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レンジフードとは?仕組み・部品の名称・種類の基本をまとめて解説

レンジフードの仕組みや基本構造を、整流板・フィルター・ファン・本体などの部品名称と空気の流れを示して解説した画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

キッチンのリフォームの見積書に「レンジフード」「整流板」「前幕板」と並んでいて、どれが何を指すのか分からずに手が止まっていませんか。

あるいは、掃除や部品の注文をしようとして、名前が分からずに検索に困ったという方もいるかもしれません。

レンジフードは、コンロの上で油煙や熱、燃焼ガスを屋外へ出すための換気設備で、いくつもの部品が組み合わさってできています。

仕組みと部品の名前を一度押さえておくと、掃除も、故障時の相談も、買い替えの比較も格段にスムーズになります。

この記事では、レンジフードの定義と役割、空気が流れる仕組み、各部品の名称と働き、ファンや形の種類、サイズと設置の基本までを順に解説します。

  • レンジフードの役割と、法律で換気が求められている理由
  • 整流板・幕板・シロッコファンなど、部品の名称と働き
  • ファンと形の種類、サイズと設置の基本
目次

レンジフードとは|コンロの上の「集めて出す」換気設備

レンジフードとは、コンロの上部に設置され、調理で発生する油煙・水蒸気・熱・においなどを集めて屋外へ排出する換気設備です。

「フード(覆い)」の名前のとおり、コンロの上を覆うように取り付けられ、立ち上る空気を効率よく捕まえられる形になっています。

英語では「range hood」と呼ばれ、日本語の「レンジフード」もここから来ています。

「range」は調理用のこんろ全体を指す言葉で、電子レンジのことではありません。

イギリス英語では「cooker hood」、業務用の分野では「kitchen hood」や「exhaust hood」と呼ばれることもあります。

日本の住宅では、次のような呼び方が混在しています。

呼び方主に指しているもの
レンジフードコンロ上の覆い(フード)とファンが一体になった換気設備全体
換気扇ファンで空気を動かす機器全般。レンジフードを含めて呼ぶことも多い
キッチンフード・コンロフードレンジフードとほぼ同じ意味で使われる
レンジフードファンメーカーの取扱説明書などで使われる正式に近い呼び方

日常会話では「換気扇」とまとめて呼ばれることが多いですが、部品の購入やメーカーへの問い合わせでは「レンジフード」と伝えるほうが話が通じやすくなります。

レンジフードの3つの役割

レンジフードの役割は、「煙を吸うこと」だけではありません。

大きく分けると、次の3つの役割があります。

役割内容役割を果たせないと
① 油煙・においの排出調理中の油煙やにおいを屋外へ出す壁・天井・家具に油が付き、部屋ににおいが残る
② 熱・水蒸気の排出コンロの熱や鍋の湯気を逃がすキッチンが暑くなり、結露やカビの原因になる
③ 燃焼ガスの排出と酸素の確保ガスコンロの燃焼で出る排ガスを外へ出す室内の酸素が減り、不完全燃焼につながる

特に重要なのが③です。

ガスコンロは室内の空気を使って燃焼し、燃焼後のガスを室内に出します。

換気が不十分なまま長時間ガスコンロを使うと、室内の酸素が不足して不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生するおそれがあります。

