引っ越し先のキッチンにガスコンロを置いたら、作業台より低くて腰が痛くなる、という経験はありませんか。
テーブルコンロは機種によって高さが異なり、以前使っていたコンロより低いものに買い替えると、調理台との段差が気になることがあります。
また、コンロの奥や横のスペースを活用できずに、調味料や鍋の置き場所に困っている方も多いはずです。
この記事では、コンロの高さを調整する「底上げ台」の選び方と注意点、コンロ周りの収納に使う「コンロ奥ラック」「コンロ横ラック」の特徴、コンロ下収納のコツまでをまとめて解説します。
この記事で扱う「コンロ台」とは
「コンロ台」という言葉は、状況によって指すものが異なります。
この記事では、次の3つに分けて解説します。
| 種類 | 目的 | 設置場所 |
|---|---|---|
| 底上げ台(かさ上げ台) | コンロの高さを調理台に合わせる | コンロの下 |
| コンロ奥ラック | 排気口の上や奥のスペースを活用する | コンロの奥 |
| コンロ横ラック | 調味料や調理器具を収納する | コンロの横 |
なお、コンロを使わないときの作業スペースとしてコンロの上にのせる台については、コンロの上に置く台の選び方|サイズ確認と安全に使うポイントで解説しています。
この記事で扱う「コンロ台」は、コンロの下・奥・横に設置するタイプが中心です。
底上げ台(かさ上げ台)とは
底上げ台は、コンロの高さが調理台や周囲のカウンターより低いときに、その差を埋めるために使う台です。
グリルレスの薄型モデルや1口コンロなど、機種によっては、以前使っていたコンロより設置面が10cm近く下がってしまうことがあります。
高さが合わないと、鍋を持ち上げるたびに中腰になったり、調理台とコンロの間で作業がしにくくなったりします。
底上げ台を選ぶときの3つのポイント
底上げ台を選ぶときは、次の3点を意識すると失敗しにくくなります。
- 目的を先に決める:高さ調整をしたいのか、掃除のしやすさを上げたいのか、見た目を調理台とそろえたいのかで、選ぶ製品が変わります。
- 耐熱・不燃素材を選ぶ:キッチンは火や熱が近い場所のため、アルミやスチールなど、コンロ周りでの使用を想定した耐熱表記のある素材を選ぶと安心です。
- 設置後にぐらつきを確認する:底上げすると水平が取りづらくなることがあるため、設置後に軽く押して揺れないかを確認しましょう。
木材など燃えやすい素材だけで底上げ台を作るのは避けてください。コンロの熱や吹きこぼれによって、変色・劣化・発火のリスクが高まります。
市販の底上げ台の多くは、ステンレスなど熱に強い天板を使った製品です。
DIYで作る場合も、天板部分には金属など不燃性の素材を使うようにしましょう。
IH用の底上げ台はガスコンロに使える?
底上げ台の商品説明には「IH用」と表示されているものもあり、ガスコンロで使えるかどうか迷う方もいます。
IH用として販売されている製品は、天板の耐熱性や重量に対する設計がIH機器を前提にしている場合があるため、ガスコンロで使う場合は、炎からの距離や耐熱性が十分かどうかを事前に確認することが大切です。
不安な場合は、ガスコンロ対応と明記された製品を選ぶほうが安心です。
極端に高さが低い場合の対処
グリルレスの薄型コンロなど、通常の底上げ台では高さが足りないほど低い場合もあります。
このようなケースでは、レンガや専用の台座を重ねる、厚みのある不燃素材の板を組み合わせるといった方法が取られることがあります。
ただし、積み重ねる高さが大きくなるほど、安定性の確保が難しくなります。
不安定な状態で使用すると、鍋を置いたときに傾いたり倒れたりする危険があるため、無理に高くしすぎないようにしてください。
大きな高低差がある場合は、コンロ自体をより高さの合う機種に替えることも選択肢に入れて検討しましょう。
コンロ奥ラック|排気口上のデッドスペースを活用
コンロの奥、グリルの排気口の上にあたる部分は、そのままでは活用しにくいデッドスペースです。
「コンロ奥ラック」は、このスペースに鍋やフライパンを一時的に置けるようにする専用ラックです。
熱に強い設計になっているものが多く、調理直後の熱い鍋をそのまま置ける製品もあります。
使用者の声としても、換気口の上に鍋を置ける場所があると便利で、熱に強く熱々のまま置けるうえ、滑り止めが付いていて動きにくいという点が評価されています。
📎 出典:ニトリネット|コンロ奥ラック
コンロ奥ラックを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 排気口をふさがないか | グリルの排気を妨げない設計・設置位置になっているか |
