追い焚きの調子がおかしく、リモコンに572や582が表示されている。
三方弁という部品名を調べても、何をしているのか掴みにくいところです。
この番号を理解する鍵は、パーパスの一部の機種が、ドレン排水を追いだき配管を使って処理しているという点にあります。
経路を切り替えているのが三方弁です。
この記事では、その仕組みを押さえたうえで、症状の出方と自分で確認できる範囲を整理します。
572・582は経路を切り替える弁の異常
パーパスの公式エラー番号一覧では、関連する番号が次のように分かれています。
| 番号 | 内容 |
|---|---|
| 572 | 三方弁異常 |
| 582 | 三方弁ユニット異常 |
| 762 | 三方弁ユニットの通信異常 |
| 912 | 三方弁ユニットの取付配管異常 |
572が弁そのもの、582がユニット全体、762は本体との通信、912は取り付け状態を示しています。
なお912は機種の系統によって別の内容で記載されている表もあるため、型番に対応する取扱説明書で確認してください。
三方弁は何を切り替えているか
三方弁は、その名のとおり3つの方向を切り替える弁です。
どこからどこへ水を流すかを、状況に応じて変える役割を持っています。
パーパスには、ドレン配管を新たに引けない既築の集合住宅向けに「ドレンマジック」という仕組みを備えた機種があります。
この方式では、内蔵の中和器で中和したドレン水をいったんドレンタンクに回収し、タンクに一定量以上たまると、湯はりや追いだきを使っていないタイミングで回路を自動的に切り替えます。
そして追いだき配管を経由して浴槽のドレンパンへ排水し、排水後は配管を洗浄して通常の追いだき回路に戻します。
📎 出典:パーパス株式会社「ドレンマジック」
この切り替えを担っているのが三方弁です。
通常は追いだき回路、排水時はドレン排出の経路、という具合に流路を変えています。
ドレン排水と追い焚きの両方に影響する
三方弁が動かないと、影響が2方向に出ます。
- ドレン排水ができない:タンクにたまったドレン水を排出できず、中和器やドレンタンクの番号が併発することがあります
- 追い焚きに影響する:流路が正しく戻らないと、循環が想定どおりに行われません
572・582と、290・291・440といったドレン系の番号が前後して出ている場合は、原因が三方弁側にある可能性があります。
出ている番号はすべて控えて修理時に伝えてください。
もうひとつの手がかりとして、この方式の機種では、誰も使っていないのに給湯器や浴室から水が流れる音がすることがあります。
これは自動排水が動作している音で、故障ではありません。
逆に、以前は聞こえていたその音がしなくなった場合、排水の動作が止まっている可能性があります。
912は取付の確認で改善する可能性がある
572・582の処置は修理の依頼ですが、912だけは扱いが違います。
公式の処置欄は、三方弁ユニットの取付を確認し、問題がなければ修理を依頼、となっています。
つまり、まず利用者または施工者による確認を前提にした番号です。
取り付け方や配管の接続に問題があると表示されます。
心当たりがあるのは次のような場面です。
- 給湯器を新しく設置した直後
- 修理でユニットや配管を触った直後
- 浴室のリフォームで追いだき配管を触った直後
配管の接続は使っているうちに勝手に変わるものではありません。
工事の直後に912が出た場合は、メーカーの修理窓口より先に、作業を行った施工業者に連絡するのが早道です。
浴室側も確認する
この方式では、排水の出口が浴槽のドレンパンになります。
そのため、浴室側の排水口がふさがっていると、排水しきれずに詰まりと同じ状態になります。
確認するのは次の点です。
- 浴室の排水口に髪の毛やゴミが詰まっていないか
- ヘアキャッチャーが目詰まりしていないか
- 浴槽エプロン内やドレンパンに水がたまっていないか
一般的なドレン配管の機種と違い、浴室の掃除状態が機器の動作に関わってくる点が特徴です。
572や582が出ている場合も、まずここを見ておくと切り分けが進みます。
542・543との違い
似た役割の番号がもうひとつあります。
| 番号 | 内容 | 役割の違い |
|---|---|---|
| 542・543 | 切替弁異常 | 湯はりや追いだきの流路を切り替える |
| 572・582 | 三方弁異常 | ドレン排出を含む経路を切り替える |
どちらも流路を切り替える部品ですが、担当している経路が違います。
症状としては、542・543は自動湯はりが動かないといった形で現れやすく、572・582はドレン排水と追い焚きの両方に影響が出やすくなります。
自分で確認できること
