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燃費のいい石油ストーブの選び方|灯油消費量と暖房出力で比べる見方とタイプ別の目安

壁際に設置したFF式石油ストーブと、灯油消費量・暖房出力・タイプ別の目安を紹介するサムネイル画像。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

「燃費のいい石油ストーブはどれか」と探しても、カタログには「省エネ」という言葉より、暖房出力や燃料消費量の数字が並ぶだけです。
結論から言うと、今回確認した機種の仕様では、暖房出力(kW)÷燃料消費量(L/h)が、ほぼどの機種も約10.3で同じでした。
つまり、同じ熱量を出すのに必要な灯油の量は、機種を変えてもほとんど違わない、ということです。
では、燃費のよし悪しは何で決まるのか。
この記事では、仕様表の数値を使って、「部屋に合った出力を選ぶ」「最小火力の消費量を見る」「維持管理で燃焼を乱さない」という選び方を、タイプ別に整理します。
1時間あたりの灯油代の計算方法は石油ストーブの燃費は1時間いくらかを解説した記事で紹介しているため、ここでは「選ぶとき」に絞ります。

目次

暖房出力と燃料消費量の関係

確認できた機種の数値

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機種方式暖房出力(kW)燃料消費量(L/h)出力÷消費量
トヨトミ RB-25C(RB-G2524)対流形最大2.5/最小1.25最大0.243/最小0.122約10.3
トヨトミ RS-S23C反射形2.25最大0.219約10.3
トヨトミ RS-G3024反射形(電池レス)3.01〜2.410.294〜0.234約10.2〜10.3
トヨトミ KS67H対流形6.66最大0.647約10.3
コロナ SX-CE280Y対流形2.83最大0.275約10.3
コロナ FF-AG6823HFF式最大7.79/最小2.26最大0.757/最小0.220約10.3

※出典は、トヨトミ RB-25C、RS-S23C、コロナ SX-CE280Y、FF-AG6823H が取扱説明書。
RB-G2524、RS-G3024、KS67H は販売店ページの仕様表です。
販売店ページの表記には、暖房出力の単位が「kW/h」となっているものがあり、ここでは kW として扱っています。

これが意味すること

同じ灯油1Lから取り出せる熱量は同じため、出力の大きい機種ほど、1時間に使う灯油も多くなります。「この機種は燃費がいい」というより、「この機種は1時間に出す熱が少ない(だから灯油も少ない)」ということです。
そのため、燃費で選ぶときは、機種どうしの「出力÷消費量」を比べるのではなく、部屋を暖めるのに必要な熱量に近い機種を選び、必要以上に大きな火力で使わないことが基本になります。

出力の差は、灯油代にどのくらい響くか

出力が1kW違うと、1時間の灯油の量はどのくらい違うのかを計算してみます(当サイト計算。
灯油は仮に120円/L、最大火力で1日8時間・150日使い続けた場合の上限の目安です)。

項目計算結果
出力1kWあたりの燃料消費量1 ÷ 10.3約0.097L/h
1シーズン(8時間×150日)の灯油量0.097 × 8 × 150約116L
灯油代(120円/L)116L × 120円約14,000円

つまり、必要以上に出力の大きい機種を、最大火力で使い続けると、出力1kWあたり1シーズンで約14,000円分、灯油が多くかかる計算です。
逆に、出力が足りない機種では、暖まらずに最大火力で使い続けることになり、やはり灯油代がかさみます。

燃費を見るときの4つの指標

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指標見方
① 暖房出力(kW)部屋の広さに合うか。大きすぎる・小さすぎるの両方を避ける
② 最小火力の消費量(L/h)暖まったあと、弱い火力でどれだけ灯油を抑えられるか
③ 連続燃焼時間・タンク容量給油の回数、1タンクで何時間使えるか
④ 温度調節・自動制御の有無室温に合わせて火力を自動で変える機種は、ムダな燃焼を抑えやすい(機種による)

② 最小火力の消費量(機種による差)

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機種最大最小最小は最大の何%
トヨトミ RB-G2524(対流形)0.243L/h0.122L/h約50%
トヨトミ RS-G3024(反射形)0.294L/h0.234L/h約80%
コロナ FF-AG6823H(FF式)0.757L/h0.220L/h約29%
コロナ FH-VX3626BY(石油ファンヒーター)約0.35L/h約0.057L/h約16%

※FH-VX3626BY は販売店ページに燃料消費量の記載がなく、タンク容量7.2L ÷ 連続燃焼時間(強20.6時間/弱126.3時間)から計算した値です。
実際の仕様は、取扱説明書やメーカーの仕様表で確認してください。

最小火力の消費量が小さい機種ほど、暖まったあとに低い火力で使い続けられます。反射式は最小が最大の約8割という機種があり、火力の幅は小さめです。FF式や石油ファンヒーターは、火力を大きく絞れる機種があります。

