長府製の石油給湯器に610や611が表示されて運転が止まった。
あるいは、お湯を使い終わって少し経ってからエラーが出た。
これらは送風機の回転不良を検出して運転を止めた状態を示しています。
送風機は燃焼用の空気を送り込み、排ガスを外へ押し出す部品です。
ここが正常に回らないまま燃焼を続けることは危険なため、機器は運転を打ち切ります。
見落とされやすいのが、送風機は燃焼していない時間にも回っているという点です。
そのため、お湯を止めたあとにエラーが出るという不思議な出方をすることがあります。
この記事では、送風機の働きを押さえたうえで、610系と同じ系統にある7・E7・170を整理し、電源電圧や強風、給気部のほこりといった引き金までを扱います。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 解除方法 |
|---|---|---|
| 610 | 送風機作動(回転)不良検出による運転停止 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 611 | 送風機作動(回転)不良検出による運転停止 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 612 | 送風機作動(回転)不良検出による運転停止 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 7 | 送風機作動不良による運転停止。浴室リモコンはE7を表示 | 運転スイッチのOFF/ON |
| E7 | 機種により送風機作動不良検知、または圧力スイッチ作動 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 170 | 燃焼中にバーナー(風洞)部の高温検知 | 運転スイッチのOFF/ON |
送風機は点火前と燃焼後にも回っている
石油給湯器の送風機には、燃焼中に空気を送るだけでない役割があります。
長府の取扱説明書には、燃焼表示が消えてもしばらくの間機器から音がするのは、機器内の排ガスを排出するために送風機がしばらく動いているためだと記載されています。
つまり燃焼を終えたあとも、内部に残った排ガスを押し出す時間が設けられているということです。
このことから、2つのことが分かります。
ひとつは、お湯を止めたあとにしばらく音が続くのは異常ではないということ。
もうひとつは、お湯を使い終わったあとに610系のエラーが出ることがあり得るということです。
「使っていないのにエラーが出た」という状況は、この時間帯に回転不良が検出されたと考えれば説明がつきます。
なお、この機器には送風機ヒューズが組み込まれています。
内部配線のショートや部品の故障で過電流が流れたときに作動して運転を止めるもので、送風機の回転不良そのものを示す610系とは役割が異なります。
610・611・612の違い
長府が公表しているエラーコード一覧では、610・611・612の3つはまったく同じ説明になっています。
いずれも「送風機作動(回転)不良検出による運転停止」で、警報解除方法も運転スイッチのOFF/ONで共通です。
確認事項の欄も3つとも空欄で、利用者が確認すべき項目は示されていません。
つまり、どの番号が出ていても対処の道筋は同じです。
番号の違いを気にするよりも、後述する引き金のほうに目を向けるほうが実用的です。
7とE7も同じ内容
7は送風機作動不良による運転停止で、浴室リモコンではE7と表示されます。
610系との違いは表示のしかたであり、示している状態は近いものです。
ただしE7には注意点があります。
| 対象機種 | E7の意味 |
|---|---|
| JIB-10SAG、KIB-312(AF・AG)、382AJ、384(EAG・SAG)、322SAG、32AUG | 圧力スイッチ作動 |
| 上記以外 | 送風機作動不良検知 |
圧力スイッチ作動の場合、確認事項は断水・給水栓の閉止・給水接続口のフィルターの詰まりといった給水不良です。
送風機とはまったく別の話になるため、E7が出たら機器前パネルの銘板で型名を確認してください。
170は「空気の流れ」側の異常
170は送風機の回転そのものではなく、バーナー(風洞)部の高温を検知して止まるコードです。
それでもこの記事で扱うのは、長府が挙げる確認事項が空気の流れに直結しているためです。
170の確認事項は次の3つです。
- 電源電圧の低下
- 台風等の強風下での燃焼
- 排気経路の閉塞
送風機が回っていても、空気の入りと出のバランスが崩れれば、バーナー周辺の熱は運び去られずに滞留します。
610系が「回っていない」を検知するのに対し、170は「流れていない」を結果として検知していると捉えると分かりやすくなります。
長府の他のエラー表示との関係は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
