暖房を入れてしばらくすると止まってしまい、リモコンに020が表示される。
燃料は入っていて火もついている、不凍液も足りているはずなのに止まる。
このコードは、熱源機へ戻ってくる温水の温度が低い、または循環する水量が多すぎることによる運転停止を示しています。
不凍液が減ったときの表示とは異なり、量ではなく流れ方に関わる内容です。
この記事では、020が示している状態、表示が出やすい場面、立ち上げ方の工夫、過熱側の表示との関係、そして繰り返すときに疑う部位までを解説します。
020が示している2つの状態
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| 020 | 戻り温度が低い、または循環水量が多すぎることによる運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」。リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ |
メーカーの案内では、復帰しない場合や再発する場合に点検・修理を依頼するよう示されています。
「戻り温度が低い」と「循環水量が多すぎる」は別々の現象に見えますが、機器から見ればどちらも戻ってくる水がぬるい、または冷たい状態という点で共通しています。
水量が多ければ、その分だけ一周する間に温まりきらないためです。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
なぜ戻り温度が低いと止まるのか
温水暖房では、熱源機で温められた不凍液が放熱器や床暖房をめぐり、熱を渡してから戻ってきます。
戻ってきた液は、また温められて送り出されます。
このとき戻り温度が極端に低い状態が続くと、熱交換器の表面で排気に含まれる水分が結露しやすくなります。
結露水は機器内部の腐食につながる要因とされており、低い戻り温度が続く運転は、機器にとって好ましくない状態と考えられます。
020は、その状態を検知して運転を止める役割を担っていると理解しておくとよいでしょう。
故障というより、想定した条件から外れた運転を続けさせないための停止といえます。
表示が出やすい場面
| 場面 | 起きていること |
|---|---|
| 長期間停止したあとの初回運転 | 配管全体が冷え切っており、戻り温度が上がるまで時間がかかる |
| 全室の放熱器を一斉に立ち上げた | 冷えた回路が同時に開き、戻ってくる液が冷たいまま |
| 極端に冷え込んだ朝 | 配管の熱損失が大きく、戻り温度が上がりにくい |
| 床暖房を長時間切ったあとの再開 | 蓄熱部分が完全に冷えており、熱を吸い続ける |
| バルブや設定を変更した直後 | 循環する水量の配分が変わった |
| 配管の改修や機器の入れ替えの後 | 回路の構成や設定が以前と変わっている |
シーズン最初の運転や、旅行から戻った日の立ち上げで表示されるケースは珍しくありません。
このとき解除して運転を続ければ、配管が温まるにつれて安定することもあります。
一方で、通常の使用中に繰り返し出るのであれば、条件ではなく機器側や設定側の要因が疑われます。
過熱側の表示とは正反対の関係
同じ循環系のトラブルでも、020と過熱側の表示では原因の向きが逆になります。
| 状態 | 表示 | 背景 |
|---|---|---|
| 温水が流れなさすぎる | 150・160・E4・E22(過熱防止装置の作動) | 暖房配管のバルブを閉め切っているなど |
| 温水が流れすぎる、戻りが冷たい | 020 | 回路を一斉に開いた、水量の配分が偏っているなど |
つまり閉めすぎれば過熱、開けすぎ・冷えすぎれば020という関係にあります。
片方を避けようとしてもう片方に振れることがあるため、バルブの操作をしたあとに表示が変わった場合は、その変更が影響していないかを振り返ってみてください。
解除(リセット)の手順
- 放熱器や床暖房のバルブを、直前に大きく変更していないか確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 数秒おいて再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う
解除したあと、いきなり全室を立ち上げるのではなく、順に暖めていくと安定しやすくなります。
特にシーズン最初の運転では、配管全体が温まるまでに時間がかかることを見込んでおいてください。
機器や配管のまわりが濡れている、異音がする、焦げたにおいがするといった場合は、解除操作を繰り返さず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
立ち上げ方で変わることがある
020が条件によって出ている場合、運転の始め方を変えるだけで再現しなくなることがあります。
- 全室を同時に立ち上げず、使う部屋から順に開いていく
- 長期間停止していたあとは、設定温度をいきなり最大にしない
