追い焚きをしてもなかなか温まらない、逆にすぐ止まってしまう。
そんな症状とともに312や322が表示されている場合、原因は追い焚き回路の温度を測っているセンサーにあります。
このグループには、他の番号にはない特徴があります。
サブ番号によって「読めない」だけでなく「間違った値を読んでいる」という状態が区別されている点です。
この記事では、番号ごとの対象と、気づきにくいタイプの故障、そして設置直後にしか出ない302について整理します。
312・322はふろ側の温度センサー
パーパスの公式エラー番号一覧では、次のように定義されています。
| 番号 | サブ番号 | 内容 |
|---|---|---|
| 302 | ― | ふろ入・出サーミスタの誤配線 |
| 312 | 01・02 | ふろ入サーミスタの断線/短絡 |
| 312 | 03 | ふろ入サーミスタの中間故障 |
| 322 | 01・02 | ふろ出サーミスタの断線/短絡 |
| 322 | 03 | ふろ出サーミスタの中間故障 |
パーパスの番号は末尾の数字で部位を示す規則があり、末尾が2のこれらはふろ側にあたります。
給湯側にあたる311・321・331とは別の系統です。
なお機種によっては、322が給水温サーミスタとして割り当てられている表もあります。
型番に対応する取扱説明書で確認してください。
ふろ入とふろ出は何を測っているか
追い焚きは、浴槽のお湯を機器に引き込み、温めてから戻す動作です。
この経路の入口と出口に、それぞれサーミスタが付いています。
- ふろ入サーミスタ:浴槽から戻ってきたお湯の温度
- ふろ出サーミスタ:温めて浴槽へ送り出すお湯の温度
機器はこの2つの値を比べて、どれだけ温まったか、あとどれくらい燃焼すればよいかを判断しています。
片方でも読めなくなれば、追い焚きの進み具合が分からなくなります。
サブ番号03の「中間故障」とは
ここがこのグループで押さえておきたい部分です。
サーミスタの故障には3つのパターンがあります。
| サブ番号 | 状態 | 機器から見た値 |
|---|---|---|
| 01 | 断線 | 信号が来ない |
| 02 | 短絡 | あり得ない値が返る |
| 03 | 中間故障 | もっともらしいが、実際とは違う値が返る |
01と02は「読めない」ので、機器はすぐに異常と判断できます。
一方で03の中間故障は、値としては成立しているのに実際の温度とずれている状態です。
たとえば実際は38℃なのに42℃と返していれば、機器は「もう十分温まった」と判断して燃焼を止めます。
利用者から見れば「設定より明らかにぬるいのに追い焚きが終わる」という症状になります。
逆にずれる方向が反対なら、いつまでも追い焚きが終わりません。
この状態はエラーとして表示される前から、体感の違和感として先に現れていることが多いのが特徴です。
「最近、追い焚きの仕上がりがおかしい」と感じていた機器で312-03や322-03が出たなら、その違和感は気のせいではなかったということになります。
302は設置直後にしか出ない
302は、ふろ入とふろ出のサーミスタの配線が入れ替わっていることを示します。
公式の処置欄も、修理ではなく「ふろ入・出サーミスタの配線確認」となっています。
配線は使っているうちに勝手に入れ替わるものではありません。
つまり302が出るのは、機器の設置工事や修理でサーミスタを触った直後に限られます。
心当たりがあるのは次のような場面です。
- 給湯器を新しく交換した直後
- 修理でサーミスタや配線を交換した直後
- 浴室のリフォームで追いだき配管を触った直後
この場合はメーカーの修理窓口ではなく、作業を行った施工業者に連絡するのが早道です。
配線を正しくつなぎ直せば解消します。
逆に、何年も使っている機器で突然302が出た場合は、配線の接触不良や基板側の問題が疑われます。
どんな症状で気づくか
312・322で表示される前後には、次のような症状が出やすくなります。
- 追い焚きを押しても、設定温度に届く前に止まる
- 追い焚きがいつまでも終わらない
- 保温中に浴槽の湯温が安定しない
- たし湯の温度がばらつく
一方で、追い焚きがまったく動かない、湯が循環しない場合は温度センサーではなく別の原因です。
水流を検知する部分の異常や、循環金具のフィルター詰まりが考えられます。
表示された番号を正確に読み取ってから判断してください。
自分で対処できるか
302を除いて、対処できる範囲はありません。
サーミスタは機器内部や追いだき回路に取り付けられており、交換には分解が必要です。