最小火力の差を1シーズンで見ると

最小火力で毎日8時間・150日使う場合の灯油量を、4機種で比べてみます(当サイト計算。
120円/L)。

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機種最小の消費量1シーズンの灯油量灯油代(120円/L)
トヨトミ RB-G25240.122L/h約146L約17,600円
トヨトミ RS-G30240.234L/h約281L約33,700円
コロナ FF-AG6823H0.220L/h約264L約31,700円
コロナ FH-VX3626BY約0.057L/h約68L約8,200円

最小火力といっても、機種によって消費量は大きく違います。
ただし、これは暖房できる広さ(出力)の違いも含まれています。
暖房が必要な最低限の火力が低い部屋(断熱がよい、狭いなど)ほど、最小火力が小さい機種の恩恵が大きくなります。

③ 連続燃焼時間はタンク容量とセットで見る

連続燃焼時間は、タンク容量を燃料消費量で割った値に近くなります。連続燃焼時間が長いのは、燃費がよいからではなく、タンクが大きい、または弱い火力で数えているだけの場合があります。

見るべき数字注意点
連続燃焼時間どの火力での数字かを確認(最大か最小か)
タンク容量大きいほど給油回数は減るが、満タン時は重くなる
燃料消費量燃費そのものは、この数字と暖房出力で見る

畳数に合った出力の選び方

木造とコンクリートの違い

暖房のめやす(適応畳数)は、木造とコンクリートで異なります。
仕様表の数値から、1畳あたりの暖房出力を計算すると、木造ではおおむね0.36〜0.39kWでした。

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機種暖房出力(最大)暖房のめやす(木造)1畳あたり
トヨトミ RB-G25242.5kW7畳約0.36kW
トヨトミ RS-G30243.01kW8畳約0.38kW
コロナ SX-E2925Y2.87kW8畳約0.36kW
コロナ SX-CE280Y2.83kW8畳約0.35kW
トヨトミ KS67H6.66kW17畳約0.39kW
コロナ FH-VX3626BY(石油ファンヒーター)3.60kW10畳約0.36kW

※販売店ページ・取扱説明書の値から計算した参考値です。
適応畳数の見方は、石油ストーブの適応畳数を解説した記事で整理しています。

部屋の広さから、必要な出力を逆算する

1畳あたり0.36〜0.39kWを使って、木造の部屋に必要な暖房出力の目安を計算します(当サイト計算。
部屋の断熱や天井の高さで変わります)。

部屋の広さ(木造)必要な出力の目安最大火力での燃料消費量(÷10.3)
6畳約2.2〜2.3kW約0.21〜0.23L/h
8畳約2.9〜3.1kW約0.28〜0.30L/h
10畳約3.6〜3.9kW約0.35〜0.38L/h
12畳約4.3〜4.7kW約0.42〜0.45L/h
15畳約5.4〜5.9kW約0.52〜0.57L/h

この表を使えば、「自分の部屋なら、どのくらいの出力の機種がちょうどいいか」が分かります。
たとえば8畳なら、3kW前後の機種が目安です。
10畳なら3.6〜3.9kW前後ですが、石油ストーブでは3.6kW付近のラインアップが少ないため、ファンヒーターやFF式を含めて検討することもあります。

選び方の考え方

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部屋の状況考え方
ちょうど適応畳数に近い最大火力に近い使い方になりやすい。暖まるのに時間がかかる場合は、断熱や隙間風を見直す
適応畳数に余裕がある最大火力まで使わずに済み、弱い火力で運転できる。ただし、最小火力の消費量が大きい機種は、暖まったあとに暑すぎる場合も
適応畳数より広い部屋最大火力でも暖まりにくい。灯油の消費が増えるだけになりやすい。出力の大きい機種を検討
続き間・天井が高い実際の空間は、畳数表示より広い。余裕のある出力を

暖まらないからといって、芯を取扱説明書の範囲を超えて上げないでください。炎が長くなり、すすや一酸化炭素が増えます。

タイプ別|燃費の考え方

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タイプ燃費の考え方
対流式火力の幅が大きい機種(最小が最大の約5割)がある。部屋全体を暖めるのに向く
反射式前方へ熱を放射する方式。火力の幅は小さめの機種がある(RS-G3024は最小が最大の約8割)
電池レス(手回し点火)電気を使わない。灯油の消費は他の開放式と同水準
煙突式機種による。取扱説明書で確認
FF式火力を大きく絞れる機種がある(FF-AG6823Hは最小が最大の約3割)。屋外へ排気する密閉式
石油ファンヒーター火力を大きく絞れる機種がある。電気代がわずかにかかる

※機種によって異なります。
取扱説明書で確認してください。
電池点火の対流式・反射式は電気代がかかりません。FF式・石油ファンヒーターは、運転中の電気代が1時間あたり1円に満たない機種があります。電気代は、石油ストーブの電気代を解説した記事で整理しています。

暖め方を考えて選ぶ

使い方向いているタイプ
部屋全体を暖めたい対流式、FF式、石油ファンヒーター
人のいる場所を暖めたい反射式
長時間の運転が多い弱い火力が使えて、連続燃焼時間の長い機種(ただし、就寝時・外出時は消火)
短時間だけ使う暖まりが早い機種。点火・消火の手間が少ない機種

