蛇口をひねっても水しか出てこない、シャワーの途中で急に冷たくなった。
こうなると本体の故障をまず疑いたくなりますが、パーパスの給湯器でお湯が出ない原因は、機器の外側にあることが少なくありません。
ガスメーターが安全装置で遮断している、冬場に配管が凍っている、水栓側の不具合といったケースでは、修理を呼んでも「異常なし」で終わってしまいます。
切り分けの鍵になるのは、リモコンに番号が出ているかどうかです。
この記事では、表示の状態から原因を順に絞り込み、自分で復帰できる範囲と修理を依頼すべき境目を整理します。
まず確認する3点
修理を呼ぶ前に、次の3つを確認してください。
ここで原因の大半が絞り込めます。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| リモコンの表示 | 番号が点滅しているか、何も映っていないか、通常表示か |
| 水は出るか | お湯だけ出ないのか、水も出ないのか |
| 範囲 | 家じゅうの蛇口か、浴室だけ・台所だけか |
水も出ない場合は給湯器の問題ではなく、断水・止水栓・水道の凍結が原因です。
一箇所だけお湯が出ない場合は、その水栓側の不具合である可能性が高くなります。
以降は「家じゅうでお湯だけが出ない」ケースを軸に見ていきます。
リモコンに番号が出ているとき
番号は、機器が何を検知して停止したかを示しています。
まずは番号を正確に読み取ってください。
| 番号 | 意味 | 自分で対処できるか |
|---|---|---|
| 111・121 | 給湯の点火不良・失火 | ガス供給の確認で復帰することがある |
| 112・122 | ふろの点火不良・失火 | 同上 |
| 011・021 | 1時間の連続燃焼による停止 | 給湯栓を閉じれば復帰する |
| 140・141 | ハイリミットスイッチの作動 | 修理が必要 |
| 252・562 | 水流スイッチ・注湯電磁弁の異常 | 凍結が原因なら解凍後に復帰する |
| 290・291 | ドレン配管の詰まり・中和器の詰まり | 凍結が原因なら復帰する |
| 510・511 | ガス電磁弁の異常 | 修理が必要 |
| 610・611 | 燃焼ファンの異常 | 修理が必要 |
| 700番台 | 電装基板・駆動回路の異常 | 修理が必要 |
| 900・901 | 給排気閉塞・給気汚染 | 設置環境を確認。改善しなければ修理 |
このうち、もっとも頻度が高く、かつ自分で解決できる可能性があるのが111と121です。
点火に必要なガスが届いていないだけ、というケースが多いためです。
ガスの元栓が閉まっていないか、コンロなど他のガス機器は使えるかを確認してください。
詳しくはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
なお、900・901が出ている場合や、排気口の周辺がすすけている場合は不完全燃焼のおそれがあります。
運転を止めて換気し、使用を再開せずに修理を依頼してください。
番号は出ていないのにお湯が出ないとき
リモコンは通常どおり点いているのに点火しない場合、ガスメーター(マイコンメーター)が供給を止めている可能性があります。
マイコンメーターには、地震・長時間の連続使用・ガス漏れの疑いなどを検知して自動的に遮断する安全装置が組み込まれています。
パーパスも、ガスメーターが遮断するとリモコンに11・12・111・121などのエラーが表示されると案内しています。
つまり番号が出るケースと出ないケースの両方があるため、番号がなくてもメーターは確認する価値があります。
確認は、メーターの表示ランプが赤く点滅していないかを見るだけです。
点滅していれば安全装置が作動しています。
すべてのガス機器を止めてから復帰ボタンを押し、1分から3分ほどのガス漏れ確認時間を待てば復帰します。
ただし、ガス臭いときは復帰操作をせず、その場でガス会社に連絡してください。
