シャワーを使っている途中で急に運転が止まり、140が点滅している。
この番号は、熱交換器の温度が上がりすぎたことを検知して、安全のために燃焼を止めた状態を示しています。
ハイリミットスイッチ、いわゆる過熱防止装置が働いた結果です。
ここで多くの方が「ガスが出すぎているのでは」と考えますが、実際の原因は逆であることがほとんどです。
問題はガス側ではなく、水側にあります。
この記事では、なぜ温度が上がりすぎるのか、自分で確認できる範囲、そしてこの番号を軽く扱ってはいけない理由を整理します。
140・141はハイリミットスイッチの作動
パーパスの公式エラー番号一覧では、次のように定義されています。
| 番号 | 2桁表示 | 内容 |
|---|---|---|
| 140 | ― | ハイリミットスイッチ作動/元ガス電磁弁駆動回路異常 |
| 141 | 14 | ハイリミットスイッチ作動 |
| 143 | ― | ハイリミットスイッチ作動(暖房側) |
末尾の数字が部位を示す規則は他の番号と同じで、1が給湯側、3が暖房側です。
2桁表示の機種では、141は「14」として表示されます。
ハイリミットスイッチは、熱交換器まわりの温度が設定値を超えたときにガスを遮断する部品です。
温度ヒューズのような役割で、設定温度の制御ではなく、制御が効かなくなったときの最後の砦にあたります。
なぜ温度が上がりすぎるのか
給湯器は、流れている水を燃焼で温めています。
このとき、水が熱を運び去ってくれるからこそ熱交換器の温度が保たれます。
裏を返せば、水が十分に流れていないのに燃焼が続くと、熱の逃げ場がなくなって一気に温度が上がります。
これが140・141の典型的な発生条件です。
水量が足りなくなる要因としては、次のようなものがあります。
- 給水元栓が全開になっていない、半開のまま使っている
- 水抜き栓に付いているフィルター(ストレーナ)にゴミが詰まっている
- 断水や水道工事のあとに、配管内へ空気が入っている
- 冬季に配管が凍結し、通水が細くなっている
- 熱交換器の内部にスケール(水垢)が堆積し、通り道が狭くなっている
- 追いだき側であれば、循環ポンプが十分に回っていない
このうち、スケールの堆積は年数とともに進み、ある時期から急に140が出始めるきっかけになります。
井戸水や硬度の高い地域では進行が早くなる傾向があります。
リセットで消えても使い続けない
運転スイッチを切って入れ直すと、140が消えることがあります。
温度が下がってスイッチが復帰するためです。
しかし、過熱そのものが起きた事実は変わらず、原因を取り除かなければ必ず再発します。
そして過熱を繰り返すと、熱交換器の金属が傷んで漏水や穴あきにつながります。
判断の目安は次のとおりです。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 一度消えて、その後まったく再発しない | 一時的な検知だった可能性。経過を見る |
| 数日から数週間おきに出る | 原因が残っている。点検を依頼する |
| その日のうちに再発する | 修理を依頼する |
| リセットしても消えない | 修理を依頼する |
あわせて、本体から水がしたたっている、焦げたようなにおいがする場合は、使用を中止して修理を依頼してください。
過熱の影響がすでに部品に及んでいる可能性があります。
自分で確認できること
修理を呼ぶ前に、水側を確認してください。
- 給水元栓が全開になっているか(半開だと湯量が落ちます)
- 本体下部の水抜き栓に付いているフィルターにゴミが詰まっていないか
- 台所や洗面所の蛇口で、水の勢いが以前より落ちていないか
- 浴槽の循環金具のフィルターが詰まっていないか(追いだき時に出る場合)
- 冬季であれば、気温が上がると症状が消えるか
3番は原因の切り分けに役立ちます。
家じゅうで水の勢いが落ちているなら、給湯器ではなく水道側の問題です。
お湯だけ勢いが弱いなら、給湯器の入口から先で流れが細くなっています。
本体のカバーを外して熱交換器を直接触る、ハイリミットスイッチを操作するといった作業は行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
運転直後は内部が高温になっているため、やけどのおそれもあります。
140に「元ガス電磁弁駆動回路異常」が併記されている理由
公式の一覧では、140にもうひとつ別の名称が併記されています。
元ガス電磁弁駆動回路異常です。
元ガス電磁弁は、機器へのガス供給そのものを開け閉めする弁です。
ハイリミットスイッチが働いたときも、この弁を閉じてガスを止めます。
つまりどちらも「ガスを遮断する側」の異常として、同じ番号にまとめられているという構造です。
そのため140が出た場合、過熱によるものか、弁を動かす回路の不具合かは番号だけでは判別できません。
