レンジフードの奥をのぞいたら、筒のような形をした部品が見えて、「これがファンなのか」と初めて意識した方もいるのではないでしょうか。
この筒状のファンは「シロッコファン」と呼ばれ、現在の家庭用レンジフードで最も広く使われているファンです。
扇風機のような羽根とは見た目が大きく異なるため、掃除の仕方や取り外し方に戸惑う方も少なくありません。
この記事では、シロッコファンの構造と仕組み、プロペラファンとの違い、お手入れの方法までを解説します。
- シロッコファンの構造と、なぜレンジフードに使われているのか
- プロペラファンとの違いと、それぞれの向き不向き
- シロッコファンのお手入れの手順と注意点
シロッコファンとは
シロッコファンとは、円筒の周りに、幅の狭い羽根が多数並んだ構造のファンです。
扇風機やプロペラファンのように軸方向へまっすぐ風を送るのではなく、円筒の側面から空気を吸い込み、外側へ送り出す仕組みになっています。
この構造により、少ない設置スペースでも効率よく空気を送り出せるのが、シロッコファンの大きな特徴です。
薄型のスリム型レンジフードや、ダクトを通して排気するタイプのレンジフードで、広く採用されています。
プロペラファンとの違い
パナソニックは、シロッコファンタイプはダクトを通して排気できるため、風圧が強い高層住宅や、背面から直接排気できない場所に適していると説明しています。
一方、プロペラファンタイプは外壁への風圧が弱く、背面や側面から直接外へ排気できる一戸建て住宅に適しているとしています。
| 比較項目 | シロッコファン | プロペラファン |
|---|---|---|
| 形 | 円筒状に細かい羽根が並ぶ | 扇風機のような数枚の羽根 |
| 排気の方法 | ダクトを通して屋外へ | 背面の壁から直接屋外へ |
| 設置できる場所 | 外壁に面していないキッチンにも設置できる | 外壁に面した壁にしか設置できない |
| 外の風の影響 | 受けにくい | 強風時に吸い込みが落ちやすい |
| 掃除 | 羽根のすき間に油が溜まりやすい | 羽根が少なく洗いやすい |
マンションや、キッチンが外壁に面していない間取りでは、ダクトで排気できるシロッコファンでなければ設置できません。
このため、現在の集合住宅や対面キッチンでは、シロッコファンが標準的な選択肢になっています。
2つのファンの違いや、換気扇との違い全般については、レンジフードと換気扇の違いとは?種類・メリット・選び方を比較でも詳しく解説しています。
シロッコファンの掃除が必要な理由
シロッコファンは、羽根の数が多く、羽根と羽根の間のすき間が狭いという構造上の特徴があります。
このすき間に油煙が入り込むと、プロペラファンよりも油が溜まりやすく、放置すると次のような問題につながります。
| 放置した場合に起こりうること | 内容 |
|---|---|
| 吸い込みの低下 | 油の重みでファンの回転が乱れ、風量が落ちる |
| 異音の発生 | 羽根に付いた油でバランスが崩れ、運転音が大きくなる |
| 換気性能の低下 | 油煙をうまく排出できず、室内に煙が残りやすくなる |
| 火災のリスク | 油が厚く蓄積した状態で使用を続けると、引火の危険が高まる |
シロッコファンは構造上、油が蓄積しやすいファンであることを理解し、定期的な掃除を習慣にすることが大切です。
掃除を怠った場合のリスクについては、レンジフードの異音の原因とは?音の種類別チェックと対処法でも解説しています。
シロッコファンの外し方
シロッコファンを掃除するには、本体から取り外す必要があります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 運転を止め、スイッチロックまたはブレーカーを切る |
| 2 | フィルターやファンカバー(ベルマウス)を外す |
| 3 | ファン中央の固定つまみを回して外す |
| 4 | ファンを手前にまっすぐ引き抜く |
固定つまみは、機種によっては一般的なネジと逆方向(左ねじ)に締まる構造になっているため、つまみやファン本体に表示された矢印を必ず確認してください。
方向を間違えたまま無理に回すと、つまみやファンの軸を傷めることがあります。
つまみが固くて回らない場合は、中性洗剤を含ませたペーパーを周りに貼り、油を緩めてから再度試しましょう。
