シャワーを浴びている最中に急にお湯が水になり、リモコンを見たら「140」や「14」が点滅していた。
見慣れない数字が出ると「壊れたのでは」と不安になりますが、この表示は給湯器が勝手に故障を起こしたことを知らせるものではありません。
機器の内部温度が上がりすぎた状態を検知し、安全装置が燃焼を止めた結果として出ているサインです。
ただし、電源を入れ直せば元通りになるタイプのエラーとは性質が異なります。
リンナイは140・14について「部品の不具合により安全装置が作動している」と説明しており、点検・修理が前提のコードだと考えたほうが実態に合っています。
この記事では、140と14の違い、表示されたときにまず確認すべき安全上のポイント、自分でできる範囲の見極め、メーカーが公表している修理費用の目安、そして修理と交換のどちらを選ぶかの判断基準までを整理します。
エラー140・14が示しているのは「安全装置が働いて止まった」状態
エラー140、および2桁表示の14は、温度ヒューズ・過熱防止装置が作動したときに表示されるコードです。
リンナイの公式Q&Aでは、部品の不具合によって安全装置が作動している状態と説明されており、考えられる故障箇所として熱交換器と温度ヒューズが挙げられています。
温度ヒューズは、決められた温度を超えると溶けて電気の流れを断ち、燃焼を強制的に止める部品です。
一度切れると自己復帰しない設計になっているものが多く、これは「異常な高温が起きたなら二度と勝手に燃やさない」という考え方に基づいています。
過熱防止装置(ハイリミットスイッチ)も同じ役割を担い、熱交換器まわりが想定外の温度になったときに動作します。
つまり140・14は、機器が壊れたことを知らせる表示というより、危険な温度状態を検知して自分を止めたという記録に近いものです。
同じ「過熱防止装置が働く」という現象は、給湯器に限らず燃焼機器全般で起こります。
装置そのものの考え方についてはストーブの「過熱防止装置」とは?エラーが表示される本当の原因でも解説しています。
なぜ「140」と「14」の2種類があるのか
リンナイの給湯器は、機種タイプによって同じ異常でも表示される桁数が変わります。
おいだき機能が付いたふろ給湯器・給湯暖房機では3桁、おいだき機能のない給湯専用機では下2桁を落とした2桁で表示されるのが基本です。
| 表示 | 主な対象機種 | 内容 |
|---|---|---|
| 140 | ふろ給湯器・給湯暖房機(おいだき付き) | 温度ヒューズ・過熱防止装置の作動 |
| 14 | 給湯専用機(おいだきなし) | 同上 |
異常の中身は同じなので、「140が出た人と14が出た人で対処が変わる」ということはありません。
違うのは桁数だけだと理解しておけば十分です。
なお2桁表示の14については、公式に対処方法として運転スイッチを一度「切」にし、再度「入」にしてから再使用する手順が案内されています。
「141」が表示されている場合は意味が少し異なる
数字が1つ違うだけの141というコードもあり、こちらは温度ヒューズに加えてハイリミットスイッチの作動を含む表示です。
リンナイは141について、給湯器内部の安全装置が作動しており、故障の可能性があるため修理が必要と案内しています。
考えられる箇所として、熱交換器カシメ(組)・温度ヒューズ・電装ユニットが挙げられています。
141は140よりもさらに「自力で解消する余地が小さい」コードだと考えてください。
リモコンの表示を控えるときは、140なのか141なのかを見間違えないよう注意が必要です。
表示されたときに最初に確認すること
140・14は温度に関わるエラーです。
そのため、まず優先すべきは復旧作業ではなく、危険な状態が起きていないかの確認になります。
次のいずれかに当てはまる場合は、再操作を試さず、ただちに使用を中止してガス栓を閉め、窓を開けて換気したうえでガス会社またはリンナイへ連絡してください。
- ガスのにおいがする
- 焦げ臭いにおい、ゴムやプラスチックが焼けるようなにおいがする
- 給湯器本体から煙が出ている
- 本体から普段と違う異音(バンという音、連続した異音)がする
- 本体の外装が変色している、触れないほど熱い
これらは、燃焼状態そのものに異常が起きているサインです。
エラーコードの意味を調べるより先に止めるべき状況にあたります。
一方、こうした症状がなく、単に運転が止まってエラー表示だけが出ている場合は、次の項目を落ち着いて確認します。
| 確認箇所 | 見るポイント |
|---|---|
| 給気口・排気口 | 落ち葉、ホコリ、クモの巣、雪などで塞がっていないか |
| 本体まわり | 荷物・段ボール・自転車カバーなどが密着していないか |
| 排気トップ周辺 | 増築物や目隠しフェンスで囲われていないか |
| 本体下部 | 水漏れの跡がないか |
給排気がふさがれた状態で燃焼を続けると、熱がこもって内部温度が上がりやすくなります。
