追いだきを押したのに、途中で止まって012やF8と表示された。
湯はぬるいままで、もう一度押しても同じところで止まる。
これらは追いだきの許容時間を超えたことを示すコードです。
部品が壊れたという意味ではありません。
決められた時間内に設定温度まで届かなかったため、機器が運転を打ち切ったという状態です。
言い換えれば時間切れです。
そして時間切れになった以上、何かが沸き上げの時間を延ばしていることになります。
この記事では、長府が示している具体的な条件を出発点に、その「何か」を探していきます。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 解除方法 |
|---|---|---|
| 012 | 追いだき許容時間超過による運転停止 | 運転スイッチのOFF/ON |
| F8 | 追いだき許容時間超過による運転停止 | 運転スイッチのOFF/ON |
012には具体的な条件が示されている
長府は012の確認事項として、次のように記載しています。
浴槽に残り湯が(循環口より上まで)ある状態で【ふろ自動運転】を行うと【012】警報になる場合があります
これは追いだきそのものではなく、ふろ自動運転を行ったときの話である点が重要です。
なぜ残り湯があると時間超過になるのか
ふろ自動は、浴槽に設定量のお湯を張り、設定温度に整えるという一連の動作です。
浴槽が空であれば、給湯器は設定温度のお湯をそのまま送り込むだけで済みます。
ところが残り湯が入っていると、話が変わります。
- すでに水位があるため、新しく送り込める量が減る
- 減ったぶん、冷めた残り湯の割合が大きくなる
- その残り湯を温める作業、つまり追いだきの負担が増える
- 規定の時間内に設定温度まで届かず、012になる
一晩置いた残り湯は、季節によっては外気温に近い温度まで下がっています。
それを設定温度まで引き上げるには、相応の時間がかかります。
節約のための使い方が引き金になる
残り湯を捨てずに翌日そのまま沸かし直す、という使い方をしている家庭は少なくありません。
水道代を抑える意図としては合理的です。
ただしこの使い方は、ふろ自動が想定している前提から外れています。
012が繰り返し出るなら、まずここを疑ってください。
F8には確認事項の記載がない
F8も内容は同じで、追いだき許容時間超過による運転停止です。
警報解除方法も運転スイッチのOFF/ONで共通です。
ただし長府の一覧では、F8の確認事項の欄は空欄になっています。
012のように具体的な条件は示されていません。
機種によって表示のしかたが異なるものと考えられ、対処の考え方は012に準じます。
どちらが表示されていても、確認する場所は同じです。
沸き上げの時間を延ばしている要因
時間切れである以上、原因は「時間がかかった理由」の側にあります。
| 要因 | どう影響するか |
|---|---|
| 残り湯の温度が低い | 温度差が大きいほど時間がかかる |
| 湯量が多い | 温める水の量が増える |
| 設定温度が高い | 到達までの温度差が広がる |
| 冬期である | 給水温度も外気温も低い |
| 循環口フィルターの詰まり | 湯の流れが悪く、熱が伝わりにくい |
| 熱交換器の湯あか | 熱の伝わりが落ちる |
| 断水している | そもそも追いだきができない |
長府は、断水しているときは追いだきやふろ保温ができないと明記しています。
また、ふろ熱交換器に湯あかが溜まるとお湯の沸き上げに時間がかかるとして、定期的な掃除を求めています。
浴槽の汚れがどう蓄積するかについてはお風呂の排水口が臭い!下水臭の原因別・掃除と予防の完全ガイドも参考になります。
まず前提条件を確認する
追いだきを行うには、満たしておくべき条件があります。
- 水位:おふろの循環口上部から約5cm以上のお湯(水)が入っているか
- 循環口フィルター:ゴミが詰まっていないか
- 排水栓:しっかり閉まっているか
- 断水:運転中に断水していないか
水位が足りなければ湯を吸い込めず、フィルターが詰まっていれば流れが細くなります。
どちらも熱が伝わる効率を落とすため、結果として時間切れにつながります。
循環口フィルターの清掃頻度や入浴剤の扱いはコロナ エコキュートのE22エラー解除方法とは?|原因・対処手順・修理費用まとめの考え方も参考になります。
使い方を変えると解消することがある
前提条件に問題がなければ、次は使い方の見直しです。
残り湯を捨ててからふろ自動を行う
もっとも確実な方法です。
浴槽を空にしてからふろ自動を実行すれば、機器は本来の手順で動けます。
残り湯を洗濯などに使いたい場合は、汲み置いてから浴槽を空にしてください。
設定温度と湯量を見直す
設定温度が高いほど、到達までの時間は延びます。
冬期に高めの設定にしている場合は、少し下げるだけで時間内に収まることがあります。
湯量についても、長府の基準浴そうは有効水量200〜300L、最大400Lまでとされています。
