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長府給湯器エラー301・302・350とは?|凍結防止と油サーミスタ異常

長府給湯器のエラー301・302・350と凍結防止・油サーミスタ異常について解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

長府製の石油給湯器に301や302が表示されているが、お湯は普通に出ている。
使えているのだから急がなくてもいいのではないか。

そう考えたくなる気持ちは自然ですが、このグループには特有の危うさがあります。
長府は301や302について、表示が出た状態でも使用できると明記しています。
ところが取扱説明書には、そのあいだ凍結予防装置が作動しないとも書かれています。

つまり、使えるけれど守られていない状態です。
そして凍結によって機器が破損した場合の修理は、保証期間内であっても有料になります。
この記事では、301・302とその同義コードが意味するもの、装置が働かない間の代替手段、そして131の引き金になる350や、過熱防止に関わる360・H7までを整理します。

目次

このページで扱うエラーコード

表示対象のセンサー機器の状態
301外気温(凍結防止)サーミスタ表示状態で使用可能
E9外気温(凍結防止)サーミスタ表示状態で運転できる
302凍結予防サーミスタ表示状態で使用可能
F9凍結予防サーミスタ表示状態で運転できる
350油サーミスタ(一部機種ではコイルサーミスタ)運転停止
H5油サーミスタ不良運転停止
360ハイカットサーミスタ運転停止
H7ハイカットサーミスタ(ASE-K13・K33以外が対象)運転停止
470バーナーサーミスタ運転停止

📎 出典:長府製作所|製品エラーコード(石油給湯器)

「使えてしまう」ことが放置を招く

301・302・E9・F9の4つには、他のサーミスタ異常にはない特徴があります。
長府が警報解除方法の欄に、わざわざ「表示状態で使用可能です」「表示状態で運転できます」と書き添えているのです。

給湯サーミスタや缶体サーミスタの異常が運転停止をともなうのに対し、これらはお湯が出続けます。
生活に支障が出ないため、表示を気にしなくなるのは無理もありません。

しかし、この4つが見張っているのは温度そのものではなく、凍結を予防するために必要な温度情報です。

301・E9/302・F9は凍結予防装置に直結する

長府の取扱説明書には、301について次のように記載されています。

外気温を検知できない(警告表示)。機器の使用はできますが、凍結予防装置が作動しません。お早めにお買い求めの販売店にご連絡ください。凍結のおそれがあるときは「じゃ口から水を流す方法」を行ってください。

凍結予防装置は、機器内の給水経路が凍らないよう凍結予防ヒータを作動させる仕組みです。
外気温が下がったことを検知して働き、凍結のおそれがなくなると停止します。

その判断のもとになる温度が測れなくなれば、装置は動きません。
表示が出ているあいだ、機器は無防備な状態で冬を迎えることになります

なお、機種によっては凍結予防装置が搭載されていないものもあります。
EHI-3867SとEHI-4567Sはその例です。

凍結破損の修理は保証期間内でも有料

見過ごせないのが費用の扱いです。
長府は、凍結により機器が破損した場合の修理は保証期間内でも有料になると明記しています。

つまり301や302を放置したまま冬を越し、凍結で破損しても、保証では救済されません。
センサー1つの交換で済んだはずのものが、機器全体の修理や交換に発展するという構図です。

出た季節で優先度が変わる

  • 春から秋に出た場合:本格的な寒さが来る前に直せば実害はありません。ただし忘れやすいので、その場で点検を依頼しておくのが確実です
  • 冬に出た場合:装置が働かないまま寒波を迎えることになります。修理までのあいだ、次の代替手段が必要です

凍結予防装置が使えない間の代替手段

長府の取扱説明書には、凍結予防の方法が3つ示されています。
装置が働かない状況では、これらを手動で行うことになります。

じゃ口から水を流す方法

冷え込みが厳しく風が強いときに、給水・給湯配管やバルブの凍結を防ぐ方法です。

  1. リモコンの運転スイッチを「切」にする
  2. 給湯栓を開け、じゃ口から毎分約400cc(約4mm)の水を流したままにする
  3. 30分後に水の量を確認する

流量が不安定になることがあるため、30分後の確認が求められています。
水を流すじゃ口は屋内の1か所で足ります。

長府は、おふろに水をためておけば洗濯などの雑用水として使えるため無駄にならないと案内しています。
浴槽までじゃ口が届かない場合は、じゃ口で流量を確認したあとシャワーに切り換えて浴槽に流す方法が示されています。

