長府製の石油給湯器に412と表示されて、自動お湯はりが止まってしまった。
とくに心当たりもないのに、なぜエラーが出たのか分からない。
このグループには、他のエラーにはない特徴があります。
使い方や設置条件が原因で表示されることがあるという点です。
長府は412について、お湯はり中に蛇口の開閉を1分間に6回行うと警報になると明記しています。
つまり故障していなくても、条件が揃えば出るということです。
この記事では、流量や水位を測るセンサーが何のために存在するのかを押さえたうえで、411・412・432・ELをそれぞれ整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 給湯の可否 |
|---|---|---|
| 411 | 給湯水量センサの作動不良検知 | 機種・状況により異なる |
| 412 | 給湯またはお湯はりの流量センサによる流量誤検知 | 給湯は使用可能 |
| 432 | 水位センサが許容範囲を超えた水位を検出 | 給湯は使用可能 |
| EL | 水位センサが許容範囲を超えた水位を検出 | 給湯は使用可能 |
センサーは「加減」を決めるためにある
石油給湯器は、ただ湯を沸かして流しているわけではありません。
今どれだけ流れているか、どれだけ溜まったかを把握しながら、火力や弁の開き具合を調整しています。
このグループのセンサーは、その判断材料を集める役割です。
| センサー | 測っているもの | 分からないと困ること |
|---|---|---|
| 給湯水量センサ | 給湯で流れている湯の量 | どれだけの火力が必要か決められない |
| 流量センサ | お湯はりで送った量 | お湯はりの進み具合が分からない |
| 水位センサ | 浴槽に溜まった水位 | どこで止めればよいか分からない |
測れないと、機器は加減ができなくなります。
だから運転を止めるか、機能を制限することになります。
412は「使い方」で出ることがある
412は、給湯またはお湯はりの流量センサが流量を誤検知した状態です。
そして長府は、確認事項の欄に驚くほど具体的な条件を書いています。
お湯はり中に【蛇口の(開/閉)を1分間に6回】行うと【412】警報になります
なぜ蛇口の開閉が影響するのか
お湯はり中は、機器が送り出した量を数えながら進行を管理しています。
そこへ台所や洗面所で別にお湯を使うと、流れが分散します。
長府の取扱説明書には、お湯はり中やたし湯中にシャワーやじゃ口でお湯を使用すると、お湯はりやたし湯を中断することがあると記載されています。
中断そのものは正常な動作です。
しかしこの中断と再開が短時間に何度も繰り返されると、流量の変化が正常な範囲を超えていると判定されます。
それが412です。
心当たりがあるかどうかで判断が変わる
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| お湯はり中に台所や洗面所でお湯を頻繁に使っていた | 使い方が原因の可能性。リセットして様子を見る |
| とくに何もしていないのに出た | センサー側の不具合が疑われる。点検を依頼 |
| リセット後、同じ使い方をしなくても再発する | 点検を依頼する |
まずは、お湯はり中に他の場所でお湯を使っていなかったかを思い返してください。
家族が同時に使っていた場合も含まれます。
なお、お湯が急に水になる、温度が安定しないといった症状には他の原因もあります。
切り分けの考え方はシャワーを出しっぱなしにしたらガスが止まった|原因と正しい復帰手順も参考になります。
給湯は使える
412が出ている状態でも、長府は給湯は使用可能としています。
取扱説明書でも、シャワーやじゃ口でお湯の使用はできるが、ふろ自動・追いだき・たし湯・たし水ができないと案内されています。
浴槽には蛇口からお湯を張れるため、入浴自体は可能です。
411は「ぬるいお湯になる」
411は給湯水量センサの作動不良です。
ここには、資料によって扱いが分かれる点があります。
| 資料 | 411の扱い |
|---|---|
| エラーコード一覧 | 給湯水量センサ作動不良検知による運転停止 |
| 取扱説明書 | 設定温度のお湯が出せない(警告表示) |
取扱説明書のほうは、さらにこう続けています。
ふろ自動・たし湯・追いだきはできますが、ぬるいお湯になります。お早めにお買い求めの販売店にご連絡ください。
つまり機種や状況によって、完全に停止する場合と、動くけれど設定温度に届かない場合があるということです。
なぜぬるくなるのか
給湯水量センサは、今どれだけの湯が流れているかを測っています。
この情報がなければ、必要な火力を決められません。
流量が多いのに火力が足りなければ、当然お湯はぬるくなります。
「使えているけれど温度が上がらない」という状態は、機器が手探りで動いている状態だと考えてください。
使えてしまうぶん放置されやすいのですが、長府も早めの連絡を求めています。
なお流量が落ちる原因はセンサー以外にもあるため、エコキュートの水圧が弱い原因と対処法とは?|シャワーを強くする5つの方法の観点も併せて確認してみてください。
432とELは浴槽の設置条件を見る
432とELは、どちらも水位センサが許容範囲を超えた水位を検出した状態です。
内容は同じで、機種によって表示が変わります。
そして確認事項がこの2つの特徴を表しています。
浴槽設置が工事説明書の許容範囲を超えていないか確認して下さい
日常の使い方では起きない
利用者の操作ではなく、浴槽と給湯器の設置関係に許容範囲が定められているという話です。
その範囲を超えていると、水位センサが正しい値を返せません。
