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LPガスの法改正とは?三部料金制と賃貸ルールをわかりやすく解説

LPガスの法改正について三部料金制と賃貸住宅のルールをわかりやすく紹介するイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

「LPガスの法改正で何が変わったの?」
「エアコン代がガス料金に上乗せされているって本当?」

ニュースやSNSでLPガスの制度改正を目にして、こう気になった方も多いのではないでしょうか。

今回の法改正は、これまで「不透明で高い」と指摘されてきたLPガス料金の慣行を是正することを目的としたものです。
とくに賃貸住宅にお住まいの方には関わりの深い内容が含まれています。

この記事では、2024年に公布された液化石油ガス法施行規則の改正について、何がどう変わったのか、いつから始まるのか、そして自分の暮らしにどう影響するのかを、経済産業省の公表資料をもとに整理して解説します。

目次

結論:LPガスの法改正で変わったポイント

まず全体像です。
今回の改正は、経済産業省が2024年4月2日に公布した「液化石油ガス法施行規則の一部を改正する省令」によるものです。
おおまかに、次の3つの柱で成り立っています。

  • 過大な営業行為の制限:ガス事業者が不動産・建設業者へ設備を無償提供するなどの行き過ぎた商慣行を抑える
  • 三部料金制の徹底:料金を「基本料金・従量料金・設備料金」に分けて示し、ガスと無関係な費用の上乗せを禁止する
  • 料金情報の事前提供:賃貸物件の入居前にLPガス料金を確認できるようにする

📎 出典:経済産業省「液化石油ガス法施行規則の一部を改正する省令を公布しました」

なぜ法改正が行われたのか(背景)

LPガス(プロパンガス)は、都市ガスが通っていない地域でもボンベを設置すれば使えるという利点があります。
一方で、料金の決まり方が事業者ごとに異なり、外から見えにくいという課題が長く指摘されてきました。

とくに問題視されたのが、ガスとは関係のない設備の費用が、ガス料金に上乗せして回収されてきた慣行です。
たとえば賃貸アパートの建設時に、ガス事業者がエアコンや給湯器、インターホンなどを無償で設置する代わりに、その費用を毎月のガス料金へ少しずつ乗せて回収する、といった形です。

この仕組みは、入居者から見ると「なぜ自分のガス代が高いのか」がわからないまま負担が発生している状態でした。
本来オーナーが家賃で負担すべき設備費用が、入居者のガス料金に紛れ込んでいたわけです。
こうした不透明さを解消し、料金の透明性を高めることが、今回の改正のねらいです。

📎 出典:経済産業省「LPガス料金の表示・計上方法に関する新しいルールの概要」(PDF)

なお、この上乗せ慣行は事業者が入居者に対して説明するものではないため、多くの利用者が気づかないまま負担してきた点も、制度改正が求められた理由のひとつです。

改正の3つの柱を詳しく

① 過大な営業行為の制限

ガス事業者が、不動産・建設関係者に対して設備の無償提供や紹介料といった行き過ぎた利益供与を行うことが禁止されました。
また、消費者が他の事業者へ乗り換えにくくなるような、事業者の切り替えを制限する条件付き契約を結ぶことも禁止されています。

これにより、設備費を回収するために料金へ上乗せする、という構図そのものを元から断つことがねらいです。

② 三部料金制の徹底(設備費の外出し)

料金の透明化にあたる、今回の改正の中心部分です。
LPガス料金を請求する際は、次の3つに分けて示すことが義務づけられました。

区分内容
基本料金使用量に関係なく毎月かかる費用
従量料金使ったガスの量に応じてかかる費用
設備料金配管やガス器具など、消費設備の貸与にかかる費用

そのうえで、次の費用をガス料金に計上することが禁止されました。

  • 電気エアコン・インターホン・Wi-Fi機器など、LPガスの消費と関係のない設備費用
  • 賃貸住宅では、給湯器やガスコンロなどガス器具の消費設備費用も計上不可(本来は家賃で回収すべきもの)

ただし適用範囲には段階があります。
料金を三部に分けて示すルールは新規・既存の契約いずれにも適用されますが、エアコン等の計上禁止や賃貸のガス器具費用の計上禁止は新規契約から適用され、既存契約は早期の移行が努力義務とされています。

📎 出典:経済産業省「改正省令の概要」(PDF)

③ 料金情報の事前提供

賃貸集合住宅では、入居後にLPガス事業者を自分で変えることは事実上できません。
そこで、契約前に料金を確認できるよう、次のルールが設けられました。

  • 入居希望者へLPガス料金を事前に提示する努力義務(オーナーや不動産管理会社・仲介業者を通じた提示を含む)
  • 入居希望者から事業者へ直接、情報提供の要請があった場合は、それに応じる義務

つまり、物件を決める前に「この部屋のガス料金はいくらか」を確認できるようになった、ということです。

いつから始まる?施行スケジュール

改正内容は、項目によって施行日が分かれています。

改正事項施行日
過大な営業行為の制限2024年7月2日
料金情報の事前提供2024年7月2日
三部料金制の徹底(設備費の計上禁止)2025年4月2日

料金の透明化に直結する三部料金制の部分は、2025年4月2日から本格的に始まっています。

自分の暮らしにどう影響する?