建築基準法でも換気設備の設置が求められている

📎 出典:FUJIOH(富士工業)|必要換気量についての条件

富士工業は、建築基準法では調理室にコンロなど火を使う設備を設けた場合、法令で定める技術基準に従って換気設備を設けなければならないと説明しています。

必要な換気量は、建築基準法施行令第20条の3と関連する告示にもとづき、燃料の消費量などから計算して求める仕組みです。

レンジフードは、この法律上の換気の役割を担う設備でもあります。

一方、IHクッキングヒーターのように火を使わない調理機器については、換気量を定める法規定は現在ないとしています。

ただし、熱や水蒸気、においは発生するため、IHのキッチンでもレンジフードは欠かせません。

IHは上昇気流が弱く、ガスコンロよりも油煙を吸い込みにくい傾向があるため、レンジフードの位置や運転の仕方がより大切になります。

レンジフードの仕組み|空気が流れる順番

レンジフードの中では、空気が次の順番で流れていきます。

順番空気が通る場所そこで起きること
1コンロの上油煙・湯気・燃焼ガスが熱で上昇する
2フード(覆い)広がろうとする空気を受け止めて集める
3整流板・フィルター吸い込み口を絞って流れを速め、油を受け止める
4ファンモーターで回転し、空気を吸い上げて送り出す
5ダクト(プロペラファンは壁の開口)空気を屋外まで運ぶ
6屋外の排気口外気や雨の逆流を防ぎながら排出する

ここで見落とされがちなのが、「出した分の空気はどこから入ってくるのか」という点です。

レンジフードは室内の空気を外に出す設備なので、同じ量の空気を外から取り入れなければ、十分に換気できません。

最近の住宅は気密性が高いため、給気が足りないと、吸い込みが弱い、ドアが重くなる、すき間から「ヒュー」という音がするといった症状が出やすくなります。

こうした問題に対応するため、レンジフードの運転に合わせて給気口のシャッターを開く「給気連動」や、排気と同時に給気も行う「同時給排型」のレンジフードも使われています。

換気扇が弱いと感じたときは、窓を少し開けてみて吸い込みが良くなるかどうかを確かめると、給気不足かどうかの目安になります。

レンジフードの部品の名称と役割

レンジフードは、次のような部品で構成されています。

機種によって付いていない部品もありますが、名前を知っておくと取扱説明書や見積書が読みやすくなります。

スクロールできます
部品の名称場所役割
フード(本体・外装)コンロの真上立ち上る空気を受け止め、ファンへ導く
整流板本体の下面吸い込み口を周囲に絞り、空気の流れを速める
グリスフィルター吸い込み口油煙中の油を受け止める
オイルキャッチ・オイルトレー整流板の奥・本体の縁落ちてきた油や結露水を溜める
ファン(羽根)本体の内部回転して空気を吸い上げる
ベルマウス・ファンカバーファンの手前空気をファンへスムーズに導く
モーターファンの奥ファンを回す動力
照明本体の下面手元を照らす
スイッチ・操作パネル本体の前面運転・風量・照明・タイマーの操作
幕板(前幕板・横幕板)本体と天井のすき間ダクトを隠し、見た目を整える
ダクト天井裏・壁の中空気を屋外まで運ぶ管
シャッター・ダンパー本体の出口・ダクト停止中の逆流を防ぐ、火災時に閉じる
排気口(ベントキャップ・屋外フード)外壁雨や風、虫の侵入を防ぎながら排気する

整流板

整流板は、スリム型のレンジフードの下面に付いている平らな板です。

板と本体の間に細いすき間をつくることで、吸い込む空気の流れを速め、油煙を効率よく捕まえる役割があります。

整流板付きの機種は、網状のフィルターを持たないものが多く、表面を拭くだけで日常の掃除ができるのが特徴です。

グリスフィルター

グリスフィルターは、ファンの手前に取り付けられる油受けのフィルターです。

金属製で、細長い穴が並んだものや網目状のものなどがあります。

ブーツ型(深型)のレンジフードでは、下面に2〜3枚並んで取り付けられていることが一般的です。

📎 出典:東京消防庁|キッチンまわりの豆知識

東京消防庁は、レンジフードやグリスフィルターは清掃を行うことが定められていると案内しています。

レンジフードやフィルターに油脂が付いた状態で調理を続けると、着火して火災になる危険があります。

フィルターや整流板は、見た目を保つためだけでなく、火災を防ぐためにも定期的な掃除が必要な部品です。

ファンとモーター

ファンはモーターに取り付けられて回転し、空気を吸い上げます。

レンジフードのファンには、筒状に細かい羽根が並んだ「シロッコファン」と、扇風機のような「プロペラファン」の2種類があります。

違いについては、次の章で詳しく解説します。

幕板(前幕板・横幕板)

