給湯器のリモコンに見慣れない番号が出て調べてみたら、「サーミスタの断線」「サーミスタの短絡」と書かれていて戸惑っていませんか。
コロナの石油給湯器には温度を測るサーミスタが複数あり、どの場所のどんな異常かによって、それぞれ別の番号が割り当てられています。
そのため一覧を見ると番号だらけに感じますが、仕組みさえつかめば読み解き方はどれも同じです。
この記事では、サーミスタが何をしている部品かというところから、断線と短絡の違い、どの番号がどの場所を指しているのか、そして仕様による温度変化との切り分けまでを整理します。
サーミスタは温度を測るための部品
サーミスタは、温度によって電気の通しにくさが変わる性質を利用した部品です。
機器はその値を読み取って、いま何度なのかを判断しています。
給湯器は、水を温めてお湯にする機械です。
狙った温度に仕上げるには、入ってくる水の温度、温めている最中の温度、出ていくお湯の温度を、それぞれ把握しておく必要があります。
だからこそ、一台の中に複数のサーミスタが配置されています。
温度計がひとつ壊れただけ、と思われるかもしれません。
しかし機器にとっては、火力や水量を決めるための根拠が失われるということです。
根拠なく燃焼を続ければ、熱すぎるお湯が出たり、機器が過熱したりするおそれがあります。
そのため、サーミスタの異常を検知すると安全側で運転を止める設計になっています。
断線と短絡は何が違うのか
どのサーミスタでも、エラーは「断線」と「短絡」の2種類に分かれます。
| 状態 | 何が起きているか | 機器から見た状況 | 背景として考えられること |
|---|---|---|---|
| 断線 | 信号の経路が途切れている | 電気が流れず、値が読めない | 配線の断線、接続の外れ、端子の腐食 |
| 短絡 | 本来の経路を飛ばしてつながっている | ありえない値が返ってきている | 被覆の傷み、水分の侵入、部品内部の劣化 |
断線は「何も返ってこない」、短絡は「おかしな値が返ってくる」と考えると分かりやすくなります。
どちらも結果としては同じで、機器はその場所の温度を把握できません。
屋外に設置される機器である以上、雨水や結露、経年による配線の劣化が背景にあることは十分に考えられます。
ただし、実際にどこが原因かを特定できるのは点検の場だけです。
どのサーミスタが、どこを見ているか
番号を読み解く前に、それぞれのサーミスタが担当している場所を押さえておきましょう。
水がたどる順番に並べると、役割の違いが見えてきます。
| サーミスタ | 見ている場所 | 役割 |
|---|---|---|
| 給水サーミスタ | 機器に入ってくる水 | 元の水温を把握し、必要な加熱量を決める |
| 熱交サーミスタ | 熱交換器のまわり | 加熱中の温度を監視し、過熱を防ぐ |
| 混合室サーミスタ | 湯と水が混ざる部分 | 混合後の温度を確認する |
| 出湯サーミスタ | 機器から出ていくお湯 | 実際に送り出す温度を確認する |
| 給湯サーミスタ | 給湯回路 | 蛇口へ向かうお湯の温度を管理する |
冬と夏とで、蛇口から出るお湯の温度が同じになるのは、入ってくる水の温度を測って加熱量を調整しているからです。
給水サーミスタが担っているのは、この出発点の情報にあたります。
コード対応表
メーカーが公開しているエラーサイン一覧では、次のように割り当てられています。
| サーミスタ | 断線(アビーナG) | 短絡(アビーナG) | 断線(その他) | 短絡(その他) |
|---|---|---|---|---|
| 出湯サーミスタ | 27 | 28 | A8 | A9 |
| 給湯サーミスタ | 30 | 31 | 6 | — |
| 熱交サーミスタ | 33 | 34 | A6 | A7 |
| 給水サーミスタ | 35 | — | — | — |
| 混合室サーミスタ | 51 | 52 | — | — |
その他の給湯機には、このほかに「L」という表示があります。
Lは給湯サーミスタの断線または短絡として記載されており、断線と短絡をひとつの記号でまとめて扱っている点が特徴です。
処置方法については、いずれも「点検または修理が必要です」と記載されています。