賃貸住宅にお住まいの方・これから借りる方

もっとも関わりが深いのが賃貸の入居者です。
これから物件を探す方は、契約前にLPガス料金を確認できるようになりました。
すでに入居中の方も、既存契約は事業者に早期移行の努力義務があるため、料金の内訳が是正されていく方向にあります。
検針票や請求書で、基本料金・従量料金・設備料金の内訳が示されているかを一度確認してみるとよいでしょう。

戸建て・持ち家でLPガスを使っている方

持ち家の場合も、料金を三部に分けて示すルールは適用されます。
一方で、設備費の負担については販売事業者と利用者の間で合意があれば、その方法によることも認められています。
戸建てと賃貸集合住宅では設備費の扱いが構造的に異なるため、自宅がどちらに当たるかを踏まえて内訳を見ることが大切です。

消費者ができること

  • 検針票・請求書で料金の内訳(基本・従量・設備)を確認する
  • 賃貸を探す際は、契約前にLPガス料金を問い合わせる
  • 不透明な上乗せが疑われる場合は、資源エネルギー庁の通報フォームを利用する

📎 出典:資源エネルギー庁「LPガスの取引適正化に関する情報提供窓口(通報フォーム)」

LPガス料金そのものの仕組みや、都市ガスとの違いについては、あわせてプロパンガスとLPガスの違いプロパンガスが高い理由と対処法の記事も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. LPガスの法改正で、料金は必ず安くなりますか?
必ず安くなると決まっているわけではありません。今回の改正は、料金の内訳を透明にし、ガスと無関係な設備費の上乗せを禁止するものです。上乗せがあった物件では負担が軽くなる可能性がありますが、ガスの仕入れ価格や使用量によって料金は変動するため、一律に下がるとは限りません。

Q2. 賃貸のエアコン代がガス料金に含まれていたら違反ですか?
電気エアコンやインターホンなど、LPガスの消費と関係のない設備費用をガス料金に計上することは禁止されています。ただし既存契約は早期移行の努力義務という扱いのため、すぐに全物件で解消されているとは限りません。気になる場合は事業者やオーナーに料金の内訳を確認しましょう。

Q3. 今すでにLPガスを契約中ですが、何か手続きは必要ですか?
利用者側で特別な手続きは基本的に必要ありません。料金の内訳を三部に分けて示すルールは既存契約にも適用されるため、まずは検針票や請求書で内訳が示されているかを確認するのがおすすめです。

Q4. 物件を借りる前に、その部屋のガス料金を知ることはできますか?
できます。改正により、入居希望者への料金の事前提示が努力義務となり、希望者から事業者へ直接情報提供を求めた場合は応じる義務が課されました。物件を決める前に、不動産会社や事業者へガス料金を問い合わせることができます。

Q5. 不透明な料金だと感じたら、どこに相談すればよいですか?
資源エネルギー庁が「LPガスの取引適正化に関する情報提供窓口(通報フォーム)」を設けています。設備費の不適切な上乗せなどが疑われる場合に情報を提供できます。まずは事業者に内訳の説明を求め、それでも解消しない場合に窓口の利用を検討するとよいでしょう。

まとめ

LPガスの法改正は、長く指摘されてきた「不透明で高い」料金慣行を是正し、透明性を高めるためのものです。
ポイントを整理します。

  • 2024年4月2日に施行規則の改正省令が公布された
  • 三部料金制(基本・従量・設備)の徹底で、料金の内訳が明確になった
  • エアコン等の無関係な設備費や、賃貸のガス器具費用の上乗せが禁止された
  • 賃貸では、入居前に料金を確認できるようになった
  • 三部料金制の部分は2025年4月2日から本格施行

まずは手元の検針票や請求書で、料金の内訳を一度確認してみましょう。
賃貸を探す際は、契約前にガス料金を問い合わせておくと、入居後の「思ったより高い」を防ぎやすくなります。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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