お湯の温度が設定どおりにならない、急に熱くなったりぬるくなったりする。
そんな症状とともに311や321が表示されたとき、機器の中で起きているのは温度を測るセンサーが読めなくなっている状態です。
給湯器は温度を測りながらガスの量を調整しています。
測れなければ調整のしようがないため、安全のために燃焼を止めます。
この記事では、どのセンサーが対象なのか、どれが壊れると何が起きるのか、そして冬にだけ症状が出る理由までを整理します。
300番台は温度センサーの断線・短絡
パーパスの公式エラー番号一覧では、300番台にサーミスタ(温度センサー)関連の番号が並んでいます。
一覧では「Th」と略記されており、これがサーミスタを指します。
| 番号 | 2桁表示 | 対象のセンサー |
|---|---|---|
| 300 | ― | 外気温サーミスタ |
| 311 | 31 | 出湯温サーミスタ |
| 321 | 32 | 入水温サーミスタ |
| 331 | 33 | 混合温サーミスタ |
| 341 | 34 | 排気温サーミスタ |
| 351 | 35 | 排気あふれサーミスタ |
いずれも内容は断線または短絡で、処置は修理の依頼です。
2桁表示の機種では、311が「31」、321が「32」として表示されます。
なお341・351は機種の系統によって割り当てが異なり、351が中和器サーミスタとして記載されている表もあります。
型番に対応する取扱説明書で確認してください。
サーミスタは機器の体温計
サーミスタは、温度によって電気の通りにくさが変わる部品です。
機器はその変化を読み取って、今そこが何度なのかを判断しています。
エラーになるのは2つのパターンです。
- 断線:配線が切れて信号が届かない
- 短絡:配線がショートして、あり得ない値が返ってくる
どちらも「温度が読めない」という結果は同じです。
機器は温度が分からないまま燃焼を続けることを避けるため、安全側に倒して停止します。
これは故障を知らせているだけでなく、熱すぎるお湯が出るのを防いでいる動作でもあります。
どのセンサーかで起きることが変わる
同じ300番台でも、測っている場所が違えば症状が変わります。
| 番号 | 測っている場所 | 読めなくなると |
|---|---|---|
| 311 | 給湯器から出ていくお湯の温度 | 出口の温度が管理できず停止する |
| 321 | 入ってくる水の温度 | 必要な燃焼量を決められない |
| 331 | 混合したあとの温度 | 設定温度どおりにならない |
| 300 | 外気温 | 凍結予防の判断に影響する |
| 341・351 | 排気の温度 | 給排気の異常を検知できない |
とくに321は、冬にだけ症状が表面化することがあります。
入ってくる水の温度は季節で大きく変わり、夏場は20℃前後、真冬は5℃前後まで下がります。
機器はこの差を読み取って燃焼量を決めているため、入水温が正しく測れないと、水温が低い冬ほど影響が大きくなります。
341と351は、温度を測ることで給排気の異常を捉えるためのセンサーです。
数字の並びは他の300番台と同じですが、役割は温度管理ではなく安全監視に近いものになります。
自分で対処できるか
結論から言えば、できません。
サーミスタは機器内部に取り付けられており、交換には分解が必要です。
本体のカバーを外して配線を確認する、センサーを触るといった作業は行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
できるのは、運転スイッチを切って入れ直し、再発するかどうかを確認することまでです。
リセットで一時的に消えることがある理由
300番台は、リセットするといったん消えることがあります。
これはセンサーが直ったからではありません。
配線の接触が不安定になっている場合、電源を入れ直した瞬間には正常な値が読めることがあります。
また、結露した水分が乾けば一時的に導通が戻ることもあります。
消えたのは条件がたまたま揃っただけで、劣化そのものは進んでいます。
判断の目安は次のとおりです。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 一度消えて、その後まったく再発しない | 経過を見る |
| 数日から数週間おきに出る | 接触不良が進行中。点検を依頼する |
| その日のうちに再発する | 修理を依頼する |
| リセットしても消えない | 断線・短絡が確定。修理を依頼する |
天候や気温で症状が変わる場合
次のようなパターンがあれば、センサー本体ではなく配線側が疑われます。
- 雨の日や湿度の高い日にだけ出る
- 冷え込んだ朝だけ出て、昼には消える
- 強風の日に出やすい
