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長府給湯器エラー110・111・112|点火しない時の確認手順

長府給湯器のエラー110・111・112と点火しない時の確認手順を案内するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

長府製の石油給湯器を使っていて、お湯を出そうとした瞬間にリモコンへ110や111と表示され、そのまま水しか出てこない。
朝の忙しい時間や入浴の直前にこの状態になると、故障を疑って気持ちが焦ってしまうものです。

ただ、110・111・112は機器そのものが壊れたことを意味する警報とは限りません。
これらは「点火を試みたものの、決められた時間内に燃焼を確認できなかった」ことを機器が検知し、安全のために運転を止めた状態を示しています。
つまり原因の多くは、バーナーまで灯油が届いていないという燃料側の問題です。

この記事では、3つのコードの違い、最初に確認すべき4か所、正しいリセット手順、そして自分で対処できる範囲と業者に依頼すべき境目までを整理します。

目次

このページで扱うエラーコード

長府製作所(CHOFU)の石油給湯器では、同じ「点火不良」でも運転の種類やリモコンの種類によって表示が変わります。
まずは手元のリモコンに出ている表示が、下の表のどれに当たるかを確認してください。

表示意味出るタイミング
110点火確認時間を過ぎても燃焼を確認できず停止運転全般
111同上(給湯運転時)蛇口・シャワーでお湯を使ったとき
112同上(ふろ追いだき運転時)追いだきボタンを押したとき
E1点火確認時間を過ぎても燃焼を確認できず停止機種によりこちらを表示
1(浴室リモコン)E1またはF1のどちらかを示す台所リモコンの表示と併せて確認

📎 出典:長府製作所|製品エラーコード(石油給湯器)

110・111・112は「火がつかなかった」という記録

110・111・112はいずれも、点火動作を行ったのに燃焼が検知されなかったことを示す警報です
石油給湯器は点火の合図を出したあと、炎検出装置で「本当に燃えているか」を確認しています。
決められた確認時間を過ぎても炎を検知できないと、灯油だけが送られ続ける危険な状態を避けるため、機器は運転を打ち切ります。

長府製作所が確認事項として挙げているのは、燃料切れ・油タンクへの水の混入・油ストレーナーの詰まり・送油バルブの閉止の4点です。
つまりメーカー自身が、まず燃料の供給経路を疑うよう案内していることになります。
制御基板やバーナーの故障が原因になることもありますが、それは上の4点を確認したあとで疑う順番です。

3つのコードの違いは「どの運転で失敗したか」

110・111・112の意味そのものは同じです。
違うのは、どの運転をしようとしたときに点火に失敗したかという点だけです。

  • 111が出る:蛇口やシャワーでお湯を使おうとしたとき
  • 112が出る:浴槽のお湯を追いだきしようとしたとき
  • 110が出る:運転の種類を区別せずに表示される機種

そのため、111と112が両方出るなら、給湯側とふろ側の共通部分、つまり燃料供給か点火装置に原因がある可能性が高いと考えられます。
一方で112だけが出て給湯は正常にお湯が出る場合は、燃料供給よりも追いだき側の条件を疑うことになります。

浴室リモコンに「1」と出ている場合

長府の石油給湯器は、台所リモコンと浴室リモコンの2台構成になっている機種が多くあります。
浴室リモコンに「1」とだけ表示されている場合、それはE1(点火不良)とF1(油圧センサ不良)のどちらかを示しています。
この2つは原因も対処もまったく違うため、必ず台所リモコン側の表示を確認してから判断してください
台所リモコンにE1が出ていれば、この記事の内容がそのまま当てはまります。

長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で一覧にまとめています。

最初に確認する4か所

業者を呼ぶ前に、次の4か所を上から順に確認してください。
所要時間は5〜10分ほどで、特別な工具は必要ありません。

① 灯油の残量

もっとも多いのが単純な灯油切れです。
ただし注意したいのは、タンクが完全に空でなくても110は出るという点です。
ホームタンクの油面がストレーナーの取り出し口より下がると、灯油が吸い上げられなくなります。
残量計の針が「E」を指していなくても、目盛りの下端付近であれば給油してください。

灯油切れの手前では、830やP2といった油切れ予告の表示が先に出る機種もあります。
これらが直前に出ていたなら、灯油切れの可能性はかなり高いと考えてよいでしょう。

② 送油バルブ(オイルコック)

タンクから給湯器へ向かう配管の途中に、送油バルブと呼ばれる開閉コックが付いています。
このバルブが閉まっていると、当然ながら灯油は届きません。

意外に多いのが、外壁塗装や配管工事、除雪作業のあとに閉まったまま戻されていないケースです。
「昨日まで問題なく使えていたのに、急に点かなくなった」という状況では、直近に誰かが給湯器まわりを触っていないかを思い出してみてください。
シーズン初めの初回運転で110が出る場合も、前シーズン終わりに閉めたバルブがそのままになっていることがあります。