給湯器の周囲に物を置いてしまい、それがきっかけになっていたというケースは珍しくありません。
また本体下部から水がにじんでいる場合は別の問題が進行している可能性があるため、給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由もあわせて確認しておくと状況を整理しやすくなります。
自分でできる対処は「リセット1回」までと考える
安全上の異常がないことを確認できたら、再操作を1回だけ試します。
手順は次のとおりです。
- 蛇口・シャワーをすべて閉じ、お湯の使用を止める
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- そのまま2〜3分ほど待ち、機器内部が冷めるのを待つ
- 運転スイッチを「入」にする
- お湯を出して、正常に燃焼するかを確認する
ここで表示が消え、その後まったく再発しないのであれば、一時的な検知だった可能性があります。
ただし140・14は「消えたから解決」と判断してよいエラーではありません。
リンナイ自身が部品の不具合による安全装置の作動と説明している以上、表示が消えても内部に原因が残っている前提で考えるのが妥当です。
リセットを何度も繰り返してはいけない理由
エラーが出るたびに電源を入れ直して使い続ける、という対応は避けてください。
安全装置が作動したという事実は、内部で想定外の温度が発生したという事実とセットです。
原因が解消されないまま燃焼を再開させれば、同じ高温状態が繰り返されることになります。
目安として、リセットで復帰しても短期間のうちに再表示する場合は、それ以上の再操作をせず点検を依頼してください。
「1日のうちに2回以上」「1週間に何度も」といった頻度で出るようであれば、明確に修理の領域です。
140・14が出る背景にあるもの
温度ヒューズや過熱防止装置は、それ自体が勝手に壊れることもありますが、多くの場合は「熱がこもる状況」が先にあります。
代表的な背景を整理すると次のようになります。
| 背景 | 起きていること | 自分で確認できるか |
|---|---|---|
| 熱交換器の詰まり・スケール付着 | 水の通り道が狭くなり局所的に高温になる | 不可 |
| 給排気通路の閉塞 | 熱が排出されず内部にこもる | 一部可能(外観確認) |
| 熱交換器フィンのホコリ詰まり | 熱交換効率が落ち温度が上がる | 不可 |
| 温度ヒューズ・過熱防止装置の劣化 | 正常温度でも作動してしまう | 不可 |
| 電装ユニットの不具合 | 温度制御が正しく働かない | 不可 |
このうち利用者側で確認できるのは、実質的に給排気まわりの外観だけです。
熱交換器の内部状態は分解しないと分からず、点検にはガス機器の資格が必要になります。
インターネット上には部品交換を自分で行う情報も見られますが、ガス機器の分解・部品交換は資格のない人が行ってはいけません。
安全装置に関わる部品であればなおさらです。
なお、給湯器で井戸水や硬度の高い水を使っている環境では、熱交換器内部にスケールが付着しやすくなります。
同じ使用年数でも劣化の進み方に差が出るのはこのためで、地域や水質によって事情が変わる部分です。
修理費用の目安
リンナイは、保証期間が終了した機器に対する出張修理料金の目安を公式に公開しています。
140・14に該当する費用は次のとおりです。
| 表示 | 修理料金の目安(税込) |
|---|---|
| 140 | 37,900円〜63,200円 |
| 14 | 37,900円〜50,600円 |
いずれも、機種・故障箇所・部品の組み合わせによって変動します。
また、次の点は見落としやすいので事前に把握しておいてください。
- 訪問した結果、修理を行わなかった場合でも出張費や故障診断料が発生する
- 高所や狭所など設置状況によって追加費用が生じることがある
- 故障箇所が複数にわたる場合、目安金額を超えることがある
4万円前後からという水準は、給湯器の修理としては軽いほうではありません。
熱交換器の交換にまで及ぶと、本体交換費用との差が小さくなっていきます。
そのため140・14は、修理するか交換するかを一度立ち止まって考えるべきコードだといえます。
修理と交換、どちらを選ぶかの判断基準
判断で最も効いてくるのは使用年数です。
給湯器は設計上の標準使用期間が10年に設定されている製品で、部品の保有期間も製造終了からおおむね10年です。
| 使用年数 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 5年未満 | 修理を優先。保証が残っていれば無償対応の可能性もある |
| 5〜8年 | 修理が現実的。ただし今後の出費を見込んでおく |
| 8〜10年 | 修理費が4万円を超えるなら交換の検討価値が出てくる |
| 10年以上 | 交換を軸に検討。修理しても他の部品が続けて劣化しやすい |
