焼き魚を作ったあと、グリルを開けるたびに脂の焦げつきと独特の臭いにうんざりして、つい掃除を先延ばしにしていませんか。
グリルは、コンロの中でも汚れがたまりやすいのに、扉を閉めれば見えなくなるため、後回しにされがちな場所です。
放置すると、焦げつきが固まって落ちにくくなるだけでなく、炎が不安定になったり、次に使ったときに嫌な臭いが出たりすることもあります。
この記事では、焼き網・受け皿・庫内それぞれの掃除方法と頑固な焦げの落とし方、臭いを取る工夫、グリル火災を防ぐための注意点までを、JGKAや東京ガスの案内をもとに解説します。
グリルの汚れの正体と掃除の基本方針
グリルの汚れは、主に「魚や肉から出る油」と「食材の身・皮の焦げつき」の2種類です。
油汚れは焼き網や受け皿だけでなく、庫内の壁や天面にも飛び散ります。
掃除の基本は、次の3つを押さえることです。
| 基本方針 | 理由 |
|---|---|
| 使ったらできるだけ早く掃除する | 時間がたつほど油が固まり、焦げつきが落ちにくくなる |
| 部位ごとに合った方法で洗う | 焼き網・受け皿・庫内で、コーティングの有無や耐熱性が異なる |
| 庫内には水を直接流し込まない | 内部の部品に水が入ると故障の原因になる |
作業を始める前に、グリルの庫内が十分に冷えていることを必ず確認してください。
使用直後のグリルは高温になっており、不用意に触れるとやけどのおそれがあります。
焼き網の掃除方法
焼き網は、フッ素加工されているかどうかで、汚れの落ちやすさと掃除方法が変わります。
フッ素加工された焼き網
JGKAは、フッ素加工した網について、キッチンペーパーに重曹水をしみこませて湿布のように貼ってしばらく置き、汚れが浮いてきたらやわらかい布で拭き取る方法を紹介しています。
軽い汚れであれば、スポンジのやわらかい面に台所用中性洗剤を広げ、5分ほど放置して汚れを浮かせてから、水で洗い流すだけでも十分です。
フッ素加工されていない焼き網
フッ素加工のない網は汚れがこびりつきやすいため、台所用中性洗剤をまんべんなく広げて5分ほど放置し、汚れを浮かせたあと、網専用のブラシや魚をひっくり返す道具でこびりついた汚れをこそぎ落とし、スポンジでこすってから水で洗い流す方法が案内されています。
コーティングの有無に関わらず、金属たわしや硬いブラシでのゴシゴシこすりは避け、やわらかい道具を使うのが焼き網を長持ちさせるコツです。
焦げつきがひどいとき
軽い掃除で落ちない焦げつきには、つけ置き洗いが効果的です。
40℃前後のぬるま湯に重曹を溶かし、焼き網をしばらく浸けてから、やわらかいスポンジでこすり洗いする方法が一般的に案内されています。
つけ置き時間を長くしすぎると、コーティングの劣化や変色につながることがあるため、まずは30分前後を目安にし、落ちにくい場合は時間を延ばすより、短時間のつけ置きと拭き取りを繰り返すほうが焼き網を傷めにくい方法です。
受け皿の掃除方法
受け皿には、魚や肉から出た脂がそのまま溜まります。
受け皿の素材や、水を入れて使うタイプかどうかによって、掃除方法や注意点が変わります。
| 受け皿の種類 | 掃除のポイント |
|---|---|
| 水を入れて使うタイプ | 使用後は溜まった脂と水をすぐに捨て、放置しない |
| 水を入れないタイプ(水なしグリル) | 脂が固まりやすいため、温かいうちに拭き取ると楽 |
| フッ素・クリアコート加工 | 中性洗剤でのやさしい洗浄が基本、研磨剤は避ける |
| アルミ製 | 酸性・アルカリ性洗剤で変色・変質するおそれがあるため中性洗剤を使う |
受け皿に水を入れるタイプのグリルは、使用後すぐに水と脂を捨てずに放置すると、においとカビの原因になります。
使ったその日のうちに受け皿を洗う習慣が、グリルの臭い対策として最も効果的です。
庫内(グリルの内部)の掃除方法
庫内の壁や天面は、取り外して洗うことができないため、拭き掃除が基本になります。
庫内掃除の手順
- 庫内が十分に冷えていることを確認する
- 焼き網、受け皿、グリル扉(外せる機種のみ)の順に取り外す
- 下火カバーが外せる場合は、取り外して洗う
- 薄めた重曹水を含ませた布やスポンジで庫内を拭いて湿らせる
- しばらく置いて汚れが浮いたら、やわらかい布で水拭きし、最後に乾拭きする
JGKAは、手が届きにくい庫内の隅について、菜ばしに布を巻いて輪ゴムで留めた「お手入れ棒」を使うと拭きやすいとしています。
掃除の際はゴム手袋を着用し、庫内が十分に冷めていることを確認してから作業してください。
庫内に直接水をかけて洗い流すのは避けてください。内部の点火装置や配線に水が入ると、故障や点火不良の原因になります。
