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石油ストーブと電気ストーブの違いとは?|暖かさ・暖房費・安全性・使える場所をタイプ別に比較

石油ストーブと電気ストーブを並べ、暖かさ・暖房費・安全性・使える場所の違いを比較するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

石油ストーブと電気ストーブは、見た目は似ていても、燃料も、暖め方も、使うときの決まりも異なります。
「どちらが暖かいのか」「どちらが安いのか」「どちらが安全なのか」と迷う人は多いでしょう。
この記事では、暖かさ、暖房費、安全性、使える場所、手間の5点で比較します。
結論から言うと、同じ熱量を出すための費用は、石油ストーブのほうが安くなりやすい一方、換気や給油などの手間・注意点は、電気ストーブのほうが少ないという違いがあります。
電気ストーブの電気代そのものは、電気ストーブの電気代を解説した記事で、安全面は電気ストーブの火事を解説した記事で紹介しているため、ここでは「石油ストーブとの違い」に絞ります。

目次

5つの観点の比較表

スクロールできます
観点石油ストーブ電気ストーブ
熱の源灯油の燃焼電気(ヒーターで発熱)
暖かさ暖房出力が大きい機種がある(確認できた機種で約2.3〜6.7kW)一般に1,000W前後までが中心
暖房費灯油代(電池点火は電気代なし)電気代
換気開放式は1時間に1〜2回、1〜2分が必要燃焼しないため、換気は不要
一酸化炭素開放式は換気不足でリスク発生しない
火災可燃物を近づけない、転倒時の対策が必要可燃物が触れると発火することがある
手間給油、芯の手入れ、電池交換コンセントにつなぐだけ
停電時電池点火・電池レスの機種は使える使えない

暖かさの違い

出力の違い

機種暖房出力
石油ストーブ(トヨトミ RB-25C)最大2.5kW
石油ストーブ(トヨトミ RS-S23C)2.25kW
石油ストーブ(コロナ SX-CE280Y)2.83kW
石油ストーブ(トヨトミ KS67H)6.66kW
電気ストーブ(強)約1.0kW(1,000W)が中心。弱は約0.4kW

※電気ストーブの数値は、電気代が安い暖房器具を解説した記事に掲載されている消費電力の目安です。
電気ストーブは、消費した電力がほぼそのまま熱になります。
石油ストーブの数値は、取扱説明書または販売店の仕様表によります。

一般的な家庭用の電気ストーブ(約1kW)は、確認できた石油ストーブの最大出力(2.3〜6.7kW)の半分以下です。電気ストーブで、石油ストーブと同じ熱量を出そうとすると、複数台が必要になり、コンセントの容量にも制約が出ます。

コンセントの容量との関係

電気ストーブで石油ストーブ並みの熱を出そうとすると、電流の面でも無理が出ます(当サイト計算。
電圧100Vとして、電流=消費電力÷100で計算)。

出したい熱量必要な電気ストーブの台数(1kWの場合)必要な電流
1.0kW1台約10A
2.5kW(RB-25C 最大相当)2.5台(実際は3台)約25A
2.83kW(SX-CE280Y 相当)約3台約28A

一般的な家庭のコンセントは、1口あたり15A(1,500W)までのものが多い、とされています(一般的な目安。
ご家庭の配線や契約アンペア数は、実際の設備で確認してください)。
2.5kW分を電気ストーブでまかなうには、複数の回路に分けてつなぐ必要が出てきます。
他の家電と同時に使うと、ブレーカーが落ちるおそれもあります。
つまり、電気ストーブは「部屋全体を暖める」よりも、「手元・足元などの小さな範囲を暖める」用途に向くと言えます。

暖め方の違い

タイプ暖め方
石油ストーブ(対流式)暖気が上昇して部屋全体を暖める。部屋の中央が効果的(トヨトミ RB-25C)
石油ストーブ(反射式)反射板で前方へ熱を放射する
電気ストーブ前方の限られた範囲を暖めるタイプが多い(電気ヒーターの一般的な特徴)

電気ストーブは、立ち上がりが早く、スイッチを入れるとすぐに前方が暖かくなります。
石油ストーブは、点火から炎が安定するまでに数分かかります(トヨトミ RB-25C は約2分で炎が上がる)。

暖房費の違い

同じ熱量を出す費用

3.0kWhの熱を出すとき(3.0kWを1時間)の費用で比べます。

暖房計算3.0kWh分の費用
石油ストーブ(灯油100円/L)3.0÷10.3L × 100円約29円
石油ストーブ(灯油120円/L)3.0÷10.3L × 120円約35円
石油ストーブ(灯油140円/L)3.0÷10.3L × 140円約41円
電気ストーブ(電気31円/kWh)3.0kWh × 31円約93円

