長府製の石油給湯器のリモコンに830やP2という表示が出て、故障したのかと不安になっていませんか。
結論から言えば、この表示が出た時点では機器は壊れていません。
830・P2・E0は油切れ予告装置が働いて、「そろそろ灯油がなくなります」と知らせている警告表示です。
運転を止める警報ではなく、表示が出たままでもお湯は使えます。
ただし放置して本当に灯油を切らすと、点火しなくなったうえに給油しただけでは復旧しない状態に進みます。
この記事では、830・P2・E0の読み分け方、機種によって意味が変わるE0の注意点、給油後に火がつかないときのリセット回数、そして予告装置そのものの異常を示す480との違いを整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 機器の状態 |
|---|---|---|
| 830 | 油切れ予告装置の作動(灯油の残量が少ない) | 使用できる |
| P2 | 油切れ予告装置の作動 | 使用できる |
| 2(浴室リモコン) | F2またはP2のどちらか | 表示により異なる |
| E0 | 機種により油切れ予告、または排水栓抜け・湯張り時間超過 | 表示により異なる |
| 480 | 油切れ予告装置そのものの異常 | 使用できる |
| F1 | 油圧センサ不良 | 運転停止 |
830は「止まれ」ではなく「そろそろ給油を」の合図
長府のエラーコードは、大きく分けて2種類あります。
運転を止めて安全を確保する警報と、機器を使いながら対処を促す警告表示です。
830・P2・E0(油切れ予告)は後者の警告表示にあたります。
長府の取扱説明書にも、830を表示しても機器はすぐには停止しないと明記されています。
シャワーの途中で表示が出ても、その場でお湯が水に変わるわけではありません。
ただし、これは猶予があるという意味であって、無視してよいということではありません。
残量がゼロになれば燃料は届かなくなり、リモコンの表示は110や120に切り替わって運転が止まります。
830が出てから実際に切れるまでの時間は、タンクの容量・使用量・気温によって大きく変わるため、日数で見積もることはできません。
表示を見たその日に給油の手配をするのが確実です。
油切れ予告装置は「別売の後付け部品」
ここが多くの記事で説明されていない部分です。
長府の石油給湯器において、油切れ予告装置は本体に標準搭載された機能ではなく、別売部品として取り付けるものです。
つまり同じ長府の給湯器でも、予告装置を付けていない家庭では830もP2も表示されません。
灯油が減っても何の警告も出ないまま、ある日突然110が出て止まることになります。
「うちのボイラーは油切れの警告を出してくれない」という場合、故障ではなく装置が付いていないだけ、というケースがあります。
OC-5とOC-31の違い
予告装置には2種類あり、リモコンへの表示のしかたが異なります。
| 型式 | リモコンの表示 | 830の出るタイミング |
|---|---|---|
| OC-5 | 台所リモコンに油面計を5段階で表示 | 油面計の1段目が点滅したとき |
| OC-31 | 油面計は表示しない | 灯油の残量が少なくなったとき |
OC-5を付けていれば、830が出る前から目盛りの減り方で残量の傾向がつかめます。
一方のOC-31は残量の見える化はせず、少なくなった時点で830だけを出す仕組みです。
どちらも油タンクに複数の機器を接続している場合でも使用できます。
予告装置がなくても使える「灯油残量表示機能」
予告装置とは別に、リモコン側の設定でおおよその残量を表示させる機能もあります。
こちらは5段階の目盛りで残量のめやすを示し、残り30%未満になると目盛りの点滅と音声またはブザーで知らせます。
ただし制約が2つあります。
ひとつは、油タンクに複数の機器を接続している場合は使用できないこと。
もうひとつは、別売の油切れ予告装置を取り付けている場合は設定できないことです。
どちらを使うかは、設置状況に応じて選ぶ形になります。
P2・E0・浴室リモコンの「2」をどう読むか
浴室リモコンの「2」は2つの意味がある
浴室リモコンに「2」とだけ表示されている場合、それはF2かP2のどちらかを示しています。
F2は缶体サーミスタの断線またはショート、P2は油切れ予告で、原因も対処もまったく違います。
必ず台所リモコンの表示を確認してから判断してください。
台所リモコン側にP2が出ていれば、給油で解決する内容です。
E0は機種によって意味が正反対になる
E0はもっとも読み間違えやすいコードです。
JIB-10SAG、KIB-312(AF・AG)、382AJ、384(EAG・SAG)、322SAG、32AUGの各機種では、E0は油切れ予告装置の作動を意味します。
一方、それ以外の機種では、E0は排水栓抜け・湯張り時間超過の検知を意味します。
後者は、規定量のお湯はりをしても浴槽に水が確認できない、あるいは一定時間経ってもお湯はりが完了しない状態です。
確認すべきは浴槽の排水栓の閉め忘れや漏れ、止水栓の閉止、浴槽の容量(400L以上は不可)、循環口の取付位置になります。
灯油の残量とはまったく無関係なので、E0が出たときはまず機器本体の銘板で型名を確認してください。
型名は前パネルに貼られた銘板に記載されています。
長府の他の表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説にまとめています。
給油のしかたと、給油後に火がつかないとき
給油の手順
給油そのものは難しくありませんが、順番を守らないと機器に負担がかかります。
