ダイキンのエコキュートのリモコンに「警報 L5」または「警報 E1」と表示され、お湯が沸かなくなっていませんか。
この2つは、屋外のヒートポンプユニットの中でも中核にあたる部分に関わるコードです。
特にL5については、メーカーが公表している修理目安金額に注記が付いています。
冷媒系統の部品交換が必要になった場合、約10万円以上の高額な修理になることもあるという内容です。
この記事では、2つのコードの違いとリセットの扱い、費用の分岐点、交換を検討する判断までまとめました。
L5とE1が示している状態
| コード | 内容 | 想定される交換部品 |
|---|---|---|
| L5 | 圧縮機に過電流が流れたため停止 | ヒートポンプユニット基板 |
| E1 | ヒートポンプユニットの基板に関わる不具合 | ヒートポンプユニット基板 |
L5については、貯湯タンクの漏電遮断器を約10秒以上「OFF」にしてから「ON」に戻し、改善しない場合は販売店に点検・修理を依頼するよう案内されています。
E1は、エラー内容の一覧ではなく修理目安金額の一覧に記載があり、想定される交換部品としてヒートポンプユニット基板が挙げられています。
そこから、基板側の不具合を示すコードと考えられます。
対処の手順は、お手元の取扱説明書でコードを照合して確認してください。
圧縮機と過電流
L5を理解するには、圧縮機の役割を押さえておくと分かりやすくなります。
圧縮機(コンプレッサー)は、ヒートポンプユニットの中で冷媒を圧縮し、高温高圧の状態をつくる部品です。
エコキュートがお湯を沸かせるのは、この圧縮機が動いているからであり、機器の中で最も負荷のかかる部分でもあります。
過電流とは、想定を超える電流が流れている状態です。
モーターに何らかの負荷がかかって回転が重くなると、それを回そうとして電流が増えます。
その状態が続けば発熱や部品の損傷につながるため、機器は保護のために停止します。
つまりL5は、圧縮機まわりに通常とは異なる負荷がかかっていることを検知した表示です。
背景としては、圧縮機そのものの劣化、それを制御している基板の不具合、電源電圧の問題などが考えられます。
リセットの手順と、繰り返してはいけない理由
- 貯湯タンクの前面カバーを開け、漏電遮断器を探す
- レバーを「OFF」にする
- 約10秒以上そのまま待つ
- レバーを「ON」に戻す
- 表示が消えるか、沸き上げが始まるかを確認する
すぐに戻すと制御基板の電源が落ち切らないことがあるため、15秒から30秒ほど待ってから戻すと確実です。
ここで押さえておきたいのが、このグループはリセットを何度も繰り返すことが特に向かないという点です。
過電流は、電気的な負荷がかかっている状態を示しています。
原因が解消していないまま通電と停止を繰り返せば、基板や圧縮機にさらに負荷をかけることになります。
焦げたようなにおいがする、異音がする、漏電遮断器をONにしてもすぐ落ちる場合は、再投入を繰り返さないでください。
使用を中止し、点検を依頼してください。
リセットは1回、多くても2回試すまでにとどめ、復帰しなければ点検の段階と考えるのが安全です。
⚠️ 冬季は、リセット目的以外で貯湯タンクの漏電遮断器や専用ブレーカーを長時間切ったままにしないでください。凍結防止のための自動運転が働かなくなります。
表示が出ている間のお湯
停止しているのはヒートポンプユニット側です。
そのため、貯湯タンクに残っているお湯は、蛇口やシャワーから使える場合が多いといえます。
一方で、新しくお湯を沸かすことはできません。
使った分は補充されないため、そのまま放置すればお湯は尽きます。
台所リモコンで残湯量を確認し、少ない場合は次のように使う量を抑えてください。
- シャワーの時間を短くする、家族の入浴を続けて済ませる
- 食器洗いや手洗いは水で行う
- 追いだきはタンクのお湯を使うため、残湯を節約したい場面では控える
このグループは点検までに日数がかかりやすい領域でもあります。
残湯を計画的に使いながら、早めに手配を進めてください。
繰り返すときの判断
| リセット後の状態 | 考えられること | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 表示が消え、翌朝の残湯量も回復して再発しない | 一時的な検知だった可能性 | 通常どおり使用してよい |
| 表示は消えるが数日おきに再発する | 圧縮機や基板の劣化が進んでいる | 点検を依頼する |
| リセットしても表示が消えない | 異常状態が継続して検知されている | 点検・修理を依頼する |
| 運転音が以前と変わった、異音がする | 圧縮機側の不具合の可能性 | 使用を中止して点検を依頼する |
| ブレーカーがすぐ落ちる、焦げたにおいがする | 電気的な異常 | 再投入せず点検を依頼する |
リセットで一度消えたとしても、このグループは様子見の期間を長く取らないほうが安全です。
圧縮機に負荷がかかった状態で運転を続けると、基板の交換で済んだはずのものが冷媒系統にまで及ぶ可能性があります。
同じ表示が2回以上繰り返した時点で、点検を手配してよい段階と考えてください。
修理費用の目安
ダイキンは、保証期間が終了した機器の出張修理金額(出張料・技術料・部品代を含む)の目安を公表しています。