- 床暖房は、完全に冷え切らせない運用にする(外出時も低めで維持する)
- 使わない部屋を締め切る場合も、循環できる回路は残しておく
こうした工夫は、機器の負担を減らすという意味でも有効です。
ただし、いつもどおりの使い方で出るようになった場合は、使い方の問題ではありません。
その場合は点検の対象として考えてください。
繰り返すときに疑う部位
| 疑う場所 | 内容 |
|---|---|
| 循環ポンプ | 回転数や吐出量が適切でない |
| 温度を検知する部品 | 戻り温度を正しく読めていない |
| 混合弁やバイパスの設定 | 水量の配分が想定と異なる |
| ヘッダーボックスの設定 | 接続や設定が機器と合っていない |
| 配管の構成 | 回路が長い、または熱損失が大きい |
| 機器の能力と負荷の関係 | 増設した回路に対して能力が不足している |
リフォームで床暖房や放熱器を追加した後から出るようになった、というケースもあります。
その場合は機器の能力と回路の構成が合っていない可能性があるため、施工した業者に相談するのが確実です。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも温水暖房用の機種があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| シーズン最初や長期停止後の初回だけ出た | 解除して運転が続くなら経過観察 |
| 全室同時に立ち上げたときだけ出る | 立ち上げ方を変えて様子を見る |
| いつもどおりの使い方で繰り返し出る | 点検を依頼 |
| 解除しても運転が続かない | 点検を依頼 |
| 配管の改修や機器の入れ替え後から出る | 設定を含めて施工業者に相談 |
| 過熱側の表示や不凍液の水位低下も出ている | 循環系としてまとめて点検を依頼 |
暖房が使えない期間が続く場合は、設置工事の不要な暖房器具で一時的にしのぐ家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
よくある質問
Q1. 020は故障を示しているのですか。
必ずしも故障とは限りません。
配管全体が冷え切った状態から一斉に立ち上げた場合など、条件がそろえば正常な機器でも表示されることがあります。
解除して運転を続けられ、その後は安定しているのであれば経過観察の範囲です。
一方で、いつもどおりの使い方で繰り返し出る場合は、循環ポンプや設定側に要因がある可能性があります。
Q2. 不凍液が減っているということですか。
020は液の量ではなく、戻ってくる温度と流れる量に関する表示です。
不凍液の水位低下は、260・430・EL・P7(運転停止)や420(警告表示)として別に整理されています。
ただし、循環系の不具合という点では関連することもあり、両方の表示が出ている場合はまとめて点検を依頼するのが確実です。
まずはどのコードが表示されているかを正確に確認してください。
Q3. 設定温度を上げれば解決しますか。
送り出す温度を上げれば戻り温度も上がりやすくなりますが、根本的な解決になるとは限りません。
戻ってくる液が冷たいのは、回路が冷え切っている、水量の配分が偏っているといった別の要因によることが多いためです。
また、設定を極端に高くすると燃料の消費も増えます。
立ち上げ方を工夫しても改善しない場合は、設定で調整するより点検を受けるほうが確実です。
Q4. 放熱器のバルブは全部開けたほうがよいのでしょうか。
すべて閉めれば過熱側の表示につながり、冷え切った回路を一斉に開けば020につながることがあります。
どちらの極端も避け、使う部屋を中心に循環できる回路を確保するのが基本です。
どの回路をどう開けるべきかは、機器と配管の構成によって変わります。
判断がつかない場合は、施工した業者に確認するのが確実です。
Q5. リフォームの後から出るようになりました。
床暖房や放熱器を追加すると、回路の長さや必要な熱量が変わります。
機器の能力や設定が以前のままであれば、戻り温度が上がりにくくなることがあります。
また、ヘッダーボックスを備えた構成では、接続や設定が合っていないと別の表示が出ることもあります。
工事の内容を伝えられる施工業者に、まず相談してください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される020は、戻ってくる温水の温度が低い、または循環する水量が多すぎることによる停止です。
不凍液の量ではなく流れ方に関わる表示で、シーズン最初の運転や全室を一斉に立ち上げた場面で出ることがあります。
解除はリモコンの運転スイッチの入切で行い、そのあとは使う部屋から順に暖めていくと安定しやすくなります。
閉めすぎれば過熱、開けすぎ・冷えすぎれば020という関係にあるため、バルブを操作した直後の変化には注意してください。
いつもどおりの使い方で繰り返す場合や、改修のあとから出るようになった場合は、設定や機器側の要因として点検を依頼するのが確実です。

