日立エコキュートのリモコンに「Er」や「HE」から始まる見慣れない表示が出て、お湯が使えるのか分からず困っていませんか。
エラーコードは故障を知らせるサインであると同時に、機器が異常を検知して安全側に停止したという合図でもあります。
ただし日立の場合、表示の種類によって「お湯を使い続けてよいもの」と「やけどの危険があるため使ってはいけないもの」がはっきり分かれます。
この記事では、リモコンに出る表示を湯はり・給湯・リモコン・ヒートポンプの4系統に整理し、それぞれの意味と自分でできる確認、点検表示の解除手順、業者に依頼すべき境目までをまとめます。
まずは表示されている英数字を正確に読み取ってから、該当する項目を確認してください。
表示が出たとき最初に判断すべき3つのこと
エラーコードの意味を細かく理解する前に、次の3点を確認すると行動が決まります。
① お湯を使ってよいかどうか
日立エコキュートの表示のうち、給湯温度の制御に関わるものは設定より高温のお湯が出るおそれがあります。
該当する表示が出ているあいだは、蛇口やシャワーを使わないでください。
一方、湯はり系の表示では給湯そのものは通常どおり使えることが多く、あわてて全体を止める必要はありません。
② 自分で解消できる可能性があるかどうか
浴そうの栓が抜けている、フィルターが詰まっている、断水している、配管が凍っているといった外的な要因で出る表示があります。
これらは原因を取り除いて表示を解除すれば復帰します。
逆に、センサーやポンプ・基板の異常を示す表示は、解除しても再発するため点検が必要です。
③ 同じ表示が繰り返し出ていないか
一度きりの表示と、毎日のように再表示される表示では意味が違います。
再発する場合は部品の劣化が進んでいるサインと考え、早めに販売店へ相談する方が結果的に安く済むケースが多くなります。
浴そうに設定より熱いお湯が溜まっている可能性がある表示(Er26・Er28・Er56など)が出たときは、入浴の前に必ず手で湯温を確かめてください。
表示の頭文字でわかる異常の場所
日立エコキュートのコードは、頭のアルファベットで異常箇所の大まかな区分がわかります。
| 頭文字 | 主な異常箇所 | 傾向 |
|---|---|---|
| Er | 貯湯ユニット(タンク側) | 湯はり・給湯・リモコン通信など生活動作に直結する表示が多い |
| C | ヒートポンプ配管まわり | 配管の凍結や接続に関わる表示 |
| HE | ヒートポンプユニット(屋外の四角い機器) | 沸き上げができない、お湯が増えないという症状で出る |
| HP | 機器の組み合わせ・設定 | 交換や修理の直後に出やすい |
番号の割り当ては機種によって異なります。
同じ「Er」でも、お使いの型式によって範囲や意味が変わる場合があるため、手元の取扱説明書もあわせて確認してください。
点検表示(エラー)の解除方法
日立エコキュートの点検表示は、次の2通りの方法で解除できます。
方法1:リモコンの操作で解除する
リモコンに操作案内が表示されている場合は、その案内どおりに操作します。
多くの機種では「メニュー」ボタンを3秒以上長押しすることで点検表示が解除されます。
方法2:漏電遮断器を入れ直す
案内が出ていない場合は、貯湯ユニットの操作カバーを開け、内部の漏電遮断器(ブレーカー)を「OFF」にします。
約5秒以上待ってから「ON」に戻すと、表示が解除されます。
操作後は、開けたカバーを必ず閉じてください。
解除はあくまで表示を消す操作であり、故障そのものが直るわけではありません。
部品に異常が残っていれば、数時間から数日で同じ表示が再び出ます。
2回、3回と繰り返すようであれば、解除を続けずに点検を依頼してください。
日立エコキュートのエラーコード一覧
メーカーが個別に内容を公表している表示を、症状の出方ごとに整理しました。
湯はり・おふろに関する表示
このグループは、蛇口やシャワーからの給湯は使えることが多く、おふろの機能だけが止まるのが特徴です。
| 表示 | 内容 | 主な症状 | 自分でできる確認 |
|---|---|---|---|
| Er15 | ふろ流量の異常で湯はりができない | ふろ自動を押しても何も出ない、水しか出ない | 断水の有無、タンク専用止水栓の開閉、循環アダプターのフィルター清掃、冬季は凍結の解凍待ち |
| Er23/C23 | ふろの循環異常 | 湯はりが途中で止まる、追いだきができない、自動たし湯が働かない | 浴そうの栓、ふろ自動時間中の排水、フィルターの汚れ、凍結 |