幕板は、レンジフード本体と天井の間のすき間をふさぐ板です。

正面の板を「前幕板」、側面の板を「横幕板」と呼びます。

換気の性能には直接関係しませんが、ダクトや配線を隠し、キッチンの見た目を整える役割があります。

天井の高さに合わせて幕板の高さを選ぶため、交換の見積もりでは本体と別の項目として記載されることが多い部品です。

シャッター・ダンパー

シャッターやダンパーは、空気の出口で開閉する弁のような部品です。

運転中は開いて排気し、停止中は閉じて外気や雨の逆流を防ぎます。

ダクトの途中には、火災の熱で閉じて炎が広がるのを防ぐ「防火ダンパー」が設けられていることもあります。

止めているのに外から風が入ってくる場合は、このシャッターやダンパーの不具合が考えられます。

詳しい原因と対処は風が入ってくる症状の原因と対策を解説した別記事で解説しています。

ファンの種類|シロッコファンとプロペラファン

レンジフードの性格は、どちらのファンを使っているかで大きく変わります。

📎 出典:パナソニック|プロペラファンとシロッコファンの違いを教えてください。(レンジフードに関して)

パナソニックは、プロペラファンタイプはフードから直接排気するため、外壁への風圧が弱く、背面や側面から直接外へ排気できる一戸建て住宅に適しているとしています。

一方、シロッコファンタイプはダクトを通して排気できるため、風圧が強い高層住宅や、背面から直接排気できない場所に適していると説明しています。

比較項目シロッコファンプロペラファン
形筒状に細かい羽根が並ぶ扇風機のような数枚の羽根
排気の方法ダクトを通して屋外へ背面の壁から直接屋外へ
設置できる場所外壁に面していないキッチンにも設置できる外壁に面したキッチンに限られる
外の風の影響受けにくい強風時に吸い込みが落ちやすい
向いている住宅マンション・高層住宅・対面キッチン外壁に面した壁付けキッチンの戸建て
掃除羽根のすき間に油が溜まりやすい羽根が少なく洗いやすい

現在の新築住宅やマンションでは、設置場所の自由度が高いシロッコファンが主流です。

プロペラファンは、築年数の経った戸建て住宅の壁付けキッチンで多く見られます。

プロペラファンからシロッコファンへの交換は、壁の開口やダクトの工事が必要になるため、単純な付け替えより工事の範囲が広くなる点に注意が必要です。

形の種類

レンジフードは、形や取り付け方によってもいくつかの種類に分かれます。

種類特徴よく見かける場所
スリム型(フラット型)薄く、下面に整流板がある。掃除しやすい現在の新築・リフォームの主流
ブーツ型(深型)箱型で奥行きがあり、金属フィルターが付く築年数の経った住宅・賃貸住宅
浅型(プロペラファン)壁に取り付けたプロペラファンをフードで覆う外壁に面した壁付けキッチン
アイランド型天井から吊り下げ、四方が開いているコンロが部屋の中央にあるアイランドキッチン
サイドフード型壁付けだが、片側が壁に接していない対面キッチン・ペニンシュラキッチン