シロッコファンのお手入れの手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 大きめの容器やゴミ袋を使い、ぬるま湯(40〜50℃程度)を張る |
| 2 | 中性洗剤を溶かし、ファンを30分〜1時間ほどつけ置きする |
| 3 | やわらかい歯ブラシで、羽根の1枚1枚を内側から外側へこすり洗いする |
| 4 | 水でよくすすぎ、洗剤を残さないようにする |
| 5 | 完全に乾かしてから、逆の手順で取り付ける |
60℃以上の熱いお湯は、樹脂部品の変形につながるおそれがあるため避けましょう。
羽根のすき間の汚れは、歯ブラシの毛先を使って、奥まで丁寧にかき出すことがポイントです。
取り付けの際は、つまみをしっかり締め、運転中にファンが外れないことを確認してください。
掃除全体の流れや洗剤の選び方は、レンジフード掃除のやり方|自分でできる手順と洗剤・頻度の目安でも詳しく解説しています。
シロッコファンのお手入れ頻度の目安
| 調理の状況 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 毎日1〜2回調理する家庭 | 3か月〜半年に1回程度 |
| 揚げ物・炒め物が多い家庭 | 2〜3か月に1回程度 |
| 調理が少ない家庭 | 半年〜1年に1回程度 |
フィルターや整流板の掃除に比べて、シロッコファンの掃除は頻度が低くて済みますが、まったく不要というわけではありません。
最終的には、取扱説明書に記載された頻度を優先してください。
近年は、ファンへの油の付着を大幅に抑え、掃除の頻度を10年に1回程度まで減らせるとする機種も登場しています。
こうした機能の実際の意味については、レンジフード「10年掃除不要」の本当の意味|メーカー別に比較で詳しく解説しています。
よくある質問
Q1. シロッコファンとは、どんな形のファンですか?
円筒の周りに、幅の狭い羽根が多数並んだ構造のファンです。円筒の側面から空気を吸い込み、外側へ送り出す仕組みで、少ない設置スペースでも効率よく排気できるのが特徴です。ダクトを通して排気するタイプのレンジフードで広く採用されています。
Q2. シロッコファンとプロペラファンは、どちらが優れていますか?
どちらが優れているというより、設置場所によって向き不向きが異なります。シロッコファンはダクトで排気できるため、外壁に面していないキッチンにも設置できます。プロペラファンは外壁に面した壁にしか設置できませんが、条件が合えば排気の効率が高いこともあります。
Q3. シロッコファンの固定つまみが固くて回りません。どうすればよいですか?
まず、つまみの締まる方向を確認してください。機種によっては一般的なネジと逆方向に締まる構造になっています。方向が正しいのに回らない場合は、油が固着している可能性があるため、中性洗剤を含ませたペーパーを周りに貼って油を緩めてから、再度試してみましょう。
Q4. シロッコファンはどのくらいの頻度で掃除すればよいですか?
毎日調理する家庭であれば、3か月〜半年に1回程度が目安です。揚げ物や炒め物が多い家庭では、2〜3か月に1回程度に早めるとよいでしょう。最終的には、取扱説明書に記載された頻度を優先してください。
Q5. シロッコファンを洗うときに熱いお湯を使ってもよいですか?
60℃以上の熱湯は避けてください。樹脂部品の変形につながるおそれがあります。つけ置きには40〜50℃程度のぬるま湯を使い、中性洗剤を溶かして油を柔らかくしてから、歯ブラシでこすり洗いするのが基本です。
まとめ
シロッコファンは、円筒状に羽根が並んだ構造で、ダクトを通した排気に適したファンです。
最後に、この記事のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 構造の特徴 | 円筒の周りに幅の狭い羽根が多数並ぶ |
| プロペラファンとの違い | ダクト排気ができ、外壁に面していない場所にも設置できる |
| 掃除が必要な理由 | 羽根のすき間に油が溜まりやすく、放置すると火災のリスクにもつながる |
| 外し方の注意点 | 固定つまみが逆ねじの機種があるため、矢印を確認する |
| お手入れの頻度 | 3か月〜半年に1回程度が目安(機種により異なる) |
まずは、自宅のレンジフードがシロッコファンかどうかを確認し、掃除の頻度の目安を把握するところから始めてみてください。
構造を理解しておけば、取り外しや掃除の作業もスムーズに進められます。