掃除や給油のように、利用者側で解消できる案内は付いていません。
他のコードもあわせて調べたい場合は、コロナ石油給湯器のエラーコード一覧|自分で確認できる表示の見分け方にコード別の一覧をまとめています。
表の空欄について
対応表には空欄があります。
これは一覧に該当する番号の記載がないという意味であり、その状態が起こらないということではありません。
たとえば給水サーミスタは断線の35だけが記載されていますが、短絡にあたる状態が別の番号にまとめられている可能性もあります。
いずれにせよ、利用者が判断すべきなのは表示された番号を正確に読み取り、そのまま伝えることです。
番号さえ分かれば、どこを見るべきかは点検の側で判断できます。
症状としてどう表れるか
サーミスタの異常は、エラー表示が出る前に湯温の違和感として気づかれることがあります。
| 感じ方 | 関わっている可能性のある場所 |
|---|---|
| 設定より熱いお湯が出る | 出湯・給湯まわりの温度把握 |
| いつまでもぬるい | 給水温度の把握、加熱量の判断 |
| 使用中に温度が上下する | 混合や出湯の温度管理 |
| 季節によって温度の出方が変わる | 給水温度の把握 |
| 使い始めてすぐ止まる | 熱交まわりの過熱判断 |
こうした違和感が数日続いたあとに番号が表示される、という流れは珍しくありません。
逆に言えば、湯温の異変に早く気づけば、エラーで止まる前に相談できるということでもあります。
仕様による温度変化と切り分ける
湯温が安定しないという症状は、故障でなくても起こります。
エラー表示が出ていない場合は、次の点を先に確認してください。
給湯栓を絞りすぎていないか
水道直圧式の給湯器は、流れる量を検知して点火しています。
給湯栓を極端に絞ると、バーナが着火しないことがあります。
夏場に水温が上がると、シャワー使用中に火がついたり消えたりすることもあります。
サーモ付混合水栓を使っていないか
サーモ付混合水栓の場合、給湯機側の設定温度が低いと温度調節の性能が十分に発揮されません。
リモコンの設定温度を、使いたい温度より5〜10℃高めにしてください。
給湯栓までの距離
機器から蛇口までの距離が長いほど、お湯が出てくるまでに時間がかかります。
出始めが冷たいこと自体は異常ではありません。
これらに当てはまらず、かつリモコンに番号が表示されている場合は、仕様ではなく機器側の状態を疑う段階です。
確認してよい範囲と、避けるべきこと
サーミスタは本体内部や配管まわりにある部品で、利用者が点検できる場所ではありません。
見てよいところ
- 表示されている番号を正確に読み取る
- 取扱説明書や銘板で機種の型式を確認する
- 屋外の機器まわりに水漏れやにじみがないか見る
- 運転スイッチを一度切って入れ直す(1〜2回まで)
- 湯温の違和感がいつから始まったかを思い出す
避けるべきこと
- 本体のカバーを外してセンサーや配線に触れる
- コネクタを抜き差しする、接点復活剤を使う
- 表示が消えないまま運転を繰り返す
- 熱すぎるお湯が出る状態で使い続ける
設定より明らかに熱いお湯が出ている場合は、やけどのおそれがあります。給湯栓の使用を控え、販売店またはメーカーのサービス窓口へ連絡してください。
点検を依頼するときの判断基準
| 状況 | 考えられること | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 番号が出たまま消えない | サーミスタまたは配線の不具合 | 販売店・サービス窓口へ点検を依頼 |
| 入れ直すと使えるが再発する | 接触不良や劣化の進行 | 早めに点検を依頼 |
| 番号が出る前から湯温が不安定だった | 同じ部位の不調が進行 | 経過を伝えて点検を依頼 |
| 設定より熱いお湯が出る | 温度管理が働いていない可能性 | 使用を控えて速やかに連絡 |
| 複数の番号が入れ替わり出る | 制御側の可能性もある | 出た番号をすべて伝える |
連絡するときは、表示された番号、機種の型式、いつから出ているか、湯温にどんな違和感があったかを伝えてください。
サーミスタの異常は場所ごとに番号が分かれているため、番号を正確に伝えるだけで交換部品の見当がつくことも多くあります。
