グリルを使おうとしたら点火せず、表示部に「32」または「33」が点滅している。
庫内が冷めるまで待ってみても、状況が変わらない。
エラー32・33は、グリルの過熱防止センサーの故障を知らせる表示です。
庫内が高温になって自動消火した場合の表示とは意味が異なり、安全装置そのものに異常が起きていることを示しています。
この記事では、まず紛らわしい3つの表示を切り分けたうえで、修理を呼ぶ前の確認と判断基準を整理します。
まず3つの表示を切り分ける
グリルまわりでは、状況の異なる3種類の表示が出ます。
ここを取り違えると、直らないものを待ち続けることになります。
| 表示 | 意味 | 状態 | 対処 |
|---|---|---|---|
| 025 | グリル過熱防止機能が働いて自動消火した | 正常 | 約5分待って再点火 |
| H | 庫内が高温でメニュースイッチを受け付けない | 正常 | 庫内が冷めるまで待つ |
| 32・33 | グリルの過熱防止センサーの故障 | 異常 | ガス栓を閉めて修理を依頼 |
025とHは、公式の取扱説明書に記載があります。
グリル過熱防止機能が作動した場合はブザーが鳴ってエラーコード「025」を表示し、庫内が冷めるのを約5分待ってから再点火するよう案内されています。
また、連続使用などで庫内温度が高いとグリルのメニュースイッチを受け付けず、押すと音が鳴って表示部に「H」が表示されると記載されています。
025とHは、時間が解決します。
一方、32・33は待っても変わりません。
庫内が完全に冷えている朝でも同じ表示が出るなら、故障と考えて差し支えありません。
025側の対処はパロマ ガスコンロのエラー02|火が消える理由と再点火の手順で詳しく解説しています。
なお、32と33はいずれもグリルの過熱防止センサーに関する異常を示しますが、番号が分かれているのは検知した内容の違いによるものです。
どちらが表示された場合でも、利用者側の対応は変わりません。
グリル過熱防止センサーが担っている役割
グリル庫内は、コンロの上とは比べものにならない高温になります。
その庫内温度を見張り、異常な温度上昇を検知して自動消火するのが過熱防止センサーです。
このセンサーが働かない状態で懸念されるのは、庫内にたまった脂への着火です。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、ガスこんろの重大事故について、手入れ不足によりグリル内部に蓄積した食材の残さに着火した火災事例を公表しています。
汚れが残っている状態で過熱防止が働かなければ、火災につながります。
公式の取扱説明書でも、部品が故障している場合は使用を中止しガス栓を閉めて連絡するよう案内されています。
修理を呼ぶ前に確認すること
出張費を無駄にしないために、次の3点を確認してください。
1|庫内が完全に冷えているか
まず前提の確認です。
直前にグリルを使った直後であれば、025やHが表示されている可能性があります。
数時間おいて庫内が完全に冷えた状態で、改めて操作してみてください。
冷えた状態でも32・33が出るなら、温度の問題ではありません。
2|乾電池
新品の単1形アルカリ乾電池2個に交換してください。
電圧が下がるとセンサー類の動作が不安定になり、正常な部品でも異常と判定されることがあります。
2個とも同じ銘柄の新品にそろえ、マンガン乾電池や充電池は避けてください。
1年以上交換していない場合は、試す価値があります。
3|庫内と受け皿の汚れ
センサーの周囲に脂や食材のカスが固着していると、正しく温度を検知できません。
次の場所を確認してください。
- グリル庫内の天井と側面
- 受け皿にたまった脂
- 焼網に付いた皮や食材
- 庫内の奥にあるセンサー部の周囲
公式では、受け皿と焼網は使用のつど取り外して洗うことが基本とされています。
庫内は、冷めてから固く絞った布で拭き取ります。
庫内やセンサー部に水を直接かけないでください。
また、アルミはくを敷いて調理すると、庫内の温度が異常に上がったり、はくが飛んでセンサーに付着したりする原因になります。
受け皿への水の要否は機種によって異なります。
水なし両面焼きグリルでは水を入れないよう指定されているため、お手元の取扱説明書で確認してください。
これらを確認しても32・33が消えない場合は、ガス栓を閉めて修理を依頼してください。
コンロだけ使ってよいか
グリルが使えなくても、コンロは点火できることがあります。
そのため「グリルを使わなければよい」と考えたくなります。
しかし、公式の案内は機器の使用中止です。
部品が故障している場合は、使用を中止しガス栓を閉めて連絡するよう記載されています。
理由は、センサーからの信号を処理しているのが機器共通の制御基板だからです。
異常の原因がセンサー本体ではなく基板側にある場合、コンロ側の判定にも影響する可能性があります。
点検までのあいだにどうしても調理が必要な場合でも、油を使う調理と、その場を離れる調理は行わないでください。
表示の読み方はパロマ ビルトインコンロのエラーコード一覧|表示の読み方と対処にまとめています。
故障の原因
グリルのセンサーは、コンロ側の温度センサーより過酷な環境に置かれています。
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 脂の蓄積と炭化 | 庫内にたまった脂が焼き付き、センサーを覆う |
| 高温環境での経年劣化 | 加熱と冷却の繰り返しで素子や配線が傷む |