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 給油する(燃料はJIS1号灯油)
- 水やゴミが入らないよう注意する
- 給油口のふたを確実に閉める
- こぼれた灯油はふきとる
- 運転スイッチを「入」に戻す
ガソリン・ベンジン・シンナー・重油・軽油が混入した灯油は絶対に使用しないでください。
火災や機器の故障につながります。
携行缶とポリタンクを取り違える事故は毎年起きているため、容器の色と表示は給油のたびに確認してください。
給油作業そのものの手順は灯油ポンプの使い方を完全解説|正しい給油手順と失敗しない注意点で詳しく扱っています。
給油後にすぐ点火しないのは故障ではない
タンクを空に近い状態まで使ってから給油すると、送油経路に空気が入っています。
この空気が抜けるまでは、振動音が出たり、リモコンに110や120を表示して停止したりします。
長府の取扱説明書は、これを故障ではないとしたうえで、連続燃焼するまでリセットを行うよう案内しています。
リセットはリモコンの運転スイッチを「切」にしてから、再度「入」にするだけです。
目安は2〜3回。
それでも直らない場合は販売店に連絡してください。
注意したいのは回数の上限です。
約8回リセットを繰り返すと、利用者側ではリセットできない状態になります。
ここまで来ると、リモコン操作では復旧できず点検・修理の依頼が必要になります。
灯油を切らすこと自体が機器を傷める
長府は取扱説明書のなかで、頻繁に燃料切れを起こしてリセットを繰り返すと、バーナーの性能低下によりススが出て建物の壁などを汚すおそれがあると注意しています。
「切れたら入れればいい」という使い方は、機器にとっては負担の蓄積です。
830やP2が出る家庭は、予告が出た時点で給油する運用に切り替えるだけで、この負担を避けられます。
480が出た場合は予告装置側の異常
480は、油切れ予告装置(OC-5・油圧センサ)そのものに異常が起きたことを示す警告表示です。
灯油が足りないという意味ではありません。
装置の故障や断線が考えられ、機器自体は使用できますが、残量の警告が機能しない状態になります。
エラーコード一覧では、油タンクの設置位置不良も確認事項として挙げられています。
長府が示す油タンクの設置位置は、給湯器から見て上方2m以内、下方0.5m以内です。
この範囲を外れていると送油圧力が適正にならず、480につながることがあります。
設置工事の直後や、タンクを移設した直後に480が出たなら、この点を疑ってください。
もうひとつ知っておきたいのが、油切れ予告装置を取り付けていないのに480が表示されるケースです。
これはリモコン側で予告装置ありの設定が有効になっているために起きます。
この場合はリモコンの機能設定で解除することになりますが、操作手順は機種とリモコンのタイプで異なるため、手元の取扱説明書を確認するか販売店に問い合わせてください。
F1が出ている場合は状況が違う
F1は油圧センサ不良による運転停止です。
830・P2・480が警告表示で使用を続けられるのに対し、F1は運転が止まるため、お湯そのものが使えなくなります。
浴室リモコンに「1」と表示されている場合、それはE1(点火不良)かF1のどちらかです。
台所リモコン側でどちらかを特定してください。
F1はリモコンの運転スイッチをOFF/ONすれば警報解除できますが、繰り返すようなら点検・修理が必要です。
判断の早見表
| 表示と状況 | 判断 |
|---|---|
| 830・P2が出た | すみやかに給油する。使用は継続できる |
| 給油したら表示が消えた | 対処完了。次回は早めの給油を |
| 給油しても830・P2が消えない | 予告装置または油面センサの不良。点検を依頼 |
| 給油後に110・120が出て止まる | 送油経路の空気抜き。2〜3回リセットする |
| 8回近くリセットしても点火しない | 点検・修理を依頼する |
| 480が出た | 使用は可能。予告装置の点検を依頼 |
| E0が出たが油タンクは満タン | 型名を確認。排水栓抜けの可能性が高い |
| F1が出て運転が止まる | リセットし、再発するなら点検を依頼 |
再発を防ぐために
残量の確認を「予告任せ」にしない
予告装置は便利ですが、センサに依存する以上は故障もします。
480が出るまで異常に気づけないこともあるため、月に一度はタンクの油量計を目で確認する習慣を持つと安心です。
特に厳冬期は消費量が普段の数倍になるため、同じ感覚で構えていると想定より早く底をつきます。
タンク底の水を抜く
油タンクの底には結露水が溜まります。
長府は1年に1回以上、ドレン栓を開けて抜き取ることを推奨しています。
水が混ざった灯油は燃えないため、残量が十分でも点火不良の原因になります。
手順は灯油タンクの水抜きのやり方とは?|手順・頻度・水が溜まる理由を解説で説明しています。
なお、機器内部の油ストレーナに水やゴミが溜まることもありますが、こちらは点検に分解作業が必要です。
長府も販売店への依頼を案内しているため、自分で開けようとしないでください。
持ち越した灯油を給油に使わない
日本ガス石油機器工業会は、変質灯油(持ち越した灯油など)や不純灯油(汚れた灯油、水の混じった灯油など)を不良灯油と呼び、使用しないよう求めています。
不良灯油は不完全燃焼や異常燃焼といった予想しない事故につながるおそれがあります。
830が出て慌てているときほど、物置に残っていた去年のポリタンクに手が伸びがちです。
残った灯油の扱いは古い灯油の正しい処分方法と注意点|放置・再利用の危険性を徹底解説を参考にしてください。
よくある質問
Q1. 830が出たまま使い続けても大丈夫ですか?
