ダイキンのエコキュートのリモコンに「警報 C30」「警報 H92」といった表示が出て、どう扱えばよいか迷っていませんか。
このグループには、C77・C84・F38・H33・H34・H35・H37も含まれます。
いずれも、貯湯ユニット側にある温度センサー(サーミスタ)が、正しい温度を示していない状態を指しています。
似たコードが9つもあるのは、センサーが用途ごとに分かれているからです。
つまりコードを見れば、どこの温度を見ている部分で異常が起きているかが分かります。
この記事では、コード別の担当箇所と2系統に分かれる対処方法、症状との関係、修理費用の目安までまとめました。
サーミスタとは何か
サーミスタは、温度によって電気の流れやすさが変わる性質を利用した温度センサーです。
エコキュートは、このセンサーが返す値をもとに次のような判断をしています。
- タンクにどれだけお湯が残っているか
- 沸き上げを始めるべきか、止めるべきか
- 蛇口へ送るお湯に、どれだけ水を混ぜるか
- 追いだきを続けるか、止めるか
センサーの値がおかしくなると、これらの判断がすべて狂います。
そのため機器は、想定外の値を検知した時点で運転を止め、コードを表示します。
故障の中身としては、センサー本体の劣化のほかに、配線の断線や接続部の接触不良、貯湯ユニット基板側の不具合も含まれます。
「センサーが壊れた」と決まったわけではなく、値が正しく届いていない状態と捉えるのが実態に近いといえます。
コード別の担当箇所
| コード | 見ている温度 | 案内されている対処 |
|---|---|---|
| C30 | 貯湯タンク上部の温度 | リセットして再現するか確認 |
| C77 | 給水の水温 | 漏電遮断器を約10秒以上OFFにしてONに戻す |
| C84 | 混合弁入口の温度 | 漏電遮断器を約10秒以上OFFにしてONに戻す |
| F38 | 残湯の温度 | 漏電遮断器を約10秒以上OFFにしてONに戻す |
| H33 | ふろの温度 | リセットして再現するか確認 |
| H34 | 給湯の温度 | リセットして再現するか確認 |
| H35 | 湯とりの温度 | 漏電遮断器を約10秒以上OFFにしてONに戻す |
| H37 | お湯はりの温度 | リセットして再現するか確認 |
| H92 | 貯湯ユニット基板・サーミスタに関わる不具合 | 点検を依頼する |
H92については、エラー内容の一覧ではなく修理目安金額の一覧に記載があり、想定される交換部品として貯湯ユニット基板とサーミスタが挙げられています。
そこから、温度検知に関わる不具合と考えられます。
対処は2系統に分かれる
表を見ると、案内されている対処が2つに分かれていることが分かります。
| 対処の系統 | 該当するコード |
|---|---|
| リセットして再現するか確認する | C30・H33・H34・H37 |
| 漏電遮断器を約10秒以上OFFにしてONに戻す | C77・C84・F38・H35 |
漏電遮断器で操作する場合、OFFにしてすぐ戻さないでください。
制御基板の電源が落ち切らず、リセットがかからないことがあります。
10秒は最低ラインなので、15秒から30秒ほど待ってから戻すと確実です。
リセット系のコードについては、リモコン側での操作が案内される場合があります。
手順はリモコンの種類によって異なるため、取扱説明書でコードを照合して確認してください。
⚠️ 冬季は、リセット目的以外で貯湯タンクの漏電遮断器や専用ブレーカーを長時間切ったままにしないでください。凍結防止のための自動運転が働かなくなります。
症状から見ると分かりやすい
温度センサーの異常は、コードが出る前後に生活上の違和感として現れることがあります。
心当たりがあれば、点検時に伝えておくと診断の手がかりになります。
残湯量の表示が実際と合わない
C30やF38が関わる領域です。
タンクの上部や残湯の温度を見ているセンサーの値がずれると、実際にはお湯が残っているのに表示が少ない、あるいはその逆といった状態が起こります。
残湯表示が満タンなのにお湯がぬるい、表示が減っていないのにお湯切れになるといった症状は、このグループを疑う手がかりになります。
出てくるお湯の温度が安定しない
C77・C84・H34が関わる領域です。
給水の水温や混合弁入口の温度が正しく把握できないと、水を混ぜる割合の計算がずれます。
設定温度は変えていないのに、日によって、あるいは使い始めと途中でお湯の温度が変わるといった症状につながります。
湯はりや追いだきの温度がずれる
H33・H37・H35が関わる領域です。
設定した温度で湯はりしたはずなのにぬるい、追いだきしても設定温度で止まらない、といった形で現れます。
温度が安定しないときの注意
温度センサーの異常は、ぬるくなる方向だけでなく、熱くなる方向にも起こり得ます。
設定温度より明らかに熱いお湯が出ていると感じた場合は、給湯の使用を控えて点検を依頼してください。
高温のお湯は短時間の接触でもやけどにつながります。
小さな子どもや高齢の家族がいる場合は特に、様子見の対象にしないでください。
なお、熱いお湯が出ることを直接検知するコードは別に用意されています。
それらが表示されている場合は、こちらのグループとは扱いが異なるため、表示されているコードを正確に確認してください。
繰り返すときの判断
| リセット後の状態 | 考えられること | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 表示が消え、その後再発しない | 一時的な検知だった可能性 | 通常どおり使用してよい |
| 表示は消えるが数日から数週間おきに再発する | センサーや配線の劣化が進んでいる | 使用は可能だが、点検を手配する |
