エコジョーズを使っていて、リモコンに291が出て燃焼が止まった。
中和器という聞き慣れない部品の名前が出てくると、大がかりな修理を想像してしまいます。
ただ、冬季に出た291は、部品の故障ではなく配管の凍結であることがあります。
この場合、氷が解ければそのまま使えます。
一方で、季節を問わず出るなら排水経路のどこかが詰まっています。
この記事では、中和器が何をしている部品かを押さえたうえで、凍結と詰まりの見分け方、応急処置の手順、そして寿命を示す921・931との違いを整理します。
291は中和器の詰まり、290は排水側の異常
パーパスの公式エラー番号一覧では、この2つは別のものとして扱われています。
| 番号 | 内容 | 処置 |
|---|---|---|
| 290 | ドレン排水にかかわるポンプの故障 | 修理を依頼 |
| 291 | 中和器の詰まり | 修理を依頼 |
どちらも公式の処置は修理の依頼です。
ただし後述するとおり、冬季については別の案内が出ています。
中和器は何をしている部品か
エコジョーズは、従来型の給湯器が排気として捨てていた熱を回収することで、熱効率を約80%から約90〜95%へ高めています。
この熱回収の過程で、排気中の水蒸気が冷やされて水になります。
これがドレン排水です。
問題は、このドレン排水がpH3程度の酸性であることです。
そのまま流すと配管を傷めるため、炭酸カルシウムを充填した中和器を通してpH7程度の中性にしてから排出しています。
つまり中和器は、酸性の水を中性に変えてから外に出すためのフィルターのような部品です。
ここが詰まると、ドレン排水を処理できなくなり、機器は燃焼を止めます。
排水できないまま運転を続けると、酸性の水が機器内部にたまってしまうためです。
エコジョーズではない従来型の給湯器には中和器がないため、291が出ることはありません。
冬に出た291は凍結の可能性が高い
パーパスは公式のよくある質問で、配管が凍結した場合にリモコンへ290や291が表示されると案内しています。
ドレン排水を流す配管が凍って詰まると、水が排出できず、中和器の詰まりと同じ状態になるためです。
すぐにお湯を使いたい場合の応急処置として、次の手順が示されています。
- ドレン排出配管のまわりにタオルを巻く
- 30〜40℃のぬるま湯を、巻いたタオルにゆっくりかける
- タオルを外し、配管まわりの水を乾いた布で拭き取る
熱湯をかけると配管が破裂するおそれがあるため、絶対に行わないでください。
また、3番の拭き取りを省くと、かけた水が再び凍って同じ状態に戻ります。
急がないのであれば、気温が上がって自然に解けるのを待つのが安全です。
ドレン配管は細く、屋外にむき出しで這わせてあることが多いため、給水管より先に凍ります。
温暖な地域でも寒波の朝には起こります。
凍結でない291は排水経路の詰まり
気温が上がっても291が消えない場合は、実際にどこかが詰まっています。
自分で確認できるのは、機器の外に出ている部分までです。
ドレンホースの先端
排水口まで届いていないホースが、地面に接していたり、落ち葉や土に埋もれていたりすると水が出ていきません。先端が上を向いていないか、虫やクモの巣でふさがれていないかも見てください。冬場は先端に氷の塊ができていることもあります。
ホースの折れ曲がり
物を置いた拍子に踏まれて潰れている、経年で癖がついて折れているといったケースがあります。
配管の勾配
ドレン排水は自然に流れ落ちる前提の配管です。途中で持ち上がっていると水がたまります。設置やリフォームの直後から出始めた場合は、ここを疑います。
中和器そのものの詰まり
外側に問題がなければ、機器内部の中和器が詰まっています。ここは分解が必要になるため、修理の依頼が必要です。
ホースの先端を確認して改善しなければ、そこから先は自分で対処できる範囲を超えます。
中和器の交換をDIYで行う情報も出回っていますが、メーカーが公式に手順を公開しているものではなく、保証の対象外になるおそれもあります。
ドレンマジック搭載機での注意点
パーパスには、ドレン配管を新たに引けない既築の集合住宅向けに「ドレンマジック」という仕組みを備えた機種があります。
通常のエコジョーズがドレン排水を専用配管から屋外へ流すのに対し、この方式では処理の経路が違います。
内蔵の中和器で中和したドレン水をいったんドレンタンクに回収し、タンクに一定量以上たまると、湯はりや追いだきを使っていないタイミングで回路を自動的に切り替えます。
そして追いだき配管を経由して浴槽のドレンパンへ排水し、排水後は配管を洗浄して通常の追いだき回路に戻ります。
📎 出典:パーパス株式会社「ドレンマジック」
この方式の機種では、ドレン排水にポンプ・タンク・切替弁が関わります。
そのため291だけでなく、ドレンタンクの水位や切替弁に関する番号が出ることもあります。
浴室側の排水口がふさがっていると排水しきれず、詰まりと同じ状態になる点にも注意してください。
なお、誰も使っていないのに給湯器や浴室から水が流れる音がするのは、この自動排水が動作しているためです。