機器内の水を抜く方法

長期間使用しないときや、じゃ口から水を流さずに電源プラグを抜くときに行う方法です。
給水元栓を閉め、缶体排水栓を開けて機器内の水を排出します。
配管やバルブの凍結予防はできませんが、機器にとってはもっとも適した方法とされています。

バーナーを運転させる方法

冷え込みが厳しいときに、バーナーを運転させて機器内の給水経路の凍結を予防します。
給湯栓を閉め、運転スイッチを「入」にし、給湯温度を低い設定にしておく手順です。

ただし、凍結したまま運転すると機器が破損するおそれがあるため、運転前に凍結していないことの確認が必要です。

電源プラグを抜くと装置は働かない

正常な機器であっても、電源プラグをコンセントから抜いたり、ブレーカーを「切」にしたりすると凍結予防装置は作動しません
節電のつもりでプラグを抜くと、冬季にはかえって高くつくことになります。

なお、配管やバルブについては凍結予防装置では守れないため、保温が必要です。

凍結してしまったときの注意

厚生労働省は、最低気温が氷点下4℃以下になるとき、長時間水道を使用しないとき、建物の外壁際に露出している水道管、北向きの日陰や風あたりが強いところの水道管について、特に注意が必要としています。

凍結して水が出なくなった場合は、自然に溶けるまで待つか、凍結した箇所にタオルなどを巻き付けて、その上からぬるま湯をゆっくりかける方法が示されています。

熱湯をかけると水道管が破裂するおそれがあります
早く直したい気持ちから熱湯を使ってしまう例は少なくありませんが、絶対に避けてください。

長府も、給湯栓を開けても水が出ないうちは自然解凍を待つよう案内しています。
水が出るようになったら、すべての給水栓と給湯栓を閉めたうえで水道メーターが回っていないことを確認してください。
回っている場合は、どこかで漏水している可能性があります。

📎 出典:厚生労働省|水道管の凍結に注意してください

350とH5は油サーミスタ

ここからは凍結とは別の系統になります。

350は油サーミスタの断線またはショートを示します。
灯油の温度を測るセンサーです。

ただし機種によって対象が変わります。

対象機種350の意味
EHI-4760DKF、EHK-4760DKF、EHK-4760DKXF、EHKF-4760DKXコイルサーミスタの断線またはショート
上記以外油サーミスタの断線またはショート

H5も油サーミスタ不良による運転停止ですが、解除方法が異なります。

表示警報解除方法
350正常温度検出(交換)により復帰
H5台所リモコンの運転スイッチをOFF/ONで解除

同じ油サーミスタでも、H5はリモコン操作で解除できます。
ただし解除できることと直っていることは別なので、繰り返すようなら点検が必要です。

350は131の引き金になる

350にはもうひとつ重要な性質があります。

長府は131について、油サーミスタ異常(350)または炎検出異常(721・722)を規定回数以上繰り返したことによる再点火防止機能の作動と説明しています。

そして131は、リモコン操作では警報を解除できません。
350が出ている段階で対応するか、131まで進んで解除不能になるかの分かれ道になります。

なお、灯油側のトラブルは冬場に別の形でも現れます。
タンク底に溜まった水が凍結すると送油管やストレーナーを詰まらせるため、手順は灯油タンクの水抜きのやり方とは?|手順・頻度・水が溜まる理由を解説を参照してください。

360とH7はハイカットサーミスタ

360は、ハイカットサーミスタの断線またはショートによる運転停止です。
H7も、ASE-K13・K33以外の機種であれば同じ内容を示します。

ハイカットサーミスタは、過熱防止装置に関わるセンサーです。
ここで区別しておきたいのが、151との違いです。

表示状態
151ハイカットサーミスタが正常に働き、高温を検知して過熱防止装置が作動した
360・H7ハイカットサーミスタそのものが断線またはショートしている

151はセンサーが仕事をした結果ですが、360はセンサーが仕事をできない状態です。
過熱の検知に関わる部分なので、運転停止となるのは当然の設計といえます。

なおH7は、ASE-K13・K33が対象の場合には給水温度上昇(48℃以上)の検出という別の意味になります。
機器前パネルの銘板で型名を確認してください。

470はバーナーサーミスタ

470は、バーナーサーミスタの断線またはショートによる運転停止です。
警報解除方法は他の多くと同じく、正常温度検出(交換)により復帰します。
リモコン操作では解除できないため、点検を依頼することになります。