水側を確認しても改善しないのであれば、後者の可能性があります。
いずれにしても修理の依頼が必要です。
143と203は暖房側
暖房専用熱源機や給湯暖房機では、暖房回路にも同様の安全装置があります。
143はハイリミットスイッチの作動で、給湯側の141と同じ性格です。
これとは別に203という番号があり、こちらは空だき安全装置の作動を示します。
暖房回路の水がなくなった状態で燃焼しようとしたときに働く保護です。
暖房が効かない、床暖房が動かないという症状で143や203が出ている場合は、暖房回路の水量や循環を確認する必要があります。
この場合、原因が床暖房マットや配管側にあることもあります。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 給水元栓が半開だった | 全開にして経過を見る |
| 水抜き栓のフィルターが詰まっていた | 掃除して改善するか確認 |
| 冬季のみ発生し、気温が上がると消える | 凍結。配管の保温を検討 |
| 水側に問題がないのに繰り返す | 修理を依頼する |
| 使用年数10年前後で140が出始めた | スケールや熱交換器の劣化。交換と比較 |
| 過熱のあとに水漏れが出た | 熱交換器の損傷。交換が現実的 |
熱交換器の交換は部品代が大きく、費用がかさみやすい修理です。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、そもそも点火しない場合は140ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
他社での安全装置系の番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
よくある質問
Q. 140が出ましたが、リセットしたら普通に使えています。放置してよいですか。
A. 放置は避けてください。ハイリミットスイッチは温度が下がれば復帰するため、リセットで使えるようになるのは自然な動きです。ただし過熱が起きた原因は残っています。まず給水元栓が全開か、水抜き栓のフィルターが詰まっていないかを確認してください。原因が見つからないまま再発する場合は、熱交換器の内部でスケールが堆積している可能性があるため、点検を依頼してください。
Q. シャワーの勢いを弱くすると140が出やすい気がします。
A. その感覚は的外れではありません。給湯器は流れている水に熱を渡しているため、水量が少ないほど熱がこもりやすくなります。ただし通常は機器側が燃焼量を絞って調整するので、正常な機器であれば少ない湯量でも140には至りません。少量出湯で頻繁に出るようなら、水量を検知する部分か燃焼の制御側に不具合が出ている可能性があります。点検を依頼してください。
Q. 断水があった翌日から140が出るようになりました。
A. 配管内に空気が入っている可能性があります。断水や水道工事のあとは、配管にエアがかんで通水が不安定になることがあります。まず水側の蛇口をしばらく開けて、水が濁らず安定して出るようになるまで流してください。そのうえで給湯器を使ってみて、症状が消えるか確認します。改善しない場合は、フィルターに濁り水のゴミが詰まっている可能性があるため、点検を依頼してください。
Q. 140が出たあと、給湯器の下に水が垂れていました。
A. 過熱の影響で熱交換器が損傷している可能性があります。この場合はリセットで動いたとしても使用を続けないでください。給水元栓を閉めて水の供給を止め、修理を依頼してください。なお、感電のおそれがあるため、本体から水漏れがある状態で電源プラグを抜き差しするのは避けてください。冬季は凍結防止機能が働かなくなるため、プラグは差したままにしてください。
Q. 143が出て床暖房が使えません。給湯は問題ありません。
A. 143は暖房側のハイリミットスイッチの作動です。給湯とは回路が別なので、給湯が使えるのは自然な状態です。暖房回路の水量が不足しているか、循環がうまくいっていない可能性があります。暖房回路は独立した循環系なので、給水元栓を確認しても解決しません。床暖房マットや配管側に原因があることもあるため、施工業者を含めて相談してください。
まとめ
パーパスの140・141は、熱交換器の温度が上がりすぎたときに働く過熱防止装置の作動です。
2桁表示の機種では14として出ます。
原因はガス側ではなく水側にあることが多く、湯量が足りない状態で燃焼が続くと温度が逃げ場を失って上がります。
まず給水元栓が全開か、水抜き栓のフィルターが詰まっていないか、蛇口の水の勢いが落ちていないかを確認してください。
冬季であれば凍結の可能性もあります。
リセットすれば消えますが、原因が残っていれば必ず再発します。
過熱を繰り返すと熱交換器の損傷につながるため、再発する時点で点検を依頼してください。
過熱のあとに水漏れが出た場合は、使用を中止して修理を依頼してください。