830は警告表示なので、表示が出た時点では機器は停止せず、お湯も使えます。
ただしこれは「まだ余裕がある」という意味ではなく、給油の手配を始める合図です。
残量がゼロになれば燃料が届かなくなり、110や120に切り替わって運転が止まります。
830が出てから実際に切れるまでの時間はタンク容量や使用量、気温によって大きく変わるため、日数で見積もらず、表示を見た日のうちに給油する前提で動いてください。
Q2. 給油したのに830が消えません。故障でしょうか?
給油後もしばらく表示が残ることはありますが、運転スイッチのOFF/ONでも消えない場合は油切れ予告装置側の不良が考えられます。
センサの故障や断線、配線の接触不良などが原因です。
この状態でも機器は使用できますが、残量の警告機能が働かなくなっているため、次に灯油を切らしても事前に気づけません。
早めに販売店へ点検を依頼し、それまでは油量計を目視で確認してください。
Q3. うちの長府ボイラーは830が出ないのですが、壊れているのですか?
故障ではない可能性が高いです。
長府の石油給湯器では、油切れ予告装置は本体標準の機能ではなく別売部品として取り付けるものだからです。
装置を取り付けていない機器では、灯油が減っても警告は表示されません。
残量を知りたい場合は、後付けで予告装置を取り付けるか、リモコン側の灯油残量表示機能を設定する方法があります。
どちらが使えるかは設置状況によるため、販売店に相談してください。
Q4. E0が出ましたが灯油は満タンです。どういうことですか?
E0は機種によって意味が変わるコードです。
JIB-10SAGやKIB-312(AF・AG)など特定の機種では油切れ予告を意味しますが、それ以外の機種では排水栓抜けや湯張り時間超過を意味します。
灯油が満タンであれば後者の可能性が高く、浴槽の排水栓の閉め忘れや漏れ、止水栓の閉止、浴槽容量の超過などが原因です。
まず機器前パネルの銘板で型名を確認し、どちらの意味に当たるかを特定してください。
Q5. 480が出ましたが給油は必要ですか?
480は灯油の残量とは関係なく、油切れ予告装置そのものの異常を示す警告表示です。
給油しても解消しません。
装置の故障や断線のほか、油タンクの設置位置が規定の範囲から外れていることが原因になる場合もあります。
機器自体は使用できますが、残量の警告が機能しない状態なので、油量計を自分で確認しながら早めに点検を依頼してください。
予告装置を取り付けていないのに480が出た場合は、リモコンの設定を解除する必要があります。
まとめ
830・P2・E0(油切れ予告)は、機器が壊れたことを示す警報ではなく、灯油の残量低下を知らせる警告表示です。
表示が出た時点では機器は停止せず、お湯も使えます。
ただし、残量がゼロになれば110や120に切り替わって運転が止まり、給油しただけでは復旧しません。
送油経路の空気が抜けるまでリセットを繰り返す必要があり、約8回で利用者側では解除できなくなります。
830を見た日のうちに給油するのが、いちばん手間の少ない対処です。
E0だけは機種によって意味が正反対になるため、型名の確認が欠かせません。
480は予告装置そのものの異常、F1は油圧センサ不良による運転停止と、番号が近くても内容は別物です。
油切れ予告装置は別売部品であり、付いていない機器では警告そのものが出ません。
その場合はタンクの油量計を自分で確認する習慣が、真冬の突然の停止を防ぐ唯一の手段になります。