※灯油は、暖房出力÷燃料消費量 ≒ 10.3(kWh/L)という、トヨトミ・コロナの取扱説明書・仕様表の数値から出した値を使っています。
灯油の単価は仮の値です。
電気は31円/kWhを計算用の目安として使っています。
契約により異なります。

電気ストーブは、消費した電力がそのまま熱になる(効率は1)ため、同じ熱量を出すのにかかる費用は、灯油より高くなりやすい、という計算結果です。

灯油の単価別に、何倍の差があるか

同じ2.5kWh(RB-25C の最大出力×1時間相当)を出すときの費用を計算します(当サイト計算)。

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暖房計算2.5kWh分の費用電気の灯油に対する倍率
灯油 100円/L2.5÷10.3 × 100円約24円約3.2倍
灯油 120円/L2.5÷10.3 × 120円約29円約2.7倍
灯油 140円/L2.5÷10.3 × 140円約34円約2.3倍
電気ストーブ(31円/kWh)2.5 × 31円約78円-

灯油の単価が高くなっても、電気ストーブの費用は約2.3倍以上です。
つまり、灯油が高い時期でも、熱量あたりの費用は、石油ストーブのほうが安くなりやすいことが分かります。

1時間の費用(実際の機種の出力で)

暖房1時間の費用の目安
電気ストーブ 弱(400W)約12円
電気ストーブ 強(1,000W)約31円
石油ストーブ RB-25C 最大(0.243L/h、灯油120円/L)約29円
石油ストーブ RB-G2524 最小(0.122L/h、灯油120円/L)約15円

※電気ストーブの数値は、31円/kWhとした当サイトの別記事の目安です。
**金額だけを見ると、1時間あたりの費用は近く見えますが、出る熱量が違います。
**石油ストーブ RB-25C の最大2.5kWに対し、電気ストーブ強は約1.0kWです。
同じ熱量で比べると、電気ストーブは約2.5倍の電力が必要になります。

1シーズンで見ると

2.5kWの熱を、1日8時間・150日(計1,200時間)出し続けたと仮定して、1シーズンの総額を計算します(当サイト計算。
最大出力で連続運転する前提の上限の目安)。

暖房計算1シーズンの総額
灯油 100円/L2.5÷10.3 × 1,200L分 × 100円約29,000円
灯油 120円/L同 × 120円約35,000円
灯油 140円/L同 × 140円約41,000円
電気ストーブ(31円/kWh)2.5kW × 1,200h × 31円約93,000円

※実際には、1日中最大出力で使い続けることは少なく、費用はこれより小さくなります。
電池点火の石油ストーブの電池代(年数百円程度)や、換気で逃げる熱は含んでいません。

暖房費に含まれないもの

項目石油ストーブ電気ストーブ
電池代電池点火の機種はかかるかからない
換気で逃げる熱開放式は、換気のたびに暖気が逃げる換気は不要
本体価格・手入れ芯の交換、掃除、点検ほとんどなし

エアコンとの費用比較は、石油ストーブとエアコンの比較記事で、石油ストーブの燃費の計算は石油ストーブの燃費を解説した記事で紹介しています。

安全性の違い

どちらにも、固有のリスクがあります。

石油ストーブの注意点(取扱説明書の記載から)

リスク取扱説明書の案内
一酸化炭素中毒使用中は1時間に1〜2回、1〜2分の換気をする(トヨトミ、コロナ)
火災周囲の可燃物から距離をとる。カーテン、布団、衣類の近くで使わない
給油時の火災消火して冷えてから給油。ガソリンは入れない
やけど高温部に触れない。近くで長時間あたると低温やけど
転倒・地震対震自動消火装置がある。月1回の作動確認が案内されている(トヨトミ)

電気ストーブの注意点

電気ストーブは燃焼しないため、一酸化炭素は発生しません。
ただし、前面のヒーターが高温になるため、布団や衣類などの可燃物が触れたり、近くに置かれたりして、発火する事故が起きることがあります。
詳しくは、電気ストーブによる火事の原因と防止策を解説した記事で紹介しています。

共通する注意

項目内容
可燃物どちらも、カーテン・布団・衣類を近づけない
就寝時・外出時どちらも、必ず消す(石油ストーブは取扱説明書で必ず消火するよう案内)
子ども・ペットどちらも、高温部に触れない配置にする
洗濯物どちらも、乾燥に使わない

