した通信不良
- 75・750:浴室リモコンが判断した通信不良
- 76・760・E8:制御基板が判断した通信不良
ここから読めること
異常を判断できたということは、その機器自体は動いていたということになります。
台所リモコンが740を表示できたなら、台所リモコンには電気が届き、判断する機能も生きていたと考えられます。
同様に、制御基板が760を出したなら、制御基板側は動作していたことになります。
もちろんこれだけで故障箇所を特定できるわけではありませんが、「どちら側から見た異常か」という情報は、業者にとって切り分けの手がかりになります。
表示された番号は正確に伝えてください。
台所と浴室で表示が違うこともある
台所リモコンには740、浴室リモコンには750が同時に出る、という状況もあり得ます。
両方が「相手と話せない」と判断している状態です。
この場合、リモコン単体ではなく制御基板や配線側に原因がある可能性が高くなります。
どちらか一方だけに出ているのか、両方に出ているのかも記録しておいてください。
解除は運転スイッチではなく電源プラグ
このグループの解除方法は、他の多くのエラーと異なります。
長府が示している方法は、給湯器本体の電源コンセントを3秒以上「切」にしてから、再度「入」にするというものです。
リモコンの運転スイッチをOFF/ONしても解除されません。
取扱説明書の側でも、740・750・760については「電源プラグを差し直してください」と案内され、そのうえで「リセットの必要はありません」と補足されています。
手順
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜く
- 3秒以上待つ
- 電源プラグを差し込む
- リモコンの運転スイッチを「入」にする
電源プラグを抜くときは、コードではなくプラグ本体を持ってください。
また、濡れた手で触らないこと、雨が降っているときは抜き差ししないことが長府から求められています。
抜き差しの際は、プラグの状態も一緒に確認しておくとよいでしょう。
栓刃の変形についてはコンセントのプラグが曲がったら使っていい?危険性・正しい対処法・やってはいけない判断を徹底解説で扱っています。
長府が挙げる原因は「外部ノイズ等外的要因」
エラーコード一覧の処置欄には、74から760までのすべてに同じ一文が添えられています。
復帰しない又は再発する場合は点検・修理を依頼してください。外部ノイズ等外的要因が原因の場合があります。
機器の故障ではなく、外からの電気的な干渉によって通信が乱れることがある、という意味です。
エラーコードの説明でここまで明記されるのは珍しい部類に入ります。
外部ノイズの具体例
取扱説明書には、より具体的な記述があります。
万一運転中に雷、自動車無線などで誤作動したり、動かなくなったときは電源プラグをコンセントから抜き、数秒後に再度差し込み、リモコンの運転スイッチを「入」にしてください。
雷と自動車無線が例として挙げられています。
強い電波や電気的な変動が、リモコンと制御基板のあいだの通信に影響することがあるということです。
このことは、機器の設置環境についての注意ともつながっています。
長府は、機器の近くに電気器具を置かないよう案内しており、その理由としてテレビの映像が乱れたりラジオに雑音が入ることを挙げています。
給湯器と電気器具のあいだで、電波的な影響が生じ得るという前提です。
雷が鳴りはじめたら
長府は雷発生時の注意として、リモコンの運転スイッチを「切」にし、電源プラグをコンセントから抜くよう求めています。
雷による一時的な過電圧が電子部品を損傷させることがあるためです。
雷がやんだあとは、電源プラグが濡れていないことを確認してから差し込んでください。
一度きりなら様子を見てよい
外部ノイズが原因の場合、電源を入れ直せば復帰して、その後は何事もなく使えます。
雷雨のあとに一度だけ出た、というケースはこれに当たる可能性があります。
一方で、天候や周囲の状況と関係なく繰り返すなら、機器側の問題を疑う段階です。
配線の断線や接触不良、リモコン本体や制御基板の不具合が考えられます。
浴室リモコンの「8」は2つの意味を持つ
浴室リモコンに「8」とだけ表示されている場合、長府は浴室リモコンで「エラーなし・E8」のどちらかを確認するよう案内しています。
| 浴室リモコンの状態 | 内容 | 対処 |
|---|---|---|
| 警報表示なし | 台所リモコンの後つなぎによる運転停止 | 台所リモコン接続後、電源コンセントを「入」にする |
| E8を表示 | 台所・浴室リモコン〜制御基板間の通信途絶 | 電源コンセントを3秒以上「切」後、再度「入」 |
後つなぎとは
後つなぎとは、電源を投入したあとにリモコンを接続した状態を指します。
機器は起動時に接続されているリモコンを確認するため、あとから繋いだリモコンを認識できず運転を止めます。
日常の使用中に起きることはほとんどありません。
リモコンの交換や増設、電気工事、リフォームの直後に発生するパターンです。
この場合は、リモコンを接続した状態で電源を入れ直せば解消します。
表示のわずかな違いで対処が変わるという点は、他メーカーでも起こります。
考え方の参考としてコロナ石油給湯器の「エラー2」とは?対震自動消火装置の作動と解除手順を解説もご覧ください。
利用者が確認できる範囲
このグループで自分で確認できることは限られています。
| 確認できること | 内容 |
|---|---|
| 電源プラグの差し込み | 緩んでいないか、確実に差さっているか |