あくまで「湿らせた布で拭く」ことが基本で、水洗いできるのは取り外せる部品のみです。
前面パネル(グリル扉)の掃除
グリルの扉(前面パネル)も、使用直後は高温になっているため、十分に冷めてから掃除しましょう。
扉を取り外し、スポンジに台所用中性洗剤をつけてこすり、最後に水洗いする方法が案内されています。
取り外せない機種の場合は、固くしぼった布で表面を拭く程度にとどめてください。
食洗機で洗える部品
取り外せる部品が多い機種では、五徳・排気口カバー・グリルの焼き網・受け皿などをまとめて食器洗い乾燥機で洗える場合があります。
JGKAは、食洗機には専用の洗剤を使うことと、変色や焼きついた汚れは食洗機だけでは落とせないことを案内しています。
一方で、メーカーによっては、グリル皿やグリルプレートがアルミ製でフッ素コート加工されているため、食洗機での洗浄を推奨していない機種もあります。
アルミ製の部品を酸性洗剤やアルカリ性洗剤で洗うと、表面が変色・変質するおそれがあるとされています。
食洗機を使う前に、取扱説明書でグリル部品が対応しているかを必ず確認してください。
臭いが気になるときの対処法
グリルの掃除をしても、独特の魚臭さが残ることがあります。
臭い対策として、次の方法が知られています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 酸性の洗浄剤で拭く | クエン酸水やお酢を庫内にスプレーして拭き取ると、魚臭さの軽減に役立つとされる |
| 空焼きをする | 掃除後、網を外した状態で数分焼くと、臭いの軽減や付きにくさにつながるとされる |
| 換気をしながら使う | 調理中から換気扇を回し、臭いをこもらせない |
酸性の洗浄剤を使う場合は、金属部分を傷める可能性があるため、使用後はしっかり拭き取り、金属製の部品に長時間触れさせないようにしましょう。
空焼きを行う際は、庫内に焼き網以外の可燃物が残っていないことを確認してから行ってください。
グリル火災を防ぐための注意点
グリルの掃除を怠ると、汚れが原因で火災につながるおそれがあります。
JGKAは、グリル火災を防ぐには使用後の庫内のお手入れが大切だとし、使用後や連続使用するときは、受け皿や焼き網、下火カバーにたまった脂や食品くずを取り除くよう案内しています。
あわせて、次の点にも注意してください。
- 受け皿の上に、市販のアルミはく製のしる受け皿を敷かない(点火不良、一酸化炭素中毒、異常過熱のおそれ)
- 市販のグリル用グッズ(セラミック製石など)は、説明書の記載事項を守って使用する(グリル火災の危険性がある)
- グリル排気口の上にものを置かない(排気口周辺は高温になり、プラスチック製品やふきんが熱で溶けたり引火したりするおそれがある)
これらはいずれも、良かれと思って行いがちな工夫が、かえって事故につながるケースです。
市販のグリル調理グッズを使う際は、必ず対応機種や使用方法の説明を確認してから使いましょう。
排気口周りの汚れ防止についてはガスコンロカバーの選び方|種類別の特徴と安全に使う注意点でも注意点を解説しています。
掃除しないとどうなる?起こりやすい不具合
グリルのお手入れを怠ると、次のような不具合につながることがあります。
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| 炎が不安定になる | 脂や食品くずが燃焼を妨げる |
| 異臭がする | 焦げついた油が加熱されるたびに臭いを出す |
| 煙が出やすくなる | 古い油が焦げて煙の原因になる |
| 焼きむらができる | 汚れが熱の伝わり方に影響する |
定期的なお手入れを心がけることで、これらの不具合を防ぎやすくなります。
炎の状態が気になる場合は、バーナー側の汚れも影響している可能性があるため、ガスコンロの掃除方法|部位別の手順と焦げ・油汚れの落とし方もあわせて確認してください。
掃除の頻度の目安
グリルの部位ごとに、掃除のタイミングを決めておくと、汚れをためずに済みます。
| 部位 | 目安の頻度 |
|---|---|
| 焼き網・受け皿 | 使うたびに(その日のうちに) |
| 庫内の拭き掃除 | 1か月に1回程度 |
| 前面パネル(扉) | 1〜2か月に1回程度、目立つ汚れが付いたらその都度 |
グリルを頻繁に使う家庭では、焼き網と受け皿だけは必ず毎回洗う、庫内は月1回まとめて掃除する、というようにメリハリをつけると、負担を抑えながら清潔さを保てます。
よくある質問
グリルの臭いが取れないのはなぜですか?