| Er24 | 浴そうの水位センサーが水位を検知できない | 湯はりが途中で止まる | 再起動のみ。改善しなければ点検 |
| Er26/Er28 | 湯はり・たし湯の温度が適切に制御されない | 湯はりが途中で止まる、浴そうに熱い湯やぬるい湯が出る | 熱い湯が溜まっている可能性があるため入浴しない |
| Er38 | 湯はり・たし湯の温度を制御する部品の異常 | 湯はりができない、途中で停止する | 再起動のみ。改善しなければ点検 |
| Er56 | 湯はり温度が安定しない | 浴そうのお湯が熱い | 入浴前に湯温を確認する |
| Er72 | 湯はり・追いだきに使う部品の異常 | ふろ自動や追いだきができない | 再起動のみ。改善しなければ点検 |
| Er92 | UVユニットの異常(「きらりUVクリーン」搭載機) | 湯はりができない。給湯とシャワーは使用可能 | 漏電遮断器の入れ直しで解除可能 |
Er15とEr23は、原因の多くが機器の故障ではなく浴そうの栓・フィルター・断水・凍結といった外側の要因です。
点検を呼ぶ前に、この4点を順に確認する価値があります。
なお、Er92については、2024年1月から6月に製造された家庭用エコキュートの一部で、まれに発生する場合があることがメーカーから告知されています。
貯湯ユニット本体のラベルで製造年を確認し、該当する場合は問い合わせ窓口に連絡すると、必要に応じて無償で点検・修理を受けられます。
給湯(蛇口・シャワー)に関する表示
このグループは、設定より高温のお湯が出るおそれがあり、やけどの危険があります。
表示が出ているあいだは給湯を使用せず、解除後に使う場合も必ず湯温を確かめてください。
| 表示 | 内容 | 主な症状 |
|---|---|---|
| Er14 | 給湯温度が適切に制御されず給湯できない | 設定と違う温度のお湯が出る、給湯中に温度が上下する |
| Er17 | 給湯温度を制御する部品の異常 | お湯が出ない、ぬるいか熱いお湯しか出ない、温度が不安定 |
| Er64 | 給湯の循環ポンプが正常に動いていない | 設定温度どおりに出ない、水しか出ない |
| Er68 | 水温度センサーが正しく温度を検知できない | 設定どおりの温度で湯はりできない、給湯が安定しない |
いずれも漏電遮断器の入れ直しで表示自体は解除できますが、解除直後に熱いお湯が出る可能性があります。
再び同じ表示が出る場合は使用を控え、点検を依頼してください。
リモコンに関する表示
| 表示 | 内容 | 主な症状 |
|---|---|---|
| Er11 | 貯湯ユニットと台所リモコンの通信ができない | 台所リモコンの操作が効かない、表示が消えている |
| Er12 | 貯湯ユニットとふろリモコンの通信ができない | ふろリモコンの操作が効かない、エラー表示が出続ける |
電源スイッチを一度切って入れ直すことで点検表示は解除できます。
改善しない場合は配線や基板側の問題が考えられるため、点検が必要です。
ヒートポンプ・配管に関する表示
| 表示 | 内容 | 主な症状 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| HE22 | ヒートポンプユニットと貯湯ユニットの間でお湯が正常に循環していない | 朝になっても残湯目盛が全点灯しない。タンクの残り湯は使える | 冬季は凍結の解凍待ち。据付けから間もない場合は配管内の空気混入や閉塞の可能性 |
| HE01〜44 | ヒートポンプユニットの異常 | 沸き上げができない | 案内どおりの操作、または漏電遮断器の入れ直し |
| C09 | 沸き上げ動作が正常に行われない | 追いだきができない、お湯が沸いていない | 凍結の解凍待ち。ヒートポンプ配管のA側とB側が逆に接続されている可能性 |
| HP46 | 貯湯タンクとヒートポンプの組み合わせ誤り、または制御基板設定の不整合 | 表示は消せないが、お湯は使用可能 | 直前にタンクやヒートポンプの交換・修理をしていないか |
C09とHP46は、据付けや交換工事そのものに原因がある点が他と異なります。
設置直後や部品交換の直後に出た場合は、修理窓口ではなく工事を担当した施工業者に先に連絡すると話が早く進みます。
一覧にない番号が表示された場合
