リモコンに「760」や「76」が出て、温度設定もお湯はりも操作を受け付けない。
表示が点いたり消えたりして、そのうち何も映らなくなった。
このコードは、リモコンと給湯器本体のやり取りが成立していないことを示しています。
燃焼やガスに関わる異常ではないため危険度は高くありませんが、リモコンが効かないと温度も湯はりも操作できず、生活への影響は小さくありません。
この記事では、760・76が示す内容、近い番号との違い、家庭で確認できる範囲、そして修理と交換を分ける目安までを整理します。
760・76は「リモコンと本体が話せていない」状態
給湯器のリモコンは、乾電池やリモコン単体で動いているわけではありません。
給湯器本体から2本の細いケーブルで電気と信号を受け取り、常に本体とやり取りをしています。
温度を変える、湯はりを始める、エラーを表示するといった動作は、すべてこの通信の上に成り立っています。
パロマがこのコードに与えている内容は「リモコンとの通信異常」で、疑われる箇所としてリモコン本体、電装基板、リモコンケーブルの3つが挙げられています。
つまり原因はリモコン側・配線・本体側のどこかにあり、表示だけでは特定できません。
桁数の違いは機種によるもので、給湯専用タイプ(PHシリーズ)は2桁の「76」、ふろ給湯器や給湯暖房機は3桁の「760」と表示されます。
763・765との違い
同じ通信異常でも、相手が違えば番号が変わります。
| コード | 通信できていない相手 | 主に確認する場所 |
|---|---|---|
| 76・760 | 給湯・ふろリモコン | リモコン本体、リモコンケーブル、電装基板 |
| 763 | 浴室暖房・床暖房などの端末 | 浴室暖房本体、床暖房リモコン、熱源機の電装基板 |
| 765 | 洗濯注湯リモコン | 洗濯注湯リモコン、洗濯注湯基板、リモコンケーブル |
763は給湯暖房機(DHシリーズ)で表示されるもので、お湯は使えるのに床暖房や浴室暖房だけ動かない、という症状になりやすいコードです。
765は洗濯注湯機能が付いた機種に限られる表示です。
740・750(リモコン故障)との違い
リモコンに関わる番号には、通信ではなくリモコン自体の故障を示すものもあります。
| コード | 内容 |
|---|---|
| 76・760 | リモコンとの通信異常(つながっていない) |
| 74・740 | 給湯リモコンの故障 |
| 75・750 | 風呂(シャワー)リモコンの故障 |
| 24・240 | リモコンスイッチの故障 |
760は「通信が成立していない」、740・750は「リモコンそのものが壊れている」という違いです。
実際の対応はどちらも部品交換になることが多いのですが、業者に伝える際は番号をそのまま伝えてください。
起きやすい原因
| 原因 | 起きていること |
|---|---|
| 浴室リモコンへの水の侵入 | パッキンの劣化やひび割れから水が入り、内部の基板が腐食した |
| リモコンケーブルの断線・接触不良 | 経年劣化、施工時の傷、小動物によるかじり、増改築時の損傷 |
| 端子部のゆるみ・腐食 | 屋外の接続部に水分が入り、接点が酸化した |
| 電装基板の不良 | 本体側の通信回路が正常に動作していない |
| 落雷によるサージ | 近隣への落雷で基板やリモコンが損傷した |
| 施工時の結線ミス | 設置・交換の直後から表示される場合 |
家庭でよくあるのは、浴室リモコンの水濡れです。
浴室リモコンは防水構造になっていますが、パッキンは経年で硬化します。
設置から10年前後が経過した機器では、湿気や水滴が内部に入り込んで通信が乱れることがあります。
家庭で確認できること
- 台所リモコンと浴室リモコンの両方を確認し、どちらに表示が出ているか把握する
- 片方だけ使える状態か、両方とも使えないかを確認する
- 給湯器本体の電源プラグが抜けかけていないか確認する
- 電源プラグを抜き、数分待ってから差し直す
- リモコンの表面に水滴やひび割れがないか見る
- 分電盤のブレーカーが落ちていないか確認する
電源の入れ直しで一時的に復旧することがありますが、それで解決したとは限りません。
接触不良が原因の場合、数日から数週間で再発します。
一方で、次の作業は行わないでください。
- リモコンを壁から外して配線を触る(低電圧ですが、誤接続で基板を損傷します)
- 給湯器本体の前面カバーを外す(ガス配管や電装部があり、感電やガス漏れのおそれがあります)
- 水が入ったリモコンをドライヤーで乾かす(内部の樹脂や基板を傷めます)
表示が消えていて番号が読めないとき
通信が完全に切れると、リモコンに何も表示されない状態になります。
この場合はコードを確認できないため、次の情報を控えて業者へ連絡してください。
- リモコンの表示がまったく出ないのか、点いたり消えたりするのか
- 台所と浴室のどちらか片方だけの症状か
- お湯そのものは出るか(蛇口をひねって確認)
- 症状が出始めた時期と、直前に何かあったか(落雷、工事、水漏れなど)
お湯自体が出ない場合は、リモコンの問題とは別に点火不良が起きている可能性もあります。
その場合はパロマ給湯器のエラー11・111|点火不良の原因と自分で確認できることもあわせて確認してください。
リモコンだけ交換できるのか
760の原因がリモコン本体にあれば、リモコンだけの交換で解決します。
ただし注意点があります。
- リモコンは給湯器の機種に対応したものでなければ使えない(互換性が限られます)
- 生産終了から年数が経過していると、対応するリモコンが入手できないことがある
- 原因がケーブルや電装基板にある場合、リモコンを替えても直らない
インターネットで中古のリモコンを購入して自分で付け替える方法を見かけますが、配線工事を伴うため推奨できません。