| 耐熱性 | 熱い鍋を直接置いても問題ない素材か |
| 滑り止めの有無 | 鍋を置いたときにずれにくいか |
| コンロの幅への対応 | 「コンロ幅〜60cm用」など、対応サイズが自宅と合っているか |
コンロ奥ラックを設置する際は、グリルの排気口をふさぐ位置に置かないよう注意してください。排気がふさがれると、不完全燃焼や異常燃焼の原因になります。
排気口をふさいではいけない理由は、ガスコンロの排気口掃除の方法|正しい手順とふさいではいけない理由で詳しく解説しています。
コンロ横ラック|調味料・調理器具の収納
コンロの横にスペースがある場合、「コンロ横ラック」を使うと、調味料や調理器具をコンロのすぐそばに収納できます。
2段タイプのラックでは、下段のメッシュ棚に鍋などの重めのものを置き、上段にスパイスなどの小さな瓶を並べるといった使い分けができる製品もあります。
サイドにフックが付いていて、おたまやトングなどを吊り下げられるタイプもあり、調理中の動線を短くする工夫がされています。
コンロ横ラックを選ぶときの注意点
コンロのすぐ横に置く収納は、火や熱の影響を受けやすい場所でもあります。
次の点に気をつけて選びましょう。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 耐熱性 | コンロの熱による変形・変色のリスクがない素材か |
| コンロとの距離 | 炎に近すぎる位置に可燃物を置かない |
| 調味料の油汚れ対策 | 油はねがつきやすい場所なので、拭き取りやすい素材を選ぶ |
| 転倒防止 | 地震などでラックごと転倒しないよう、安定性のある製品を選ぶ |
木製やプラスチック製の収納ラックを使う場合は、コンロから十分な距離を取って設置し、油はねが直接かかる位置は避けるようにしましょう。
コンロ下収納のコツ
コンロの下(キャビネット内)は、フライパンや鍋、ボウルなどの調理器具を収納するのに向いたスペースです。
伸縮ラックやフライパンスタンドなど、コンロ下専用の収納グッズを使うと、重ねて収納しがちな調理器具を取り出しやすく整理できます。
横幅が異なる収納ボックスを組み合わせて、高さのあるものとないものを分けて収納すると、デッドスペースを減らせるという工夫も紹介されています。
コンロ下収納を整理するときのポイントは次のとおりです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| よく使うものを手前に | 取り出す頻度が高い調理器具を手前・上段に配置する |
| 縦置きを活用する | フライパンやまな板は立てて収納すると取り出しやすい |
| ボックスでグルーピングする | 同じ用途のものをまとめて、出し入れをスムーズにする |
| 重いものは下段に | 鍋やホーロー容器など重いものは下段に置き、安定させる |
コンロ下に収納するものの重さによっては、キャビネットの棚板の耐荷重を超えないよう注意しましょう。
賃貸物件でコンロ台を使うときの注意点
賃貸物件では、床や壁への穴あけ・固定を伴う収納の設置が難しい場合があります。
突っ張り式のラックであれば、壁や床を傷つけずに設置できる製品もあり、狭いスペースでも活用しやすい選択肢です。
パーツを組み合わせてカスタムできるタイプのラックも、賃貸のキッチンサイズに合わせやすいという利点があります。
設置前には、退去時の原状回復が必要かどうかも確認し、粘着シートや突っ張り棒を使う場合は、壁や床材への影響がないタイプを選ぶようにしましょう。
コンロ周りにものを置くときの安全上の注意
底上げ台やラックを設置する際は、便利さだけでなく安全面にも配慮する必要があります。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 炎の近くに燃えやすいものを置かない | 引火・延焼のリスクがある |
| 排気口をふさぐ位置に置かない | 不完全燃焼・異常燃焼の原因になる |
| 調理中に袖口や体が炎に近づく配置を避ける | 衣類への引火(着衣着火)のリスクがある |
| 耐荷重を超えて物を置かない | ラックの破損・転倒のリスクがある |
コンロ奥のものを取ろうとして、火のついたコンロの上に袖口や体が近づき、衣類に火が燃え移る事故(着衣着火)も報告されています。
コンロの火が付いているときは、炎の上を挟んで奥のものを取ったり置いたりしないようにしてください。
コンロ奥ラックを使う場合も、調理中に頻繁に手を伸ばす必要がない配置を工夫すると、事故のリスクを減らせます。
よくある質問
底上げ台は自分で手作りしても大丈夫ですか?