上記以外のEr番号は、貯湯ユニット側の異常を示す点検表示としてまとめて扱われています。
HE番号も同様に、ヒートポンプユニット側の異常を示します。
個別の意味は公表されていないため、リモコンの案内どおりに操作するか漏電遮断器を入れ直し、改善しなければ点検を依頼するのが基本的な流れです。
番号の意味を自己判断で推測して部品を触ることは避けてください。
エラーと間違えやすい正常な動作
点検表示が出ていないのに「壊れたのでは」と感じやすい動作があります。
次のような現象は、いずれも機器の仕組み上の正常な挙動です。
| 現象 | 理由 |
|---|---|
| 沸き上げ中にタンクの排水管から水(湯)が出る | 加熱で膨張した水を逃し弁から排出しているため |
| ヒートポンプユニットのドレンから水が出る | 大気の熱を吸収する際にフィンに結露した水が出るため |
| 冬にヒートポンプが運転と停止を繰り返す | 熱交換器に付いた霜を取り除く除霜運転のため |
| 深夜時間帯になっても沸き上げを始めない | 給水温度が高い、残湯量が多いなどの条件で開始を遅らせるため |
| 浴そうからゴボゴボ音がする、循環アダプターから水が出る | 外気温が下がったときの凍結防止運転で、ふろ配管の水を循環させているため |
これらは表示を伴わないため、エラーコードの一覧と混同されがちです。
判断の分かれ目は、リモコンに番号が出ているかどうかにあります。
番号が出ていない状態での違和感は、まず正常動作の範囲かどうかを確認してください。
自分で対処できる表示と、点検が必要な表示の線引き
どこまで自分で試してよいかの目安を整理します。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 断水中、または断水が復旧した直後に表示が出た | 復旧を待ってから解除すれば戻る可能性が高い |
| 浴そうの栓を抜いた直後、ふろ自動の途中で排水した | 操作が原因。栓を閉めて解除すればよい |
| 気温が氷点下の朝だけ表示され、日中に消える | 凍結が原因の可能性。自然解凍を待つ |
| 循環アダプターのフィルターを長期間掃除していない | 清掃後に解除して再試行する価値がある |
| 解除してもその日のうちに再表示される | 部品側の異常。点検を依頼する |
| 給湯温度に関わる表示が出ている | 使用を控え、点検を依頼する |
| 据付け・交換の直後に出た | 施工業者へ連絡する |
自分で行ってよいのは、栓・フィルター・止水栓・断水・凍結の確認と、案内どおりの解除操作までです。
貯湯ユニットの前面カバーを開けての作業や、配管・冷媒に触れる作業は感電やけがの危険があるため行わないでください。
お湯が出ない状態が続く場合は、エラー以外の原因が絡んでいることもあります。
切り分けの手順はオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説で詳しく解説しています。
修理と交換のどちらを選ぶかの目安
点検の結果、部品交換が必要と分かったときに迷うのが、修理で続けるか本体を入れ替えるかという判断です。
判断材料としてまず確認したいのが、補修用性能部品の保有期間です。
日立の家庭用エコキュートでは、補修用性能部品の保有期間は製造打切後10年とされています。
これを過ぎた機種は部品が確保できず、修理そのものが成立しない場合があります。
そのうえで、次のような状態がそろってきたら交換の検討に入る段階です。
- 設置から10年前後が経過している
- 修理履歴がすでに複数回ある
- タンクやヒートポンプ本体など、費用の大きい部位の交換を提案された
- 異なる表示が短期間に続けて出るようになった
修理費用は故障箇所と部品代によって大きく変わるため、金額の目安だけで判断せず、点検時に修理費と交換費の両方を出してもらうと比較しやすくなります。
交換時期の考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
なお、貯湯ユニットの排水管から沸き上げ中に水が出るのは、タンク内で膨張した分を逃がしている正常な動作です。
沸き上げをしていない時間帯にも水が出続ける場合は弁の不具合が考えられます。
放置したときのリスクは給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由で解説しています。
よくある質問
Q1. エラー表示を解除したら消えました。そのまま使い続けて大丈夫ですか?