③ 油ストレーナー(オイルフィルター)

送油バルブの近くにある、透明のカップ状またはカートリッジ状の部品です。
灯油に含まれるゴミやサビを受け止める役目を持っています。

ここが詰まると灯油の流量が落ち、点火に必要な量が届かなくなります。
カップ内に黒い沈殿物やスラッジが溜まっていないか、目視で確認してください。
汚れが明らかであれば清掃または交換が必要ですが、分解には灯油が漏れるリスクがあるため、慣れていない場合は業者に任せるほうが安全です

④ 油タンクへの水の混入

ホームタンクの底には、結露や雨水の侵入によって少しずつ水が溜まります。
水は灯油より重いため底に沈み、取り出し口が底に近い構造だと水を吸い込んでしまいます。
水が混ざった灯油は燃えないため、点火不良として110が出ます。

ストレーナーのカップを覗いたときに、灯油とは境目のはっきりした透明な液体が下側に溜まっていれば水混入です。
この場合は水抜きが必要になります。
手順は灯油タンクの水抜きのやり方とは?|手順・頻度・水が溜まる理由を解説で詳しく説明しています。

💡 4か所を確認しても異常が見当たらない場合、原因は点火装置や電磁ポンプ、炎検出装置といった機器内部にある可能性が高くなります。この段階で自力での対応は切り上げ、点検を依頼してください。

リセット(警報解除)の正しい手順

長府の石油給湯器では、110・111・112はいずれも台所リモコンの運転スイッチをOFF/ONすることで警報解除できます。

  1. 台所リモコンの運転スイッチを押して「切」にする
  2. 数秒待ってから、もう一度押して「入」にする
  3. 給湯栓を開けてお湯が出るか確認する

ここで重要なのが、灯油を切らして給油した直後かどうかで、繰り返してよい回数が変わるという点です。

灯油を切らしたあとの給油では、送油経路に空気が入っています。
長府の取扱説明書は、この空気が抜けるまで振動音が出たり110・120を表示して停止したりするが故障ではないとしたうえで、連続燃焼するまでリセットを行うよう案内しています。
目安は2〜3回で、それでも直らない場合は販売店へ連絡します。
なお、約8回リセットを繰り返すと利用者側では解除できなくなるため、回数を数えながら行ってください。

一方、灯油が十分あるのに点火しない場合は、原因が分からないままリセットを繰り返さないでください
点火に失敗するたびに燃焼室へ未燃の灯油が送られる可能性があり、溜まった状態で着火すると異常燃焼を起こす危険があります。
この場合は2回ほど試して変化がなければ、前述の4か所の確認に戻るのが順序です。

📎 出典:長府製作所|石油瞬間給湯器 本体取扱説明書(EHI-3867F 他)

長府製作所は、110・111・112を規定回数以上繰り返すと再点火防止機能が働き、130が表示されると案内しています。
130が出た場合、リモコン操作では警報を解除できません
点検・修理の依頼が必要になります。

自分で対処できる範囲と業者を呼ぶ境目

状況判断
灯油が切れていた/残量が少なかった給油とリセットで復帰。自分で対処可能
送油バルブが閉まっていた開けてリセット。自分で対処可能
給油直後で点火しない送油経路の空気抜き。2〜3回リセットする
ストレーナーに水や大量のスラッジがある水抜きまたは清掃。不安があれば業者へ
4か所とも正常なのに点火しない点検・修理を依頼する
リセットしても毎回110が出る点検・修理を依頼する
130が表示されたリセット不可。点検・修理を依頼する
灯油のにおいが強い/本体から煙が出る運転を止め、すぐに業者へ連絡する

一度リセットで復帰しても、同じ週のうちに再発するようであれば、燃料供給以外の原因を疑うべき段階です
点火装置の電極や炎検出装置は消耗部品であり、経年で反応が鈍くなります。
「たまに点かないが、リセットすれば動く」という状態を放置すると、真冬に完全に点火しなくなるという形で表面化しがちです。

なお、コロナ製の石油給湯器では同種の点火不良がエラー4として表示されます。
メーカーが違うと番号体系も変わるため、コロナ給湯器のエラー4とは?発生原因と自分でできる対処法を解説も参考にしてください。

再発を防ぐために見直したいこと

灯油を翌シーズンに持ち越さない

日本ガス石油機器工業会は、変質灯油(持ち越した灯油など)や不純灯油(汚れた灯油、水の混じった灯油など)を不良灯油と呼び、使用しないよう求めています。
不良灯油を使うと、不完全燃焼や異常燃焼といった予想しない事故につながるおそれがあります
点火不良の直接的な引き金にもなるため、シーズン終わりに残った灯油は持ち越さないのが基本です。