| コード | 修理目安金額(税込) | 想定される交換部品 |
|---|---|---|
| E1 | 49,000〜59,000円 | ヒートポンプユニット基板 |
| L5 | 49,000〜59,000円 | ヒートポンプユニット基板 |
L5には、圧縮機交換など冷媒系統部品の交換が必要な場合は、約10万円以上の高額な修理となることもあるという注記が付いています。
費用の分岐点
このグループの費用は、2つの水準に分かれると考えると整理しやすくなります。
| 修理の範囲 | 費用の水準 |
|---|---|
| ヒートポンプユニット基板の交換で収まる | 5万円前後 |
| 圧縮機など冷媒系統の交換に及ぶ | 10万円以上になることもある |
圧縮機の交換は、冷媒を扱う作業を伴います。
冷媒配管の接続には溶接などの工程が必要になり、部品代だけでなく作業そのものの負担も大きくなります。
そのため、同じL5でも点検結果によって費用が倍以上変わる可能性があります。
見積もりを受け取ったときは、交換対象が基板だけなのか、圧縮機を含むのかを必ず確認してください。
この一点で、修理と交換のどちらが合理的かが変わります。
なお、点検を依頼して結果的に修理をしなかった場合でも、出張料と点検費は発生します。
修理と交換の線引き
- 設置から7年未満:基板交換で収まるなら修理で対応するのが一般的
- 設置から8〜10年:圧縮機の交換に及ぶなら、交換を優先的に検討する
- 設置から10年超:部品の保有期間が終了し、修理そのものができない場合がある
このグループは、エコキュートのコードの中でも交換の検討に最も近い位置にあります。
圧縮機はヒートポンプユニットの心臓部にあたる部品で、ここに手を入れる段階まで来ているなら、他の部分も相応に年数を重ねています。
10万円を超える見積もりが出て、なおかつ設置から10年前後が経過している場合、本体交換の費用と並べて比較する価値は高いといえます。
年数の考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
交換を検討する段階では、エコキュートの水圧が弱い原因と対処法とは?|シャワーを強くする5つの方法で扱っている給湯圧力の仕様も確認しておくと、機種選びの軸が増えます。
お湯まわりのトラブル全体の切り分けは、オール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. L5とE1はどう違いますか。
L5は圧縮機に過電流が流れたことを検知した停止で、E1はヒートポンプユニットの基板に関わる不具合として扱われています。
どちらも想定される交換部品はヒートポンプユニット基板で、公表されている修理目安金額も同じ水準です。
ただしL5には、冷媒系統の交換に及べば約10万円以上になる可能性があるという注記が付いています。
費用が大きく振れる可能性がある点では、L5のほうが幅が広いといえます。
Q2. リセットして消えました。このまま使ってよいですか。
翌朝までに残湯量が回復し、その後も再発しないのであれば、一時的な検知だった可能性があります。
ただしこのグループは、様子見の期間を長く取らないほうが安全です。
過電流や基板の不具合は、負荷がかかった状態で運転を続けると影響が広がる可能性があります。
2回目の表示が出た時点で、点検を手配してください。
Q3. 何度もリセットすれば動くのですが、問題ありますか。
避けてください。
リセットで動くということは、原因が解消しないまま運転を再開しているだけの状態です。
圧縮機に負荷がかかったまま通電を繰り返せば、基板の交換で済んだはずの修理が、冷媒系統にまで及ぶ可能性があります。
結果的に費用が大きくなるため、早めに点検を受けるほうが合理的です。
Q4. 圧縮機の交換になると、いくらくらいかかりますか。
メーカーの注記では、冷媒系統部品の交換が必要な場合は約10万円以上の高額な修理になることもあるとされています。
圧縮機の交換は冷媒を扱う作業を伴い、配管の接続に溶接などの工程が必要になるためです。
実際の金額は点検後の見積もりで確認することになります。
設置から10年前後が経過しているなら、その金額と本体交換の費用を並べて比較することをおすすめします。
Q5. 運転音が大きくなった気がします。関係ありますか。
圧縮機の状態が変化しているサインである可能性があります。
以前と違う音がする、振動が大きくなったといった変化は、点検時に伝える価値のある情報です。
特に、金属がこすれるような異音や、これまで聞いたことのない音がする場合は、使用を続けずに点検を依頼してください。
いつ頃から音が変わったかも、あわせて伝えておくと診断の手がかりになります。
まとめ
L5とE1は、ヒートポンプユニットの中核に関わるコードです。
- L5は圧縮機に過電流が流れたことによる停止。E1は基板に関わる不具合
- どちらも基板交換で収まれば5万円前後だが、L5は冷媒系統に及べば10万円以上になることもある
- リセットの繰り返しは、修理範囲を広げる可能性があるため避ける
- 見積もりでは、交換対象が基板だけか圧縮機を含むかを必ず確認する
焦げたにおい、異音、ブレーカーがすぐ落ちるといった症状がある場合は、再投入せず使用を中止してください。
このグループは、修理と交換を早い段階で並べて検討する価値があります。