一度きりの表示で、その後まったく再表示されないのであれば、一時的な検知だった可能性があります。
ただし解除は表示を消す操作であって、部品の異常が直るわけではありません。
数日以内に同じ番号が再び出た場合や、湯温が安定しない・お湯が沸かないといった症状が残っている場合は、故障が進行していると考えて点検を依頼してください。
特に給湯温度に関わる表示は、再発時点で使用を控えるのが安全です。
Q2. 一覧に載っていない番号が出ました。意味を調べる方法はありますか?
個別の意味が公表されているのは一部の番号に限られます。
それ以外は「Erは貯湯ユニット関係」「HEはヒートポンプユニット関係」という区分までしか分かりません。
手元の取扱説明書に記載がないか確認し、なければリモコンの案内どおりに操作するか漏電遮断器を入れ直したうえで、改善しなければ販売店に番号を伝えて相談してください。
型式と製造番号を控えておくと問い合わせがスムーズです。
Q3. 漏電遮断器のOFF・ONは何回まで試してよいですか?
目安として2回までにとどめてください。
1回目で消えて再発しない場合は様子見で構いませんが、2回目でまた表示された時点で、部品側に原因が残っていると判断できます。
何度も入れ直すことで故障箇所が直ることはなく、状態を悪化させる場合もあります。
なお、操作の際は貯湯ユニットの操作カバーを開け閉めするだけにとどめ、内部の部品には触れないでください。
Q4. 冬になると同じ表示が出ます。故障でしょうか。
外気温が下がる時期は、配管の凍結が原因で湯はりや沸き上げに関する表示が出ることがあります。
気温が上がって自然に解凍されたあと、表示を解除して正常に戻るようであれば、機器そのものの故障ではない可能性が高いといえます。
毎冬繰り返すようであれば、配管の保温状態や凍結防止対策が不十分なことも考えられるため、施工業者に相談してみてください。
Q5. 点検を依頼するとき、何を伝えればよいですか?
表示されている番号、機器の型式と製造番号、設置からの年数、症状が出るタイミングの4点を伝えると、訪問前に部品を用意してもらえることがあります。
型式は貯湯ユニット本体のラベルに記載されています。
「湯はりだけができない」「朝だけお湯が沸いていない」といった症状の出方も、原因の絞り込みに役立ちます。
解除操作を何回試したかもあわせて伝えてください。
まとめ
日立エコキュートのエラーコードは、頭文字で異常箇所の見当がつき、系統ごとに取るべき行動が変わります。
- 湯はり系の表示は、栓・フィルター・断水・凍結の確認で解決することがある
- 給湯温度に関わる表示は高温のお湯が出るおそれがあるため、使用を控える
- 解除操作は表示を消すだけで、再発するなら点検が必要
- 据付けや交換の直後に出た表示は、施工業者に先に連絡する
表示された番号を正確に控え、使ってよい状態かどうかを最初に見極めることが、安全に復旧させる近道です。