これに近い大きさの浴槽で高温設定にしていると、条件的に厳しくなります。
冷めた湯は「沸かし直す」より「入れ替える」
一晩置いた残り湯を追いだきで温め直す行為は、機器にとってはもっとも負荷の高い使い方です。
燃料の消費も、温度差が大きいぶん増えます。
012が頻発するなら、入れ替えたほうが結果的に経済的なこともあります。
繰り返すなら機器側を疑う
ここまでの確認をしても解消しない、あるいは以前と同じ使い方なのに出るようになった場合は、状況が違います。
「去年までは同じやり方で沸いていたのに、今年は時間切れになる」というのは、能力が落ちているサインです。
考えられるのは次のような部分です。
- ふろ熱交換器の湯あか堆積
- 循環ポンプの能力低下
- バーナーの燃焼状態の低下
- 配管内の汚れ
長府は1年に1回以上の配管洗浄を求めており、フルオート・オート以外の機種ではふろ熱交換器の掃除を行うことになります。
掃除をしても改善しないなら、点検を依頼してください。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 残り湯がある状態でふろ自動を行った | 残り湯を捨てて再実行する |
| 水位が循環口上部から5cm未満だった | お湯を足してから追いだきする |
| 循環口フィルターにゴミが詰まっていた | 掃除して再運転する |
| 運転中に断水していた | 復旧後に再運転する |
| 冬になってから出るようになった | 設定温度や湯量を見直す |
| 一晩置いた湯を沸かし直している | 入れ替えを検討する |
| 以前と同じ使い方なのに出る | 能力の低下。配管洗浄と点検を検討 |
| 掃除しても改善しない | 点検・修理を依頼する |
よくある質問
Q1. 012が出ましたが故障ですか?
故障とは限りません。
012は追いだきの許容時間を超えたことを示すコードで、決められた時間内に設定温度まで届かなかった状態です。
長府は確認事項として、浴槽に残り湯が循環口より上まである状態でふろ自動運転を行うと012になる場合があると記載しています。
まず残り湯の有無を確認し、浴槽を空にしてからふろ自動を実行してみてください。
それでも繰り返すようであれば、機器側の点検が必要です。
Q2. 012とF8は何が違うのですか?
意味は同じです。
どちらも追いだき許容時間超過による運転停止で、警報解除も運転スイッチのOFF/ONで共通です。
違いは、長府の一覧における確認事項の記載で、012には残り湯に関する具体的な条件が示されているのに対し、F8の欄は空欄になっています。
機種によって表示のしかたが異なるものと考えられ、確認する場所や対処の考え方は同じです。
Q3. 残り湯を沸かし直すのはやめたほうがよいですか?
012が繰り返し出ているなら、見直す価値があります。
一晩置いた残り湯は季節によって外気温に近い温度まで下がっており、設定温度まで引き上げるには大きな温度差を埋める必要があります。
そのぶん時間がかかり、燃料の消費も増えます。
水道代の節約になる一方で、燃料代と機器への負担は増えるため、頻繁に012が出る状況であれば入れ替えたほうが結果的に経済的なこともあります。
Q4. 冬だけ012が出ます。異常でしょうか?
季節の影響である可能性が高いです。
冬は給水温度も外気温も下がるため、同じ湯量を同じ温度にするのに時間がかかります。
残り湯の冷え方も夏とは比べものになりません。
設定温度を少し下げる、湯量を減らす、残り湯を捨ててから沸かすといった調整で解消することがあります。
それでも改善しない場合や、去年までは問題なかった場合は、能力の低下を疑って点検を依頼してください。
Q5. リセットすれば使えますが、放置してよいですか?
原因によります。
残り湯や水位、設定温度といった条件が原因であれば、その条件を変えれば解消します。
一方、以前と同じ使い方をしているのに出るようになったのであれば、ふろ熱交換器の湯あかや循環ポンプ、バーナーの状態など、機器側の能力低下が考えられます。
長府は1年に1回以上の配管洗浄を求めているため、まず掃除を行い、それでも改善しないなら点検を依頼してください。
まとめ
012とF8は、追いだきの許容時間を超えたことを示す時間切れの合図です。
故障とは限らず、何かが沸き上げの時間を延ばしていることを意味します。
012については、浴槽に残り湯が循環口より上まである状態でふろ自動運転を行うと出る場合があると長府が明記しています。
節約のために残り湯を沸かし直す使い方が、そのまま引き金になります。
まず確認すべきは、水位が循環口上部から約5cm以上あるか、循環口フィルターが詰まっていないか、断水していないかです。
そのうえで、残り湯を捨てる、設定温度を下げる、湯量を見直すといった調整を試してください。
以前と同じ使い方なのに出るようになったなら、話は別です。
ふろ熱交換器の湯あかや循環ポンプの能力低下が考えられるため、配管洗浄を行い、改善しなければ点検を依頼してください。