遮断の理由によって呼び方が変わり、長時間使い続けたことによる遮断はAC遮断(長時間使用遮断)と呼ばれます。
仕組みと復帰の詳細はガスメーターのAC遮断とは?ACガス止めの原因と復帰方法、シャワーの出しっぱなしで止まったケースはシャワーを出しっぱなしにしたらガスが止まった|原因と正しい復帰手順でそれぞれ整理しています。
LPガスの場合は、単純にガス切れということもあります。
ボンベの交換時期が来ていないか、検針票に記載の販売店に確認してください。
リモコンに何も映らないとき
表示自体が消えている場合は、給湯器に電気が届いていません。
パーパスの公式案内では、次の順で確認するよう示されています。
- 宅内の分電盤でブレーカーが落ちていないか確認し、落ちていれば復帰させる
- 給湯器本体のコンセントプラグがしっかり差し込まれているか確認する
- それでも直らない場合、プラグを抜いて10秒程度待ってから差し直す
台風や大雨、落雷のあとに表示が消えた場合は、給湯器に内蔵されている漏電ブレーカーが作動していることがあります。
この場合もプラグの抜き差しで復帰する可能性があります。
ただし、本体から水漏れがある状態では、感電のおそれがあるためプラグの抜き差しをせず、そのまま修理を依頼してください。
雨が降っている最中や、コンセント周辺が濡れているときの操作も避けてください。
冬にお湯が出ないとき
気温が下がった朝だけお湯が出ない、というときは凍結を疑います。
ここで知っておきたいのは、凍っている場所です。
パーパスによれば、給湯器は外気温が下がると本体内部の電気ヒーターが自動的に作動するため、通電していて温度検知部に異常がなければ機器の内部が凍ることはありません。
凍っているのは給湯器から蛇口までの配管である可能性が高い、という考え方になります。
この場合、基本は気温が上がって自然に解けるのを待ちます。
日が高くなる昼前後に再度確認してください。
290・291が出ている場合
エコジョーズは燃焼時にドレンと呼ばれる水が発生し、ドレン配管から排出しています。
この配管が凍って詰まると、水が排出できず290・291が表示されて燃焼が止まります。
温暖な地域でも寒波のときに起きるトラブルです。
すぐにお湯を使いたい場合の応急処置として、パーパスは次の手順を案内しています。
- ドレン排出配管のまわりにタオルを巻く
- 30〜40℃のぬるま湯を、巻いたタオルにゆっくりかける
- タオルを外し、配管まわりの水を乾いた布で拭き取る
熱湯をかけると配管が破裂するおそれがあるため、絶対に行わないでください。
拭き取りを省くと、かけた水が再び凍って同じ状態に戻ってしまいます。
なお、気温が上がっても290・291が消えない場合は、凍結ではなく中和器そのものの詰まりが疑われます。
このときは修理の依頼が必要です。
冬に気をつけたい残り湯
設置フリータイプのふろ給湯器は、凍結の心配がある時期に浴槽の残り湯を循環金具の上まで残しておくことが推奨されています。
外気温が下がると追い焚き側のポンプが自動的に動いて水を循環させ、凍結を防ぐ仕組みだからです。
残り湯がないと電気ヒーターでの制御に切り替わり、長時間の作動でパッキンやOリングが熱の影響を受けます。
冬場に浴槽の水を抜いてしまう習慣がある方は、注意しておくとよい点です。
浴室だけ、台所だけお湯が出ないとき
家じゅうではなく特定の場所だけお湯が出ない場合、給湯器ではなく水栓側の問題です。
考えられるのは次の3つです。
- サーモスタット混合水栓のカートリッジ劣化により、お湯側に切り替わらない
- 給湯器の設定温度が低く、水栓側で温度調整の幅がなくなっている
- 水栓内部にゴミが噛み込み、お湯側の通路をふさいでいる
判断方法は簡単で、別の蛇口でお湯が出るかを試すだけです。
他の場所でお湯が出るなら、給湯器は正常に動いています。
給湯器の設定温度を1〜2℃上げてみて改善するようなら、設定と水栓のかみ合わせの問題です。