型番が合っていても、施工不良で本体側の基板を損傷すれば修理費は大きくなります。
原因の切り分けにはテスターでの計測が必要で、家庭では判断できません。
リモコン・ケーブル・基板のどれが原因かは、点検してもらったうえで決めるのが結果的に早くなります。
修理で足りるか、交換を考えるか
パロマは給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、使用開始から9〜11年が経過した時点で点検を受けることをすすめています。
修理用の部品は製造終了から7年間(BL認定部品は10年間)保有されるとされています。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 設置から7年未満で、リモコンかケーブルが原因 | 部品交換で問題なく使い続けられる |
| 設置から7〜10年 | 修理費と残りの使用年数を比べる |
| 電装基板が原因 | 部品代が高くなりやすい。年数によっては本体交換も検討 |
| 設置から10年以上 | 他の部品も同時期に劣化している。交換を含めて検討する |
| 対応するリモコンの供給が終了している | 本体ごとの交換になる |
760は燃焼に関わらないため、安全上の緊急性は高くありません。
ただしリモコンが使えないと温度設定ができず、機種によっては設定より高温のお湯が出てやけどにつながるおそれがあります。
症状が出ている間は、蛇口側で水を混ぜて温度を確かめてから使ってください。
10年前後で表示される点検時期のお知らせについては、パロマ給湯器のエラー888(88)で解説しています。
888が先に出ていた機器で760が出たのであれば、リモコンだけでなく機器全体が節目を迎えていると考えられます。
再発を防ぐために
- 浴室リモコンにシャワーの湯を直接当てない
- 入浴後は浴室の換気を行い、湿気をこもらせない
- リモコンの表面をアルコールや洗剤で強くこすらない(パッキンや表示部を傷めます)
- リモコン周辺の壁にひび割れや浮きが出ていないか、年に一度は見ておく
- 屋外の配線が露出している場合、被覆の傷みや小動物の被害がないか確認する
浴室リモコンは水に濡れる前提で作られていますが、直接シャワーを当て続ける使い方は想定されていません。
洗い場の位置関係でどうしても当たってしまう場合は、シャワーヘッドの向きを変えるだけでも寿命が変わります。
パロマのコード全体の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. 電源プラグを抜き差ししたら直りました。修理は不要ですか?
一時的な通信の乱れであれば、それで復旧することはあります。
ただし接触不良や部品の劣化が背景にある場合、しばらくすると再発します。
一度で収まったのであれば様子を見て構いませんが、月に何度も同じ症状が出るようであれば点検を依頼してください。
頻度が上がっていくパターンは、部品が寿命に近づいているサインです。
Q2. 浴室リモコンだけ表示が消えます。台所は普通に使えます。
浴室リモコン側またはその配線に原因がある可能性が高い状態です。
浴室は湿気が多く、パッキンの劣化から水が入り込むことがあります。
台所リモコンが正常に動いているのであれば、本体の電装基板は生きていると考えられるため、リモコンかケーブルの交換で解決するケースが多くなります。
ただし確定には点検が必要なので、症状(どちらのリモコンか、いつからか)を伝えて依頼してください。
Q3. リモコンをインターネットで買って自分で交換できますか?
おすすめできません。
リモコンの交換は壁内の配線を扱う作業で、機種ごとに対応するリモコンが決まっています。
型番が合っていても、結線を誤ると本体側の電装基板を損傷し、修理費が大きくなることがあります。
また原因がケーブルや基板にある場合、リモコンを替えても症状は変わりません。
Q4. 760が出ていますが、お湯は普通に使えます。急ぐ必要はありますか?
燃焼やガスに関わる異常ではないため、13や140のような緊急性はありません。
ただしリモコンが効かないと温度設定ができず、思っていたより熱いお湯が出ることがあります。
小さなお子さんや高齢の方が使う場合は、やけどを避けるため蛇口側で水を混ぜて温度を確かめてください。
生活への影響が大きいため、放置せず早めに点検を依頼することをおすすめします。
Q5. 落雷のあとから760が出るようになりました。関係ありますか?
関係している可能性があります。
近隣への落雷でも、電線を伝わって過大な電圧が機器に流れ込み、リモコンや電装基板が損傷することがあります。
落雷後に不具合が出た場合は、その旨を業者に伝えてください。
加入している火災保険の内容によっては、落雷による家財・設備の損害が補償の対象になることがあるため、保険会社にも確認しておくと選択肢が広がります。
まとめ
パロマの給湯器で760・76が出たときの要点です。
- 760・76はリモコンと本体の通信が成立していない状態。原因はリモコン・ケーブル・電装基板のいずれか
- 763は浴室暖房や床暖房などの端末、765は洗濯注湯リモコンとの通信異常
- 740・750はリモコン自体の故障を示すもので、760とは内容が異なる
- 浴室リモコンの水濡れは典型的な原因のひとつ
- 家庭でできるのは電源の入れ直しと状態の確認まで。配線やカバーは触らない
- リモコン単体で解決することもあるが、原因の切り分けには点検が必要
- 温度設定ができない状態では、蛇口側で水を混ぜて温度を確かめてから使う
危険度は高くないぶん後回しにされがちですが、使い勝手への影響は大きいエラーです。
症状の出方を控えておくと、点検が一度で済みやすくなります。

