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パーパス給湯器のエラー921・931とは?|中和器の寿命と交換費用の目安

パーパス給湯器のエラー921・931と中和器の寿命・交換費用の目安を示すサムネイル
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

リモコンに921が出ているけれど、お湯は普通に使える。
こういうとき、様子を見ようと判断してしまいがちです。
ただ、この番号は放置すると必ず次の段階へ進み、最終的に給湯器が止まります。
そして止まってからでは、真冬であっても復旧までお湯が使えません。

パーパスはこの2段階を公式に区別して案内しており、費用の目安も示しています。
この記事では、921と931の違い、いつまで使えるのか、交換にいくらかかるのか、そして交換ではなく本体更新に切り替えるべき条件を整理します。

目次

921は警告、931は停止

パーパスは、この4つの番号を2段階に分けて説明しています。

番号段階状態
920・921警告中和器の寿命が近づいている。しばらくは使用できる
930・931停止中和器が寿命に達し、給湯器が使用できなくなる

920・921が表示された時点で、中和器の交換が必要になることは確定しています。
そのまま放置すると、最終的に930・931へ進んで給湯器が停止します。

📎 出典:パーパス株式会社 よくある質問「リモコンに920,921,930,931が表示される」

公式も、930・931は給湯器が使えなくなるため早めに修理を依頼するよう案内しています。
言い換えれば、921は「予告があるうちに動いてください」という猶予期間です。

なぜ中和器に寿命があるのか

エコジョーズは、従来型の給湯器が排気として捨てていた熱を回収して熱効率を高めています。
この過程で排気中の水蒸気が冷やされて水になり、ドレン排水が発生します。

ドレン排水はpH3程度の酸性です。
そのまま流すと配管を傷めるため、炭酸カルシウムを充填した中和器を通してpH7程度の中性にしてから排出しています。

📎 出典:一般社団法人日本ガス協会「エコジョーズ ドレン排水発生の仕組み」

ここが要点です。
中和は化学反応なので、反応するたびに中の炭酸カルシウムが消費されていきます。
つまり中和器は、フィルターのように掃除して再生できる部品ではなく、使えば減っていく消耗品です。

減る速度はお湯の使用量に比例します。
家族が多くお湯をよく使う家庭では早く、単身世帯では遅くなります。
設置からの年数ではなく燃焼量でカウントされるため、「まだ8年なのに」というケースも「12年経つのに出ない」というケースも起こります。

921が出てからどれくらい使えるか

公式の表現は「暫くの間は使用可能」です。
何か月と明示されてはいません。

使用量によって変わるため、日数で見積もることはできないと考えてください。
お湯をよく使う家庭であれば猶予は短くなります。
確実に言えるのは、使い続ければ必ず931に到達するということです。

現実的な判断としては、921を見た時点で修理の手配を始めるのが安全です。
部品の取り寄せや訪問日程の調整に時間がかかることもあり、真冬に停止してから慌てるより余裕を持てます。

交換費用の目安

パーパスは、中和器の交換にかかる修理料金の目安を公式に示しています。
おおよそ1万5,000円から3万円程度とされています。

ただしこれはあくまで目安です。
実際の金額は次の条件で変わります。

  • 機種(中和器の部品価格が機種ごとに違う)
  • 設置場所(高所・狭所など作業条件)
  • 出張料や日曜祝日の割増の有無
  • 中和器以外にも交換が必要な部品が見つかった場合

正確な額は、機器の型番を伝えて見積もりを取って確認してください。
なお、この金額は中和器の交換にかかる費用であり、本体を交換する場合の費用とはまったく別のものです。

部品保有期限で交換できないことがある

見落とされやすいのがこの点です。

パーパスは公式に、機種によっては部品保有期限切れにより中和器の交換ができない場合があると明記しています。

補修用の部品は製造終了からおおむね10年で供給が終わります。
921や931が出るころには、その期限が近づいているか、すでに過ぎていることがあります。
その場合、修理という選択肢そのものがなくなり、本体の交換しか残りません。

年数が経った機器では、「直したいのに部品がない」という状況が現実に起こります。
921の段階で部品の在庫を確認しておくと、931で停止してから慌てずに済みます。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。

291との違い

同じ中和器に関する番号でも、意味が違います。

番号内容復帰の可否
291中和器やドレン経路の詰まり詰まりを取り除けば復帰することがある
921中和器の交換警告使用は続けられるが交換は必要
931中和器の寿命交換しない限り使用できない

