コンロの表示部に「31」が点滅し、操作をやり直しても消えない。
02のように少し待てば直るものだと思っていたら、何度やっても同じ数字が出てくる。
エラー31は、コンロバーナーの温度センサーの故障を知らせる表示です。
02が「安全装置が働いた」という意味なのに対し、31は安全装置そのものに異常が起きていることを示しています。
この違いが、対応を大きく分けます。
この記事では、温度センサーが何をしている部品なのかを整理したうえで、修理を呼ぶ前の確認と判断基準を解説します。
温度センサーが担っている役割
ごとくの中央から少し顔を出している、ばねで支えられた白い部品が温度センサーです。
鍋底に触れて温度を測るためのもので、パロマのコンロでは複数の安全機能がこの1つの部品に依存しています。
| 機能 | 温度センサーの役割 |
|---|---|
| 調理油過熱防止装置 | 鍋底の温度を検知し、約250℃を保つよう火力を自動調節する |
| 焦げつき消火機能 | 鍋底の急激な温度上昇を検知して消火する |
| 異常過熱防止機能 | 空焚きなどの過熱を検知して火力を絞る |
| 鍋なし検知機能(搭載機種) | 鍋の有無を検知する |
つまり31は、揚げ物の安全装置が働かない状態を示しています。
単に「センサーが1つ壊れた」ではなく、複数の安全機能がまとめて信頼できなくなるということです。
公式の取扱説明書では、温度センサーやグリル過熱防止機能が故障している場合、使用を中止しガス栓を閉めたうえで、購入した販売店またはパロマへ連絡するよう案内されています。
02・03との違い
同じ温度センサーが関わる表示でも、意味はまったく違います。
ここを取り違えると、直らないものを何度も再点火し続けることになります。
| 表示 | 意味 | 部品の状態 | 対処 |
|---|---|---|---|
| 02 | 温度を検知して自動消火した | 正常に働いている | 冷めてから再点火すれば復帰 |
| 03 | 鍋がない状態を検知した | 正常に働いている | 鍋を置いて再点火すれば復帰 |
| 31 | 温度センサーの故障を検知した | 異常が起きている | ガス栓を閉めて修理を依頼 |
02と03は、原因を取り除けば使い続けられます。
それぞれパロマ ガスコンロのエラー02|火が消える理由と再点火の手順とパロマ ガスコンロのエラー03|鍋なし検知で火が消えるときで解説しています。
一方、31は待っても直りません。
再点火を繰り返しても、表示が変わらないか、点火してすぐに止まる状態が続きます。
この状態で油を使う調理をしてはいけない理由
31が出ていても、火自体は使えることがあります。
そのため「揚げ物さえしなければ大丈夫だろう」と考えたくなりますが、油調理については明確に避けるべきです。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、鍋底に汚れが付着して温度センサーが油の温度を正常に検知できず、油が加熱され続けて自然発火に至る現象を再現映像として公開しています。
調理油過熱防止装置が付いていても、調理器具や使用条件によっては発火に至ることがあるとされています。
汚れによる検知不良でも発火に至る以上、センサーそのものが故障している状態での油調理は避けてください。
市販の植物油は約370℃で火種がなくても自然発火します。
温度を見張る仕組みがない状態で、その温度に達しない保証はありません。
修理を呼ぶ前に確認すること
出張費を無駄にしないために、次の3点を確認しておきます。
1|乾電池
新品の単1形アルカリ乾電池2個に交換してください。
電圧が下がるとセンサー類の動作が不安定になり、正常な部品でも異常と判定されることがあります。
2個とも同じ銘柄の新品にそろえ、マンガン乾電池や充電池、買い置きで使用推奨期限を過ぎた電池は避けてください。
交換後に操作をやり直し、それでも31が出るかを確認します。
2|センサーの汚れと動き
温度センサーの上面に、焦げや吹きこぼれが固まっていないかを見てください。
公式のお手入れ方法は、変形させないよう片手を添えて、固く絞った布で上面と側面を拭くというものです。
強い力を加えないでください。
センサーが変形すると、鍋底に密着しなくなります。
拭き取ったあと、センサーを軽く押してみてください。
上下にスムーズに動き、手を離すと元の位置に戻るのが正常な状態です。
公式にも、お手入れしても動きが悪いときは販売店かパロマに連絡するよう案内されています。
3|変形や沈み込み
次の状態は部品側の異常が濃厚です。
- 押しても沈まない、または沈んだまま戻らない
- 明らかに傾いている
- ぐらついている
- 先端が欠けている、割れている
重い鍋を落とした、掃除のときに強く押した、といった心当たりがある場合は、変形している可能性があります。
これらを確認しても31が消えない場合は、ガス栓を閉めて修理を依頼してください。
他の口だけ使い続けてよいか
31と一緒に点滅している1桁の数字を見れば、左・右・後のどのコンロで異常が起きているかが分かります。
そうすると「異常のない口だけ使えばよいのでは」と考えたくなります。
しかし、公式の案内は使用の中止です。
部品が故障している場合は、使用を中止しガス栓を閉めて連絡するよう記載されています。
理由は、センサーからの信号を処理しているのが機器共通の制御基板だからです。
異常の原因がセンサー本体ではなく基板側にある場合、他の口の判定にも影響する可能性があります。
発生部位の表示は、あくまで修理の際に伝える情報として控えておくものと考えてください。
点検までのあいだにどうしても調理が必要な場合でも、油を使う調理と、その場を離れる調理は行わないでください。
表示の読み方はパロマ ビルトインコンロのエラーコード一覧|表示の読み方と対処にまとめています。