配線の被覆が傷んでいる、端子が腐食している、接続部に結露が生じているといった状態では、温度や湿度で導通が変わります。
症状が出る条件をメモして修理時に伝えると、原因の特定が早くなります。
なお、湯温が安定しない症状には、センサー以外の原因もあります。
熱くなりすぎて停止する場合は過熱防止装置の作動、湯量そのものが変動する場合は水制御弁の不具合が考えられます。
表示された番号を正確に読み取ってから判断してください。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 1つの番号だけが出て、使用年数が浅い | センサー交換で対応 |
| 天候によって症状が変わる | 配線側の可能性。修理時に伝える |
| 複数の300番台が同時に出る | 基板側の可能性。修理費用を確認 |
| 使用年数10年前後で繰り返す | 交換と比較して判断 |
| 300番台に加えて他系統の番号も出ている | 全体の劣化が進行。交換を検討 |
サーミスタ単体の交換であれば、比較的軽い修理で済むことが多い部類です。
一方で複数の300番台が同時に出ている場合は、センサーではなく信号を受ける基板側が疑われます。
この場合は費用が上がるため、本体交換との比較が必要になります。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、そもそも点火しない場合は300番台ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
他社での番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
よくある質問
Q. 311が出ていますが、お湯は使えています。急ぎませんか。
A. 使えているうちは生活に支障がないため後回しにしがちですが、311は出ていくお湯の温度を管理するセンサーの異常です。この状態では、設定より熱いお湯が出てもすぐに検知できません。やけどにつながる可能性があるため、小さなお子さんや高齢の方がいる家庭ではとくに早めの対応をおすすめします。使用を続ける場合は、蛇口から出るお湯の温度を都度確認してください。
Q. 冬になってから321が出るようになりました。夏は出ませんでした。
A. 入水温サーミスタの異常が、水温の低い時期に表面化したと考えられます。給湯器は入ってくる水の温度を読んで燃焼量を決めており、冬は水温が下がる分だけ大きく加熱する必要があります。センサーの精度が落ちていると、水温が低いほどずれが目立ちます。夏に出なかったからといって直ったわけではないので、点検を依頼してください。
Q. リセットしたら消えました。修理は必要ですか。
A. 一度きりで再発しないなら、すぐに手配する必要はありませんが、日付を控えておいてください。300番台がリセットで消えるのは、配線の接触が一時的に戻ったか、結露が乾いたためであることが多く、劣化は進んでいます。数週間以内に再発するようであれば、点検を依頼する段階です。とくに雨の日や寒い朝など、条件が決まっている場合は配線側が疑われます。
Q. 300番台が2つ同時に出ています。センサーを2つ交換するのですか。
A. その可能性もありますが、複数のセンサーが同時に壊れることは多くありません。信号を受け取る基板側に問題があると、複数の番号が同時に出ることがあります。この場合はセンサーを交換しても改善しません。修理を依頼する際に、出ている番号をすべて伝えてください。基板交換になると費用が上がるため、本体交換との比較が必要になります。
Q. 341や351も300番台ですが、同じ扱いですか。
A. 部品としては同じサーミスタですが、役割が違います。341は排気の温度、351は排気あふれを検知するためのセンサーで、温度管理ではなく安全監視に使われています。これらが機能しないと、給排気の異常を検知できなくなります。湯温が安定しないという症状とは結びつかないため、311や321とは別の問題として扱ってください。いずれも修理の依頼が必要です。
まとめ
パーパスの300番台は、温度を測るサーミスタの断線または短絡を示す番号です。
311が出ていくお湯、321が入ってくる水、331が混合後の温度を測っています。
2桁表示の機種では31・32・33として出ます。
どのセンサーが読めなくなったかで症状が変わり、とくに321は水温の下がる冬に表面化しやすくなります。
サーミスタは機器内部の部品なので、自分で対処できる範囲はありません。
リセットで一時的に消えることがありますが、直ったわけではありません。
雨の日や寒い朝だけ出るといったパターンがあれば、配線側が疑われるため、その条件を修理時に伝えてください。
複数の300番台が同時に出ている場合は基板側の可能性があり、費用が上がるため本体交換との比較が必要になります。