電源電圧の低下は送風機に直接効く
送風機はモーターで駆動しています。
供給される電圧が下がれば回転数は落ち、機器は回転不良として検出します。
170の確認事項に電源電圧の低下が挙げられているのは、このためです。
確認すること
- 延長コードやテーブルタップを経由していないか:給湯器は壁のコンセントに直接つなぐ
- 同じ回路に重い家電がないか:冬季に暖房機器を追加していないか
- プラグやコンセントに緩みがないか:接触不良は電圧降下を招きます
長府は、電源コードの届く範囲にコンセントがない場合、電力会社の指定工事店に依頼して所定の電気配線を行うよう案内しています。
電源コードを切断して延長することは禁止されており、火災・感電・発熱の原因になります。
またこの機器はAC100V専用で、200Vに接続すると破損します。
なお、電源電圧の問題は140という別のエラーの引き金にもなります。
そちらは温度ヒューズの遮断という別の経路ですが、コンセントまわりを整えることは複数のエラーを同時に遠ざけることになります。
強風のときに出るなら屋外設置の影響
170の確認事項には、台風等の強風下での燃焼が含まれています。
屋外に設置された機器は、風の影響を直接受けます。
強風が排気口に吹き付ければ排ガスは出にくくなり、逆に給気側から吹き込めば燃焼のバランスが崩れます。
台風の最中や直後にエラーが出た場合、機器の故障ではなく気象条件が原因である可能性があります。
長府は台風通過後の注意として、屋外に設置している機器や油タンクの状態を確認してから使用するよう求めています。
機器や油タンクが倒れていないか、排気口が飛来物でふさがれていないかを見てください。
給気側のほこりと雪も見る
排気経路に目が向きがちですが、空気を取り込む側も同じくらい重要です。
長府は日常の点検・手入れとして、1年に1回以上、機器外面のほこりや汚れをふきとることを求めています。
そのうえで、特に機器背面の給気部にたまったほこりをふきとるよう明記しています。
背面は壁に面していることが多く、目が届きにくい場所です。
数年間まったく掃除していないというケースは珍しくありません。
積雪地では、積雪や屋根からの落雪によって給気部や排気口がふさがれないよう、点検と除雪が必要です。
雪でふさがれるおそれのある場所に設置されている場合は、給排気に影響がないよう防雪処置を行うことも求められています。
排気方式によって給気の取り方は異なります。
方式ごとの違いはFF式とFE式の違いとは?給湯器の排気方式をわかりやすく解説で整理しています。
異音は経年劣化のサイン
送風機の不調は、エラーが出る前に音として現れることがあります。
- キーンという高い音
- ゴーという唸り
- カラカラという断続音
- 以前より運転音が大きくなった
これらはファンのバランスの崩れや、モーターの軸受けの摩耗によって生じます。
送風機は運転のたびに回り続ける部品であり、経年で消耗することは避けられません。
暖房機器でも送風モーターは代表的な劣化部位です。
考え方の参考として石油ストーブの寿命は何年?故障との違いや交換の判断基準を徹底解説もご覧ください。
送風機の回転が不安定な状態で運転を繰り返すことは避けてください。
空気の供給が不足したまま燃焼すれば、不完全燃焼につながるおそれがあります。
異音を伴って610系が出ているなら、リセットで動くうちに点検を受けてください。
自分でできることと、できないこと
送風機はカバーの内側にあり、点検には分解作業が必要です。
長府は分解や改造を明確に禁止しており、火災・感電・漏電などの事故につながるとしています。
つまり利用者ができるのは、機器の周囲と電源まわりの確認までです。
| 確認できること | 判断 |
|---|---|
| 給気部・排気口のほこりや雪、飛来物 | 取り除いてリセット。自分で対処可能 |
| 電源プラグの差し込み、延長コードの有無 | 直接コンセントにつなぎ直す |
| 強風や台風の最中か | 天候が収まってから運転を試す |
| 送風機本体、ファン、モーター | 分解が必要。業者に依頼する |
| 送風機ヒューズ | 業者に依頼する |
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| リセットで復帰し、その後は正常 | 一過性の可能性。日付を記録しておく |
| 給気部にほこりや雪が積もっていた | 取り除いてリセット。自分で対処可能 |
| 台風や強風の最中に出た | 気象条件の可能性。天候回復後に確認 |
| 延長コード経由でつないでいた | 壁のコンセントに直接つなぎ直す |
| 異音を伴って繰り返す | 送風機の劣化が疑われる。点検を依頼 |
| リセットしても復帰しない | 点検・修理を依頼する |
| E7が出た | 銘板で型名を確認し、意味を特定する |
| お湯を止めた直後に出る | ポストパージ中の検出。繰り返すなら点検を依頼 |
よくある質問
Q1. 610・611・612に違いはありますか?