| 表示は消えたが、残湯表示や湯温の違和感が残る | 値のずれが続いている | 点検を依頼する |
| リセットしても表示が消えない | 異常状態が継続して検知されている | 点検・修理を依頼する |
| 気温が下がった日にだけ出る | 接続部の接触不良の可能性 | 状況を記録して点検を依頼する |
最後の行に触れておきます。
配線の接続部に緩みがあると、温度変化による膨張収縮で接触状態が変わり、特定の条件でだけ症状が出ることがあります。
「寒い朝だけ出る」「雨の日に多い」といった規則性に気づいたら、そのまま伝えてください。
再現しない不具合は診断が難しいため、条件の情報は価値があります。
同じ表示が3回以上繰り返すようであれば、リセットでの様子見は切り上げてよい段階です。
修理費用の目安
このグループのうち、C30とH92については、ダイキンが保証期間終了後の出張修理金額(出張料・技術料・部品代を含む)の目安を公表しています。
| コード | 修理目安金額(税込) | 想定される交換部品 |
|---|---|---|
| C30 | 23,000〜65,000円 | 貯湯ユニット基板、缶体上サーミスタ |
| H92 | 23,000〜65,000円 | 貯湯ユニット基板、サーミスタ |
金額に幅があるのは、センサー単体の交換で済むか、貯湯ユニット基板の交換まで必要かで変わるためです。
センサーだけであれば下限に近く、基板まで及べば上限に近づくと考えると、見積もりの内容を理解しやすくなります。
C77・C84・F38・H33・H34・H35・H37については、公表されている一覧に含まれていません。
公表されていないコードは、原因が多岐にわたるため目安金額を案内できないとされています。
ただし、いずれも同じ温度検知に関わる不具合なので、C30とH92の金額帯を一つの参考にしておくと判断しやすくなります。
なお、点検を依頼して結果的に修理をしなかった場合でも、出張料と点検費は発生します。
修理と交換の線引き
- 設置から7年未満:修理で対応するのが一般的
- 設置から8〜10年:金額と過去の修理歴を見て、交換も比較対象に入れる
- 設置から10年超:部品の保有期間が終了し、修理そのものができない場合がある
このグループで判断材料になるのは、貯湯ユニット基板の交換が必要かどうかです。
基板はセンサーだけでなく、弁やポンプの制御にも関わっています。
基板側の不具合で温度検知に支障が出ているなら、他の機能にも影響が出る可能性があると考えたほうが自然です。
年数の考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
お湯まわりのトラブル全体の切り分けは、オール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. サーミスタとはどんな部品ですか。
温度によって電気の流れやすさが変わる性質を利用した温度センサーです。
エコキュートでは、タンクの残湯温度、給水の水温、給湯の温度、ふろの温度など、用途ごとに複数のセンサーが取り付けられています。
エラーコードが分かれているのは、どのセンサーで異常が検知されたかを示すためです。
そのため、コードによって影響が出る機能も変わります。
Q2. リセットしたら消えました。修理は必要ですか。
一時的な検知であれば、そのまま使えることもあります。
判断のポイントは、その後の再発と、生活上の違和感が残っていないかの2つです。
表示は消えたのに残湯表示が実際と合わない、お湯の温度が安定しないといった状態が続くなら、値のずれが解消していない可能性があります。
再発の間隔が短くなっている場合も、点検を手配する段階です。
Q3. センサーだけ交換すれば安く済みますか。
センサー単体の交換で済む場合は、公表されている金額の下限に近くなります。
ただし、値が正しく届かない原因が貯湯ユニット基板側にある場合は、基板の交換まで必要になり、金額は上がります。
どちらになるかは点検しないと切り分けられません。
見積もりを受け取ったときは、交換対象がセンサーだけなのか基板を含むのかを確認しておくと、内容を理解しやすくなります。
Q4. 残湯表示が実際と違う気がします。これも関係しますか。
関係している可能性があります。
残湯量は、タンク内の温度を検知するセンサーの値から計算されています。
そのため、センサーの値がずれると、表示と実際の残量が合わなくなることがあります。
エラーコードが表示されていない場合でも、表示が満タンなのにお湯がぬるい、表示が減らないのにお湯切れになるといった状態が続くなら、点検時に伝えてください。
Q5. 寒い日の朝だけ表示が出ます。
配線の接続部に緩みがあると、温度変化で接触状態が変わり、特定の条件でだけ症状が出ることがあります。
また、外気温が低いときに値のずれが顕著になるケースもあります。
いずれにしても、再現する条件がはっきりしていることは診断の手がかりになります。
どんな日に、どのタイミングで出るかを記録したうえで、点検を依頼してください。
まとめ
C30・C77・C84・F38・H33・H34・H35・H37・H92は、貯湯ユニット側の温度センサーが正しい値を示していないことを示すコードです。
- コードによって、どこの温度を見ている部分かが分かる
- 対処はリセット系と漏電遮断器系の2つに分かれる
- 残湯表示のずれや湯温の不安定さは、点検時に伝える価値がある
- 明らかに熱いお湯が出る場合は、様子見をせず使用を控える
表示が消えたかどうかだけでなく、生活上の違和感が残っていないかまで確認してください。
再発の間隔が短くなっている場合は、早めに点検を依頼するほうが安全です。