| 水の浸入 | 庫内の水洗いや、受け皿の水が跳ねることによる腐食 |
| アルミはくの付着 | 敷いたはくが飛んでセンサーに接触する |
| 配線の断線 | センサーから基板へつながる線の劣化 |
このうち予防できるのは、上から3つと4つ目です。
グリルの汚れは、使うたびに落としておくのが結果的にいちばん手間が少なくなります。
焼き付いた脂は、時間がたつほど落ちにくくなり、センサーを覆う原因になります。
修理と交換の判断
パロマの取扱説明書には、この機器の設計上の標準使用期間は10年であり、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後5年間と記載されています。
| 使用年数 | 判断の目安 |
|---|---|
| 7年未満 | 修理で対応できる可能性が高い |
| 7〜10年 | 修理費と部品供給を確認したうえで判断 |
| 10年以上 | 交換を前提に検討 |
| 他の箇所も不調 | 経年劣化が進んでいるため交換を検討 |
パロマ公式のよくあるご質問でも、使用年数の目安はビルトインコンロで7〜10年程度とされており、7年を経過している場合は買い替えの検討も勧められています。
長期使用による経年劣化が原因の場合、複数箇所が同時に傷んでいることがあり、修理が高額になったり困難になったりする点も理由として挙げられています。
グリルのセンサーは庫内の奥に取り付けられているため、交換には分解作業が伴います。
センサー単体の交換で済むのか、基板側も必要なのかで金額が変わるため、実際の費用は点検後の見積もりで確認してください。
修理を依頼するときに伝えること
パロマ公式の取扱説明書では、点検・修理を依頼する際に次の内容を伝えるよう案内されています。
- 品名・器具名(銘板表示のもの)
- 現象(できるだけ詳しく)
- 購入日・ガス種
- 住所・氏名・電話番号
- 訪問希望日
これに加えて、エラーコードと発生部位の表示を伝えることが求められています。
パロマの表示は15分後に消灯するため、32または33と一緒に点滅している1桁の数字は、気づいた時点で控えておいてください。
あわせて、次の情報があると原因の特定が早くなります。
- 庫内が完全に冷えている状態でも表示されるか
- 32と33のどちらが出ているか
- 乾電池を交換しても再現するか
- 直前に庫内を水洗いしたり、アルミはくを使ったりしなかったか
グリル庫内を分解してセンサーを触ることは避けてください。
公式にも、改造や分解は絶対に行わないよう記載されています。
よくある質問
Q1. グリルを使った直後に32が出ました。冷めれば直りますか。
冷めて直るのであれば、それは32ではなく025またはHの可能性があります。
数字をもう一度確認してください。
025はグリル過熱防止機能が働いて自動消火した表示で、約5分待てば再点火できます。
Hは庫内が高温でメニュースイッチを受け付けない状態です。
庫内が完全に冷えた状態でも32や33が出る場合は、センサーの故障です。
Q2. 32と33の違いは何ですか。
どちらもグリルの過熱防止センサーに関する異常を示す表示で、検知した内容の違いで番号が分かれています。
利用者側でできる対応に違いはありません。
いずれの場合もガス栓を閉めて修理を依頼してください。
ただし、修理受付ではどちらの番号が表示されたかを伝えると、原因の特定が早くなります。
Q3. グリルは使わないので、コンロだけ使い続けてもよいですか。
推奨されません。
公式の案内は機器全体の使用中止です。
センサーからの信号を処理しているのは共通の制御基板であるため、異常が基板側にある場合はコンロ側の判定にも影響する可能性があります。
点検が済むまでのあいだは、ガス栓を閉めておくのが安全です。
Q4. 庫内を掃除したら直ることはありますか。
脂の固着でセンサーが覆われていた場合は、改善することがあります。
庫内が冷めてから、固く絞った布で天井と側面、センサー部の周囲を拭き取ってください。
受け皿と焼網は取り外して洗います。
このとき、庫内やセンサー部に水を直接かけないよう注意してください。
掃除しても表示が消えない場合は部品側の異常です。
Q5. アルミはくを敷いて焼いていたのですが、関係ありますか。
関係している可能性があります。
グリル庫内にアルミはくを敷くと、熱がこもって庫内の温度が異常に上がったり、はくが飛んでセンサーに付着したりする原因になります。
公式の取扱説明書でも、庫内にアルミはくを敷いての使用は避けるよう案内されています。
修理を依頼する際は、アルミはくを使用していた旨を伝えてください。
まとめ
パロマのガスコンロに表示されるエラー32・33は、グリルの過熱防止センサーの故障を知らせる表示です。
安全装置が働いた025や、庫内が高温で操作を受け付けないH表示とは意味が異なります。
見分け方は単純です。
庫内が完全に冷えた状態でも表示が出るなら、故障です。
時間をおいて直るのであれば、025かHだったということになります。
修理を呼ぶ前に、庫内が冷えた状態での再操作、新品の単1形アルカリ乾電池への交換、庫内と受け皿の清掃を試してください。
脂の固着でセンサーが覆われていただけであれば、掃除で改善することがあります。
それでも消えない場合は、ガス栓を閉めて修理を依頼します。
グリルを使わなければよいという判断は推奨されません。
異常が制御基板側にある場合、コンロ側の判定にも影響する可能性があるためです。