故障ではありません。
291と921・931の違い
同じ中和器に関する番号でも、意味はまったく違います。
| 番号 | 内容 | お湯は使えるか |
|---|---|---|
| 291 | 中和器やドレン経路の詰まり | 燃焼が止まるため使えない |
| 921 | 中和器の交換警告 | 使える(予告の段階) |
| 931 | 中和器の寿命 | 燃焼が停止する |
291は「今、詰まっている」、921は「そろそろ交換時期」、931は「寿命に達した」という関係です。
291は詰まりを取り除けば復帰する可能性がありますが、931は中和器の交換が前提になります。
石油給湯器にも同様の部品があり、たとえば長府製 石油給湯器のエラーコード一覧では中和槽として解説しています。
他社のガス給湯器での番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
修理と交換の判断
中和器は消耗部品なので、詰まりであれば清掃や交換で対応できます。
判断の分かれ目になるのは、機器全体の使用年数です。
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 冬季のみ発生し、気温が上がると消える | 凍結。ドレン配管の保温を検討 |
| ホースの先端の詰まりが原因だった | 取り除けば復帰 |
| 気温が上がっても消えない | 中和器内部の詰まり。修理を依頼 |
| 使用年数10年前後で291が繰り返す | 修理費用を確認したうえで交換も検討 |
| 使用年数12年以上、他の番号も出ている | 交換が現実的 |
費用は機種と施工条件によって変わるため、一律の金額は示せません。
実際の額はメーカーか販売店の見積もりで確認してください。
なお補修用の部品は製造終了からおおむね10年で供給が終わるため、年数が経った機種では中和器の在庫がないこともあります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
よくある質問
Q. 291が出ていますが、お湯は少し使えます。放置してもよいですか。
A. 放置は避けてください。291はドレン排水を処理できていない状態を示しており、そのまま運転を続けると酸性の水が機器内部にとどまります。内部の腐食が進むと、中和器だけでなく熱交換器の交換が必要になることもあります。冬季で凍結が疑われる場合は解けるのを待って構いませんが、気温が上がっても消えない場合は早めに点検を依頼してください。
Q. ドレンホースの先を切ったり、外したりしてもよいですか。
A. 自己判断で切るのは避けてください。ドレン排水は中和器を通してpH7程度に中和されていますが、排水先の指定は機種と設置条件で決まっています。ホースを外して地面に垂れ流すと、排水が集まる場所によっては問題が生じます。先端が地面に接している、落ち葉で埋まっているといった場合は、周囲を片付けて排水口まで水が流れる状態にするにとどめてください。
Q. 中和器は何年くらいで交換が必要ですか。
A. 使用量によって変わるため、年数で一律には決まりません。目安として一般家庭では10年前後とされることが多い一方、お湯の使用量が多い家庭や業務用途では大幅に早まります。パーパスの場合は、交換時期が近づくと921、寿命に達すると931という番号で知らせる仕組みになっています。291は寿命ではなく詰まりの番号なので、混同しないようにしてください。
Q. エコジョーズでなくても291は出ますか。
A. 出ません。中和器はエコジョーズなどの潜熱回収型の機器に搭載される部品で、従来型の給湯器にはありません。ドレン排水そのものが発生しないためです。お使いの機器が従来型であれば、291ではなく別の番号を見間違えている可能性があります。数字を明るい場所で確認するか、スマートフォンで撮影して拡大してみてください。
Q. 毎年冬になると291が出ます。防ぐ方法はありますか。
A. ドレン配管の保温が有効です。屋外にむき出しで這わせてある区間があれば、保温材を巻くことで凍りにくくなります。先端が地面に接していると、そこで氷ができて詰まりやすくなるため、排水口まで確実に届いているかも確認してください。配管の取り回しに問題がある場合は、施工業者に相談すると改善できることがあります。
まとめ
パーパスのエラー291は、中和器やドレン排水経路が詰まっていることを示す番号です。
中和器は、エコジョーズが熱回収の過程で発生させるpH3程度の酸性水を、中性にしてから排出するための部品です。
ここが詰まると排水できず、機器は安全のために燃焼を止めます。
冬季であれば凍結が原因のことがあり、この場合は解ければ復帰します。
急ぐときはタオルを巻いて30〜40℃のぬるま湯をかけ、必ず水分を拭き取ってください。
熱湯は配管の破裂につながるため使わないでください。
気温が上がっても消えない場合は、ドレンホースの先端を確認し、それでも改善しなければ中和器内部の詰まりとして修理を依頼する段階です。
寿命を知らせる921・931とは別の番号なので、混同せずに対応してください。

