おふろも蛇口も設定どおりの温度にならず、リモコンにEr68と表示されていませんか。
Er68は、水温度センサーが正しく温度を検知できない状態を知らせる点検表示です。
湯はりと給湯の両方に症状が出る点が、他の温度関係の表示と違うところです。
この記事では、表示の意味と安全のために取るべき行動、水の温度が読めないと湯温が狂う理由、症状の範囲から異常箇所を絞り込む方法、解除の手順と点検を依頼する判断基準までを整理します。
まず確認したい安全のポイント
Er68では、設定どおりの温度にならない状態が続きます。
ぬるいだけでなく、設定より熱いお湯が出る可能性もあります。
- お湯を使う前に、容器に受けて温度を確かめる
- 浴そうに溜まったお湯は、入る前に手で温度を確認する
- 小さなお子さまや高齢の方が先に使わないよう声をかける
- 改善しない場合は、やけどや感電のおそれがあるため使用を控える
温度が安定しない状態では、同じ操作をしても毎回結果が変わります。
「さっきは大丈夫だったから」という判断は避けてください。
Er68で現れる症状
公表されている症状は次のとおりです。
- 設定どおりの温度で湯はりできない(ぬるい、または熱い)
- お湯が出ない、または安定しない状態が発生することがある
湯はりと給湯のどちらにも影響が出るのが特徴です。
おふろだけ、蛇口だけといった限定的な症状ではなく、お湯を使う場面全般で温度が思ったとおりにならなくなります。
水の温度が読めないと、なぜ湯温が狂うのか
エコキュートは、タンクの高温のお湯をそのまま送り出しているわけではありません。
ヒートポンプで沸き上げたお湯は最高で約90℃に達します。
この高温のお湯に水を混ぜ、設定した温度に調整してから浴そうや蛇口へ送っています。
このとき機器は、混ぜる水が何℃なのかを前提に混合の比率を決めています。
水温度センサーは、その「水の温度」を測る役割を担っています。
そのため、水の温度が正しく読めないと次のようなことが起こります。
| 誤検知の方向 | 起こること |
|---|---|
| 実際より水が冷たいと判断する | 高温の湯を多く混ぜてしまい、設定より熱いお湯になる |
| 実際より水が温かいと判断する | 水を多く混ぜてしまい、設定よりぬるいお湯になる |
| 検知値が安定しない | 給湯中や湯はり中に温度が上下する |
熱いお湯もぬるいお湯も、同じ「水温が読めない」という一つの異常から生じます。
症状が正反対に見えても、原因は同じところにあると考えてください。
症状の範囲で異常箇所を絞り込む
温度がおかしいという症状は複数の表示で起こりますが、どこまで症状が及んでいるかで見当がつきます。
| 症状の範囲 | 考えられる異常箇所 | 該当しやすい表示 |
|---|---|---|
| おふろの湯はりだけがおかしい | 湯はり・たし湯の温度制御 | Er26・Er28・Er38・Er56 |
| 蛇口とシャワーだけがおかしい | 給湯側の温度制御やポンプ | Er14・Er17・Er64 |
| 湯はりも給湯も両方おかしい | 双方に共通する部分 | Er68 |
湯はりも給湯も同時に温度が乱れている場合、それぞれ別の部品が同時に壊れたと考えるより、両方が使っている共通部分に原因があると考えるほうが自然です。
水温度センサーはその共通部分にあたります。
症状の範囲を点検の依頼時に伝えると、原因の絞り込みが早く進みます。
「おふろだけか、蛇口もか」は、必ず確認しておきたい情報です。
異常ではない温度変化との見分け方
給湯の温度が変わる現象のすべてが故障というわけではありません。
メーカーは、次のような使いかたや状況では温度が変化するもので異常ではないと案内しています。
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 給湯の途中で流量を変える | 蛇口の開き具合を変えたとき |
| 給湯中に水道の水圧が変化する | 他の場所で水を使ったときなど |
| 混合水栓の湯側の流量が少ない | ごく少量でお湯を出しているとき |
| 浴室のシャワーと台所の給湯を同時に使う | 2か所で同時使用しているとき |
| 湯はり・たし湯・さし水・高温さし湯と給湯が重なる | おふろの操作と給湯が同時に走っているとき |
| シャワーをいったん止め、しばらくして再使用する | 配管内に残った湯温の影響 |
判断の分かれ目は、リモコンに番号が表示されているかどうかです。
番号が出ていない状態でこれらの条件に当てはまるなら、故障ではない可能性が高くなります。
Er68のように湯はりと給湯の両方で温度が乱れる場合は、これらの条件では説明がつきません。
条件に心当たりがないのに温度が振れる場合や、番号が表示されている場合は、機器側の異常を疑ってください。
解除の手順
次の手順で表示を解除します。
- リモコンに操作案内が出ていれば、その指示どおりに操作する(例:メニューボタンの長押し)
- 案内がなければ、貯湯ユニットの漏電遮断器(ブレーカー)を「OFF」にする
- 約5秒後に「ON」に戻す
- リモコンの表示が立ち上がり、点検表示が消えているか確認する
- 開けた操作カバーを必ず閉じる
解除したあとにお湯を使う際は、必ず温度を確かめてください。
浴室ではなく台所など確認しやすい場所で、容器に受けて温度を見るのが安全です。
解除操作そのものの詳しい手順や注意点は日立エコキュートの点検表示を解除する方法|再発したときの判断もにまとめています。
季節によって出方が変わることがある
水道水の温度は、夏と冬で大きく変わります。