どの形を選べるかは、キッチンのレイアウトと、ダクトや排気口の位置によって決まります。

買い替えの際は、今と同じ形を選ぶと工事が最小限で済むことが多く、別の形に変えると幕板やダクトの工事が加わることがあります。

サイズと設置の基本

幅はコンロと同じか、それより広く

📎 出典:パナソニック|レンジフードの幅はどのサイズを選べば良いでしょうか。

パナソニックは、レンジフードの幅は調理機器と同じ幅以上が必要だとしています。

たとえばトッププレートの幅が750mmのコンロであれば、幅750mmか900mmのレンジフードを選ぶという考え方です。

また、一般的に幅が広いほうが煙を捕まえやすく、周りに壁や吊り戸棚の少ない対面キッチンでは、大きめの幅がすすめられています。

家庭用のレンジフードの幅は、60cm・75cm・90cmが主な規格です。

コンロの幅は60cmと75cmが多いため、幅75cmのコンロに幅60cmのレンジフードを組み合わせると、両端から油煙が逃げやすくなります。

高さ・離隔距離は条例で決まる

コンロとレンジフードの間の距離は、近すぎると火災の危険があり、遠すぎると油煙を吸い込みにくくなります。

火元からの離隔距離や使える材料の条件は、消防法にもとづく火災予防条例で定められており、設置の条件は自治体によって異なる場合があります。

レンジフードの取り付け高さは、見た目や頭をぶつけにくいかだけで決めず、条例と取扱説明書の条件を満たしているかで判断することが大切です。

DIYで高さを変えたり、可燃性の素材を貼ったりすることは避けましょう。

レンジフードの主な機能

最近のレンジフードには、換気以外にもさまざまな機能が付いています。

カタログや見積書でよく見かける機能を整理すると、次のようになります。

スクロールできます
機能内容便利な場面
風量切り替え弱・中・強などで吸い込む力を変える煮込みは弱、炒め物や揚げ物は強
切り忘れ防止タイマー一定時間で自動的に停止する調理後の運転を消し忘れたとき
残置運転(遅れ停止)スイッチを切ったあと数分間運転を続ける調理後の油煙やにおいを出し切る
コンロ連動コンロの点火・消火に合わせて自動で運転・停止するスイッチの押し忘れを防ぐ
自動運転(センサー)温度や煙を感知して風量を自動で調整する風量の切り替えを任せたいとき
常時換気ごく弱い風量で運転し続ける住宅全体の換気の一部として使う
LED照明手元を明るく照らす夜の調理・手元の確認
ファン自動洗浄お湯などでファンを自動的に洗うファン掃除の手間を減らしたいとき
ファンお手入れ不要設計油をファンの手前で分離し、長期間ファン掃除を不要にする共働きなど掃除の時間が取りにくい家庭