10年以上使っている機器で140・14が出た場合、温度ヒューズだけを交換しても、その先に熱交換器やファンモーターの劣化が控えていることが少なくありません。
実際の費用は業者や工事条件によって変わるため、最終的には見積もりで確認する必要があります。
交換時期の見極め方については給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されやすいサインで詳しく整理しています。
なお、リモコンに「88」または「888」が一緒に表示されている、あるいは過去に表示されていた機器は、すでに使用年数10年相当に達しているという合図です。
その意味についてはリンナイ給湯器のエラー88・888の解除方法|故障ではない?表示の意味と正しい対処で解説しています。
再発を防ぐためにできること
140・14は部品の不具合が主因のため、利用者側で完全に防げるものではありません。
ただし、熱がこもる条件を減らしておくことで、負担を軽くすることはできます。
- 給湯器の周囲30cm程度には物を置かない
- 給気口まわりのホコリを季節の変わり目に払う
- 落ち葉が多い環境では秋口に排気トップ周辺を確認する
- 積雪地では、雪が排気口を埋めていないか冬季にこまめに見る
- 設置から10年を目安に、メーカーの点検を検討する
特に見落としやすいのが、本体の前に物置や自転車カバーを置いてしまうケースです。
設置当初は空間が確保されていても、生活の中で少しずつ物が寄ってくることがあります。
なお、同じ「お湯が出ない」でも、点火そのものができていない場合は表示されるコードが変わります。
リモコンに111や11が出ていた場合は、リンナイ給湯器のエラー11・111とは?点火不良の原因と正しい対処法を確認してください。
よくある質問
Q1. エラー140が出ましたが、リセットしたら消えました。このまま使い続けても大丈夫ですか。
一度で消えて再発しないのであれば、すぐに使用できなくなる状態ではありません。
ただし140は安全装置が作動した記録であり、内部に原因が残っている可能性は残ります。
使い続ける場合でも、再表示がないか、お湯の温度が不安定になっていないかを意識して観察してください。
短期間で再び表示されたときは、それ以上の再操作をせずに点検を依頼するのが安全です。
Q2. 140と14で、修理の内容や緊急度に違いはありますか。
異常の内容は同じで、桁数の違いは機種タイプによるものです。
おいだき機能付きの機種では140、給湯専用機では14と表示されます。
緊急度に差はなく、どちらも温度ヒューズ・過熱防止装置の作動を意味します。
ただし公表されている修理料金の目安には幅の違いがあり、140のほうが上限が高く設定されています。
Q3. 温度ヒューズは部品だけ買って自分で交換できませんか。
できません。
ガス機器の分解や部品交換には資格が必要で、無資格での作業は法令上も認められていません。
温度ヒューズは安全装置そのものであり、取り付け方や部品選定を誤ると、異常な高温を検知できない状態で燃焼させることになります。
費用を抑えたい場合でも、必ずメーカーまたは有資格の業者に依頼してください。
Q4. 冬場だけ140が出ます。寒さが原因でしょうか。
気温そのものが直接の原因になることは多くありませんが、冬季特有の条件が影響することはあります。
積雪で排気口が塞がれる、防寒のために本体をカバーで覆ってしまう、といった状況では熱がこもりやすくなります。
まずは給排気まわりが物理的に塞がれていないかを確認してください。
それでも季節を問わず繰り返すようであれば、部品側の劣化を疑う段階です。
Q5. 修理を依頼するとき、何を伝えればスムーズですか。
リモコンに表示された数字(140・14・141の区別)、表示されたときの状況、症状の頻度の3点が役立ちます。
「シャワー使用中に出た」「湯はり中に止まった」など、どの動作で起きたかを添えると原因の絞り込みが早くなります。
あわせて、本体側面や下部に記載された型式と製造年を控えておくと、部品の有無や修理可否の判断が短時間で済みます。
まとめ
リンナイ給湯器のエラー140・14は、温度ヒューズ・過熱防止装置が作動して燃焼を停止した状態を示すコードです。
リンナイは部品の不具合による安全装置の作動と説明しており、リセットで表示が消えても解決したとは限りません。
- ガス臭・焦げ臭・煙・異音がある場合は再操作せず使用を中止する
- 再操作は1回まで、短期間で再発したら点検を依頼する
- 修理費用の目安は140で37,900円〜63,200円、14で37,900円〜50,600円
- 使用年数が10年前後なら、修理より交換を軸に検討する
温度に関わる安全装置が働いたという事実は、機器が自分を守るために正しく動作した証でもあります。
その合図を無視して使い続けないことが、結果として一番安全で、費用面でも損の少ない選択になります。