したがって、何年も問題なく使えていた機器で突然出るものではありません。
疑うべきなのは次のタイミングです。
- 給湯器を設置した直後
- 浴室をリフォームした直後
- 浴槽を交換した直後
- 給湯器を移設した直後
利用者が判断できる内容ではない
許容範囲の具体的な数値は工事説明書に記載されており、施工業者が参照するものです。
利用者が図面を確認して適否を判断することは現実的ではありません。
432やELが設置後から続いているなら、施工した業者に「工事説明書の許容範囲を満たしているか」を確認してもらってください。
機器の故障ではなく、設置条件の問題である可能性があります。
なお432とELも給湯は使用可能です。
ふろ機能が使えないだけなので、修理までのあいだは蛇口からお湯を張れば入浴できます。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
センサー本体は自分で確認できない
このグループで利用者ができるのは、状況の切り分けまでです。
| できること | 内容 |
|---|---|
| 使い方を思い返す | お湯はり中に他でお湯を使っていなかったか |
| 直前の工事を確認する | 設置・リフォーム・移設がなかったか |
| リセットを試す | 運転スイッチをOFF/ONする |
| 再発の有無を記録する | いつ、どんな使い方のときに出たか |
| センサー本体を点検する | 分解が必要。業者に依頼する |
長府は改造や分解を禁止しており、火災・感電・漏電などの事故につながるとしています。
機器のカバーを開ける作業は行わないでください。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| お湯はり中に他の場所でお湯を使っていた | 使い方が原因の可能性。リセットして様子を見る |
| リセットで復帰し、その後は出ない | 一過性。日付と使い方を記録しておく |
| 心当たりがないのに412が出る | センサー側の不具合。点検を依頼 |
| 411が出てお湯がぬるい | 火力の制御ができていない。早めに点検を依頼 |
| 432・ELが設置直後から出ている | 設置条件の問題。施工業者に確認する |
| 浴室リフォームの直後に出はじめた | 浴槽の設置関係を業者に確認してもらう |
| 給湯は使えるがふろ機能が使えない | 蛇口から湯を張れば入浴は可能 |
よくある質問
Q1. 412は故障ですか?
故障とは限りません。
長府は412の確認事項として、お湯はり中に蛇口の開閉を1分間に6回行うと警報になると明記しています。
お湯はり中に台所や洗面所でお湯を頻繁に使うと、機器がお湯はりを中断と再開を繰り返し、流量の変化を誤検知することがあります。
心当たりがあるならリセットして様子を見てください。
思い当たることがないのに出る場合や、使い方を変えても再発する場合は点検を依頼してください。
Q2. お湯はり中に食器を洗ってはいけないのですか?
してはいけないわけではありません。
お湯はり中に他の場所でお湯を使うと、機器はお湯はりを一時中断します。
これは正常な動作で、使用が終われば再開します。
問題になるのは、短時間に何度も開け閉めを繰り返した場合です。
お湯はり中はできるだけ他でのお湯の使用を控えるか、まとめて使うようにすると412を避けやすくなります。
Q3. 411が出ましたが、お湯はぬるいながら出ています。急ぎませんか?
早めに連絡してください。
取扱説明書では411について、ふろ自動・たし湯・追いだきはできるがぬるいお湯になるとしたうえで、お早めに販売店へ連絡するよう案内しています。
給湯水量センサは流れている湯の量を測っており、この情報がなければ必要な火力を決められません。
使えているように見えても、機器は本来の制御ができていない状態です。
なお機種によっては運転停止になる場合もあります。
Q4. 432が出ました。浴槽の設置が悪いということですか?
その可能性があります。
長府は432とELの確認事項として、浴槽設置が工事説明書の許容範囲を超えていないか確認するよう案内しています。
浴槽と給湯器の設置関係には許容範囲が定められており、それを超えると水位センサが正しい値を返せません。
許容範囲の数値は工事説明書に記載されているため、利用者が判断することは困難です。
設置やリフォームの直後から出ているなら、施工した業者に確認してもらってください。
Q5. 432が出ていますがお風呂に入れますか?
入れます。
432とELは給湯は使用可能とされているため、シャワーや蛇口からのお湯は使えます。
浴槽に蛇口からお湯を張れば入浴は可能です。
使えなくなるのは自動お湯はりなど、水位の判定を必要とする機能です。
ただしこの状態を続けることが望ましいわけではないので、原因の確認は早めに行ってください。
まとめ
411・412・432・ELは、流量や水位を測るセンサーに関わるコードです。
これらの情報がなければ、機器は火力や停止のタイミングを決められません。
412には、お湯はり中に蛇口の開閉を1分間に6回行うと警報になるという具体的な条件が示されています。
使い方が原因のこともあるため、まずお湯はり中に他の場所でお湯を使っていなかったかを思い返してください。
411は給湯水量センサの作動不良で、取扱説明書ではぬるいお湯になると案内されています。
使えているように見えても制御ができていない状態なので、早めの連絡が必要です。
432とELは浴槽の設置条件に関わります。
日常の使い方で突然出るものではないため、設置やリフォームの直後であれば施工業者に確認してもらってください。
いずれも給湯は使用可能なケースが多く、蛇口から浴槽にお湯を張れば入浴はできます。