冬は水温が下がるため、同じ設定でも混ぜる水の量は少なくなります。
つまり、水温の検知がずれたときの影響の出方も季節によって変わります。
夏場は気づかなかったのに、冬になってから「ぬるい」と感じるようになるケースもあります。
ただし、冬にお湯がぬるく感じること自体は、機器の異常とは限りません。
番号が表示されていない場合は、次の点を確認してください。
- サーモスタット付混合水栓を使っている場合、リモコンの給湯温度を水栓の設定温度より約10℃高くする
- 残湯量の目盛が少ないときは「タンク沸き増し」でお湯を沸き上げる
- お湯を多く使う予定がある日は、前日に沸き上げ設定を多めにしておく
配管の放熱によって、蛇口から出るお湯は設定より低くなることがあります。
リモコン側の設定が低いままだと、水栓で設定した湯温になりません。
点検が必要な状態と依頼の流れ
解除しても改善しない場合、やけどや感電のおそれがあるため使用を控え、点検を依頼してください。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 番号が出ておらず、冬場にぬるいと感じるだけ | 設定の見直しで改善する可能性がある |
| 解除後、安定した温度で使えた | 一時的な検知。温度を確認しつつ様子を見る |
| 解除しても当日中に再表示される | 使用を控えて点検を依頼する |
| 湯はりも給湯も温度がばらつく | 使用を控えて点検を依頼する |
| 実際に熱いお湯が出て危険を感じた | 使用を控え、すぐに点検を依頼する |
依頼先は、購入した販売店またはメーカーの修理受付センターです。
修理受付センターの番号は0120-3121-68(携帯電話からは0570-0031-68)です。
連絡するときは、次の情報を控えておくと訪問前の準備が進みます。
| 伝える内容 | 確認場所 |
|---|---|
| 表示された番号 | リモコンの表示部(解除前に控える) |
| 機器の型式と製造番号 | 貯湯ユニット本体のラベル |
| 症状の範囲 | 湯はりだけか、給湯もか |
| 症状の内容 | ぬるい、熱い、出ない、安定しないのどれか |
| 設置からの年数 | 保証書や工事時の書類 |
温度に関わる部品は消耗部品として扱われており、使用年数に応じて劣化する前提の部位です。
設置から年数が経っている場合は、修理費と本体交換費の両方を出してもらうと判断しやすくなります。
給湯側だけに症状が出ている場合の対処は日立エコキュートEr64とは|給湯の循環ポンプが動かない状態、湯はり側だけの場合は日立エコキュートEr26・Er28|熱い湯が出るときの対処で解説しています。
表示された番号ごとの意味は日立エコキュートのエラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準から確認できます。
よくある質問
Q1. ぬるいだけで熱いお湯は出ていません。それでも使用を控えるべきですか?
Er68では、ぬるい・熱い・出ない・安定しないという複数の症状が起こり得ます。
今はぬるいだけでも、次に使ったときに設定より熱いお湯が出る可能性を否定できません。
表示が出ているあいだは、お湯を使う前に容器に受けて温度を確かめてください。
解除しても改善しない場合は、使用を控えて点検を依頼してください。
Q2. 湯はりだけがぬるく、蛇口は正常です。それでもEr68ですか?
Er68は湯はりと給湯の両方に症状が出るのが特徴です。
湯はりだけに症状が出ている場合は、湯はり側の温度制御に関わる別の表示である可能性があります。
リモコンに表示されている番号を正確に確認してください。
番号が違えば、対処の範囲や使用を控えるべき場所も変わります。
Q3. 冬だけぬるく感じます。修理が必要でしょうか。
冬は水道水の温度が下がるため、同じ設定でもお湯がぬるく感じられることがあります。
番号が表示されていないのであれば、機器の異常とは限りません。
サーモスタット付混合水栓を使っている場合は、リモコンの給湯温度を水栓の設定温度より約10℃高くしてみてください。
それでも改善せず、番号が表示されるようであれば点検を依頼してください。
Q4. 解除は何回まで試してよいですか?
目安として2回までにとどめてください。
1回目で消えて再発しない場合は様子見で構いませんが、2回目でまた表示された時点で、部品側に原因が残っていると判断できます。
何度も入れ直すことで故障箇所が直ることはなく、状態を悪化させる場合もあります。
操作の際は貯湯ユニットの操作カバーを開け閉めするだけにとどめ、内部の部品には触れないでください。
Q5. 点検を待つあいだ、お湯を使わない生活は難しいのですが。
やむを得ず使う場合は、給湯温度を高い設定のままにせず、通常使う温度に戻してください。
お湯を使う前に容器に受けて温度を確かめ、浴そうのお湯も入浴前に手で確認します。
入浴は大人が先に入り、温度に問題がないことを確かめてから家族が入る順にすると安全です。
子どもだけで入浴させないことも、この期間は徹底してください。
まとめ
Er68は、水温度センサーが正しく温度を検知できないことを知らせる表示です。
- 湯はりと給湯の両方に症状が出るのが特徴
- 混ぜる水の温度が読めないため、熱くもぬるくもなり得る
- 症状が両方に及んでいる場合は、共通部分の異常を疑う
- 解除は案内どおりの操作か、漏電遮断器をOFF→約5秒後にON
- 改善しない場合は使用を控え、販売店または修理受付センターへ連絡する
表示が消えたかどうかではなく、実際に出るお湯の温度で安全を判断してください。