灯油の劣化の見分け方については灯油の使用期限はどれくらい?去年の灯油は使えるのか判断基準を解説で整理しています。

📎 出典:日本ガス石油機器工業会|不良灯油の使用禁止

タンクとストレーナーを季節ごとに点検する

水抜きとストレーナーの清掃は、シーズン前とシーズン終わりの年2回を目安にすると、点火不良の多くを未然に防げます。
特に屋外にホームタンクを設置している場合、雨水の侵入と結露は避けられません。
給油口のパッキンが劣化していないか、ふたがきちんと閉まっているかも合わせて確認してください。

使用年数から交換を検討する

石油給湯器は消費生活用製品安全法の特定保守製品に指定されており、設計標準使用期間を基準とした点検制度の対象になっています。
リモコンに888が表示されるのは、この点検時期の到来を知らせる機能です。

設置から10年前後が経過していて点火不良が繰り返し起きる場合、部品交換で延命するか本体を交換するかを比較する段階に入っています
修理費用は交換部品によって幅がありますが、点火装置や制御基板といった主要部品の交換になると、本体交換費用との差が縮まることも珍しくありません。
実際の金額は機種・地域・設置条件で変わるため、複数の見積もりを取って判断してください。

📎 出典:長府製作所|長期使用製品安全点検制度(所有者登録)

よくある質問

Q1. エラー110・111・112の違いは何ですか?

意味そのものは3つとも同じで、点火確認時間内に燃焼を検知できなかったことを示します。
違いはどの運転で失敗したかという点だけで、111は給湯運転時、112はふろ追いだき運転時に表示されます。
110は運転の種類を区別せずに表示される機種で使われます。
確認すべき箇所も対処の順序も共通なので、どのコードが出ていても灯油の残量・送油バルブ・ストレーナー・水混入の4点から確認していけば問題ありません。

Q2. 灯油は入っているのに110が出るのはなぜですか?

タンクに灯油が残っていても、油面がストレーナーの取り出し口より下がっていると吸い上げられません。
また、送油バルブが閉まっている、ストレーナーがスラッジで詰まっている、タンク底に溜まった水を吸い込んでいる、といった場合も燃料はバーナーへ届きません。
残量だけを見て「灯油はある」と判断せず、供給経路全体を順に確認することが大切です。
それでも原因が見つからなければ、電磁ポンプや点火装置の不良が考えられます。

Q3. リセットは何回まで繰り返してよいですか?

状況によって変わります。
灯油を切らして給油した直後であれば、送油経路の空気が抜けるまで2〜3回のリセットが必要で、メーカーも連続燃焼するまで行うよう案内しています。
一方、灯油が十分あるのに点火しない場合は、原因が分からないまま繰り返すべきではありません。
失敗のたびに燃焼室へ未燃の灯油が送られ、着火時に異常燃焼を起こす危険があるためです。
いずれの場合も約8回で利用者側の解除ができなくなり、規定回数を超えると130が表示されます。

Q4. 浴室リモコンの「1」は110と同じ意味ですか?

同じとは限りません。
浴室リモコンの「1」は、E1(点火不良)とF1(油圧センサ不良)のどちらかを示す表示です。
E1であれば110・111・112と同じ点火不良ですが、F1は油圧センサそのものの不具合であり、対処が異なります。
必ず台所リモコン側の表示を確認し、どちらの警報が出ているかを特定してから対応してください。
台所リモコンが確認できない状況であれば、自己判断は避けて点検を依頼するのが安全です。

Q5. 給油した直後にエラーが出るのはなぜですか?

タンクを空に近い状態まで使い切ってから給油すると、配管内に空気が入り込んでいることがあります。
空気が混じった状態では灯油が安定して送られず、1回目の点火に失敗しやすくなります。
この場合はリセットしてもう一度運転させると点火することが多いため、まずは一度だけ試してみてください。
それでも点火しない、または給油のたびに同じことが起きるようなら、配管や電磁ポンプ側の点検が必要です。

まとめ

長府の石油給湯器に表示される110・111・112は、点火を試みたものの燃焼を確認できなかったことを示す警報です。
機器の故障を意味するとは限らず、原因の多くは燃料がバーナーまで届いていないことにあります。

確認の順序は、灯油の残量、送油バルブ、油ストレーナー、タンクへの水混入の4か所です。
この4点に問題がなければ、機器内部の点火装置や炎検出装置の不良が考えられるため、点検を依頼してください。

リセットの回数は状況で変わります。
給油直後の空気抜きなら2〜3回は必要ですが、灯油が足りているのに点火しない場合は原因を確認せずに繰り返さないでください。
いずれにせよ回数を重ねると再点火防止機能が働き、130が表示されてリモコン操作では解除できなくなります。

設置から10年前後が経過していて点火不良が繰り返し起きる場合は、修理で延命するか本体を交換するかを比較する時期です。
シーズン前の水抜きとストレーナー清掃、そして灯油を持ち越さない習慣が、翌シーズンの突然の停止を防ぐいちばん確実な対策になります。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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