MENU

長府 暖房ボイラーのエラー260・430・EL・P7とは?|不凍液の補充手順

長府の暖房ボイラーのエラー260・430・EL・P7と、不凍液の補充手順を案内する文字のみのサムネイル。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

寒い日の朝に暖房が動かず、リモコンに260やELが点滅している。
このグループは、暖房を循環している不凍液が減り、基準の下限を下回ったことによる停止です。
機器の故障を示すものではなく、取扱説明書に従って補充すれば所有者が対応できる数少ない表示のひとつでもあります。
この記事では、260・430・EL・P7が示している状態、不凍液が減る理由、補充のときに気をつけたいこと、警報解除の手順、そして補充を繰り返す場合に疑うべき配管側の問題までを解説します。

目次

4つのコードが示しているもの

いずれも不凍液の水位が基準水位の下限以下になったことを検出した運転停止です。

スクロールできます
表示内容解除の方法
260不凍液水位が基準水位の下限以下になったことによる運転停止取扱説明書に従って不凍液または補充液を補充し、リモコンの運転スイッチを「切」→「入」
430同上同上(リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ)
EL同上同上(機種によっては熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法も案内されています)
P7同上同上

補充が解除の前提になっている点が、他の警報との違いです。
液を足さずに運転スイッチを操作しても、水位が回復していなければ同じ表示に戻ります。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。

📎 出典:長府製作所 製品エラーコード

420(警告表示)との違い

不凍液に関する表示には、運転を止めないものもあります。

スクロールできます
表示状態運転
420水位が基準水位の水位電極(上)から離れたことを知らせる警告表示表示のまま使用できますが、早急な補充が必要
260・430・EL・P7水位が基準水位の下限以下になったことによる運転停止運転できません。補充してから解除

420は「そろそろ足りません」という予告、260などは「止まりました」という結果です。
420の段階で補充しておけば、暖房が止まる事態を避けられます。
警告のうちに動くかどうかで、その後の手間が変わってきます。

不凍液はなぜ減るのか

密閉された回路を循環しているため、本来は大きく減るものではありません。
それでも少しずつ減る要因として、次のようなものが挙げられます。

要因内容
わずかな蒸発・にじみ長期間の使用で少しずつ量が減る
配管内の空気の移動エア抜き後に見かけの水位が下がる
接続部からの漏れパッキンの劣化やナットの緩み
配管の腐食による漏れ経年で生じる穴あき
放熱器やバルブまわりの漏れ床のしみ、配管の濡れとして現れる

シーズンに一度、少量を補充する程度であれば経過観察の範囲です。
一方で、数週間から数か月のうちに繰り返し補充が必要になる場合は、どこかから抜けていると考えるのが自然です。

補充の手順と気をつけたいこと

具体的な補充口の位置、使用できる液の種類、規定の水位は機種によって異なります。
必ず自分の機器の取扱説明書に従ってください。
共通する流れは次のとおりです。

  1. 運転を止め、機器が冷えている状態で作業する
  2. 補充口を開け、規定の水位まで不凍液または補充液を入れる
  3. こぼれた分をふき取り、ふたを確実に閉める
  4. リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
  5. リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う

避けたいのは次の3点です。

  • 取扱説明書で指定されていない液を入れる(自動車用のクーラントなどを流用しない)
  • 規定を超えて入れる(膨張の余地がなくなります)
  • 濃度を確認せずに水だけを足し続ける(凍結防止の性能が下がります)

不凍液の主成分は種類によって異なりますが、誤って飲み込むと健康を害するおそれがあるものが含まれます。

補充作業中は小さなお子さんやペットを近づけず、こぼれた液はすぐにふき取り、容器は子どもの手の届かない場所に保管してください。

補充を繰り返すときは漏れを疑う

補充で一度は復帰しても、また同じ表示が出るのであれば、量が減り続けている状態です。
確認したいのは次の場所になります。

  • 熱源機の下や周囲が濡れていないか
  • 配管の接続部やバルブのまわりににじみがないか
  • 放熱器(パネルヒーター)の足元に跡がないか
  • 床下や壁沿いの配管に湿った箇所がないか

温水暖房の配管は、防錆剤入りの不凍液を使っていても腐食が進む場合があります。
北海道立工業試験場の調査報告では、防錆剤入りの不凍液を使用していても1〜2年で配管の穴あきによる漏洩が発生した事例がある一方、水道水のみで10年以上正常に稼働しているケースもあると報告されています。
つまり液の種類だけで漏れの有無が決まるわけではなく、配管や施工の条件によって差が出るということです。

