床暖房が効かなくなり、リモコンに「エラー3」と表示されて機器が止まっている。
検索すると「空焚き」という言葉が出てきて、機器を壊してしまったのではないかと不安になる方が多い表示です。
ただ、エラー3は異常が起きたことではなく、危険な状態を検知して機器が自ら燃焼を止めたことを示すサインでもあります。
そしてもう一点、暖房ボイラーのエラー3で不足しているのは水ではなく「循環液」です。
この記事では、エラー3が示す状態、循環液の水位を確認する手順、補充に使ってよい液と避けるべき液、補充しても消えないときの考え方までを整理します。
エラー3が示しているのは2つの状態
メーカーが公表している内容では、エラー3は「初期循環液不足」または「空だき検知装置の作動」とされています。
どちらも共通しているのは、温めるべき液が十分にない状態で燃やそうとしたという点です。
液がないまま燃焼を続けると、熱交換器の温度が異常に上昇し、機器の破損や事故につながります。
それを防ぐために検知装置が働き、燃焼を止めています。
つまり表示が出た時点では、最悪の事態は回避されている状態です。
給湯機のエラー3とは意味が違う
ここが混同されやすい部分です。
同じメーカーの石油給湯機にもエラー3がありますが、対象になっている液体が異なります。
| 暖房ボイラーのエラー3 | 石油給湯機のエラー3 | |
|---|---|---|
| 不足しているもの | 循環液(不凍液) | 水道水 |
| 確認する場所 | 循環液水位点検窓・圧力計 | 給水元栓・水抜き栓 |
| 補充の可否 | 専用補充液で補充できる | 水道から給水する |
| 症状 | 床暖房や温水ヒーターが効かない | お湯が出ない |
蛇口のお湯が出ない症状であれば、この記事の対象とは別の機器が該当します。
暖房ボイラーの循環液は、床暖房パネルや温水ルームヒーターの中をぐるぐる回り続ける液体です。
水ではなく専用に調合された液が使われているのは、凍結予防と、配管や機器内部の防錆という2つの役割を兼ねているためです。
確認前に必ず守ること
水位を見るには給水キャップを外す必要がありますが、その前に条件があります。
運転中や停止直後に給水キャップを外さないでください。
内部は高温・高圧になっており、循環液が飛び散ってやけどをするおそれがあります。
必ず運転を止め、機器が十分に冷えた状態で作業してください。
また、水位の判定そのものも冷えた状態で行う必要があります。
温まっているときの循環液は膨張しているため、上限を超えていても異常とは限らないからです。
冷却時の水位で判断する、と覚えておいてください。
循環液の水位を確認する手順
配管システムの方式によって、確認する場所が変わります。
半密閉システムの場合
- 運転を止め、機器が冷えるまで待つ
- 機器上面の給水口ふた(ねじ4か所)を外す
- 給水キャップを反時計方向に回して取り外す
- 循環回路注入口の口元まで液が入っているか確認する
- 循環液水位点検窓の「上限」と「下限」の間にあるか確認する
給水キャップは2段式になっている機種があり、下に押しながら回すと外しやすくなります。
確認が終わったら、キャップとふたを元どおりに取り付けてください。
液面が下限を下回っていれば、これがエラー3の直接的な原因である可能性が高い状態です。
密閉システムの場合
別売の密閉配管セットやエア抜き弁セットを使っているシステムでは、点検窓ではなく圧力計を見ます。
循環液が冷えた状態で、システムに取り付けられた圧力計の値を確認してください。
純正の膨張タンクを使用している場合、規定圧は40kPaとされています。
これを下回っている場合は自分で補充する部分ではないため、販売店へ連絡してください。
補充に使ってよい液・避けるべき液
ここが最も間違えやすく、そして機器への影響が大きい部分です。
| 状況 | 使うもの |
|---|---|
| 自然蒸発による減り | 専用補充液 |
| 液漏れなどで大きく減った | 床暖房用循環液(純正) |
| 水道水で薄める | 不可 |
| 車両用など他銘柄の不凍液 | 不可 |
自然蒸発ぶんの補給に濃度の高い循環液をそのまま足すと、濃度が上がりすぎて故障の原因になる場合があります。
逆に、循環液を水で薄めると防錆・防食・凍結予防の効果がいずれも損なわれます。
他銘柄の不凍液や車両用の製品を混ぜた場合は、防錆効果が発揮されないだけでなく、ポンプの性能が十分に出なかったり、釜なり音が発生したりすることがあります。
さらに注意したいのが保証の扱いです。
指定以外の循環液による故障は、保証期間内であっても保証の対象外とされています。
目先の手間や費用を惜しんで代用品を入れると、後から大きな負担になりかねません。
補給の手順は、給水口ふたを外し、半密閉タンク注入口のゴムキャップを外して、点検窓の「上限」まで入れるという流れです。
上限を超えて入れると、暖房運転時に膨張したぶんがあふれ出ることがあるため、入れすぎにも注意してください。
循環液は消耗品として扱う
見落とされやすいのが、循環液に交換時期があるという点です。
開封した液も含めて3年を目安に入れ替えることが推奨されています。
交換せずに使い続けると、防錆効果と凍結予防効果が低下し、機器に悪影響を及ぼすおそれがあります。
そして循環液の劣化が原因の故障は、保証期間内でも対象外となります。
「補充はしているが、入れ替えたことは一度もない」という状態は、エラー3の再発だけでなく内部の腐食にもつながります。
保管時の扱いにも触れておきます。
循環液は飲用してはならず、幼児の手の届かない場所に密閉して保管する必要があります。
皮膚や衣類に付着した場合はよく洗い流してください。
補充しても表示が消えないとき