使える場所・手間の違い

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項目石油ストーブ電気ストーブ
賃貸・マンション使用を禁止する物件がある。契約を確認使用できる場合が多い
換気ができない部屋使えない(窓が凍結している場所、地下室など)使える
小さな部屋・脱衣所開放式は換気が必要。向かない場合がある向く(火災・転倒に注意)
屋外・ベランダ使えない(トヨトミ、コロナの取扱説明書)屋外での使用可否は、機種の取扱説明書で確認
給油・手入れ給油、芯の手入れ、電池交換ほとんど不要
持ち運び消火・冷却後、灯油を抜いて運ぶ場合もあるコンセントの範囲で移動
臭い点火・消火時ににおいが出ることがあるほとんどない
停電時電池点火・電池レスの機種は使える使えない

賃貸・マンションで石油ストーブを使えるかは、まず管理規約・賃貸借契約書で確認するのが基本です。

タイプ別|電気ストーブと比べるときのポイント

タイプポイント
対流式部屋全体を暖める。電気ストーブより出力が大きい。換気が必要
反射式前方を暖める点は電気ストーブと似る。出力は大きい。前に可燃物を置かない
電池レス電気に頼らない。停電時の備えとして電気ストーブにはない強み
煙突式機種による。取扱説明書で確認し、販売店・専門業者に相談
FF式屋外へ排気する密閉式。電源が必要。据付けは専門業者
石油ファンヒーター電源が必要。取扱説明書の置き場所・換気の条件に従う

選び方の目安

状況向いている選択
広い部屋を、長時間暖めたい石油ストーブ(出力が大きく、灯油代のほうが安くなりやすい)
小さな部屋・脱衣所・デスク周りだけ電気ストーブ(換気不要、手間が少ない)
短時間だけ、すぐ暖まりたい電気ストーブ(立ち上がりが早い)
停電に備えたい電池式・電池レスの石油ストーブ
賃貸で、石油ストーブが禁止電気ストーブ、エアコンなど
換気をこまめにできない電気ストーブ、エアコン
暖房費を抑えたい熱量あたりでは石油ストーブが有利になりやすい。エアコンも検討

どのタイプでも、開放式は使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気してください。就寝中や、長時間その場を離れるときは必ず消火し、給油は消火して冷めてから行ってください。ガソリンは絶対に入れないでください。

よくある質問

Q1. 石油ストーブと電気ストーブでは、どちらが暖かいですか?

出力の大きさでは、石油ストーブです。
確認できた石油ストーブは約2.3〜6.7kWで、一般的な電気ストーブ(約1kW)の2倍以上あります。
ただし、電気ストーブは立ち上がりが早く、前方をすぐ暖められます。

Q2. どちらが安いですか?

同じ熱量を出す費用では、石油ストーブのほうが安くなりやすい計算です(3.0kWhで、灯油なら約29〜41円、電気ストーブなら約93円)。
ただし、灯油の単価、電気の契約、換気で逃げる熱、電池代で変わります。

Q3. 電気ストーブは、換気しなくていいですか?

電気ストーブは燃焼しないため、一酸化炭素は発生しません。
ただし、長時間閉め切ると空気がこもるため、空気の入れ替えは必要です。

Q4. どちらが安全ですか?

どちらにも固有のリスクがあります。
石油ストーブは換気不足による一酸化炭素中毒、給油時の火災、電気ストーブは可燃物の接触による発火が代表例です。
いずれも、取扱説明書に従って使うことが前提です。

Q5. 石油ストーブと電気ストーブを併用してもいいですか?

併用できます。
部屋全体を石油ストーブで暖め、トイレや脱衣所など換気しにくい場所だけ電気ストーブを使う、といった使い分けもあります。
ただし、同じコンセントに電気ストーブを多数つながないようにしてください。

まとめ

石油ストーブと電気ストーブは、出力、費用、安全面、手間が異なります。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
暖かさ石油ストーブのほうが出力が大きい(約2.3〜6.7kW、電気ストーブは約1kWが中心)
コンセント2.5kW相当を電気ストーブでまかなうと約25Aになり、複数回路が必要
暖房費同じ熱量なら、石油ストーブのほうが安くなりやすい(3.0kWhで約29〜41円と約93円)
換気石油ストーブ(開放式)は必要。電気ストーブは不要
安全性どちらにもリスクがある。可燃物から離す、就寝時は消す
手間石油ストーブは給油・手入れが必要。電気ストーブはほぼ不要
停電電池式・電池レスの石油ストーブは使える

まずは、暖めたい部屋の広さ、換気のしやすさ、使う時間を整理して、どちらが生活に合うかを考えてみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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