- 浴室の排水口とヘアキャッチャーが詰まっていないか
- 浴槽の水位が循環金具より上にあるか
- 循環金具のフィルターが詰まっていないか
- 設置や修理、リフォームの直後ではないか
- 運転スイッチを切って入れ直しても再発するか
本体のカバーを外して弁やユニットを確認する、配管を外すといった作業は行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 浴室の排水口の詰まりが原因だった | 掃除して改善するか確認 |
| 工事や修理の直後に912が出た | 施工した業者に取付の確認を依頼 |
| リセットで消え、再発しない | 経過を見る |
| ドレン系の番号も同時に出ている | 三方弁側の可能性。番号をすべて伝えて修理を依頼 |
| リセットしても消えない | 修理を依頼する |
| 使用年数10年以上で繰り返す | 交換を検討 |
弁は動く部品なので、経年で動作が渋くなったり固着したりします。
この方式の機種では排水のたびに切り替えが行われるため、動作回数が多い部品でもあります。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
また補修用の部品は製造終了からおおむね10年で供給が終わるため、年数の経った機種ではユニットの在庫がないこともあります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、そもそも点火しない場合は572ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
他社での番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
よくある質問
Q. 三方弁ユニットは、どの機種にも付いていますか。
A. 付いていません。ドレン配管を新たに引けない住宅向けの方式に使われる部品なので、搭載されているのは一部の機種です。一般的なエコジョーズは専用のドレン配管から屋外へ排水するため、三方弁ユニットはありません。572や582が表示されているということは、その方式の機種をお使いということになります。取扱説明書で機種の仕様を確認してください。
Q. 誰も使っていないのに浴室で水の音がしていました。故障ですか。
A. 故障ではありません。この方式の機種では、タンクにたまったドレン水を、湯はりや追いだきを使っていないタイミングで自動的に排水します。その際に追いだき配管を経由して浴槽のドレンパンへ流すため、水の音がします。排水後は配管を洗浄して通常の回路に戻ります。むしろ正常に動作している証拠です。
Q. 572と一緒に291も出ています。どちらが原因ですか。
A. どちらが先かは番号だけでは判別できませんが、原因が三方弁側にある可能性があります。三方弁が切り替わらないとドレン水を排出できず、中和器の詰まりとして291が表示されることがあるためです。逆に中和器が詰まって排水できず、三方弁側にも異常が出ることも考えられます。両方の番号を伝えて修理を依頼してください。
Q. 912が出ましたが、給湯器を交換したばかりです。
A. 取り付けや配管の接続に問題がある可能性が高い状態です。912の公式の処置は三方弁ユニットの取付を確認することとなっており、修理の前に確認を求める番号です。配管は使っているうちに勝手に変わるものではないため、工事直後であれば施工が原因と考えるのが自然です。作業を行った業者に連絡して確認してもらってください。
Q. 浴室の排水口を掃除したら症状が改善しました。またなりますか。
A. 掃除の間隔があけばまた同じ状態になります。この方式では浴槽のドレンパンが排水の出口になるため、浴室側の詰まりが機器の動作に直結します。一般的な機種より、浴室の排水まわりを清潔に保つ意味が大きいと考えてください。ヘアキャッチャーの掃除を習慣にしておくと、同じトラブルを繰り返しにくくなります。
まとめ
パーパスの572は三方弁、582は三方弁ユニットの異常です。
三方弁は水の流れる経路を切り替える部品で、ドレン配管を新設できない住宅向けの方式に使われています。
この方式では、中和したドレン水をタンクに回収し、追いだき配管を経由して浴槽のドレンパンへ排水します。
そのため三方弁が動かないと、ドレン排水と追い焚きの両方に影響が出ます。
290・291・440といったドレン系の番号が同時に出ている場合は、三方弁側が原因の可能性があります。
912については、公式の処置が取付の確認となっています。
工事や修理の直後であれば、施工した業者に連絡してください。
また浴室の排水口がふさがっていると排水しきれないため、まずそこを確認する価値があります。