修理を呼ぶか、交換を検討するかの判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| ガスメーターの復帰や解凍で直った | 経過を見る。再発すれば原因を確認 |
| 同じ番号が数日おきに出る | 点検を依頼する |
| リセットしても番号が消えない | 修理を依頼する |
| 使用年数が10年前後で症状が繰り返す | 修理費用を確認したうえで交換も検討 |
| 使用年数12年以上、修理歴が複数回 | 交換が現実的 |
判断の目安としては、修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
また、補修用の部品は製造終了からおおむね10年で供給が終わるため、年数が経った機器では修理そのものができないこともあります。
交換時期の見極め方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで詳しく整理しています。
よくある質問
Q. お湯だけが出ず、水は普通に出ます。給湯器の故障でしょうか。
A. 給湯器の故障とは限りません。水が出ているということは水道と配管は正常なので、確認すべきはガス側と点火です。まずリモコンに番号が出ていないかを見て、次にコンロなど他のガス機器が使えるかを試してください。他のガス機器も使えない場合はガスメーターの遮断かガス切れです。他のガス機器は使えるのに給湯器だけ点火しない場合は、機器側の点火系や電磁弁の不具合が疑われます。
Q. お湯は出ますが、ぬるくて設定温度になりません。
A. まず給湯器の設定温度を確認してください。設定が低いまま水栓側で調整しようとすると、温度が上がりきりません。設定が適切なのにぬるい場合は、温度センサーの異常や水量制御弁の劣化が考えられます。冬場は入ってくる水の温度が下がるため、使用する湯量が機器の能力を超えてぬるくなることもあります。複数の蛇口を同時に使っていないかも確認してみてください。
Q. 朝だけお湯が出ず、昼になると使えるようになります。
A. 配管の凍結です。夜間から明け方にかけて外気温が下がり、給湯器から蛇口までの配管内で水が凍ることで起こります。気温が上がると自然に解けるため、故障ではありません。ただし毎年繰り返す場合は、配管の保温材が劣化しているか、保温されていない区間がある可能性があります。凍結が続くと配管の破裂につながるため、保温材の追加を検討してください。
Q. しばらく使っていなかった別荘の給湯器からお湯が出ません。
A. 長期間使っていない場合、水抜きをしたままになっていないかを確認してください。水抜き栓が開いたままだと配管に水が満たされず、給湯器が水流を検知できないため点火しません。また、電源プラグを抜いたままにしていた場合は凍結防止機能が働いておらず、配管が凍結または破損している可能性もあります。給水元栓を開けて水を通し、漏れがないか確認してから運転してください。
Q. 地震のあとからお湯が出なくなりました。
A. 震度5相当以上の揺れを感知すると、ガスメーターが安全のためにガスを遮断します。給湯器本体は正常でも点火しなくなるため、まずメーターの表示ランプを確認してください。赤く点滅していれば安全装置の作動です。すべてのガス機器を止めてから復帰ボタンを押し、ガス漏れ確認の時間を待てば復帰します。ガス臭さを感じる場合は復帰操作をせず、ガス会社に連絡してください。
まとめ
パーパスの給湯器からお湯が出ないとき、最初に見るべきはリモコンです。
番号が出ていれば、その番号が自分で対処できる種類かどうかで行動が決まります。
番号が出ていないのに点火しないならガスメーターの遮断を、表示自体が消えているならブレーカーと電源プラグを確認してください。
冬の朝だけ出ない場合は配管の凍結が濃厚で、気温の上昇を待つのが基本です。
自分で確認できるのは、ガス供給・電源・凍結・水栓の4つです。
ここを一通り見て改善しないなら、原因は機器の内部にあります。
そのときは番号と使用年数を控えたうえで、修理を依頼するか交換を検討するかの判断に進んでください。