液を足して水位が適正になったのに、再運転してもエラー3が出る。
この場合は、次のような状況が考えられます。
- 温水経路にゴミが詰まり、循環液が流れていない
- 配管がつぶれるなどして流路が確保できていない
- どこかから液が漏れており、すぐにまた不足している
- 検知装置側の不具合
いずれも使用者が判断・修復できる範囲を超えています。
この段階で再運転を繰り返すと、空だきに近い状態を招くおそれがあるため、点検を依頼してください。
実際に温度が上がりすぎた場合に働く保護装置についてはコロナ暖房ボイラーのエラー30・31・32|過熱と温度検知の異常で解説しています。
循環液が減る原因を見分ける
半密閉システムでは、循環液は少しずつ自然に蒸発します。
つまり、ある程度減ること自体は正常です。
問題は「減り方」にあります。
| 減り方 | 想定される状態 |
|---|---|
| 数か月かけて少しずつ | 自然蒸発。専用補充液で補給 |
| 数週間で目に見えて減る | 漏れの可能性。点検を検討 |
| 補充してもすぐ下限を割る | 配管や接続部からの漏れ |
| 床や機器の下にしみがある | 漏れが顕在化している状態 |
機器内部や温水配管、床暖パネルの接続部などから液漏れがないかを、ときどき確認しておくことが推奨されています。
月1回程度、点検窓を見る習慣をつけておくと、急な停止を防ぎやすくなります。
なお、床暖房の効きが落ちてきたと感じる場合、循環液不足だけでなく配管内に空気が混入している可能性もあります。
循環ポンプ側の異常が原因のこともあり、その場合に表示される番号はコロナ暖房ボイラーのエラー21・22・23|止まる前のサインで解説しています。
修理か交換かを考えるとき
エラー3が繰り返し出る、あるいは漏れが確認された場合は、部分的な修理で済むのか機器ごと見直すのかという判断が必要になります。
判断材料は次の3点です。
- 設置からの年数(設計上の標準使用期間は10年)
- 漏れの発生場所(機器内部か、配管側か)
- 同じ症状の再発頻度
配管側の漏れであれば機器は使い続けられますが、機器内部からの漏れで年数も経っている場合は、修理と交換を並べて検討する価値があります。
費用は交換部位によって大きく変わるため、症状と型番を伝えて見積もりを取り、残りの使用年数と照らして判断するのが現実的です。
3以外の番号が表示されている場合はコロナ暖房ボイラー エラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準で意味を確認できます。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
よくある質問
Q1. 循環液が減っていたので水道水を足しました。問題ありますか。
できるだけ早く販売店に相談してください。
循環液は凍結予防と防錆の両方を担うよう調合されており、水で薄めるとどちらの効果も低下します。
特に寒冷地では、濃度が下がったことで配管や熱交換器が凍結し、破損につながるおそれがあります。
なお、指定以外の液による故障は保証の対象外とされているため、入れた量と時期を伝えたうえで対応を確認するのが安全です。
Q2. エラー3が出ましたが、水位は上限と下限の間にありました。
液量以外の要因が考えられます。
温水経路のゴミ詰まりや配管のつぶれで循環液が流れていない場合、量が足りていても空だきに近い状態として検知されることがあります。
また、水位を温まった状態で見ていた場合は、膨張によって実際より多く見えている可能性もあります。
機器が冷えた状態で見直したうえで、それでも表示が消えなければ点検を依頼してください。
Q3. 補充液と循環液は何が違うのですか。
用途が異なります。
循環液はシステム全体に入れる液で、専用補充液は使用中の自然蒸発によって減ったぶんを補うための液です。
自然蒸発ぶんの補給に濃度の高い循環液を足すと、濃度が上がりすぎて故障の原因になる場合があるとされています。
液漏れなどで大きく減った場合は補充液ではなく循環液を入れることになるため、減った理由によって使い分けが必要です。
Q4. 循環液は自分で入れ替えられますか。
補充と入れ替えは別の作業です。
点検窓を見て専用補充液を足す程度であれば使用者の範囲ですが、システム全体の液を抜いて入れ替える作業は配管のエア抜きを伴い、施工の知識が必要になります。
3年を目安とした入れ替えは、定期点検のタイミングで販売店に依頼するのが確実です。
中途半端に液が残ったり空気が抜けきらなかったりすると、別のトラブルを招きます。
Q5. しばらく暖房を使わない時期は、循環液を抜いておくべきですか。
抜かないでください。
循環液は凍結予防と腐食防止のために常に入れておく液であり、抜いてしまうと配管内部の錆や、次のシーズンの凍結につながります。
長期間使用しない場合はむしろ、半密閉タンクに上限水位まで補充液を補給しておくよう案内されています。
シーズンオフこそ、液量を確認しておくタイミングだと考えてください。
まとめ
暖房ボイラーのエラー3は、循環液が不足した状態、あるいは空だき検知装置が働いた状態を示します。
給湯機のエラー3と違い、足りないのは水ではなく循環液です。
確認は必ず機器が冷えてから行い、半密閉システムなら点検窓の上限と下限の間にあるか、密閉システムなら圧力計を見ます。
補充は専用補充液で行い、水で薄めたり他銘柄の不凍液を混ぜたりしないこと。
この2点を守れば、自然蒸発による不足であれば自力で戻せます。
一方で、補充しても消えない、短期間で何度も減るという場合は、漏れや詰まりなど別の原因が隠れています。
その段階では再運転を重ねず、水位の状況と型番を控えて点検を依頼してください。