焼き網や受け皿の目に見える汚れを落としても、庫内の壁や天面に染み込んだ油が焦げついていると、加熱するたびに臭いが出続けることがあります。庫内を重曹水で拭き、しばらく置いてから水拭き・乾拭きする掃除を数回繰り返すと改善することが多いです。それでも臭いが取れない場合は、クエン酸水やお酢での拭き取り、空焼きも試してみてください。長年の使用で臭いが染みついている場合は、コンロ本体の買い替え時期のサインとも考えられます。
グリルの部品はどこまで水洗いできますか?
焼き網、受け皿、グリル扉(取り外せる機種)、下火カバーなど、取り外せる部品は基本的に水洗いできます。ただし、フッ素コートなど表面加工がある部品は、酸性・アルカリ性の強い洗剤で変色・変質するおそれがあるため、中性洗剤を使うのが基本です。一方、グリル庫内の壁や天面、点火装置周りは取り外せないため、水をかけて洗うことはできません。湿らせた布で拭き、最後に乾拭きする方法にとどめてください。
グリルの受け皿は毎回洗わないといけませんか?
理想的には、使うたびに受け皿を洗うことをおすすめします。特に水を入れて使うタイプの受け皿は、脂と水を放置するとにおいやカビの原因になります。忙しくてすぐに洗えない場合でも、受け皿に残った脂と水だけは早めに捨てておくと、汚れの定着を防ぎやすくなります。受け皿の汚れをためると、次に使うときの煙や焦げつきの原因にもなるため、こまめな手入れが結果的に掃除の手間を減らします。
グリルの汚れを放置するとどうなりますか?
グリルの汚れを放置すると、炎が不安定になる、異臭や煙が出やすくなる、焼きむらができるといった不具合につながることがあります。さらに、受け皿や焼き網、下火カバーに脂や食品くずがたまった状態で使い続けると、グリル火災につながるおそれがあるとJGKAも注意を呼びかけています。使用後にたまった脂や食品くずを取り除く習慣が、味・においだけでなく安全面でも重要です。
市販のグリル用グッズを使っても大丈夫ですか?
セラミック製の焼き石など、市販のグリル用グッズは便利ですが、製品によってはグリル火災につながる危険性があるとされています。使用する際は、必ず取扱説明書の記載事項を守り、対応する機種や使用方法を確認してから使ってください。また、受け皿の上に市販のアルミはく製の受け皿を重ねて敷く使い方は、点火不良や一酸化炭素中毒、異常過熱のおそれがあるため避けましょう。不安な場合は、グリル専用として販売されている純正品や指定品を選ぶと安心です。
まとめ
グリルの掃除は、焼き網・受け皿・庫内を部位ごとに正しい方法で行うことが、汚れと臭いをためないコツです。
最後に要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 基本方針 | 使ったらすぐ掃除、部位ごとの方法を守る、庫内に水をかけない |
| 焼き網 | フッ素加工の有無で方法を変える、金属たわしは避ける |
| 受け皿 | 使用後すぐに脂と水を捨てる |
| 庫内 | 重曹水で拭き、水拭き・乾拭きで仕上げる |
| 臭い対策 | クエン酸水・お酢での拭き取り、空焼き、換気 |
| 安全面 | 市販グッズの使用方法を守る、排気口をふさがない |
まずは今日のグリル調理のあと、焼き網と受け皿を早めに洗うところから始めてみてください。

