暖房が止まり、リモコンに「エラー29」と表示されている。
数字だけを見るとほかのエラーと同列に見えますが、この表示は一覧の中でも扱い方が違う種類のものです。
機器の内部部品が壊れたというより、燃焼ガスの通り道に異常が起きている可能性を知らせているためです。
再運転を試す前に確認すべきことがあり、順番を間違えると危険につながります。
この記事では、エラー29が何を検知した状態なのか、どの機種で表示されるのか、使用者が確認してよい範囲とやってはいけない操作を整理します。
エラー29は排気管抜け検知機能の作動
メーカーが公表している内容では、エラー29は「排気管抜け検知機能の作動」とされています。
排気管が外れている場合に表示され、それ以外は点検または修理が必要という位置づけです。
この機能は、屋内用の密閉式強制給排気形(FF式)にのみ備わっています。
屋外に設置する開放形の機種では、この表示は基本的に出ません。
自分の機器がどちらかは、本体の銘板に記載された型番の末尾で判別できます。
なぜこの表示だけ扱いが違うのか
FF式は、燃焼に使う空気を屋外から取り込み、燃焼後の排気ガスも屋外へ直接出す構造です。
室内の空気を使わないため安全性が高い方式ですが、その安全性は給排気の経路がきちんとつながっていることが前提になっています。
排気管が外れると、この前提が崩れます。
運転中に排気ガスが室内へ漏れ、一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。
一酸化炭素は色もにおいもなく、異変に気づいたときには身体が動かなくなっていることもあります。
機器が自ら停止したのは、この状態を検知したためです。
つまりエラー29は「機器が壊れた合図」ではなく、「そのまま燃やすと危ない」という判断の結果だと考えてください。
29以外の番号が表示されている場合はコロナ暖房ボイラー エラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準で意味を確認できます。
表示される3つの原因
取扱説明書では、排気管抜け検知装置が作動する条件として次の3点が挙げられています。
| 原因 | 状態 |
|---|---|
| 排気管の接続部が外れた | 給排気筒と本体、または管どうしの接続が抜けている |
| 検知用リード線が外れた・断線した | 抜けを検知するための配線側の問題 |
| ストッパーリングが正しく付いていない | 一部の機種に該当。固定部品の取り付け不良 |
重要なのは、実際に排気管が外れていなくても表示される場合があるという点です。
検知用リード線の緩みや断線でも同じ表示になるため、見た目に異常がないからといって「誤作動だから使って大丈夫」とは判断できません。
3つ目のストッパーリングについては、据付や点検で給排気筒を外した後に起きやすい項目です。
設置工事や機器の移動、点検の直後にエラー29が出た場合は、取り付け状態を疑う価値があります。
使用者が確認してよい範囲
分解は不要です。
目視でできる確認にとどめてください。
① 給排気筒トップの周囲
屋外に出ている給排気筒トップの周りが、雪でふさがれていないかを見ます。
ふさがれたままでの使用は危険です。
閉そくしていると運転中に排気ガスが室内へ漏れるおそれがあるため、除雪してから再運転を検討してください。
吹雪のあとの吹き溜まりは、想像以上の速さでトップを埋めます。
また、虫よけのつもりで金網などを取り付けるのは禁止されています。
給排気の妨げになり、異常燃焼を起こす原因になるためです。
② 接続部の外れ・ゆるみ
給排気筒および排気管の接続部に、外れやゆるみがないかを確認します。
明らかに抜けている、隙間が空いている、位置がずれているといった状態が見つかれば、その時点で使用を中止してください。
③ 検知用リード線
排気管抜け検知用のリード線に、外れや切れがないかを見ます。
配線を引っ張ったり、外れているものを差し込み直したりする必要はありません。
状態を確認し、異常があれば連絡する、という段階までで十分です。
④ 機器の周囲
給排気筒トップの周囲に燃えやすいものが置かれていないかもあわせて確認してください。
また、機器や吹出口を波板などで囲うことは、不完全燃焼や火災のおそれがあるため禁止されています。
やってはいけない操作
エラー29で最も避けたいのは、原因を確認しないまま運転操作を繰り返すことです。
取扱説明書でも、処置をせずに何度もリセットを繰り返すと火災や事故の原因になると明記されています。
- 表示が出るたびに運転スイッチを押し直して使い続ける
- 外れた排気管を自分で差し込み直して運転を再開する
- 雪をよけないまま「とりあえず動くか」を試す
- 給排気筒トップに金網やカバーを付ける
2つ目については補足が必要です。
排気管は差し込めばよいというものではなく、接続部内部のOリングが正しく機能して初めて気密が保たれます。
給排気筒を一度取り外して再び取り付ける場合は、このOリングが破損していないか確かめる必要があり、破損していれば交換が必要です。
見た目に収まっていても排気が漏れている、という状態が起こり得るということです。
表示が出る前のサインに気づく