長府が公表しているエラーコード一覧では、3つとも「送風機作動(回転)不良検出による運転停止」という同一の説明になっています。
警報解除の方法も運転スイッチのOFF/ONで共通で、確認事項の欄も空欄です。
そのため、どの番号が表示されていても対処の道筋は変わりません。
番号の違いよりも、給気部の詰まり、電源の状態、天候といった引き金のほうを確認してください。
Q2. お湯を使っていないのにエラーが出ました。なぜですか?
送風機は燃焼中だけでなく、燃焼を終えたあとも動いているためです。
長府の取扱説明書には、燃焼表示が消えてもしばらく音がするのは機器内の排ガスを排出するために送風機が動いているからだと記載されています。
この時間帯に回転不良が検出されれば、お湯を使い終わったあとでもエラーが表示されます。
音そのものは異常ではありませんが、その直後にエラーが出るなら送風機側の点検が必要です。
Q3. 台風のときだけエラーが出ます。故障でしょうか?
気象条件が原因である可能性があります。
170の確認事項には、台風等の強風下での燃焼が挙げられています。
強風が排気口に吹き付けたり給気側から吹き込んだりすると、空気の流れが乱れて正常な燃焼が保てなくなります。
天候が回復してから運転して問題がなければ、一過性と考えてよいでしょう。
ただし台風通過後は、機器や油タンクが倒れていないか、排気口が飛来物でふさがれていないかを確認してから使用してください。
Q4. 給湯器を延長コードにつないでいますが問題ありますか?
避けてください。
送風機はモーターで動くため、電圧が下がると回転数が落ち、回転不良として検出されることがあります。
170の確認事項にも電源電圧の低下が挙げられています。
長府は電源コードを切断して延長することを禁止しており、コンセントが届かない場合は電力会社の指定工事店に依頼して所定の電気配線を行うよう案内しています。
またこの機器はAC100V専用で、200Vに接続すると破損します。
Q5. 運転音が大きくなった気がします。放置しても大丈夫ですか?
早めに点検を受けることをおすすめします。
ファンのバランスの崩れやモーターの軸受けの摩耗が進むと、キーンという高い音やゴーという唸りとして現れます。
この段階ではまだリセットで動くことが多いため、様子見が続きやすいのですが、送風機は運転のたびに回り続ける消耗部品です。
空気の供給が不足したまま燃焼すれば不完全燃焼につながるおそれもあるため、動くうちに相談してください。
まとめ
610・611・612は、送風機の回転不良を検出して運転を止めた状態です。
長府の一覧では3つとも同じ説明になっており、対処の道筋も共通です。
7は同じ内容を別の表示で示したもので、E7だけは機種によって送風機作動不良と圧力スイッチ作動のどちらにもなります。
型名の確認が先になります。
170は空気の流れ側の異常で、電源電圧の低下、台風等の強風下での燃焼、排気経路の閉塞が確認事項として挙げられています。
送風機はモーターであるため、延長コードや電圧降下が回転に直接影響します。
利用者が確認できるのは、給気部と排気口の詰まり、電源まわり、そして天候までです。
とくに機器背面の給気部は見落とされやすく、長府も年1回以上のほこり取りを求めています。
送風機本体は分解が必要なため、異音を伴って繰り返す場合は、リセットで動くうちに点検を依頼してください。