使用年数が長い機器では、部品の在庫状況によって修理が難しくなることもあります。
点検時期を知らせる表示が出ている場合の考え方はコロナ石油給湯器のエラー88とは?点検時期のお知らせと正しい対応で整理しています。
サーミスタまわりの劣化を遅らせるために
配線やセンサーの劣化そのものを止めることはできませんが、環境を整えることで進行を遅らせることはできます。
機器の周囲に水がかかる状況を避ける
散水や高圧洗浄が機器に直接かかると、内部への水の侵入を招くことがあります。
洗車や外壁の掃除をする際は、機器に水を向けないよう気をつけてください。
湯温の違和感を放置しない
「少しぬるい気がする」「最近熱すぎるときがある」といった変化は、初期のサインであることがあります。
エラーで止まる前の段階で相談できれば、部品交換だけで済む可能性が高まります。
点検の機会をつくる
石油給湯器は屋外に設置されることが多く、日常的に状態を見る機会が少ない機器です。
使用年数が進んだら、不具合が出ていなくても点検を受けておくと安心です。
燃焼まわりの見方については、コロナ石油給湯器のエラー4とは?着火不良と灯油切れの見分け方もあわせて確認してみてください。
よくある質問
Q1.断線と短絡は、どちらが重い故障ですか?
どちらが重いという区別はありません。
断線は信号の経路が途切れて値が読めない状態、短絡は経路を飛ばしてつながりありえない値が返ってきている状態です。
結果としてはどちらも、機器がその場所の温度を把握できないという点で同じです。
処置方法もいずれも点検・修理とされているため、対応の考え方に違いはありません。
Q2.番号がたくさんあって、どれが自分の機種のものか分かりません。
まずは取扱説明書の表紙や本体の銘板に書かれた型式を確認してください。
潜熱回収型のアビーナGシリーズと、それ以外の給湯機とでは番号の割り当てが異なります。
アビーナGシリーズは数字、それ以外の給湯機ではA6からA9やLといったアルファベットを含む記号が使われています。
型式が分からなくても、表示された番号をそのまま伝えれば点検の側で判断できます。
Q3.サーミスタが壊れると、どんな症状が出ますか?
湯温に関する違和感として表れることが多くあります。
設定より熱いお湯が出る、いつまでもぬるい、使用中に温度が上下する、使い始めてすぐ止まるといった形です。
エラー表示が出る前の数日間、こうした症状が続いていたというケースも珍しくありません。
違和感の内容と始まった時期を点検時に伝えると、原因の絞り込みが早くなります。
Q4.お湯がぬるいのですが、必ずサーミスタの故障でしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
サーモ付混合水栓を使っている場合、給湯機側の設定温度が低いと温度調節の性能が十分に発揮されず、ぬるく感じることがあります。
この場合は、リモコンの設定温度を使いたい温度より5〜10℃高めにすることで改善します。
給湯栓を極端に絞ったときにお湯が水に変わるのも仕様によるものです。リモコンに番号が表示されている場合は、仕様ではなく機器側の状態を疑ってください。
Q5.自分でセンサーを交換することはできますか?
できません。
サーミスタは本体内部や配管まわりに取り付けられており、交換には機器の分解を伴います。
配線の扱いを誤れば、別の不具合や漏電につながるおそれもあります。
表示が出た場合は、番号と型式を伝えて販売店またはメーカーのサービス窓口へ依頼してください。
まとめ
コロナの石油給湯器には温度を測るサーミスタが複数配置されており、場所ごと、そして断線と短絡ごとに番号が割り当てられています。
番号は多く見えますが、読み解き方はどれも共通で、「その場所の温度が測れなくなった」という一点に集約されます。
対応の順序を整理しておきます。
- 表示された番号を正確に読み取る
- 湯温の違和感がいつから始まったかを思い出す
- 設定温度や給湯栓の使い方など、仕様による変化でないかを確認する
- 入れ直すのは1〜2回までにとどめる
- 番号と型式、症状の経過を伝えて点検を依頼する
熱すぎるお湯が出ている場合だけは、様子を見ずに使用を控えてください。
それ以外は、番号を正しく伝えることが最短の解決につながります。