排気まわりの異常は、エラーとして表示される前に別の形で現れることがあります。
- 運転中に室内でいつもと違うにおいがする
- 機器がススを出して燃えている
- 暖まり方が明らかに弱くなった
- 燃焼音が普段と違う
こうした症状は、このまま使用を続けると大変危険なため、使用を中止して連絡するよう案内されています。
においの変化から異常に気づく例は少なくありません。
燃焼そのものが不安定なときに表示される番号はコロナ暖房ボイラーのエラー11・12|不着火と途中消火の確認手順で解説しています。
なお、冬に給排気筒トップから白い煙のようなものが出るのは異常ではありません。
排気ガス中の水蒸気が外気に触れて水滴に変わるためで、二次熱交換器で熱を回収する機種では特に起こりやすい現象です。
結露水が落下することもあるため、落下する場所には物を置かないようにしてください。
日常点検で防げること
エラー29の原因の多くは、経年と環境によって少しずつ進行します。
| 点検箇所 | 頻度の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 給排気筒の接続部 | 日常 | 外れ・ゆるみ |
| 検知用リード線 | 日常 | 外れ・断線 |
| 給排気筒トップ周囲 | 降雪時 | 積雪・閉塞・可燃物 |
| Oリング | 取り外し時 | 破損の有無 |
| 機器全体 | 年1回程度 | 有資格者による点検 |
長期間使用していると機器の点検が必要になります。
1年に1回程度、販売店または石油燃焼機器の修理資格を持つ技術者のいる店へ点検を依頼することが推奨されています。
地震のあとに給排気筒の外れを確認する手順はコロナ暖房ボイラーのエラー2|対震装置の作動と再運転前の確認でも整理しています。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
連絡するときに控えておく情報
排気に関わる内容のため、状況が正確に伝わるほど対応が早くなります。
- 表示されている数字(29)
- 本体の型番と設置形式(屋内用FF式か屋外用か)
- 表示が出たタイミング(点検や工事の直後かどうか)
- 給排気筒トップの状態(積雪の有無)
- 接続部やリード線に目視で異常があったか
よくある質問
Q1. 排気管を見ましたが外れていません。誤作動でしょうか。
誤作動と決めつけるのは避けてください。
排気管抜け検知装置は、管そのものの外れだけでなく、検知用リード線の外れや断線、ストッパーリングの取り付け不良でも作動します。
つまり見た目に異常がなくても、検知系統に問題が起きている可能性があります。
排気に関わる部分であるため、原因が特定できない状態で運転を続けるのではなく、点検を依頼するのが安全です。
Q2. 雪を取り除いたら運転できました。このまま使って大丈夫ですか。
閉そくが原因であれば、除雪後の運転自体は想定された対処です。
ただし、同じ場所が繰り返しふさがれるようなら設置環境側の問題が残っています。
降雪のたびに確認するのが現実的ですが、風向きによって毎回吹き溜まりができる場合は、点検の際に相談してみてください。
なお、ふさがれたまま運転を試すことは絶対に避けてください。
Q3. 屋外に設置しているのにエラー29が出ました。
排気管抜け検知装置は屋内用のFF式に備わる機能のため、屋外用の開放形では通常表示されません。
まず本体の銘板で型番と設置形式を確認してください。
屋外設置であると確認できたうえでこの表示が出ている場合は、一覧の想定と異なる状態ということになります。
自己判断で運転を続けず、型番と表示を伝えて確認を依頼してください。
Q4. 排気管を自分で差し込み直してもよいですか。
おすすめできません。
排気管は差し込めば気密が保たれるものではなく、接続部内部のOリングが正常であることが前提になります。
Oリングが破損していると、見た目には接続されていても排気が漏れる状態になり得ます。
外れていた事実そのものが点検の対象になるため、接続し直して運転を再開するのではなく、状況を伝えて確認してもらってください。
Q5. 一酸化炭素はどうすれば気づけますか。
一酸化炭素は無色無臭のため、人の感覚で直接気づくことはできません。
そのため、機器側の検知装置が働いて停止したという事実を軽く扱わないことが最大の防御になります。
頭痛や吐き気、めまいといった体調の変化があり、それが暖房の使用中に起きているようであれば、まず窓を開けて空気を入れ替え、運転を止めてください。
体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
まとめ
エラー29は、屋内用FF式に備わる排気管抜け検知機能が働いた状態です。
排気ガスが室内へ漏れるおそれがあるため、一覧の中でも再運転を優先してはいけない表示にあたります。
使用者が確認してよいのは、給排気筒トップの積雪や閉塞、接続部の外れやゆるみ、検知用リード線の状態といった目視の範囲までです。
外れた管を差し込み直したり、表示が出るたびにリセットして使い続けたりする対処は避けてください。
除雪で解消した場合を除き、この表示は点検を前提に考えるのが妥当です。
型番と表示、出たタイミングを控えたうえで、早めに連絡してください。