291は「今、流れていない」という状態なので、冬季であれば凍結が原因のこともあり、解ければ元に戻ります。
一方で921・931は中和剤そのものが減っている状態なので、待っても回復しません。
291は解消する可能性があるが、921・931は交換以外に解決手段がないという違いです。

石油給湯器にも同じ役割の部品があり、コロナ 石油給湯器のエラーコード一覧では中和器の寿命を別の番号で知らせています。
他社のガス給湯器での位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。

リセットで消しても意味がない

運転スイッチを切って入れ直すと、921の表示が一時的に消えることがあります。
ただし、これは表示が消えただけで、中和剤が戻ったわけではありません。

消えたからといって放置すると、そのまま931に到達します。
点検時期を知らせる888のように「消して使い続けてよい」表示とは性格が違う、と考えてください。
921は消すのではなく、修理を手配するための合図です。

中和器交換か、本体交換か

状況現実的な選択
使用年数7年以下で921が出た中和器の交換で対応
使用年数8〜10年で他に不具合がない中和器の交換を基本に、見積もりで判断
使用年数10年以上で他の番号も出ている本体交換を検討
部品保有期限が切れている本体交換しか選択肢がない
中和器交換の見積もりが本体交換費用の半分を超える本体交換のほうが有利になりやすい

判断の軸は、交換した中和器を何年使えるかです。
本体が残り2〜3年で寿命を迎えるなら、中和器だけ新しくしても投資を回収しきれません。
逆に設置から数年しか経っていないなら、中和器の交換で問題なく使い続けられます。

よくある質問

Q. 921が出ていますが、お湯は普通に使えます。すぐ修理が必要ですか。

A. 今日明日で止まるわけではありませんが、手配は早めに始めてください。パーパスも921の表示中はしばらく使用可能としていますが、期間は明示されていません。お湯の使用量によって変わるためです。放置すれば必ず931に進み、その時点で給湯器は使えなくなります。部品の取り寄せや訪問日程の調整にも時間がかかるので、猶予があるうちに動くのが安全です。

Q. 中和器だけ自分で交換できませんか。

A. おすすめできません。中和器の交換は機器の分解をともない、メーカーが一般向けに手順を公開しているものでもありません。作業を誤れば保証の対象外になるほか、ドレン排水の経路を正しく戻せないと機器内部の腐食につながります。公式が示す修理料金の目安は1万5,000円から3万円程度で、分解のリスクを負ってまで削る金額とは言いにくいところです。

Q. 931が出て給湯器が止まりました。応急的に使う方法はありますか。

A. ありません。931は中和器が寿命に達したことによる停止で、リセット操作でも復帰しません。ドレン排水を中和できない状態で燃焼を続けると、酸性の水が機器内部や配管を傷めるため、安全のためにロックされています。お湯が使えない状態が続くので、早めに修理を依頼してください。冬季であれば配管の凍結対策として、電源プラグは差したままにしておいてください。

Q. 中和器の交換をすれば、あと何年くらい使えますか。

A. 中和器自体は新品に戻りますが、給湯器全体の寿命が延びるわけではありません。熱交換器やポンプ、基板といった他の部品は年数どおりに劣化しています。設置から10年を超えている機器では、中和器を交換した直後に別の部品が故障することもあります。使用年数が浅ければ交換で問題ありませんが、10年前後なら本体交換との比較で判断してください。

Q. エコジョーズではない給湯器でも921は出ますか。

A. 出ません。中和器はエコジョーズなどの潜熱回収型に搭載される部品で、従来型の給湯器にはドレン排水そのものが発生しないため中和器もありません。従来型をお使いで921らしき数字が見えている場合は、別の番号を読み違えている可能性があります。明るい場所で確認するか、スマートフォンで撮影して拡大してみてください。

まとめ

パーパスの920・921は中和器の寿命が近いという警告で、しばらくは使えます。
930・931まで進むと給湯器が停止し、交換するまでお湯が使えません。
この2段階は公式に区別されており、921は猶予期間だと考えてください。

中和器は炭酸カルシウムで酸性のドレン水を中性に変える部品で、使うほど中身が減る消耗品です。
掃除で再生することはできず、交換以外に解決手段はありません。
公式が示す交換の修理料金の目安は1万5,000円から3万円程度ですが、機種と作業条件で変わります。

注意したいのは、部品保有期限が切れていると交換自体ができなくなる点です。
使用年数が10年前後であれば、中和器の交換と本体交換を見積もりで比較したうえで判断してください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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