耐熱性のある素材を使えば、手作りすることも可能です。ただし、木材などの可燃性の高い素材だけで作ると、コンロの熱や吹きこぼれによって劣化や変色、最悪の場合は発火のリスクが高まります。手作りする場合は、天板部分にステンレスなどの金属板を使う、市販の耐熱ボードを組み合わせるといった工夫をしましょう。不安な場合は、はじめから耐熱設計されている市販の底上げ台を選ぶほうが安全です。
IH用の底上げ台をガスコンロで使ってもよいですか?
製品によります。IH用として販売されているものは、IH機器を前提にした耐熱設計や重量設計になっている場合があるため、ガスコンロで使う場合は、炎からの距離や耐熱性が十分かどうかを事前に確認する必要があります。パッケージや商品説明に対応機器の記載がない場合は、販売元に問い合わせるか、ガスコンロ対応と明記された製品を選ぶことをおすすめします。
コンロ奥ラックを置くと排気口をふさいでしまいませんか?
製品によっては、排気口の位置を避けた形状や、排気カバー付きの設計になっているものがあります。購入前に、自宅のコンロの排気口の位置とラックの形状を照らし合わせて確認してください。排気口をふさぐと、グリル使用時に不完全燃焼や異常燃焼を起こすおそれがあるため、排気の妨げにならない製品・設置方法を選ぶことが重要です。心配な場合は、排気口から離れた場所への設置を検討しましょう。
コンロの高さを直接変える方法はありますか?
底上げ台で高さを調整する以外に、コンロ自体をより高さの合う機種に買い替えるという方法もあります。特に、グリルレスの薄型モデルなど、標準的な機種より設置面が大きく低くなるコンロを使っている場合は、底上げでは対応しきれないこともあります。日常的に腰への負担が大きいと感じる場合は、底上げ台の使用と並行して、機種の見直しも検討してみてください。
コンロ横に木製のラックを置いても大丈夫ですか?
木製のラックであっても、コンロから十分な距離を取り、油はねや炎が直接かかる位置を避ければ使用できる場合があります。ただし、キッチンは火や熱を扱う環境のため、コンロのすぐ隣に燃えやすい素材の収納を置くのは避けたほうが安全です。耐熱性のあるスチールやステンレス製のラックを選ぶか、木製のものを使う場合はコンロから離した位置に設置することをおすすめします。
まとめ
コンロ台・底上げ台は、高さの不満や収納の悩みを解決できる便利なアイテムですが、耐熱性と安全な設置場所への配慮が欠かせません。
最後に要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 底上げ台 | 目的を決め、耐熱・不燃素材を選び、設置後のぐらつきを確認する |
| コンロ奥ラック | 排気口をふさがない位置・形状のものを選ぶ |
| コンロ横ラック | 炎からの距離と耐熱性を確認する |
| コンロ下収納 | よく使うものを手前に、重いものは下段に |
| 安全面 | 炎の近くに燃えやすいものを置かない、着衣着火に注意する |
まずは調理台とコンロの高さの差、コンロ周りで活用できていないスペースを確認し、目的に合った台やラックを探してみてください。