長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。

📎 出典:長府製作所|石油瞬間給湯器 本体取扱説明書(EHI-3867F 他)

判断の早見表

状況判断
301・E9・302・F9が出ているが夏である冬までに点検を依頼する。忘れないうちに予約を
301・E9・302・F9が出ていて冬である修理まで手動で凍結予防を行う
節電のため電源プラグを抜いている冬季は抜かない。凍結予防装置が働かなくなる
凍結して水が出ない自然解凍を待つ。熱湯は使わない
解凍後に水道メーターが回っている漏水の可能性。業者に連絡する
350が出たリモコン操作では解除できない。点検を依頼
350が繰り返し出ている131に進む前に点検を依頼する
H5が出てリセットで復帰した直ったとは限らない。再発するなら点検を依頼
360・H7・470が出た点検を依頼する

修理か交換かを考える目安

これらのサーミスタは1つずつ交換できる部品です。
ただし、短期間に違う番号のセンサー異常が続くようであれば、機器全体の経年を考える段階に入っています。

とくに301や302を放置して凍結破損に至った場合、修理範囲は大きく広がります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインを徹底解説で整理しています。

よくある質問

Q1. 301が出ていますがお湯は使えています。急いで直す必要はありますか?

季節によります。
301は表示状態でも機器を使用できますが、そのあいだ凍結予防装置は作動しません。
夏であれば直ちに困ることはないものの、本格的な寒さが来る前に必ず直しておく必要があります。
冬に出た場合は、修理までのあいだ手動での凍結予防が必要です。
凍結により破損した場合の修理は保証期間内でも有料になるため、放置は費用面でも不利になります。

Q2. 301と302は何が違うのですか?

見ているセンサーが違います。
301は外気温(凍結防止)サーミスタ、302は凍結予防サーミスタの断線またはショートを示します。
どちらも表示状態で機器を使用できる点と、凍結予防に関わる点は共通です。
なお機種によって表示が変わり、301はE9、302はF9として表示されることがあります。
いずれの場合も、対処の考え方は同じです。

Q3. 修理までのあいだ、どう凍結を防げばよいですか?

長府が案内する方法のひとつが、じゃ口から水を流し続ける方法です。
リモコンの運転スイッチを「切」にし、給湯栓から毎分約400cc、太さにして約4mmの水を流したままにします。
流量が不安定になることがあるため、30分後に量を確認してください。
水を流すじゃ口は屋内の1か所で足ります。
浴槽にためておけば洗濯などの雑用水として使えるため、無駄にはなりません。

Q4. 350が出たまま使い続けても大丈夫ですか?

350は運転停止をともなうため、そのまま使い続けることはできません。
また、油サーミスタ異常を規定回数以上繰り返すと131が表示され、再点火防止機能が作動します。
131はリモコン操作では解除できず、点検・修理を依頼する以外に復旧の手段がなくなります。
350の段階で対応するかどうかが分かれ道になるため、繰り返す前に点検を依頼してください。

Q5. 360と151はどう違うのですか?

同じハイカットサーミスタに関わりますが、示している状態が逆です。
151はセンサーが正常に働き、高温を検知して過熱防止装置が作動した状態です。
一方の360は、センサーそのものが断線またはショートして、温度を測れなくなった状態を示します。
過熱の検知ができない状態なので運転は停止し、正常な温度が検出されるまで復帰しません。
部品交換が必要になるため点検を依頼してください。

まとめ

301・E9・302・F9は、凍結予防に関わるセンサーの断線またはショートを示します。
表示が出た状態でも機器は使用できますが、そのあいだ凍結予防装置は作動しません。

凍結により破損した場合の修理は保証期間内でも有料になります。
夏に出たなら冬までに、冬に出たなら手動での凍結予防を行いながら、早めに点検を依頼してください。
節電のために電源プラグを抜く行為も、冬季には凍結予防装置を止めることになります。

350とH5は油サーミスタ、360とH7はハイカットサーミスタ、470はバーナーサーミスタの異常です。
このうち350は、繰り返すと131という解除できない状態に進みます。

H7は機種によって給水温度上昇の検出という別の意味になり、350も一部機種ではコイルサーミスタを指します。
いずれの場合も、機器前パネルの銘板で型名を確認することが出発点になります。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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