故障の原因
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 煮こぼれの固着 | 吹きこぼれた汁が固まり、可動部が動かなくなる |
| 変形 | 重い鍋の落下や強い力による押し込み |
| 水や洗剤の浸入 | 天板の水洗いや洗剤の吹きかけによる内部の腐食 |
| 経年劣化 | 加熱と冷却の繰り返しによる素子や配線の劣化 |
| 配線の断線 | センサーから基板へつながる線の劣化 |
予防できるのは上の3つです。
特に、天板の掃除でスプレー式の洗剤を直接吹きかけるのは避けてください。
公式にも、機器内部に洗剤が入ると作動不良や腐食の原因になると記載されています。
洗剤は布やスポンジに含ませてから使ってください。
修理と交換の判断
パロマの取扱説明書には、この機器の設計上の標準使用期間は10年であり、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後5年間と記載されています。
| 使用年数 | 判断の目安 |
|---|---|
| 7年未満 | 修理で対応できる可能性が高い |
| 7〜10年 | 修理費と部品供給を確認したうえで判断 |
| 10年以上 | 交換を前提に検討 |
| 他の箇所も不調 | 経年劣化が進んでいるため交換を検討 |
パロマ公式のよくあるご質問でも、使用年数の目安はビルトインコンロで7〜10年程度とされており、7年を経過している場合は買い替えの検討も勧められています。
長期使用による経年劣化が原因の場合、複数箇所が同時に傷んでいることがあり、修理が高額になったり困難になったりする点も理由として挙げられています。
修理費用は部品代・作業費・出張費の合計で決まります。
温度センサー単体の交換で済むのか、基板の交換が必要なのかで金額が変わるため、実際の費用は点検後の見積もりで確認してください。
製造年月は、操作部パネルを開いた正面に貼られた銘板で確認できます。
修理を依頼するときに伝えること
パロマ公式の取扱説明書では、点検・修理を依頼する際に次の内容を伝えるよう案内されています。
- 品名・器具名(銘板表示のもの)
- 現象(できるだけ詳しく)
- 購入日・ガス種
- 住所・氏名・電話番号
- 訪問希望日
これに加えて、エラーコードと発生部位の表示を伝えることが求められています。
パロマの表示は15分後に消灯するため、31と一緒に点滅している1桁の数字は気づいた時点で控えておいてください。
あわせて、次の情報があると原因の特定が早くなります。
- 直前に大量の吹きこぼれがなかったか
- 天板を水洗いしたり洗剤を吹きかけたりしなかったか
- センサーが押しても動かない状態か
- 乾電池を交換しても再現するか
温度センサーの改造や取り外しは絶対に行わないでください。
公式に禁止されており、火災の原因になります。
よくある質問
Q1. エラー31が出ていますが、火はつきます。使い続けても大丈夫ですか。
公式の案内は使用の中止です。
温度センサーは調理油過熱防止装置や焦げつき消火機能を支える部品なので、故障している状態では複数の安全機能が信頼できません。
特に揚げ物などの油調理は避けてください。
点検が済むまでのあいだは、ガス栓を閉めておくのが安全です。
Q2. 02と31は何が違うのですか。
02は温度センサーが正常に働いて自動消火した状態、31はその温度センサー自体の故障を示す表示です。
02は原因を取り除いて冷めるのを待てば再点火できますが、31は待っても直りません。
再点火を繰り返しても表示が変わらない、点火してすぐに止まるという場合は31を疑ってください。
表示されている数字を確認するのが確実です。
Q3. センサーを掃除したら直りますか。
汚れの固着で動きが悪くなっていた場合は、改善することがあります。
固く絞った布で上面と側面を拭き、押したときにスムーズに上下するかを確認してください。
このとき、変形させないよう片手を添えて作業します。
掃除しても動きが悪い場合や、31が消えない場合は部品側の異常です。
無理に力を加えず、点検を依頼してください。
Q4. 左コンロで31が出ています。右コンロだけ使ってもよいですか。
推奨されません。
公式の案内は機器全体の使用中止です。
センサーからの信号を処理しているのは共通の制御基板であるため、異常が基板側にある場合は他の口の判定にも影響する可能性があります。
発生部位の数字は、修理を依頼する際に伝える情報として控えておいてください。
Q5. 温度センサーだけを自分で交換できますか。
できません。
公式の取扱説明書では、改造や分解は絶対に行わないよう記載されており、温度センサーの取り外しも禁止されています。
ガス機器の部品交換には資格と専用の点検が必要で、誤った作業はガス漏れや不完全燃焼につながります。
販売店またはパロマサービスコールセンターに依頼してください。
まとめ
パロマのガスコンロに表示されるエラー31は、コンロバーナーの温度センサーの故障を知らせる表示です。
安全装置が働いた02や03とは違い、安全装置そのものに異常が起きている状態を示します。
温度センサーは、調理油過熱防止装置・焦げつき消火機能・異常過熱防止機能を支える部品です。
1つの部品の故障で、複数の安全機能がまとめて信頼できなくなります。
そのため、揚げ物などの油調理は避けてください。
修理を呼ぶ前に、新品の単1形アルカリ乾電池への交換、センサーの汚れの拭き取り、押したときの動きの確認を行ってください。
汚れの固着で動きが悪くなっていただけであれば、掃除で改善することがあります。
それでも消えない場合は、ガス栓を閉めて修理を依頼します。
発生部位が特定できても、他の口だけ使い続けることは推奨されません。
修理か交換かは使用年数と部品の供給状況で判断してください。