コンロ連動は、対応するコンロとレンジフードの組み合わせでなければ使えない点に注意が必要です。

メーカーが違う組み合わせでは連動しないことが多く、同じメーカーでも対応していない機種があります。

コンロとレンジフードを別々のタイミングで交換する場合は、連動機能の対応状況を事前に確認しておきましょう。

ファン自動洗浄やファンお手入れ不要設計は、日常の掃除を大きく減らせる一方で、本体の価格が上がる傾向があります。

また、「ファンの掃除が不要」であっても、整流板や油を受けるトレイなど、定期的な手入れが必要な部分は残ります。

機能を選ぶときは、どの部品のお手入れが減り、どの部品のお手入れが残るのかを取扱説明書やカタログで確認しておくと、購入後のギャップがありません。

住まい別に知っておきたいポイント

レンジフードの注意点は、住まいの種類によっても変わります。

戸建て住宅

戸建て住宅では、キッチンの位置によってプロペラファンとシロッコファンのどちらも使われています。

外壁に面した壁付けキッチンで、プロペラファンの換気扇を長く使っている家庭も少なくありません。

プロペラファンは外の風の影響を受けやすいため、強風の日に吸い込みが落ちたり、止めているときに外気が入ったりすることがあります。

屋外の排気口は、鳥の巣や虫、ホコリで詰まっていないかを、年に1回程度外から確認しておくと安心です。

マンション

マンションでは、ダクトで排気するシロッコファンのレンジフードが一般的です。

気密性が高いため、給気口が閉まっていると吸い込みが極端に弱くなることがあります。

換気扇が弱いと感じたら、まず給気口のフィルターの汚れや、給気口が閉じていないかを確認しましょう。

また、ダクトや屋外の排気口は共用部分に関わることがあるため、交換や工事の前に管理規約と管理組合への確認が必要になる場合があります。

賃貸住宅

賃貸住宅のレンジフードは、多くの場合、建物の設備として貸主の所有物です。

日常の掃除は入居者が行いますが、故障や経年劣化による不具合は、管理会社や大家さんに連絡するのが基本です。

自分で部品を交換したり、市販のフィルターを粘着テープで固定したりすると、退去時に原状回復を求められることがあります。

気になる症状が出たら、自分で分解する前に管理会社へ相談しましょう。

症状から考えるレンジフードの状態

レンジフードの調子が悪いと感じたときは、症状からどの部品に原因がありそうかをおおまかに推測できます。

症状考えられる部品・原因まず確認すること
煙を吸い込まないフィルター・整流板の汚れ、給気不足、ダクトや排気口の詰まりフィルターの汚れ、窓を開けると改善するか
「ガラガラ」「カタカタ」と音がするファンの汚れ・取り付け不良・変形ファンの油汚れ、固定つまみの締まり具合
「ウーン」とうなる音が大きいモーターの劣化使用年数(10年以上か)
止めているのに風が入るシャッター・ダンパーの不具合屋外の排気口やシャッターの動き
スイッチを押しても動かない電源・ブレーカー・スイッチ・モーターブレーカーが落ちていないか
油が垂れてくるオイルキャッチ・フィルターの油の溜まりすぎオイルキャッチの油の量
焦げたような臭いがするモーターの過熱・電気系統の異常すぐに運転を止める

焦げたような臭いや、本体が異常に熱くなっている場合は、すぐに運転を止め、使用を中止してください。

モーターや電気系統の異常は、分解して確かめるものではありません。

メーカーの修理窓口や、設備を扱う業者に点検を依頼しましょう。

掃除で改善することが多いのは、吸い込みの低下や「ガラガラ」という音などの汚れが原因の症状です。

一方で、うなるような音やスイッチの不具合、10年以上使っている機種での複数の症状は、部品の劣化が進んでいる可能性があります。

レンジフードを正しく使うためのポイント

レンジフードの性能を十分に発揮させるには、使い方にもコツがあります。

  • 調理を始める少し前から運転し、最初の油煙から吸い込めるようにする
  • 調理後も数分間は運転を続け、残った油煙と熱を排出する
  • 強い炒め物や揚げ物のときは風量を「強」にする
  • 給気不足を感じたら、給気口を開けるか、窓を少し開ける
  • 整流板・フィルター・オイルキャッチを定期的に掃除する

換気扇を長く回すと電気代が気になるかもしれませんが、レンジフードの電気代は風量や運転時間によって変わります。

使い方ごとの目安は換気扇は24時間つけっぱなし?場所別の電気代と正しい使い方とはで解説しています。

レンジフードは、使い続けるうちにモーターやファンが少しずつ劣化していく設備です。

一般的に10〜15年が寿命の目安とされ、異音や吸い込みの低下が交換のサインになります。

交換の目安は寿命や交換サインを解説した別記事で、交換にかかる費用は交換費用の相場を解説した別記事で詳しく解説しています。

レンジフードについてのよくある勘違い

レンジフードについては、次のような勘違いがよく見られます。

よくある勘違い実際のところ
レンジフードは電子レンジ用の換気扇「range」はこんろのこと。コンロ上の換気設備を指す
IHなら換気はいらない燃焼ガスは出ないが、熱・水蒸気・油煙・においは出る
フィルターがないのは付け忘れ整流板式のスリム型は、フィルターなしで設計された機種が多い
強で回せば必ずよく吸う給気が足りないと、強にしても吸い込みは上がりにくい
止めていれば外気は入らないシャッターやダンパーが傷むと、停止中も外気が入る
見た目がきれいなら掃除は不要ファンやダクトの内部には、見えない油が溜まっていく

特に「IHだから換気は弱くてよい」という考え方には注意が必要です。

IHはガスの炎による上昇気流がないため、油煙がゆっくり広がり、かえってレンジフードに吸い込まれにくい面があります。

IHでも調理中はレンジフードを運転し、揚げ物や炒め物では風量を上げるようにしましょう。

よくある質問

Q1. レンジフードと換気扇は同じものですか?