本体のカバーを外して配線を確認する、センサーを触るといった作業は行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
できるのは、運転スイッチを切って入れ直し、再発するかを確認することまでです。
なお中間故障の場合、リセットしても症状は変わりません。
センサーが値を返せているためエラー自体は消えることがありますが、ずれたままの値で運転が続きます。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 交換工事や修理の直後に302が出た | 施工した業者に配線確認を依頼 |
| 312・322が単独で出て、使用年数が浅い | センサー交換で対応 |
| サブ番号03で、湯温の違和感が続いている | 早めに修理を依頼 |
| 300番台が複数同時に出る | 基板側の可能性。費用を確認 |
| 使用年数10年前後で繰り返す | 交換と比較して判断 |
サーミスタ単体の交換であれば比較的軽い修理で済むことが多い部類ですが、複数の300番台が同時に出ている場合は信号を受ける基板側が疑われます。
この場合は費用が上がるため、本体交換との比較が必要になります。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、そもそも点火しない場合は300番台ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
他社での番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
よくある質問
Q. 312が出ていますが、シャワーは普通に使えます。
A. 312はふろ側の温度センサーなので、給湯側には影響しません。シャワーや台所のお湯が使えるのは自然な状態です。ただし追い焚きや保温は正常に働かなくなります。使えているからと放置すると、冬季に浴槽の湯が温まらず不便になります。給湯が使えている間に点検を手配しておくのが現実的です。
Q. サブ番号が表示されない機種では、中間故障かどうか分かりませんか。
A. 表示からは判別できません。ただし症状で見当はつきます。追い焚きがまったく動かない、あるいは押した直後に止まる場合は断線や短絡の可能性が高くなります。一方、追い焚きは進むのに仕上がりの温度がおかしい、設定より明らかにぬるいのに終わってしまうといった場合は中間故障が疑われます。修理を依頼する際に、どちらの症状かを伝えてください。
Q. 給湯器を交換したばかりで302が出ました。初期不良ですか。
A. 初期不良というより、施工時の配線の入れ違いである可能性が高い状態です。302はふろ入とふろ出のサーミスタの配線が入れ替わっていることを示す番号で、公式の処置も配線の確認となっています。使っているうちに勝手に入れ替わるものではないため、工事直後であれば施工が原因と考えるのが自然です。工事を行った業者に連絡して確認してもらってください。
Q. 追い焚きの温度が設定より低い気がしますが、エラーは出ていません。
A. 中間故障の初期段階である可能性があります。サーミスタのずれが小さいうちは機器が異常と判断せず、番号も表示されません。それでも実際の温度と制御の基準がずれているため、体感として違和感が出ます。浴槽の湯温を温度計で測り、設定温度との差を記録しておいてください。数℃以上ずれているようであれば、番号が出ていなくても点検を依頼する価値があります。
Q. 302と312、両方の番号を見たことがあります。関係ありますか。
A. どちらもふろ入・ふろ出のサーミスタに関わる番号なので、原因が同じところにある可能性があります。配線が正しくつながっていないと、接触が不安定になって断線として検知されることもあります。工事や修理の直後であれば、まず配線を確認してもらってください。何年も使っている機器であれば、配線の劣化や端子の腐食が進んでいる可能性があります。
まとめ
パーパスの312はふろ入サーミスタ、322はふろ出サーミスタの異常です。
追い焚きの入口と出口の温度を比べて燃焼を制御しているため、片方でも読めなくなると追い焚きが正常に働きません。
このグループで特徴的なのはサブ番号03の中間故障です。
断線や短絡と違って値は返るため、もっともらしい間違った温度で運転が続きます。
「設定よりぬるいのに追い焚きが終わる」という違和感は、この状態を示していることがあります。
302は配線の入れ違いを示す番号で、設置工事や修理の直後にしか出ません。
心当たりがある場合は、メーカーではなく作業を行った施工業者に連絡してください。