📎 出典:北海道立工業試験場報告 不凍液使用の現状調査(第1報)暖房放熱パネルの全面腐食

凍結防止という本来の役割

不凍液は熱を運ぶだけでなく、寒冷時に配管内が凍らないようにする役割を担っています。
水位が下がった状態や、水で薄まって濃度が落ちた状態では、この性能が十分に働きません。
配管が凍結すると、解けたあとに漏れが見つかるという二次的な被害につながることがあります。
そのため、水位低下の表示を「暖房が止まっただけ」と捉えず、早めに適正な状態へ戻しておくことが大切です。

補充までの間、暖房が使えないとき

指定の補充液が手元になく、すぐに用意できない場合もあります。
その間は熱源機を運転できないため、設置工事の不要な暖房器具で一時的にしのぐ家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
しまい込んでいた古い機器を出して使うときは、状態の確認も必要です。
判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。

業者に依頼する判断基準

状況判断
補充して解除し、その後シーズン中に再発しない経過を見ながら使用可
補充口の位置や使用する液が分からない無理をせず相談
補充しても表示が消えない点検を依頼
数週間のうちに繰り返し補充が必要になる漏れの可能性として点検を依頼
機器や配管のまわりが濡れている、床にしみがある点検を依頼
過熱側の表示(150・E4・E22など)も出ている循環系としてまとめて点検を依頼

暖房シーズン中は依頼が集中します。
補充の頻度が上がってきた段階で連絡しておくと、真冬に止まるリスクを避けられます。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも循環液に関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。

シーズン前に確認しておきたいこと

  • 暖房を使い始める前に、不凍液の水位を目視で確認する
  • 前シーズンに補充した回数を思い出し、増えていないか振り返る
  • 指定の補充液を1本用意しておく(真冬に買いに行かずに済みます)
  • 放熱器や配管まわりに古いしみがないか見ておく

補充が必要になるのは、たいてい気温が下がって暖房をよく使う時期です。
寒くなる前に確認しておけば、夜間に止まって困る場面を減らせます。

よくある質問

Q1. 不凍液の代わりに水道水を入れてもよいですか。

使用できる液は機種によって指定されているため、取扱説明書の記載に従ってください。
補充液が指定されている場合、水だけを足し続けると濃度が下がり、凍結防止の性能が低下します。
寒冷地では、それが配管の凍結や漏れにつながることもあります。
手元に指定の液がない場合でも、自己判断で他の用途の製品を流用することは避けてください。

Q2. 補充したのに表示が消えません。

規定の水位まで入っていない、補充後の解除操作を行っていない、といった原因がまず考えられます。
手順としては、補充してからリモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする流れです。
それでも消えない場合は、水位を検知する部分の不具合や、補充した液がすぐに抜けている可能性があります。
2回試して復帰しないようであれば、点検を依頼してください。

Q3. 毎シーズン補充しています。異常でしょうか。

シーズンに一度、少量を補充する程度であれば、経過を見ながら使用している家庭もあります。
問題になるのは頻度です。
数週間から数か月のうちに繰り返し必要になる、補充する量が年々増えているという場合は、どこかから抜けていると考えられます。
補充した日付と量を記録しておくと、点検を依頼するときの判断材料になります。

Q4. 420と260は何が違うのですか。

420は水位が基準の位置から離れたことを知らせる警告表示で、表示が出た状態でも運転を継続できます。
一方、260・430・EL・P7は水位が下限を下回ったことによる運転停止で、補充しない限り使用できません。
420の段階で補充しておけば、暖房が止まる事態を避けられます。
警告表示を見たら、その週のうちに対応しておくと安心です。

Q5. 補充は自分でやってよい作業ですか。

取扱説明書に手順が記載されている範囲であれば、所有者が行うことを想定した作業です。
ただし、補充口の位置や規定の水位は機種によって異なり、判断がつかないまま開けるのは避けたほうがよい部分でもあります。
作業は機器が冷えている状態で行い、こぼれた液はすぐにふき取ってください。
不安がある場合や、補充しても解決しない場合は無理をせず相談するのが確実です。

まとめ

長府の暖房ボイラーに表示される260・430・EL・P7は、不凍液の水位が基準の下限を下回ったことによる停止です。
取扱説明書に従って補充し、そのうえで運転スイッチを入れ直すことで解除できます。
使用する液や規定の水位は機種によって異なるため、他の用途の製品を流用せず、自分の機器の記載を確認してください。
一度の補充で済み、その後再発しないのであれば経過観察の範囲ですが、短期間で繰り返す場合は配管のどこかから抜けている可能性があります。
不凍液は凍結を防ぐ役割も担っているため、水位低下を「暖房が止まっただけ」と捉えず、早めに適正な状態へ戻しておくことが大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次