石油ファンヒーターとストーブの灯油代の比べ方は、石油ファンヒーターと石油ストーブの灯油代を比較した記事で整理しています。

維持管理で変わる燃費

選ぶときの数字が同じでも、使っているうちに燃焼が乱れると、暖まりが悪くなり、結果的に灯油を多く使うことになります。

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状態影響対応
芯にタールが付着芯の上下が重くなる、炎が乱れる月1回の点検、取扱説明書に手順がある機種はから焼き。から焼きを解説した記事
燃焼筒のずれ炎が乱れる、すすが出る点火後、燃焼筒を左右に2〜3回動かして確認
変質した灯油・水の混入燃焼が悪くなる、点火しにくい前シーズンの灯油は持ち越さない。水の混入が疑われるときは販売店に相談
風のあたる場所に置く炎が乱れる、赤火・異常燃焼風のあたらない場所に置く
フィルターの汚れ(FF式・ファンヒーター)取扱説明書で定期的な掃除が案内されている対流用送風機のフィルタは週1回以上掃除(コロナ FF式の取扱説明書)
点火と消火のくり返し消火直後は再点火まで待つ必要がある。待たずに点火するとにおいや不着火長時間離れるとき以外は、火力調節で対応

選ぶときのチェックリスト

確認項目見るところ
1. 部屋の広さ・構造木造かコンクリートか。畳数と天井の高さ
2. 暖房出力適応畳数に合う機種か。大きすぎ・小さすぎを避ける
3. 燃料消費量(最大・最小)仕様表で確認。最小が小さい機種は、弱火で長く使いやすい
4. タンク容量・連続燃焼時間給油の頻度。重さ(満タン時)
5. 点火方式電池/電池レス/電源式。停電時の使い方
6. 温度調節・タイマー機種による。就寝時・外出時は必ず消火
7. 維持管理のしやすさ芯の交換、フィルターの掃除、部品の入手
8. 価格本体価格と、1シーズンの灯油代の合計で見る

本体価格と灯油代の合計で考える

灯油代が1シーズンで数万円かかる場合、本体価格が数千円違うことよりも、出力の合わない機種を選んで灯油代が増えることのほうが、金額への影響が大きくなりえます。
たとえば、前述の計算では、出力が1kW余計に必要になると、最大火力の連続使用で1シーズンあたり約14,000円の差です。
数年使うことを考えると、本体価格の安さだけでなく、部屋に合う出力かどうかを優先して選ぶことが、結果的に費用を抑えます。

どのタイプでも、開放式は使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気してください。就寝中や、長時間その場を離れるときは必ず消火し、給油は消火して冷めてから行ってください。ガソリンは絶対に入れないでください。

よくある質問

Q1. 燃費のいい石油ストーブは、どれですか?

今回確認した機種では、暖房出力と燃料消費量の比(出力÷消費量)が、ほぼ同じ約10.3でした。
そのため、機種の違いで「同じ熱量あたりの灯油の量」はほとんど変わらないと考えられます。
燃費は、部屋に合った出力の機種を選び、弱い火力を使えるか、維持管理ができているかで決まります。

Q2. 出力の大きな機種を選べば、暖まって燃費がいいですか?

出力が大きいほど、1時間に使う灯油も増えます。
部屋に必要な熱量より大きすぎると、暑くなり、火力を下げて使うことになります。
広さに合った機種を選ぶのが基本です。

Q3. 連続燃焼時間が長い機種のほうが、燃費がいいですか?

連続燃焼時間は、タンク容量と燃料消費量で決まります。
タンクが大きいだけでも長くなります。
燃費を比べるときは、燃料消費量(L/h)と暖房出力を見てください。

Q4. 弱い火力で使えば、燃費はよくなりますか?

燃料消費量は小さくなります。
ただし、部屋が十分に暖まらない場合は、時間が長くなり、トータルでは変わらないこともあります。
火力は、必要な暖かさに合わせて調節してください。

Q5. 石油ファンヒーターのほうが、燃費がいいですか?

今回確認した範囲では、ファンヒーター(FH-VX3626BY)も、出力÷消費量は約10.3で、ストーブと同水準でした。
違いは、火力を大きく絞れる点や、電気代がわずかにかかる点です。

まとめ

燃費のいい石油ストーブを選ぶ鍵は、「出力÷消費量」の比較ではなく、「部屋に合った出力」と「最小火力」、そして「維持管理」です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
出力÷消費量確認した機種ではほぼ同じ(約10.3)
出力の選び方木造で1畳あたり約0.36〜0.39kW(確認した機種の計算値)
出力1kWの差最大火力の連続使用で、1シーズン約14,000円の灯油代の差(当サイト計算)
最小火力最小の消費量が小さい機種ほど、弱火で使い続けやすい
連続燃焼時間タンク容量との組み合わせで見る。長い=燃費がよい、ではない
維持管理芯・燃焼筒・灯油の質・設置場所で燃焼が変わる
電気代電池点火はなし。FF式・ファンヒーターは少額

まずは、お持ちの部屋の広さ(木造かコンクリートか)と、候補の機種の「暖房出力」「燃料消費量(最大・最小)」を並べて、確認してみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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