換気扇は、ファンで空気を動かして換気する機器全般を指す言葉です。レンジフードは、そのうちコンロの上に設置し、フード(覆い)で油煙や熱を集めて屋外へ出す設備を指します。日常会話ではキッチンのレンジフードも「換気扇」と呼ばれることが多く、厳密に使い分けられているわけではありません。ただし、部品の購入やメーカーへの問い合わせでは「レンジフード」と伝えるほうが、機種の特定がスムーズに進みます。

Q2. レンジフードは英語で何と言いますか?

アメリカ英語では「range hood」と呼ばれ、日本語の「レンジフード」はこの言葉から来ています。「range」は調理用のこんろ全体を指す言葉で、電子レンジという意味ではありません。イギリス英語では「cooker hood」と呼ばれることが多く、業務用の厨房では「kitchen hood」や「exhaust hood」という言い方も使われます。海外製品や輸入キッチンの資料を読むときは、これらの言葉を目印にすると探しやすくなります。

Q3. レンジフードの部品の名前が分からないときはどう調べればよいですか?

まず、レンジフード本体の型番を確認します。型番は、整流板やフィルターを外した奥の本体内側に貼られた銘板に記載されていることが多いです。型番でメーカーの公式サイトを検索すると、多くの機種で取扱説明書を確認でき、部品の名称と位置が図で示されています。部品を購入したい場合も、型番が分かればメーカーの部品窓口や公式ストアで対応する部品を探せます。

Q4. IHクッキングヒーターでもレンジフードは必要ですか?

必要です。IHは炎を使わないため燃焼ガスは出ませんが、調理中の熱や水蒸気、油煙、においは発生します。換気をしないと、壁や天井に油が付いたり、湿気で結露やカビが発生したりする原因になります。また、IHはガスコンロのような強い上昇気流がないため、油煙が広がりやすく、レンジフードに吸い込まれにくい傾向があります。調理中は必ず運転し、油を多く使う料理では風量を上げましょう。

Q5. マンションのレンジフードはどのタイプが多いですか?

マンションでは、ダクトを通して排気できるシロッコファンのレンジフードが多く採用されています。キッチンが外壁に面していない間取りでも設置でき、高層階の強い外風の影響を受けにくいためです。形としては、新しい物件では整流板付きのスリム型が、築年数の経った物件ではブーツ型が多く見られます。気密性が高い住戸では、給気と排気を同時に行うタイプや、給気口と連動するタイプが使われていることもあります。

まとめ

レンジフードは、コンロの上で油煙・熱・燃焼ガスを集めて屋外へ出す換気設備です。

最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
レンジフードとはコンロ上のフードとファンが一体になった換気設備(英語は range hood)
主な役割油煙・においの排出、熱・水蒸気の排出、燃焼ガスの排出と酸素の確保
主な部品フード・整流板・グリスフィルター・ファン・モーター・幕板・ダクト・シャッター
ファンの種類ダクトで排気するシロッコファン、壁から直接排気するプロペラファン
形の種類スリム型・ブーツ型・浅型・アイランド型・サイドフード型
サイズの基本幅はコンロと同じか広く、高さや離隔距離は条例と取扱説明書で確認

まずは自宅のレンジフードの型番と、ファンの種類、付いている部品を確認してみてください。

仕組みが分かれば、掃除や修理、買い替えの判断で迷うことがぐっと少なくなります。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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