| ブレーカー | 落ちていないか |
| リモコンの表示 | 台所と浴室で何が出ているか |
| 直前の出来事 | 雷雨、停電、工事、リモコン交換がなかったか |
リモコンの配線は壁の内側や床下を通っており、確認には分解が必要です。
長府は改造や分解を明確に禁止しており、火災・感電・漏電などの事故につながるとしています。
配線側が疑われる段階になったら、業者に任せてください。
なお浴室リモコンは水回りに設置されているため、経年で内部に湿気の影響を受けることがあります。
浴室側だけに750が繰り返し出るなら、この点も伝えておくと参考になります。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 電源の入れ直しで復帰し、その後は正常 | 一過性の可能性。日付と天候を記録しておく |
| 雷雨のあとに一度だけ出た | 外部ノイズの可能性が高い。様子を見る |
| 運転スイッチをOFF/ONしても消えない | 正常。電源プラグの抜き差しで解除する |
| 電源を入れ直しても復帰しない | 点検・修理を依頼する |
| 天候と無関係に繰り返す | 配線または基板側の問題。点検を依頼 |
| 台所と浴室の両方に出ている | 制御基板や配線側の可能性。点検を依頼 |
| 浴室リモコンに「8」だけ表示 | 浴室リモコンでエラーなしかE8かを確認する |
| リモコン交換や工事の直後に出た | 後つなぎの可能性。接続後に電源を入れ直す |
繰り返す場合に伝えること
点検を依頼する際は、次を整理しておくと原因の絞り込みが早くなります。
- 型名と製造番号:機器前パネルの銘板に記載
- 表示された番号:740か750か760か、正確に
- どのリモコンに出たか:台所だけ、浴室だけ、両方
- 電源の入れ直しで復帰したか
- 発生した日時と天候:雷雨や強風の有無
- 直前の工事の有無:リモコン交換、電気工事、リフォーム
番号の違いが「どこが判断したか」を表している以上、正確な番号とリモコンの組み合わせは、そのまま診断情報になります。
よくある質問
Q1. 740と750と760は何が違うのですか?
通信が途絶えたという内容は同じで、違うのは異常を判断した側です。
740は台所リモコンが判断した通信不良、750は浴室リモコンが判断した通信不良、760は制御基板が判断した通信不良を示します。
判断できたということは、その機器自体は動作していたと考えられるため、業者にとっては切り分けの手がかりになります。
解除方法はいずれも共通で、電源コンセントを3秒以上「切」にしてから再度「入」にします。
Q2. 運転スイッチを何度切り替えても消えません。故障でしょうか?
操作の方法が違います。
このグループの解除は、リモコンの運転スイッチではなく給湯器本体の電源プラグで行います。
コンセントから3秒以上抜いてから差し直してください。
取扱説明書でも740・750・760については「電源プラグを差し直してください」と案内され、リセットの必要はないと補足されています。
電源を入れ直しても復帰しない場合は、点検を依頼してください。
Q3. 雷が鳴ったあとにエラーが出ました。壊れたのでしょうか?
外部ノイズによる一時的な誤作動である可能性があります。
長府はエラーコード一覧の処置欄で外部ノイズ等外的要因が原因の場合があるとしており、取扱説明書では雷や自動車無線を具体例として挙げています。
電源プラグを抜き、数秒後に差し込んで運転スイッチを「入」にすれば復帰することがあります。
なお雷が鳴りはじめたら、運転スイッチを「切」にして電源プラグを抜いておくことが推奨されています。
Q4. 浴室リモコンに「8」と出ていますが、何を確認すればよいですか?
浴室リモコンの表示状態を確認してください。
警報表示がない場合は、台所リモコンの後つなぎによる運転停止です。
台所リモコンを接続した状態で電源コンセントを「入」にすれば解消します。
E8が表示されている場合は、リモコンと制御基板の通信が途絶えた状態なので、電源コンセントを3秒以上「切」にしてから「入」にしてください。
どちらかで対処が変わるため、表示の有無を必ず確かめてください。
Q5. リモコンを交換した直後にエラーが出ました。関係がありますか?
後つなぎの可能性があります。
電源を投入したあとにリモコンを接続すると、機器がそのリモコンを認識できずに運転を止めることがあります。
リモコンが確実に接続されている状態で、電源コンセントを入れ直してください。
日常の使用中に起きることはほとんどなく、リモコンの交換や増設、電気工事、リフォームの直後に発生するパターンです。
解消しない場合は、施工した業者に確認してください。
まとめ
74・740・75・750・76・760・E8は、リモコンと制御基板のあいだで通信が途絶えたことを示します。
番号の違いは、どの機器がその異常を判断したかを表しています。
解除は運転スイッチではなく、給湯器本体の電源コンセントを3秒以上「切」にしてから「入」にする方法で行います。
運転スイッチを何度操作しても消えないのは、操作の対象が違うためです。
長府は原因として外部ノイズ等外的要因を挙げており、取扱説明書では雷や自動車無線が具体例として示されています。
雷雨のあとに一度だけ出たなら一過性の可能性がありますが、天候と無関係に繰り返すなら配線や基板側の問題を疑う段階です。
浴室リモコンの「8」は、表示なしなら後つなぎ、E8なら通信途絶と意味が分かれます。
配線の確認には分解が必要になるため、そこから先は業者に任せてください。

